ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか 作:七篠ロキ
ベル君一人で獲得しないと貰えないという裏ルールが。
そして報告。
この作品の時間軸を考えたら、何か現実の時間が追いつきそうな気がする。
2ヶ月がもう目の前に。肝心の『戦争遊戯』にはまだ至っていないのに。
とにかく、この戦争遊戯編を終わらせるように頑張ります!
僕達は『エルドラド・リゾート』でカサンドラを発見し、救出して馬車に乗って帰宅していた。
そのベル達の帰りの馬車の中。
「ニャハハハハハハ! リュー、あんなに同性から告白されたニャ!」
「あははははははは! やっぱりリューは男装の才能があるんじゃないかな? シルに見せたら絶対かっこいいとか言われると思うし!」
「とりあえず、服を返した後は覚えておきなさい2人共…!!」
クロエとルノアは今日の出来事で一番笑った事を思い出し、リューは2人にお仕置きを企てている。
一方、ベル達側の席はアミッド、ベル、カサンドラ、ダフネの順に座っており、どうにか上手くいった事にほっとしている。
「とにかく、すぐにカサンドラさんを見つけられて良かったです。最後は非常に危なかったと聞きましたけど」
「そうね…。まあこうして取り戻せたし、そう思うと肩の荷が降りたっていうか…」
「流石にもう、僕、疲れました…」
「えへへ~♪ ベル~! ダフネちゃん~!」
カサンドラはベルとダフネの腕を回して再会を再び喜んでおり、ダフネはやれやれという感じで気を緩めている。ベルもまた苦笑いしており、アミッドはそれを見て、ちょっとだけジェラシーを感じている。
クロエはそんなベル達を見て、その後カジノから出る際に運び込んだ大きい袋を見て、頬擦りする。
「まあでも、こうやって救出もできたし、お金もたんまり稼いだし、良いことだらけニャ!」
「そういえば、結局いくらぐらいあるの?」
「そうですね…。総額大体300億ヴァリスらしいです」
クロエさんが大きい袋を背負って、僕らの手元に残ったチップ分のヴァリス金貨や貨幣をいつの間にか換金してくれていた。
僕達がVIPルームで勝ち取ったチップは富豪達にその場の口止め料及び手に入れた美姫達の解放、そして『闇派閥』と繋がっている者の今後の情報提供料としてその一部を返している。さらに残ったチップを換金し、その資金の一部を美姫達に今後の生活費として分けたけど、それでも400億ヴァリス分余ってしまい、このまま持ち帰ったのだ。何とか馬車の中に詰めていて、今僕らは非常に狭く感じているけど。
「これだけあれば、1億ヴァリスの借金もなくなるどころか、大金持ちニャ!」
「あ、そういえば忘れてた。私達、借金返済のために働いていたんだった」
「え、そうだったんですか!?」
僕はクロエさんとルノアさんがそんなに多額な借金を背負っていた事に驚く。もしかしてリューさんも…?
「まあ過去に色々あってニャ。ミア母ちゃんの酒を……じゃなくて、ちょっと高いものを壊してニャ」
「あれ今思っても1億ヴァリスなんて詐欺だと思うんだけどなぁ。でも反論したら拳骨で沈められちゃったし」
「…何か、とてつもないものに殺生与奪の権利を握られていたんですね…」
いや、カジノ側の用心棒達を返り討ちにしたクロエさんとルノアさんを沈める人っていったい何者なの!? まさかミア母さん本人じゃないよね!?
僕はそう心の中で恐怖を覚えながらクロエさん達を見る。
「でもこれで自由ニャー!」「今日から酒が飲み放題だー!」と、クロエさんとルノアさんがはしゃいでいるけど、どこか物寂しくなっているように見えるのは気のせいだろうか…?
