ベル君が【アポロン・ファミリア】に入団するのは間違っているだろうか   作:七篠ロキ

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アポロン「ん、何か、私に疑いの目が向けられている!?」







侵入者

 中庭にいたアポロンは、何かを感じ取っていた。

 

 

「むっ……!?」

 

「アポロン様、どうかなされましたでしょうか?」

 

「何か謂れのないことが……い、いや、そうじゃなくて、なにか、先を越された気がする…!?」

 

「は、はあ…」

 

「そう、何か、こう、ベルきゅんに対してこんな事やあんな事に対して関連するものの気がする!!」

 

(…アポロン様には申し訳ありませんが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベル・クラネルの部屋の場所を教える訳にはいかない!)

 

「ヒュアキントス! いい加減教えてくれ! ベルきゅんの部屋の場所はどこにしたんだ!? てっきり少しだけ残っている空き部屋にいるかと思ったけど、どこも違っていたんだ!」

 

「…これでも同じ【ファミリア】ですので、さすがに肉体的な意味や精神的な意味の両方にダメージが入ることは、団長であるこのヒュアキントスは、反対します」

 

(以前加入したばかりの違う奴にこのことを許したら、毎朝毎晩、私の食事にまともなものが全く出て来なくなったからな。…恐らくこれは、ダフネあたりが考えたものだろうが)

 

「ヒュアキントス。おとなしく吐いた方が身のためだぞ? これでも私は神だし、子供たちのウソを見抜けることが出来るのだぞ?」

 

「ノーコメントの一点張りで対処します」

 

「ぐっ…! さ、さすがは我が【アポロン・ファミリア】の団長…。神の私に対してこのように防ぐとは…!! な、ならば、せめて、どういう原理か予測がつかないけれど、私限定に発動するセキュリティの解除法を!」

 

「アポロン様、リッソスが見えました。恐らくやつもまだ6日後の我が【アポロン・ファミリア】の行事について知らされていないはずです。行きましょう」

 

(まあ、そもそも。まずあいつの部屋の場所を知っている奴は、この【アポロン・ファミリア】でも数が限られているから、狙ってやるのはまず無理だろう)

 

 

 と、ヒュアキントスはそう思い、アポロンを引っ張って行った。

 

 

「あ、待て、ヒュアキントス、引っ張るな! べ、ベルきゅ~~~~~ん!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、今何か悪寒が…!?」

 

 

 僕は寒気がして、ベットから飛び跳ねるように起きた。

 

 外はまだ少し明るく、部屋に日差しが差している。

 

 時計を見ても、丁度4時であった。まだ20分ぐらいしか寝てない。

 

 同居人のルアンもまだ部屋に戻ってきていないため、向こうは難航しているのかと考えた。

 

 そしてすぐに、視界がぼんやりしてきた。まだ少し体の疲れが残っている証拠だ。休まないと。

 

 そう思い、再びベットに横になって寝た。

 

 なんか掌に柔らかいものがあった気がするけど、布団だと思い、再び眠気に襲われた。

 

なにか、包み込まれているような感じがして、妙に心地よかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………zzz………zzz………」

 

「………zzz………んっ……zzz………ふふ、ベル………zzz………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………………い、………ろって…………」

 

 

 う、う~ん。まだ、眠い…………。

 

 

「…………~い、…………きろ、……い、ベル、起きろっ!」

 

 

 う、う~ん。こ、この声………ルアン!?

 

 

「はっ!」

 

「お、やっと起きたかっ! もう夕飯の時間になるぞ。逆に昼間に寝すぎると、夜眠りにくくなるからな」

 

「あ、うん、ごめん、ありがとう」

 

 

 そう言われて、時計を見ると、午後6時半になろうとしている。

 

 急いで寝間着から着替えて夕食会にでないと…!

 

そう思い、ベットから立ち上がり、急いで着替えた。

 

 

「しっかし、オイラ今戻ってきたばっかりだけど、まさかベルがずっと寝てたとはなぁ」

 

「あはは、結構疲れていたかも」

 

「まあ、実際今日ダンジョンで色々とあったからなぁ。よく無事に帰ってこれたな、オイラ達。」

 

「僕はその後、ギルド本部で説教を喰らっちゃったけどね」

 

 

 そして、夕食を食べに行こうと部屋から出ようとすると、ルアンが声をかけてきた。

 

 

「……なあ、ところでさ、ベル」

 

「ん、どうかしたの?」

 

「あ、いや、もしかしたら、オイラの思い過ごしかもしれねえけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰かこの部屋来た?」

 

「え、いや、そんなはずは」

 

 

 ない。一回ベットから飛び跳ねて起きたけど、その時は部屋の電気はついていなかくても、外は夕方になりつつも日は部屋に指しており、部屋の様子は十分わかっている。

 

 

「いや、なんか、小人族用に作られたオイラの方のベットが、妙に軋む音がするんだけど?」

 

「……もしかして、誰か僕の様子を見に来てくれたのかな…?」

 

 

 そうであって欲しい。むしろ、そうであってくれ。

 

 同じ【ファミリア】の派閥メンバーでも、最低限のプライバシーというものがある。

 

 団長であるヒュアキントスさんも、「他の団員に示しがつかない」と、よほどのことがない限り、それを侵すことはしない。はず。

 

 

「ま、まあ、そうだよな………………アポロン様じゃあるまいし(ボソッ)」

 

「ん? 何か言ったの?」

 

