ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか   作:七篠ロキ

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報告。
やべえ、戦争遊戯編が予想以上に長くなってしまっている…!
更新時間がどんどん遅くなってしまっている…!
何とかしないと! おのれリアル!
そしてダンまち3期楽しみ!


オラリオへの帰還、そして捜索分担

 僕達は、カサンドラさんとルルネさんを探す捜索は、翌日の朝まで続けた。

 

 しかし、ベートさん達や船から戻ってきたフィンさん達も合流し、さらに【ニョルズ・ファミリア】の人達も手伝ってくれたけど、それでも見つからなかった。

 

 全く成果がでなかったため、ベル達が意気消沈している中、フィン、ヘルメス、ニョルズ、カーリーは話し合いをしていた。

 

 

「じゃあ、昨日の報告の話では出なかったけど、【ソーマ・ファミリア】の団長とアルベラ商会の会長がそこにいたんだね?」

 

「ああ。何か事を起こしても大丈夫だろうと甘く見積もっていたから、昨日の時点では話してなかったんだ。まさかこんな事になるとは思いもしなかったからなぁ」

 

「なあ、カーリー。奪った道具とかは誰が管理していたんだ? 全部の船の中とか調べたけど、そっちも全然出てこなかったし」

 

「…イシュタルらと一緒にいた、眼鏡をかけた男と下衆な商人が管理していたわ」

 

「…なるほどね、レフィーヤの杖も道理で見つからないはずだ。【万能者】が戻ってきた時に空から見たという1台だけ離れていく馬車、しかもオラリオに向かっていたから、恐らくそれだろう。ベートの鼻もオラリオの方面に向かっていると言っていたから、まず間違いない」

 

「恐らくそうじゃろう。アヤツらが言うには、オラリオに入る伝手があるとか言っておったわ」

 

 

 あまり考えたくなかった事例が起きたことに、ヘルメスは顔を顰め、頭を痛める。

 

 

(…最悪だな。まさかあのタイミングで人をさらってくるとは思いもよらなかったし、おまけに『漆黒兜(ハデス・ヘッド)』も向こうの手にある。あの人の『置き土産』の実力を見極めようと最後の方に上手く誘導したつもりだったが、肝心の相手が予想以上に削られていたからなぁ。早くルルネ達を救出させないとまずいし、どうするか…)

 

 

 

 

 

 

 

 ヘルメス達が今後の方針について考えている一方、ヴィーザルは旅の荷物などを揃え、船に乗ってメレンから出港しようとしており、静かに去ろうとした際、乗る船の直前にあらかじめ予想していたベートに見つかった。

 

 

「はぁ…。全く、去るときは一言ぐらい声をかけろって」

 

「そっちが色々と大変そうだったから…と言っても、実際もう話すことはほとんどないからな。ロキの所に入団したっていう話は聞いている。これから先、その顎が引き裂かれる心配は昨晩に少しだけ解消されたから、心残りはもうない。後は、俺の眷属達の墓参りをしに行くぐらいだ」

 

「…オラリオの中の様子とかは見ないのか?」

 

「オラリオは入るのは簡単だが、出るのは窮屈だからな。それに、お前の顔もこうして見れた」

 

「…そうかよ」

 

 

 ベートは大きなお世話だという顔を見せながら照れくさそうに返事をし、それを見たヴィーザルは少し苦笑いをする。

 

 

(子は離れていても成長するもんだな、全く)

 

 

 ヴィーザルはそう思うと少し表情が弛み、ベートに突っ込まれる。

 

 

「おい、何だそのにやけ面は!!」

 

「いや、別に。多少解消されている傾向は見られていたが、成長してもお前のツンデレは健全だなと思ってな」

 

「喧嘩売ってんのかテメェ!!」

 

「やれやれ、先に俺が噛まれそうだな…。…さて、俺はもう行く。ベート、お前もいつか、あいつらの墓参りでも行けよ。多分みんな喜ぶからな」

 

「誰が行くか!!」

 

 

 ベートは今にも咬もうかと吠えるが、ヴィーザルはそれをスルーする。

 

 そして今度こそベートに背を向け、ヴィーザルは歩みながら手を振った。

 

 

「じゃあ、達者でな。そして俺の勘だが、お前はもうランクアップすると思うぞ」

 

「そうかよ!! ……………なっ、はぁ!?」

 

 

 ベートはどういう事か聞こうとしたが、ヴィーザルは船に乗ってしまい、そして丁度出港の合図の笛が鳴り、船が港から出てしまった。

 