ベルはそんな事を思っていると、二人に横やりが入る。
「いえ二人共、それは無理です。諦めて下さい」
「どうしてニャ!?」
「こんなに沢山お金があるのに!?」
「ほとんどクラネルさんのおかげで手に入れた物です。そのため、私達の取り分はこの内の自力で取った5000万ヴァリスです。さらにそこから3等分して、私達3人の1人当たりは1666万ヴァリスとなりますので、借金返済には程遠いという事になります」
「「そんなー!?」」
クロエとルノアは生真面目なリューに苦言を申し立てるが引かず、言い争いをしている。
ベル達はリューの言い分に唖然とするが、ダフネとアミッドは面白がってリューの言い分に乗る。
「そうね…。確かにVIPルームに入れたのも、そこで逆転勝ちしたのも、ほとんどベルのおかげだったわね…。となると、取り分はほとんどウチらの物になるわね」
「ちょっ、それは確かにそうだけども!」
「そうなると、私の取り分はどうなりますか?」
「そうね…。ホールでは、ベルと同じところに賭けていたという事になっていたから、その時取った総額の半分、30億ヴァリスという所かしら?」
「充分です。それで承諾しましょう」
「ちょっと、話を進めるんじゃないニャ!?」
クロエは文句を言うが、すぐにアミッドの取り分が決定したため、分け前の話が終わる事になった。
そして、ベルは自分たちの取り分の事を考え、そして徐々に顔が引きつり始める。
「え、となるとこのお金の僕らの取り分って…!?」
400億ヴァリスから、アミッドさんに渡す30億ヴァリスと、リューさん達に渡す5000万ヴァリスを引くと…!?
さ、369億5000万ヴァリス!?
「ちょっ、流石に僕らの取り分が多すぎるんじゃ!?」
「いいのよこれくらい。それだけベルが大活躍したって事だから!」
「え、ベルってそんなに稼いだの!? そうなのベル!?」
「え、えーと、VIPルームの取り分が全て僕に来るんでしたら…」
正直僕自身ここまで稼げるとは全く思っていなかった。
ホールでは恐ろしいぐらい勝ちまくったのに、VIPルームでもリューさんとタッグを組んで勝ちまくって、明日は今日の幸運を返済されるぐらいの不幸が訪れてしまう気がする。
ベルは少し鳥肌が立ち始め、身震いする。
そして分け前の話について文句を言い続けるクロエとルノアに、ダフネはある事を思い出す。
「そういえば、ホールの時に負けたチームは勝ったチームのいう事を一つ聞くという、お互いの勝負もあったわね」
「あ……」
少しカジノの洗礼を受けさせて教育してやろうとしたクロエからの勝負(魂胆)は、ベルの勝ちっぷりによってベルチームの圧勝となっていたが、その勝負の報酬がまだ支払われていない。
完全にその事を忘れていたクロエ達は、唖然として口を開いている。
「いや、あれはその、言葉の綾というかニャ…」
「約束は約束! 従ってもらうわよ!」
「「「はい…」」」
リュー達は言い争いを止め、大人しく従うのであった。
そしてダフネ達はどんなお願いごとにするか相談する。
「で、どうしよっか?」
「まず私はそんな事をしていたなんて知らなかったけど…」
「とりあえず、ここはベルさんに任せましょう」
「え!? 僕ですか!?」
「それもそうね。ほぼベルが勝ち取ったものだし」
アミッドの意見にダフネも合意し、よく知らないカサンドラも首を縦に振り、ベルに一任することになった。
僕に任せても、どうしよう…。僕も忘れていたんだけど…。
僕はどんなお願いごとにするか考え、今日を振り返ってみて、そして思いついた。
「あ、決めました!」
「どんなお願いごとにしたの?」
まずダフネさん達に小声で話し、そして承諾してもらった。
「確かにいいわね。ウチもそれに参加するわ」
「わ、私も!」
「アミッドさんはどうしますか?」
「そうですね……私も参加という事にします。ただ毎回となるとさすがに厳しいですが」
「都合が良ければ大丈夫です! じゃあ、これで決定という事で!」
皆同意という事で、リューさん達の方に顔を向ける。リューさん達は身構えていたけど。
クロエさんが不安そうな顔をしながら僕らに質問する。
「け、結局どんなお願いにしたニャ?」
「僕達の鍛錬の相手をして下さい!」
「「「へ?」」」