「いや、なんでもないぜっ。それより夕食を食べに行こうぜ! 皆もういると思うし、もしかしたら、そこでいわれるかもしれねえし!」

 

「そ、そうだね!」

 

 

 僕たちは部屋を出て、食堂で夕飯を食べに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カサンドラさんやダフネさんたちと夕飯を食べている時、ふと思ったことがあった。

 

 

「そういえば、夕飯を食べてる光景で思ったんですけど、僕、【ファミリア】全員この館にいた時って、僕が初めて加入した時しか見てないですね」

 

「ああ、ダンジョンで泊まり込みしているとか、外で宿を取って泊まっているとかしているから、なかなか揃うことないわね」

 

「む、むしろ、揃うことが珍しいです。」

 

「そういう意味じゃ、飛び込みで加入できたベルの自己紹介の時に、百人全員いたのが奇跡なもんだぜっ」

 

「あんたの場合、十数人しかいなかったもんね」

 

「う、うるさいっ! それはしゃべるなよっ!?」

 

「零細ファミリアだと勘違いしてたもんねぇ」

 

「カサンドラさんやダフネさんたちが加入した時は、どうだったのですか?」

 

「ウチ? ウチらの時は同時期に加入して…」

 

 

 その時、信じられないことを耳にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変だ! 侵入者が入り込んだぞ!」

 

「「「「「「「「!!??」」」」」」」」

 

 

 食事を動かす手を止める者、談笑していた言葉を失う者、口に含んでいたものを吹き出す者、皿などを落としてしまう者など、多くに人たちが数瞬、時を止める。

 

 それをすぐに立て直すかのように、ヒュアキントスは怒号で命令を出す。

 

 

「総員、食事をやめて、直ちにこの館の全ての出入り口を封鎖しろ!! その後、館に侵入した賊をひっとらえろ!」

 

「「「「「「了解!!」」」」」」

 

「賊の数は!?」

 

「2人です!」

 

「わかった。館の出入り口を封鎖した後、直ちに少数精鋭のメンバーを組み、ひっとらえてやる!!」

 

「急いでバリケードを作れ! アリ一匹逃がすな!」

 

「外出している者たちを直ちに呼び戻して!」

 

「正面の方は俺たちがやるから、裏口の方を塞げ!」

 

「ギルドに急いで報告を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 (…み、皆すごい…! )

 

 

 【アポロン・ファミリア】の団員達による見事な連係プレーで、瞬く間に館の出入り口をふさいでいく。

 

 ベルは【ファミリア】の力のすごさを思いながら、機材などを急いで持ち運んでいた。

 

 

「そういえば、これは?」

 

「ああ、音響波状合成装置だ。密閉された空間で、ドップラー効果を利用して、聴覚を麻痺させるやつだ。簡単にいえば音による攻撃を出せるものだと思えばいい」

 

「そ、そんなものがあるんですね」

 

「ダイダロスという昔存在した人物が設計したものだと聞いているが、持ち運びには難があって。しかも味方にも被害を受ける可能性があったから、ダンジョン探索には利用されていないけど」

 

「そうなんですか……よし、こっちも塞ぎました!!」

 

「よくやったベルきゅん! 後で私が良いことゴフッ!?」

 

「今は非常事態だから黙っていろ変態!」

 

「ダ、ダフネちゃん…」

 

「フゥ…ん!? え、な、なぜ君たちがここにっ!? ヒュアキントスから編成されなかったのか!? それともまだ突入していないのか!?」

 

「生憎、私は今、療養中の身ですので。編成隊はもう突入しました。」

 

「私は今回の場合、あまり有効的ではないって」

 

「ついでにオイラも」

 

「いや、ルアンは元から僕と同じLv.1じゃ…」

 

「ていうか、アポロン様。神であるあんたなら、神威を少し強くして侵入者を畏怖させればいいんじゃないの?」

 

「いや、相手の目的が私自身である可能性があるからそれは非常に危険すぎる」

 

「…ちなみに心当たりはあるの?」

 

「………どれだろ?」

 

「そ、そんなにあるんですか!?」

 

「こいつはそういう神だからってもうわかっているでしょ、カサンドラ」

 

「え、あ、あの、みなさん、どうしてそんなにリラックスして…」

 

「ええ、もうバリゲートは作り終わっているし、館から逃さなければ、編成隊のメンバーがどうにかやって…っ!?」

 

 

 そんなことを僕らが話していると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 館の中で爆発が起きた。

 

 

「魔力の反応!? しかも大きい!?」

 

「ヒュ、ヒュアキントスさん!? リッソスさん!?」

 

 

爆発したところから、人が何人か、外に放り出される。

 

 カサンドラさんが急いで魔法で癒し、少なくとも全員息はあるものの、重傷者が多かった。

 

 

「まだ館に残っているのはっ!?」

 

「編成されたメンバーから考えて、リッソスとヒュアキントスのみです!」

 

「が、頑張れよ、二人とも…!!」

 

 

アポロンは合掌しながら祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 攻撃を何とかかわしたヒュアキントスとリッソスは、黒いフードを着て、顔に仮面をつけた、侵入者2人組と対峙していた。

 

 

「ほう、良く落ちなかったものだな。さすがに、手加減しすぎたな」

 

「…き、貴様……!!」

 

「お、落ち着け、ヒュアキントス!」

 

「おいおい、遊ぶのはそこまでにしてくれよ。一応これでも穏便にいこうと思っていたんだから。頼むよ。まあ、どうせ少し後に騒ぎになるけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この植物の事でね」

 

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