 ベートは唖然としながらその船を眺め、そして徐々にその表情が哀愁へと変わっていく。

 

 その船が見えなくなるまで、ベートは眺め続けるのであった。

 

 

「ああ、全く柄じゃねえが…。達者でな、ヴィーザル…。出来れば、俺の分の墓参りでもしてやってくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、今後の方針が決まったのか、フィン達が話を終わらせ、ベートを除いたベル達の所に行く。

 

 そこには、目を覚まして捜索に協力してくれた【カーリー・ファミリア】の団員たちの姿もあった。

 

 そして、その頭領姉妹のアルガナとバーチェの姿もあった。

 

 僕達も話し合って丁度話し合った所に、フィンさんが来てくれたのか、アルガナさんはものすごく嬉しそうに抱き付こうとフィンさんの所に向かっていった。

 

 

「フィ~~~~~~~~~ン! お前の言う通り、ワタシ達の中でも話し合ったが結局の所、もうここにはいないという事になった! ワタシの勘もそう言っている! 後、ワタシと子作りしよう!! 今ここでもOKだ!!」

 

「何どさくさに頼み込んでやがるアルガナ、テメェ!! つーか、私達の前には二度と現れないという事になっているだろーが!!」

 

「そんな約束、ワタシの恋の前では無効だ!!」

 

「ふざけんなぁああああああああああ!!!」

 

 

 アマゾネスの性なのか、自らを倒したフィンさんにすっかり惚れてしまい、元の凶暴さが薄れてしまっているアルガナさんが物凄い事を頼んでいるのを、ティオネさんがそれを阻止している。

 

 2人は取っ組み合いになり、暴れている。

 

 その後ろに昨晩、船の方にいた【カーリー・ファミリア】のアマゾネスの人達が続いて行き、フィンさんの争奪戦が繰り広げられた。

 

 少し前に目を覚ましたバーチェさんとティオナさんも含めて、残った皆がそれを見て、遠い目をしている。

 

 そして、バーチェがティオナさんに向けて呟き、その言葉がすぐ傍にいた僕にも聞こえた。

 

 

「いつも私はアルガナに対して怖がっていたが、あのアルガナなら、私は怖くない。少しだけでも、私達は共に歩めることができるかもしれない」

 

 

 その言葉を聞いて、ティオナさんは破顔して笑い、僕はどういう事がすぐに考え、何となく察しが付いた。

 

 ベルがそんな考えをしている中、「もうテルスキュアは終わりじゃあ…。アルガナ含め、妾の眷属の約半分がああなってしまっているし、バーチェももう闘う理由がなくなってしまった…」と悲観しているカーリーを除いて、フィン達は争奪戦を繰り広げられている光景をスルーしてベル達に向かい、今後の方針を伝えようとする。

 

 その事に察したのか、ティオネとアルガナを含めた争奪戦が急に止まり、すぐに戻って話を聞く状況になった。ルアンは少しドン引きしたが、フィンは話を始める。

 

 

「さて、諸君。オラリオから課せられた僕達の強制任務は達成したが、二人の行方不明者を出してしまった! そのため、僕達オラリオ組はこの二人の行方を探すため、現状いる可能性が高いオラリオに帰還する! そして【カーリー・ファミリア】の皆を含めて、メレンに残る人達は二人の行方探しにどうか協力してほしい! オラリオの外に連れ出されたら探し出すのにより困難を極めてしまうため、アルベラ商会を中心に物販を調べて欲しい! 見つけた暁には、さすがに道徳に反するものは駄目だけど、何か報酬を送ろう!」

 

 

 フィンさんがそう伝え、僕達皆もまたそれに了承した。

 

 

「じゃあ、見つけたらワタシと子作りを!!」

 

「今団長が道徳に反するものは駄目だって言っただろうーが!!」

 

 

 そんな一悶着もあったが、とにかく僕達オラリオ組は都市に戻るため、後にベートさんも合流して、宿に向かって置いてある荷物をまとめ、そこからオラリオに直行することになった。

 

 その際、僕はあることに気づく。

 

 

「…もしかして、カサンドラさんの分も僕が運ぶのか…!!」

 

 

 誰にも知らせずにカサンドラさんと同じ部屋に泊まっていたため、カサンドラさんの荷物も僕がまとめることになり、例のアミッドさんの時から全く耐性ができておらず、下着などにドキドキしながら何とか詰める。

 

 他にもカサンドラさんの水着があって、誰かに見せるため用みたいなのがあったが、僕はそれを見なかったことにして鞄を閉じ、そして荷物をまとめ終わる。

 

 

(後は、部屋から出る時に誰にも見られずに…!!)

