君は初めて捕まえたポケモンを覚えているか? 作:がんばリーリエ
もしくは初めてやったシリーズで最初にモンスターボールで捕まえたポケモンを最後まで手持ちに入れていますか?
なんとなくで
取り敢えず手持ちを埋めたくて
図鑑を埋めたくて
可愛くて
強そうで
様々な理由でポケモンを捕まえると思います。
捕まえたポケモンで手持ちに入れれるのは6匹まで。
これは最初に捕まえた6匹のポケモンと一緒に
最終的にチャンピオンを目指すお話です。
なのでポケモンは捕まえません、ずっと固定になります。
君は初めて捕まえたポケモンを覚えているか?
自分が初めて捕まえたポケモンを覚えているか?
因みに俺は覚えていない。
最初に貰ったポケモンはゼニガメだったと記憶してはいるが、最初に捕まえたポケモンは?と聞かれると首を傾げてしまう。
コラッタだったか、ポッポだったか。
もしかしたらキャタピーだったかも知れない。
俺にとってポケモンはゲームで、それこそガキの頃はアホみたいにやっていてチャンピオンのギャラドスのはかいこうせんに目を輝かせたり、ずっと手持ちにいたゲンガーがLv100になり最強のポケモンだと疑っていなかった。
沢山ポケモンを捕まえてかっこいいポケモンや強いポケモンが手持ちに残って、ポケモンのレギュラーは頻繁に入れ替わり、入れ替えたポケモンは永遠にボックスの中。
ゲームなのだからポケモンごとに能力値があって覚える技に特性、勝てるポケモン強いポケモンが手持ちに残るのは必然であって当たり前だ。
どれだけLvを上げたとしても上がる能力値には限界があり、種族値と呼ばれるポケモンごとに設定された限界値を超えることはない。
ゲーム内最強トレーナーであるレッドの相棒たるピカチュウが最もたる例で、Lv85という敵トレーナーとしては1番高いLvで設定されているピカチュウだがその種族値は大した事は無い。
なんならここで2確されなければ、積みの起点となり明らかなレッドの弱点となっている。
最強という位置づけのレッドの相棒でそれなのだ、だからこそ種族値が低いポケモンの起用率というのはかなり低い。
もう一度聞こう。
君は捕まえたコラッタを四天王戦で使っただろうか?
君は捕まえた最初のポケモンを覚えているだろうか?
因みに俺は覚えていない。
――――――
俺には前世の記憶がある。
いや待ってほしい。
そんな痛いヤツを見る目を向けるのはやめて欲しい。
何言ってんだこいつと思うかもしれない。
だがこれは紛れもない事実で、俺はこのポケモンというものを確かにゲームでプレイをした事がある。
それを認識したのは俺が6歳ぐらいのころで我ながらテンションが上がり過ぎて、母さんと父さんは目を丸くしていた。
すぐ様ポケモンが欲しいと駄々を捏ね親を困らせ、チャンピオンになるんだと息巻いていた。
自分が実際なれると疑っていなかったし、ゲームの中でもチャンピオンになるのは寧ろ通過地点でしかなく技構成はフルアタックでもLvにものを言わせれば特に難しいものでもなかった。
それが間違いと気が付いたのはすぐだった。
当たり前だ、命中率100%な技?
抜群の技だけ使ってればいい?
とんでもない!
