ママでありながら配信者にもなりまして   作:八月朔日

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12 朱音さんと進捗会議

boothで売りに出す公式……許諾得てるし公式でいいか。公式同人誌に着手してる時の事、朱音さんからディスコが飛んできて何か仕事が来たのかと思えばこの前描き上げて提出した3期生の絵のLive2D化が終わったとの連絡。そしてその出来上がったLive2Dの出来具合の監修の依頼も一緒に来た。

 当然というか断ったけども。

 一般的、というかVtubeのLive2Dはそれを専門にしてる人に発注するのが主だってるけどもワールドクリエイトはLive2D班という形で専門の部署を抱えてる。フィーに聞いた限りじゃライバーと随時すり合わせをして調整をしているらしい。そこまでやってるなら私の監修なんていらないと思うんだけど。

 

「これ私の監修とかいるんですか?」

 

 ワールドクリエイト本社、その会議室に朱音さんといる。

 

「あのアシュリーの手がけたデザインをLive2D化した以上本人からの評価が欲しい、との事で。クリエイターの性というやつですかね」

「あー」

 

 業界あるある、というかクリエイターの習性的な奴か。となると監修は口実で実際には仕上げた作品に対しての評価希望、かな。

 

「それでこちらがそのLive2Dですね」

 

 朱音さんが見せてきたiPadには3期生のLive2Dが映されてる。トラッキングで動かしてるのとは違ってTwitterとかに今回こういう仕事しましたって上がってるタイプの奴。

 一人30秒ほどのgif動画が全員分再生されたところで、

 

「モーションとしてはこんな具合ですね。表情差分もこういった具合の仕上がりになってます」

 

 それぞれの特徴をとらえた表情に手のモーション、服や胸の揺れも申し分ない。

 

「うん、いいんじゃないですか? 顔を動かした時の髪の揺れ具合や目の開き具合、体が揺れる際の服の動きやアクセサリーの揺れもいい感じ。胸の揺れ具合も程よい感じで違和感もないですし私的には問題ないです」

 

 動いた時を想定して描いた通りに動いてる。後はあの子らがこの体を使って思うように配信をするだけ。

 

「これはもう3期生全員に共有はしてるんですか?」

「Live2Dができたことは知らせてありますよ。データ共有は今日の監修モドキがつつがなく終わり次第ですね」

 

 あ、モドキって言っちゃうんですね。

 

「3期生もデビュー配信まで1か月を切ったので機材設定や操作を覚えてもらってるのでそこに追加でLive2D操作も加わる感じですね。前に言ったTwitterのリツイートキャンペーンも始まってますし。それとですね、以前提出してもらったアシュリーさんの配信用の体も順調に進んでますよ」

 

 あー、0期生としてぶいちゅーぶのVtuberになるにあたって先月描き下ろして提出した例の絵は順調に進んでるらしい。

 私用の絵を描き下ろす工程であれこれ資料を見漁った過程で仕入れた情報を元に、3期生の3面図に追加を描き下ろしたりもしたけど、まあ軽いテコ入れみたいな感じで。

 

「アシュリーさんのデビュー配信も楽しみですね。予定としては3期生のコラボ解禁日にデビュー配信を盛り込もうかと。3期生の皆さんには当日公式配信ということで集まっていただいてドッキリ形式で発表兼初配信の流れで」

「なるほど」

 

「わかりました、それではその方向で進めますね。少し整理しましょうか、まず3期生ですが来月のデビューに向けて機材操作にLive2D操作の練習、リツイートキャンペーンが始まって今のところ順調に進んでます。アシュリーさんの予定としては3期生コラボ解禁日に初配信予定で、Live2Dも鋭意製作中……現在進捗はこんな具合ですね」

 

 デビュー1か月前ともなれば準備もかなり進んでやることといえば本人たちの配信準備くらいにまで落ち着いてる。残ってるものといえば私の配信環境……フィーが今私が使ってる環境をV配信用にいじるとかいってたから問題なし。Live2Dができ次第私の方も前準備系は全部終わる。

 

「そういえば妹さんから3期生のデビュー期間の長さについてないか聞いてますか?」

「これといって特には。やっぱ長いんですかこれ、発表から3か月くらいって」

「ですね。通常通りいくならデビュー告知を打った翌週くらいに初配信ですね」

「告知からだいぶ経ってますもんね」

 