 

 

 僕はそんな希望を持ったが、現実は無常であった。

 

 ドアを開けた時、そこには同じ宿に泊まっていたダフネさんとアイズさん、レフィーヤさんがいた。

 

 

「…う、ぁ…」

 

「…………ええ!?」

 

「…あ」

 

「ん? あなたはその部屋に泊まっていたのですか。全く、まさかあの時はあなたに助けられるとは………? どうしたのですか二人とも、その反応は?」

 

 

 僕は顔を青くして、ダフネさんは唖然としており、アイズさんとレフィーヤさんは事情を知らないため全く平常運転であったが、僕らの反応に疑問符を上げている。

 

 そして、ダフネさんはすぐに察したのか、僕を二人からから遠ざけようとしている。

 

 

「あ、ああ、ベル。すぐに出発するから、ロビーに待ってて。皆すぐに来ると思うから」

 

「は、はは、はい! わ、わかりました!!」

 

「…?」

 

「……何か明らかに動揺していますね…」

 

「き、ききききき、気のせいですよ!! そ、そそ、それじゃあ!!」

 

 

 僕は逃げるようにその場から離れ、ロビーに向かおうとした時、レフィーヤさんがダフネさんに質問をした。

 

 

「あの、ダフネさん。カサンドラさんの泊まっていた部屋は何処に…?」

 

「……あ、あははは…」

 

「……こぉんのぉ、変態ヒュウマアアアアアアアアアアアン!!!」

 

「ごぶはぁ!!」

 

 

 そしてすぐに察したレフィーヤさんがLv.3の敏捷を持って荷物を持っている僕に追いついて飛び蹴りをかまし、僕は思いっきり食らった。

 

 さらにそこからビンタを何発か喰らい、僕の意識が遠のき始めている。

 

 アイズさんは未だにどういう事なのか首を傾げていた。

 

 ダフネさんは、僕がカサンドラさんの部屋に泊まっていた事に驚愕が消えておらず、愕然としたまま部屋の中の方を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな一悶着があった後。

 

 僕らはオラリオに向かってメレンから出る際、その出口にアルガナさんとバーチェさんが立っていた。

 

 

「フィ~~~~~~~ン! 次会う時はいつだ!? それまでにワタシは女として磨いておくから! そしてティオネよりも先に頂く!! まずお前の好みは何だ!?」

 

「アルガナァ!! やっぱ、ちゃんとぶちのめしとけばよかった!!」

 

「…こいつ、俺と闘った時とは別人じゃねえか…」

 

 

 フィンも前で相変わらず積極的に攻め、アルガナとティオネはもう何度目か取っ組み合いをしており、ベートはアルガナの変貌さに驚愕を隠せず、また呆れている。

 

 

「じゃあな、ティオナ。またすぐに会えるかもしれないが、そっちでも元気でな」

 

「うん! バーチェも元気でね!」

 

「こっちはすっかり仲直りになっていますのに…」

 

 

 バーチェとティオナが完全に打ちとけているため、レフィーヤはアルガナとティオネの関係と比較して、そっちに嘆いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、僕らもアルガナさんとバーチェさんに簡単な挨拶をすませ、方針の確認も行って離れる際、アルガナさんはルアンを呼び止めた。

 

 

「…おい、そこの小人族」

 

「…なんだよ?」

 

「…あの時は、すまなかったな。簡単に、馬鹿にしてな」

 

「…その反省があるなら、オイラからは特に責めないよ」

 

「所で、フィンの好みは何か知っているか? 同じ小人族なんだから、少し教えろ」

 

「おい、本当に反省しているか!?」

 

 

 アルガナさんはフィンさんと同じ小人族であるルアンからにもフィンさんの情報を聞き出そうとしている。

 

ルアンが疑念の声を上げている一方、バーチェさんは僕の方を呼び止めた。

 

 

「お前は、ベル・クラネルとか言っていたな」

 

「ええ、そうですけど…」

 

「…お前、Lv.はいくつだ?」

 

「…Lv.1です…」

 

「…そうか。そのお前が、私を倒したのか…」

 

 

 バーチェさんはLv.1の僕に倒されたことで、ショックを受けているように見えた。

 

 

「…あ、あの。言っては何ですけど、あの場合は僕が瀕死のバーチェさんにトドメを刺したみたいな形なので、おいしいところだけを持って行ってしまったというか、何と言うか…」

 

「いや、いい。その事に、気を病む必要はない」

 

 