これはゲームではなく現実なんだ。
相手は棒立ちなわけがなく、動くのだから命中率100%だろうが必中技であろうが回避してくる。
ゲームというよりも、アニメに殆ど近しいと言っていい。
最後まで何が起こるか分からない、それがポケモンバトルなのだと俺は1番最初のジムへの挑戦で思い知った。
ニビジムのタケシ。
初期のゲームではイシツブテとイワークというポケモンを使ってくる。
防御の種族値が高く打たれ強いポケモン達なのだがタイプ故に草や水といったタイプに4倍を付かれ、更に特防と呼ばれるもう1つの防御に関する能力値は大したことがなくそのせいで簡単に突破が出来る。
だから俺は舐めていた。
通過点としてしかタケシを認識していなかった。
まぁものの見事に惨敗したのだが。
それから俺は認識を改めて、ポケモンバトルという競技に熱中していった。
技を磨き、ポケモンを鍛えて、トレーナーである俺は駆け引きを徹底して研究した。
気が付けば俺はジムバッチを8つ手に入れていた。
手に入れた自信に、ここまで戦い抜いてきた相棒のポケモン達。
傲慢もなければ油断もしない、もう相性のいい攻撃技だけしていればいいと思っていた俺は存在しない。
戦い傷付き、どんなピンチだって相棒のポケモン達と乗り越えて来た俺には確かに積み上げてきた自信と誇りがあった。
だからだろうか。
俺はただただ信じられなかった。
そんな俺の自慢のポケモンが種族値300程度のピカチュウに全抜きをされるだなんて。
深く赤い帽子を被り表情が全く読めないソイツは。
この世界で最強と言われるトレーナーで。
今でも忘れられない。
あの敗れた瞬間を。
あの目の前がまっくらになる感覚を。
絶対に忘れない。
興味無さげに去っていくヤツの後ろ姿を。
―――――――――
「っ!?.......ぅ、ぅぅ」
負けた、惨敗だった。
もちろん簡単に勝てるとは思っていなかったけれど、ぐぅのねも出ない程の惨敗だった。
負けて負けて負けて、今度こそはと挑んだポケモンバトル。
あの時、初めて戦ったあの時は悔しいというよりもびっくりした、という感情が大きかった。
隣に越してきたユウキくん。
お父さんのお手伝いでポケモンと長く一緒にいる私を、貰ったばかりのポケモンで倒し喜ぶ姿は憎たらしいぐらい笑顔で、何となく私も初めはそうだったよなと感じたぐらい。
ユウキくんが旅に出て、私は色々なポケモンを見つけるために旅に出て、出逢えばポケモンバトルをして。
その度に彼は物凄いスピードで強くなっていく。
さっきのミナモシティでのバトルで、相性がいいはずのジュカインにワカシャモが倒された時にぼんやりと「あぁ、これは勝てない」と思ってしまった自分がいる。
「ごめんね、ごめんね.......」
初めて悔しいって思った。
私の方が先輩なんだぞって言ってやりたかった。
頑張って特訓だってしたのに私が勝手に諦めて、結果このザマだ。
オオスバメが申し訳なさそうに此方を見ている。
違う、違うの。
私には才能がないから、バトルの途中で諦めてしまうような最低なトレーナーだから。
咄嗟に家に帰るって告げたのは、多分私には色々と才能がないからって自覚して諦めたから。
ずっと周りからは才能があるって期待されていて、私自身ポケモンバトルには興味はなかったけれどユウキくんが来て少し変わった。
先輩面しようとして失敗して、諦めが悪く何度も戦いを挑んで返り討ちにされてこうして情けない姿を晒している。
私の方がずっとポケモンと一緒にいたのに。
ユウキくんにはあって私にはないもの、きっとそれは。
「私には才能がない.......」
「わかるわぁ.......」
「.......ふぇ?」
気が付けば後ろに誰かがいる。
気だるそうな目に猫背、灰色の髪はぴょんっと横に跳ねている。
知らない男の人だ。
私は泣かれていたのを見られた恥ずかしさと、情けない言葉を聞かれた恥ずかしさでさっと身体を引いてしまう。
「あー、悪い。別に盗み見るつもりはなかったんだ。ちょっと気になる事があったから釣りをしてただけで」
そういう彼の手にはボロのつりざおが。
でも此処には特に珍しいポケモンがいるわけじゃないんだけど。
「ん、俺が探してるのはヒンバスだよ」
「ヒンバスですか?」
