ママでありながら配信者にもなりまして   作:八月朔日

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14 前日ミーティング

「日程ですが明日から順に1人ずつ配信をして頂いて、最終日はぶいちゅーぶ公式チャンネルで6人全員での配信の予定になっています」

 

 ワールドクリエイト内の3期生との顔合わせでも使われた会議室で始まったミーティング。オンラインでもよかったんだけど今回は渡すものもあるからと本社でのミーティング。

 ミーティングとは言っても主題にかかわってくる3期生とマネージャーの朱音さんが手前の会議テーブルにいて私はソファに座ってるんだけれども。 

 

「配信予定時間は1人30分を目途に長くとも1時間ほどでお願いします」

「つまり最低でも30分は配信しろって事ね?」

「そうですね、デビュー配信になるので最低でも30分は欲しいです」

 

 明日からのデビュー配信トップバッターのありさちゃんが元気よく聞いてるけど、気負いとかしてる風に見えないしどっちかといえばいつでもかかってこいと言った感じにも見える。

 

「最低でも30分ですか」

「そない身構えへんでも30分なんてあっさり終わるさかいいけるいける」

「ほ、ほんとですか???」

「でもまあ、配信バフとか取れ高の回とかあるときはるからねー。こればっかりはやってみないと」

「なんで仲良く上げて落とすんですかあぁ……」

 

 配信経験者組がさつきちゃんを上げて落としてる。まあ配信前準備やワールドクリエイト内のサーバーを使ったデモ配信もやってたみたいだし、本番あるのみなのは確か。

 

「練習の通りにやれば大丈夫」

「エリサぁ」

「それでも安心といえないのが配信だから頑張って」

「エリサぁぁっ」

 

 そしてエリサちゃんも上げて落としてる。

 

「ディスコードなどでいざという時はフォローも入れるので大丈夫ですよ。練習通りに機材操作が出来ればそうそうに事故は起きないはずですので」

 

 機材関連で問題なければあとは配信者側のやらかししかなさそうだしね。しかしなんだろうか、しょっぱなからなんだかやらかしそうな気もするんだけれども。

 その時はマネちゃんである朱音さんが対処するだろうからまあいいでしょう。

 

「ひとまず配信に関してはいったん置くとして、皆さんのチャンネルとTwitterのアカウントですね。Twitterに関しては各自が5万フォロワー越え、YouTubeチャンネルの登録者数も現段階で10万越えですね。10万人越えをしているので3D制作も着手しています」

 

 1、2期生は登録者10万人を超えたあたりで3D作成に着手したらしんだけど、3期生は現段階で10万を超えてるから着手事態はしてるらしい。

 

「3Dに関しては告知枠を別途設ける形になるのでおもらし厳禁です」

「もらしちゃったらどうなるの?」

「炎上ですね」

「景気よう燃えるやろうね」

 

 悲しいかなこの業界、アンチが沸きやすいもんだからすぐに燃えるらしい。瞬間湯沸かし器、ティファールのごとくすぐに噛みついて延焼させる輩とかが。

 単推し、厄介ガチ恋が揚げ足取りのごとく燃やしに来るは来るはで鎮火にも日数がかかって非常に面倒なんだとか。

 炎上の単語を聞いてさつきちゃんが小鹿のごとく震えてるけど、まあ大丈夫でしょう。

 

「それと最後に、公式枠での3期生配信で発表する記念グッズですね。現品がこちらですね」

 

 そういって朱音さんが足元の箱とかに置いてあったっぽいグッズをテーブルの上に出した。

 アクスタにラバーストラップ、缶バッジの3種類。アクスタには仕掛けをしてあって、3期生全員揃えるとジオラマになる様になってる。

 そして見本という形で3期生全員にフルセットが配られた。

 

「はわぁぁ、かわいいぃぃ」

「さつき、あんた顔すごい事なってるわよ」

「ほんとアシュリーの絵が好きだねえ」

 

 さつきちゃんは配られたフルセットを人様には見せれない顔で見てる……。女の子としてその顔はいかがなものか。

 

「今回はデビュー記念グッズということでアクスタとラバーストラップは単品可、缶バッジは6個セット販売のみで公式ショップでの販売になります。価格はアクスタが各1000円、ラバーストラップが各700円、缶バッジは1500円での販売予定ですね」

 

 この販売価格についてもデザインを入稿した後に擦り合わせがあったんだけど、アクスタは一般的には1500~3000が平均でラバーストラップは800前後、缶バッジは単品で1200前後というのを参考に今回の値段設定にしてる。

 デビュー記念グッズというのもあって値段は抑えめに、という事らしい。特に缶バッジはセット1500円販売だからかなり抑えめ。そんでもってフルセット購入特典としては箔押し複製で3期生のサインとミニメッセージがついてくる。

 

「転売対策として完全受注生産及びフリマサイトやオークションサイトでの転売業者、違法業者の締め出しですね」

「締め出しですか、そんなことが出来るの?」

「情報開示で開示されたものを使えば出来ちゃうんですよ」

 

 それ以外にも対策部署を設けてあれこれやってるのも擦り合わせの時に聞いたんだけど、それを説明してる朱音さんが転売ヤーを何が何でも排除してやるっている執念が発してた。

 

「転売する連中って頭に蛆沸いてるから訳の分かんない持論展開して正当性あるみたいな主張してくんのよね」

「ありさの所でもあるの?」

「悲しいことにね。まあ、大体はパパが雇ってる顧問弁護士が損害賠償吹っ掛けて潰してるんだけど」

 

 化粧品とか限定のもあるみたいだし転売やる奴はやるよね。

 朱音さん曰く、転売対策を何一つ取らないフリマサイト、オークションサイトに対して企業合同での是正要求をする予定があるとは聞いた。うちみたいなVtuber企業だけに限らず転売被害にあってる企業合同といってたからそれなりの規模でやるんだろうね。

 

「転売を生業にする輩が何を言おうと徹底的に潰す、というのが対策部門及び法務部の決定事項です。うちのタレントとファンの関係性を食いものにはさせないでの大丈夫ですよ」

 

 おおぉ……朱音さんからどす黒いものが沸き上がってる。1,2期生あたりで転売がらみでなんかあったのかな?

 

「転売に対して強いナニカを感じるわね……」

「まあ、あないな連中おらんくなった方がええのは事実やし」

「んー……転売する人みんないなくなっちゃえって事?」

そうだよ凜転売する連中が偉そうに御託並べてべらべらと喋ってるけどやってる事はゴミだし存在するのも烏滸がましい社会のゴミなんだよそんな連中の存在は許しちゃいけなんだよだから消さなきゃ消さなきゃ消さなきゃ……

 

 さつきちゃんが怨念を放つ勢いで何やら言い出してるけどまあ……うん。凜ちゃんが引いてるからやめようねー。

 

「とまあ色々脱線しましたが本日のミーティングはこれにて終了です、お疲れ様でした」

 

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