 バーチェさんをフォローするつもりが、逆にバーチェさんにフォローされてしまった。

 

 僕が言葉を出していない間に、バーチェさんは話を続ける。

 

 

「それに、お前を見ていると、少し私の様子が変なんだ」

 

「変…?」

 

「ああ。何かこう、胸の奥から闘争の時とは別の、何か熱いものがこみ上げてくるような…、そんな感じがするんだ」

 

「…? 何でしょうか、それ…?」

 

 

 僕は別に魔法とかスキルとか覚えていないため、相手を異常状態に陥れることは出来ない筈。一体それは何なのだろうと僕とバーチェさんはお互い首を傾げる。

 

 すぐにどういう事なのか結論が出なかったため、僕達はその原因の追求を諦め、別れることになった。

 

 

「お前も元気でな。仲間の捜索、こちらの方でも調べるからそっちの方もよく調べろ」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

「…!? そ、それじゃあ!」

 

 

 僕が感謝の言葉を告げると、バーチェさんが急に胸を抑え始め、顔を少し赤く染めながらその場をすぐに去ってしまった。

 

 僕は疑問符を頭の上にあげるように走り去るバーチェさんを見送ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうしてメレンから出て、オラリオの外壁に到達する前。

 

 僕らはオラリオ内での捜索範囲の役割分担を決めようとしていた。

 

 その直前に、レフィーヤから催促の声が上がった。

 

 

「あの、ギルドに相談は出来ないのでしょうか? 誘拐となったら、ギルドも動いてくれるんじゃ…」

 

「いや、今回のギルドは信用できない。何せ、僕の手紙がギルド経由で握りつぶされている可能性が高い。それに、今回の『強制任務』そのものが怪しいからね」

 

「怪しい…?」

 

「ああ。まるで、最初から【カーリー・ファミリア】が何か持ち込んでいることがわかっていたような内容でもあったし、【アポロン・ファミリア】の内容に至ってはかなり大雑把だった。結果的に成果は出たけれど、【カーリー・ファミリア】ではなく【ニョルズ・ファミリア】の方を調べてしまっていたからね」

 

「あ…」

 

 

 その一言で、レフィーヤさんは納得する。

 

 そして、今度はルアンがヘルメス様に質問する。

 

 

「でもヘルメス様。オラリオ内を探すといっても、かなり広いのでは…。それに下手したら、そこからもう売られて、オラリオの外に連れて行かれているかも…」

 

 

 ルアンの心配そうな声が上がり、現実で起きていたらと思わずかなり苦渋の顔になりそうだったが、ヘルメス様がすぐにその考えを否定する。

 

 

「いや、後者はない。よくメレンの事を思い出してみるんだ。あそこにいた一般客は、どんな人がいた?」

 

「一般客ですか? えーと、確か…」

 

 

 ヘルメス様にそう言われ、僕達も良く思い返してみる。

 

 確か、屈強な水夫達がいて、荷台とかを降ろしたり乗せたりしていた。元々メレンの人達もいたし、他には客船と思う所から旅人らしきエルフから身なりのいい格好をした人…!

 

 

「…あ! そういえば、メレンにもお金をたくさん持っていそうな人達がいました!」

 

「そう。もし本当にオラリオの外で売る気なら、メレンにいたお金持ちに売ればよくて、わざわざオラリオまで持っていかなくていい」

 

「一応捕捉しますけど、オラリオ内の方が何かと物価が高いので、恐らくそっちも狙いかと思います」

 

「それでもニョルズ達に頼んだ理由は、少し時間が経って入れ違いにオラリオから出されたらもう厳しくなってしまうから、念のためと言う割合が大きい。あとはアルベラ商会達に対するけん制かな」

 

 

 アスフィさんやフィンさんの補足がついたヘルメス様の説明により、僕達は納得する。

 

 しかし、それで半分である。

 

 

「団長…。今はまだオラリオ内にいるという事は納得しましたけれど、肝心のオラリオの中が広すぎて、役割分担でも非常に厳しいんじゃ…」

 

 

 そう。世界の中心と言われているオラリオの大きさはとても広く、役割分担でカバーできる広さではない。

 

 例え、アルベラ商会と【ソーマ・ファミリア】のみを張ったとしても、既にその手元にいないのでは、意味がない。

 

 どうすればよいのかと考えていると、ヘルメス様とフィンさんはとても落ち着いていた。

 

 

「いや、大丈夫。大体目星はついている」

 

「え…?」

 

「さて、ベル君。さらにここでも問題だ。先程話に出たメレンにいたお金持ちの人達は、なぜメレンに来ているでしょうか?」

 

 

 いきなりヘルメス様から問題を出され、僕は考える。

 

「……あ、取引とか仕事ですか? 魔石関連の物とか、道具とかの!」

 

「そうそう。他には?」

 

「…観光とか買い物ですか? メレンとか、オラリオとか…?」

 

「ちょっとおしいね。他には?」

 

「えーと、後は…」

 

 

 わからない。確かにお金持ちの人達は見かけるけど、他には何が…?