「あぁ。釣れて欲しい時に全然釣れなくて、どうでもいい時に釣れまくるあのヒンバスだ。まぁそんなの今はどうでもいいか」
私の目線がつりざおにいっていたのを察して彼はそう言う。
それはいいんだと話を切り上げ、彼は続けて言った。
「さては君、ポケモンバトルで負けたな?」
「.......はい」
私は負けた時の事を思い出す。
倒されるポケモン達の姿、そして諦めて指示が上手く出せない私に戸惑うポケモンの姿。
「通りすがりの俺が言うのもなんだけど、確かにポケモンバトルに才能は大事だ。色々なトレーナーを見てきたが才能のあるトレーナーってのはバトルになるとやべぇ、まるで何をやっても上手くいかねぇんじゃないかって思うよな。ほんと化け物だよ」
分かる気がする。
何をやってもダメな気がして、気が付けば私のポケモンは倒れている。
いつもそうだった。
こっちの指示した事なんてお構いなしに、時には回避し、時には強引に押し切り、時にはそれを利用される。
私では考えられないような事を容易くやってくるんだ。
それを指示するユウキくんも凄いけれど、その指示を躊躇わず忠実にこなしてしまうポケモンも凄い。
その度に感じる彼の才能。
そして可能性。
「心当たりがあるみたいだな。才能っていっても色々ある。天性の感で指示がやべぇやつ、育成がプロで潜在能力を引き出すやつだったり様々だ。しかも本人は無意識だしただ真っ直ぐにポケモンと向き合うから本当に強い」
何となく分かる気がする。
ユウキくんはいつも全力で真っ直ぐで、ポケモンもとっても信頼している。
そう思うとやっぱり私なんかがユウキくんに.......
「勝てるわけない、そう思うか?」
「うっ.......」
「そんな顔してたわ、まぁ分からんでもない。俺も1回諦めた、完膚なきまでにやられてプライドなんて粉々。でもな」
そう言って彼は私を指差し、そして横のオオスバメを指差した。
「お前のポケモンは諦めてねぇみたいだぞ」
「えっ?」
横を見るとオオスバメと目が合う。
私が旅に出て直ぐに捕まえたポケモンで、スバメだった頃からお世話になっている。
力強いオオスバメの瞳は真っ直ぐ私を貫く。
「あっ.......」
「きっと他のポケモンもそうだ。絶対諦めてない。なにも悔しいのはお前だけじゃない、ポケモンだってそうなんだよ。なんだったらお前より悔しい筈だ、実際に戦ってるのはポケモンだし自分が負けたからお前がそうなってんだからな。何も1人で戦ってる訳じゃないってのは覚えといてやれ」
やっと気が付いたか、と言いたげに目線を逸らし「スバ」と小さく鳴くオオスバメ。
そっか、そうだよね。
悔しいのは私だけじゃない。
寧ろポケモン達の方が悔しいに決まっている。
そんな私のポケモンが諦めてないんだからこんな所でくよくよしてる場合じゃない!
「ま、そんな顔が出来るならもう大丈夫だろ。悪かったな突然、じゃあな」
「ま、待って!」
何処かに行こうとする彼を私は咄嗟に引き止める。
お礼をしたい。
とても大切な事を教えてくれたんだ、でもどうすればいいのかわからない私は呼び止めたのは良いものの何も考えていない。
通称ノープランだ。
どうしようどうしようと考えた末に出て来たのは。
「わ、私とポケモンバトルして下さい!」
本作の主人公
名前・ヒセキ
手持ちポケモン
1.?
2.?
3.?
4.?
5.?
6.?
前世持ちのポケモントレーナー。
比較的自由に楽しんでいた為、レート戦等の経験はない。
訪れた地方のジムバッチは全て集めているが参加したリーグはジョウトのみ。
過去に赤い帽子の電気ねずみに全タテされ、奪われた賞金12000円をいつか必ず取り返してやると誓った。
ハルカちゃん
手持ちポケモン
1.オオスバメ
2.キノガッサ
3.ホエルオー
4.ワカシャモ
設定としてはRSとORASをごちゃ混ぜにした感じ。
出会う先々の会話内容、そしてミナモシティでの会話等で裏ではこうなっていたんじゃないかという作者の妄想からこうなった。
余りにも主人公が最強過ぎるポケモンシリーズ。
常に負けるライバルキャラを勝たせる為に強化フラグを建てていくのが、今作の数あるテーマの1つ。
ガラルに行ってマリィちゃんを強くしたいと思わないか?