その後、僕達は借りていた服を返し、元の格好に戻った。
そして、5000万ヴァリス分が入っている袋を持つリューさん達とそこで別れる。
「リューさん! クロエさん! ルノアさん! ありがとうございました!」
「ええ、無事に事が終わって良かったです。そして、『豊饒の女主人』の方もご来店ください」
「少年ー! またカジノに誘うニャー!」
「こいつ、懲りないな…!」
「私達の鍛錬の方もよろしくお願いします!」
「分かってるニャ。とりあえず、明日の朝に『豊饒の女主人』の裏方に来るニャ。そこから内庭に入れるからそこでやるニャ」
「わかりました!」
結局僕達はリューさん達の承諾もあって、朝早い時間でリューさん達を師匠につけ、僕、ダフネさん、カサンドラさんは鍛錬するという事になった。アミッドさんも時々参加して、僕達の様子を見てくれるという事もつけてくれた。
聞いてみればリューさん達は皆Lv.4という、団長のヒュアキントスさんよりも上の実力も持ち主であったため、鍛えてくれれば僕らの戦力が上がるかもしれない。
メレンでの戦果では、僕は食人花数匹を倒し、瀕死のバーチェさんに相打ちに近い形でトドメを刺しただけ。
ダフネさん達もあまり活躍できなかったため、これはいい機会とばかりに乗ってくれた。
僕はそう思いながらリューさんと別れた後、ヴァリス金貨の事もあって、僕達はそのまま馬車に乗ってアミッドさんを部屋まで送ろうとしている。
メレンでの出来事を振り返り、僕は思わず声が出てしまう。
「でも結局僕達、メレンでは全然遊べていませんね…」
折角水着を持ってきたのに調査ばっかりで海(湖)に入れず、そのままバトルとなったメレンで、ベルはそんな感想を述べた。そしてそれをアミッドが聞き、衝撃的な発言をする。
「じゃあ、ご褒美もかねてお互いの予定で丁度良い日がありましたら、2人でメレンに行きましょうか」
「えっ!?」
「ちょっと待って!? ねえ、ご褒美ってどういう事なの!?」
アミッドはベルとのデートの行き先が決定して浮かれ始め、カサンドラは苦言を申し立てる。
「カジノに稼いだご褒美です。結局1日分だけですが、私とのデートがまだ残っていますので」
「いやそういう事じゃ……待って!? 今「まだ残っている」って言わなかった!?」
「ええ、言いました。カジノの中であげてないご褒美はそれだけですので」
「……ね、ねえ、ベル。アミッドさんからどんなご褒美をもらったの…?」
「そ、それは…」
カサンドラさんは涙目で僕を見る。
僕は冷や汗を流しダフネさんに助けを求めようと視線を送るが、ため息をついて完全にスルーしていた。
僕は観念してご褒美内容を暴露する事になってしまった。
「えっと、抱きしめたり、頭を撫でてもらったり、頑張って膝枕をしたり、僕と逆の体勢になったり、耳を吹いたり…モガッ!?」
「ちょっ、バ、本当に言うの!? そういうつもりでスルーしたわけじゃないんだけど!?」
「べ、ベル、そんなに、ご褒美をもらっていたんだ…!」
ダフネさんが僕の口を塞ぎ、カサンドラさんが気を失いそうな感じで倒れそうになる。アミッドさんは少し顔を赤く染めて照れているような気がした。
しかし、カサンドラは前にも似たようなことがあって耐性が出来たのか、それとも何かが壊れたのか、ベルに向かって決心する。
「もうこうなったら……! べ、ベル!」
「は、はい!?」
そして今度はカサンドラがとんでもない事を発言する。
「わ、私ともメレンでデートして~~~~!」
「なっ……!?」
「え、えええええええ!?」
「カサンドラも気をしっかりして!?」
完全にやけくそではあるが、思いっきりリードされているアミッドに追いつこうとするカサンドラ。
顔を赤く染めながら、馬車の中でベルにデートの約束をさせようと、全員を唖然とさせる。
「いや、待って下さい!? カサンドラさんまで…!?」
「結局私もメレンでは泳げなかったから…! だったら一緒にと思って! だからお願い~~~~!」
「いや、それは、その…」
「私も何かご褒美を挙げたいから~~~!」
「え、えーと、ですね。あれは、私がその、ベルさんの運気が上がるかなと思いまして…」
「照れて言っても説得力はないわよ!?」