 

 

「…はい、時間切れだね。まあ、こればかりは知らないと厳しいね。答えは言うとね…。娯楽施設さ!」

 

「娯楽施設…?」

 

「ギルドも運営には口出しできない、オラリオ唯一の治外法権と言っても良いところだ」

 

 

 僕はオラリオ内で治外法権があるとは思いもしなかった。

 

 もしかしたら、そこにカサンドラさんとルルネさんが…!?

 

 

「まず今回の関係者であるアルベラ商会と【ソーマ・ファミリア】、そしてその取引相手の可能性が高い【イシュタル・ファミリア】は除いて、今言った娯楽施設、その3つの領域範囲のどこかにいる可能性が非常に高い」

 

「闇派閥のアジトにいる可能性は…?」

 

「ない。カーリーが言うには、2人はむしろそれを利用しているにすぎないと考えているらしいから、これは信じてもいいだろう」

 

「それに【イシュタル・ファミリア】の事だが、恐らくそっちには売らないだろう。オラリオの派閥でもあるし、いくらギルドに対して強気にいられても、娼婦としてやらせたらいずれ問題になることも目に見えている」

 

「…ああ。『殺生石』とやらも俺が破壊したからなぁ。あいつらにとって重要そうな道具っぽいから、下手したら八つ当たりでそいつらに火の粉が余計に降りかかる可能性もあるな」

 

「…むしろその可能性の方が高そうだね」

 

 

 皆の推測によって一気に捜索範囲が3つに絞られることになった。

 

 これなら、役割分担して頑張れば、見つけられるかも…!

 

 そして、どこの【ファミリア】がどれを捜索するか意見を出し合う。

 

 

「…さて、捜索範囲の役割だが、僕達【ロキ・ファミリア】がアルベラ商会を張る。何せ【イシュタル・ファミリア】の子飼いだから、それなりに【ファミリア】そのものが強くないと厳しいからね」

 

「そういうことなら、俺達【ヘルメス・ファミリア】は【ソーマ・ファミリア】を見張ろう! 元から問題が多い【ファミリア】だから、下手したら別のアジトも探さないといけないからね」

 

「あ、そこにオイラも加えてくれ!【ソーマ・ファミリア】の所には知り合いがいるから!」

 

「ああ、構わないぞ!」

 

 

 ルアンが【ヘルメス・ファミリア】と一緒に【ソーマ・ファミリア】の調査に乗り出すことになった。

 

 …ん? という事は…!?

 

 

「じゃあ、ルアン君を除いた【アポロン・ファミリア】の人達で、娯楽施設の所を調べてくれ」

 

「えええええええ!?」

 

「ちょっ、一番大変じゃない、それ!? 問題を起こせば、最悪外交問題に発展する可能性があるでしょ!?」

 

「…一応捕捉させますが、娯楽施設はいくつもあって、有名なのは大劇場と大賭博場です。ですが、【ガネーシャ・ファミリア】の守衛があって、許可証もしくは紹介状がなければ侵入はほぼ不可能です」

 

「そ、そんな…。荷が重すぎます……ん?」

 

 

 僕はどうにか変えてもらおうとした時、聞き覚えがあるものがあった。

 

 大賭博場…? 許可証…?

 

 …そうだ! 確か『怪物祭』の時にくじ引きでもらった景品が…!

 

 

「…いや、やります!」

 

「…! 本当なのか!? 流石に僕は厳しいと思っているんだが…、何かあるのか?」

 

「はい! 実は、色々あって賭博場の共通通行許可証、しかも第一等級「ゴールドカード」を持っているんです!」

 

「…たてかえするのに大分時間がかかる物だから、ほぼ諦めていたんだが…、ベル君はすごいな…!」

 

「じゃあ、君達【アポロン・ファミリア】にそっちは任せよう」

 

「…わかったわ。もしかしたらカサンドラがそこにいる可能性もあるし、背に代えられないわね」

 

「よし、それじゃあオラリオに入ったら、各自即行動!」

 

 

 そうして、僕達のカサンドラさん、ルルネさんの捜索は始まるのであった。

 

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