 まあ内心なんか初配信まで長いような気もしてたんだけど、やっぱり長かったんだ3期生。

 

「後々で知ることになると思うので先にお伝えしておこうと思いまして、皆さんからも許可は頂いてますし」

「許可ですか」

「はい、アシュリーさんは転生というのは知ってますか?」

「一応。流れ的に3期生は転生組って事ですか?」

 

 この期間中Vに関してあれこれ調べてよく出てきたものの一つ、転生。今回でいえば3期生としてデビューする前に活動していた事があるのを指すんだけどもこれも善し悪しがあるようで。

 円満卒業、引退をしているのならいいけども炎上やアンチのせいで辞めたとかだと前世を特定された際に、その時のアンチがまた粘着を始めたりと厄介ごとが起こったりするらしい。まあアンチじゃなくても前世ネタでいじってくる厄介勢もいるみたいだし、要約すればめんどくさい。

 

「全員、という事ではないんですが海里さんと紅葉さんの2人ですね。個人勢からうちに転生の形になります。ありささんとエリサさん、凛さんとさつきは前世なしのうちでのデビューが初ですので配信経験がない分機材操作や配信環境の設定、非公開でのデモ配信など、準備に時間を割いてる感じですね」

 

 他4人が前世なし、紅葉と海里が前世ありか。2人がどんな経緯で前世を持ってうちに来たのかはいいとして。

 

「順調なんですか?」

「今のところ問題なく進んでますよ。OBSやキャプチャーの面倒な設定もちゃんと出来てる……まあ、大丈夫でしょう」

「なんですかその不安になる間は」

「凛さんが中々のポンで」

「あー、凛ちゃんか」

「元気なのはいい事なんですけどトラッキングが追い付かないレベルで動いたりとかは辞めて欲しいところですね」

 

 あの元気っこ、パソコンの前でもそんな感じなのか。いつか放送事故とか起こしそう。

 

「まあその程度の問題、とも言える内容ですので順調といった具合ですね。ああそれと実はぶちちゅーぶ4期生選考始まってるんですよ」

「今公募してましたっけ?」

 

 朱音さんがさらっと言った4期生選考。Twitterとかサイトでも公募のしてるようなことは言ってなかったような気がするんだけれども。

 

「それに関してですが、うちとしては3期生の公募をかけたあたりで応募数と倍率、支えとなるファン層の比率しだいでは定期公募から常時に切り替える考えだったのもあって今は常時に切り替えてる感じですね。ちなみに今の倍率聞きますか?」

「そんなもったえぶるレベルなんですか?」

「3期生の頃が600倍、4期生に関しては現段階で900倍ですね。付けられるマネージャーも限られてるので5人定員でこんな感じです」

「900ですか……900!?」

「いい反応ですねえ。2期生の皆さんがイイ感じに狂っ、盛り上げてくれたおかげもあって評判は上々です」

 

 今この人狂ったって言いかけたよね。まあ2期生の3人は各々イカレてるのは間違いないけれども。

 にしても900か。

 

「現段階、ということはまだ倍率は増える感じですか?」

「ですね、まだまだ倍率は増える見込みではありますよ」

「うへぇ、その倍率がヤバイ4期生のコンセプトって決まってるんですか?」

「今のところ1期生の超新星、2期生のハイスペック、3期生のファンタジーと来てるので路線を変えるかどうかの決議中ですね」

 

 聞いといてなんだけど3期生ってファンタジーなんだ。まあ、獣人に魔女、人魚に天女と雪女、かぐや姫とファンタジーなキャラがそろってるしそうもなるか。

 

「と、まあ4期生の構想はこんな具合ですね」

「で、その4期生のV体を描く絵師は?」

「ちゃんと一人ひとり依頼を出しますよ。アシュリーさんへの依頼はほぼイレギュラーに近いものでしたし」

 

 イレギュラーとは言え当初予定も私に3人依頼出すつもりだったって言ってたような気もするけど。

 

「4期生の話はこの辺にしときますか。本来の目的からもだいぶそれてますし」

「その本来の目的自体もモドキですし今更感もありますけど」

「ですねえ、長々となりましたけど本日の要件はこれで終わりになります、お疲れ様でした」

 

 さて、外出の仕事もこれで終わったことだし家に帰りますかね。

 

 




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