そうして論争が起こり、結局完全に顔が赤くなっているアミッドはすぐに反論しなくなり、ダフネは早々に連日の疲れから話に参加しなくなり、涙目になっているカサンドラにベルもまた押しきられる。
そして少々強引にもカサンドラの救出祝いという形で、ベルとカサンドラのデートが決定した。
その後アミッドさんの部屋の近くまで着き、アミッドさんを送った。馬車に降りてから部屋まで送ったのはアミッドさんの強い希望で僕一人だったけど。
30億ヴァリスが入っている袋を一緒に抱えて部屋に入れ、僕は出てアミッドさんが部屋ドアを閉めようとした際、僕に確認をする。
「ベルさんの都合がいい日を後日私に教えてください。その日と合わせて私も休暇を取って、残ったご褒美を与えるつもりですので。詳細はベルさんに日付の決定を教える際に話します」
「あの…、本当に僕と…?」
「当然です。まだメレンでどうするかまでは決まっていないので、じっくり考えさせてください」
そう言い、別れる際僕を抱きしめ、「では、忘れないで下さい…。また後日お店でお待ちしております」と呟き、そして離れて扉を閉める。
なんかアミッドさんの顔が赤くなっていたというか、照れていたような気がした。
僕はそう思いながら、カサンドラさんとダフネさんが待つ馬車に戻るのだった。
30億ヴァリスを持たせてアミッドさんを送った後、僕達は館の方に馬車で帰宅して、そして到着した。
「久しぶりに戻った気分~!」
「皆もう帰っているかしら?」
「このお金の量だと、流石に運ぶのに手伝いが欲しいんですけど…」
カサンドラはここ数日間濃い生活を過ごして館が懐かしく思え、ダフネは館の中にいる人数がどれくらいいるのか思い始め、そしてベルは369億5000万ヴァリスが入っている袋を分けて持って行こうとするが、流石に数が多くなるので手伝いを欲している。
すると、カサンドラさんの救出の成功が皆に伝わったのか、それともカジノ騒動の余波を受けて他の建物も急な閉店となったのか、リッソスさんも大劇場から帰ってきて、丁度皆そろって館に帰ってきた。
「あれ!? カサンドラがいる!?」
「おお! やったじゃんお前等!」
「まさか初日で見つかるとはな!」
「カサンドラは無事のようね!」
「ベル、ダフネ、よくやった。カサンドラも無事のようだな…ん? 何か服が高級なものに見える気が…?」
皆僕らがカサンドラさんを救出できたことで喜んでいる。リッソスさんも喜んでいるけど、カサンドラさんの服装がドレスのままなので疑問に思い始め、それが皆にも気づき、本当に大丈夫だったのかと思い始めてしまう。
すぐに僕らも察してフォローを入れ、そして話題を切り替える。
「はい! 結構危ないところもありましたけど、何とかなりました!」
「稼いだお金もたくさんあるわ。皆で館の金庫にまで持ち運んでおいて」
「そうか……………………は?」
ダフネが馬車の方に指を差し、お金が詰まっている大きい袋を見せる。
その袋の大きさにベルとダフネ、カサンドラを除くその場にいた【アポロン・ファミリア】全員が驚愕する。
「な、何だあの金の量は!?」
「お前達どんだけ稼いできたんだよ!?」
「すげぇな! 一体いくらあるんだ!? 最近俺達って金欠だったからマジで助かるぜ!」
「これから【ファミリア】分の節約とか考えなくて済みそうね!」
「よっしゃあ! この後皆で酒場に行こうぜ! 高い酒もこれで飲みまくれるぜ!」
皆早速とばかりお金を館の中にある金庫にまで運び出し、暗証番号を知っているリッソスが開け、いくらかは入れないで残したまま金庫の中にしまい、扉を閉じる。
そうして入れなかったお金を皆に分けて配り始める。大体一人当たり500万ヴァリスというかなりの額になっているが。
そうして配り終え、何人か興奮した声で大金を手にして喜んでいて、早速みんなで酒場に行こうとすると、何人かが僕に肩をポンッと手に乗せてきた。
「…? あ、あの…?」
「まあ、ベル、元気出せよ」
「愚痴なら付き合ってやるから」
「噂は聞いているぜ。今日、【戦場の聖女】がカジノのホールで見知らぬ男とイチャついていたって」
「お前も今日は酒を飲め。過去の事は忘れるんだ」
何人か僕の事を憐れんでいる。主に『強制任務』の時に僕に票を入れた人達が。
どうやら、カジノにおける変な噂があったらしい。
…ん? 「【戦場の聖女】が」…!?
ホールではアミッドさんはほとんど、というかずっと僕と一緒にいた気が…!?
「あ、あの、一体何の事で…!?」
「ん? 知らないのか? てっきりカジノにいたお前が一番知っていると思っていたんだが」
「目の前で見せつけられて、ショックのあまり記憶が飛んだんだろう。気持ちはわかる」
「カサンドラの事の情報がないか繁華街の色んな店で聞いたんだよ。『シャルザード』が盛んになっているとか、魔法大国『アルテナ』が国の勢力総員を上げていた新しい魔道具開発に失敗したとか、ほとんど外の情報が多かったがな」
「その時聞いたんだよ。なんかカジノから出てきたみたいな神連中が、「【戦場の聖女】が男連れてまるで恋人と一緒にいるかのようにしていた!!」って言っていてな。その男は何か豪華な服を着て、メッチャカジノで儲かっていたらしいが。近くにダフネがいたらしいから、多分そいつらに便乗してもらってVIPルームに入れたんだろ?」
「そこの中の詳しい情報は出回っていないが、何かオーナーが偽物だったというのが入ってな。周りの店が皆ざわめき始めて、いくつかの店が突然閉まったんだよ。それで俺達は帰って来たんだが」
「もしその男がお前だったら、俺達は殺戮の嵐をやっていたが…。どうやら違ったみたいだな。そいつはそこまで稼いできたなら、1000億ヴァリスとか余裕で超えていそうだし。分け前をもらってこの額になったんだろ? それでも大分あるが」
「あ、あはは……。そ、そうですね」
ベルは顔を引きつりながら後ろに下がり始める。
VIPルームの情報はなく、僕も有名じゃないから、どうやらその男についての情報はそこまでだったらしい。
危な!? どうにかばれないで下さい!? と僕は心の中で必死に思い、その場を離れた。
ベルはそのままカサンドラとダフネの所に合流し、避難する。
そしてベルはルアンも交えて一緒に酒場に行こうとしたが、そのルアンの姿が見当たらなかった。
「…あれ? ルアン、まだ帰ってきてないのかな?」
「向こうも大変なんじゃないの? ウチらも苦労したし」
まだルルネの方の捜索が終わっていないため、【ソーマ・ファミリア】の方を見張っているルアンはまだ帰宅していなかった。
そして、何人かがさらにある人物たちの姿がない事に気づく。
「…ん? アポロン様と団長さんがいないな…?」
「そういえば、そうだな…?」
「あ、誰か一人こっちに向かってくるよ?」
その声に皆敷地外の方を見て、同じ団員が走り込んでいる姿を見る。
その人はアポロンとヒュアキントスと共に留守番をしていた者であった。
だが、その人は非常に慌てた様子でベル達に近づいて来る。
「あ、お前等帰って来たのか! …って、カサンドラがいるじゃねえか!?」
「あ、はい。潜入したカジノでカサンドラさんを発見して…」
「いやそれどころじゃねえ!? ついさっき、アポロン様と団長が【ソーマ・ファミリア】の所へ殴り込みに行ったんだ! 何でも、ルアンの奴が連れ込まれたみたいで!」
「「「「「「え…、ええええええええええ!?」」」」」」
どうやら、僕達の方もこれで終わらなかったようだ。