詠深が"ツーシーム"や"カットボール"を初め
"あの球"以外の変化球を覚える回になります
それらに加えて真深によって原作で覚えない
新たな変化球を習得するための練習を始める
ストーリーとなります
それではご覧下さい!
詠深たち新越谷のメンバー達が
真深とユイの過去の経緯を知った翌日
全国大会出場に加えて打倒咲桜という
目標を得たことで更に気合いを高めた
メンバー達はそれぞれの目標をこなし
練習に精を出し着々と実力を付けていた
そしてその日の練習中……
「詠深ちゃん、ちょっと良いかな?」
真深と珠姫の二人と休憩していた
詠深に芳乃が声をかけてきた
「芳乃ちゃん……どうしたの?」
「うん……ちょっと気になってたんだけど
詠深ちゃんって"あの球"以外に投げられる
変化球って他にどのくらいあるの?」
「そう言えば今までに詠深が
"あの球"以外の変化球を投げるところも
練習するところも1度も見たことないわね」
「確かに……」
詠深に対する芳乃の質問に
真深も珠姫も言われてみればという様子になる
「詠深ちゃん、"あの球"以外の変化球は?」
珠姫も捕手として捕れるようにならねばと
考えたようであり芳乃に加わる形で詠深に
尋ねると思わぬ答えが帰って来た
「えっ……"あの球"だけだけど?」
「「えぇーーーーーーーーー!?」」
あまりにも予想外だったのか
芳乃と珠姫は驚きの声をあげてしまった
「詠深……」
真深に至っては予想してたのか
"やっぱり"と言いたそうに苦笑いを浮かべている
「つまり"あの球"と直球しか無いってこと?」
「1度も他の変化球の練習してなかったの?」
「うん……"あの球"さえあれば
打たれないだろうと思っていたから」
芳乃と珠姫からの問いに詠深があっさりと答える
「柳大川越との練習試合で分かったと思うけど
直球と"あの球"だけで夏の大会を勝ち抜くのは
かなり厳しいと思うよ」
「えぇ~~、そうかな……?」
「そうだよ!それに忘れたの
真深ちゃんと勝負して完璧に打たれたこと」
「あっ……」
珠姫からの指摘にハッとする詠深
「全国でも屈指の激戦区の
1つでもある埼玉県の強豪校には
真深ちゃんクラスの強打者もいるんだよ」
「そうだよ!
そんな人たちに詠深ちゃんの投げられる
変化球が"あの球"だけだって知られたら
簡単に狙い撃ちされちゃうかもしれない」
「…………」
芳乃と珠姫に言われて
流石に詠深も不安そうな様子になる
「そうならない為にも
今からでも他の変化球の練習しよう」
「芳乃ちゃんの言うとおり
あと1つか2つ覚えたほうが良いよ」
芳乃と珠姫が改めて詠深に
新しい変化球の習得を促す
「でも、今から練習して間に合うかな?」
「大丈夫! 私もサポートするから」
「私も捕手として協力するよ」
「詠深なら出来るわ」
芳乃と珠姫と真深が不安そうな詠深を励ます
「うん、分かった……やってみるよ」
芳乃たちに励まされたこともあり
詠深は新しい変化球の習得を決意した
それに芳乃と珠姫と真深も安堵し笑顔になる
「それで、何を覚えれば良いかな?」
「比較的、簡単に投げられるのと
"あの球"との相性の両方を考慮すると
"ツーシーム"と"カットボール"が良いと思う」
「うん、私も芳乃ちゃんに賛成」
芳乃の提案した変化球に珠姫も賛成した
「うん、分かった……やってみる」
「その意気だよ、詠深ちゃん」
「うんうん!
それじゃあ早速、藤井先生に詠深ちゃんの
練習メニューを変えることを頼んで来るよ」
そう言って芳乃が藤井先生に許可を貰いに行くと
藤井先生もその方が良いと直ぐに了承したようで
その後の詠深の練習は新しい変化球の練習となる
「それじゃあ、芳乃ちゃん
私は打撃練習と守備練習に行ってくるわね」
「うん、分かった
私も後で打撃練習の様子を見に行くね」
「ううん……今日は詠深の
新しい変化球の習得に付いててあげて」
「大丈夫?」
「怜先輩たちも居るから問題ないわ」
「分かった、頑張ってね」
「えぇ、また後でね」
こうして芳乃と珠姫は詠深の
新しい変化球の習得に付き添っていた
ーーそしてその日の練習終了後ーー
パァーーン
「良いよ、この"ツーシーム"」
「あまり曲がってないけど大丈夫かな?」
「ううん、十分だよ!
元々、直球の一種みたいなものだから!」
「こんな直ぐに投げられるなんて凄いよ」
なんと詠深は半日でツーシームを投げ方を
習得してしまい後は試合でも使えるように
制球力をつければ問題ない状態にしていた
「詠深ちゃんのツーシームは
直球と同じ早さだからかなり使えるよ」
珠姫も詠深の"ツーシーム"を高く評価する
「凄いわ、詠深」
「あっ、真深ちゃん」
「もう"ツーシーム"を覚えたんだ」
「うん、珠ちゃんと芳乃ちゃんのお陰だよ」
真深も半日で"ツーシーム"を覚えた詠深を称える
「これからは"あの球"の練習と"ツーシーム"
それと出来ればもう1つくらい変化球が欲しいね」
「でも無理して詠深ちゃんの
負担になって怪我でもしたら元の子もないし」
珠姫と芳乃は出来ればもう1つ投げられる
変化球があれば思考するが詠深の負担を
考えて妥協すべきかと考えていると
「ねえ、詠深……」
「なに、真深ちゃん?」
珠姫と芳乃の話を聞いて何やら考え込んでいた
真深が何か思い付いたように詠深に声をかける
「"ツーシーム"を覚えたばかりで
悪いんだけど私が詠深の真横に立っているから
目の前で"あの球"を何球か見せてくれないかしら」
「"あの球"を?」
「えぇ」
そう言って真深は詠深の真横に立つ
「珠姫! ちょっと受けてもらえる」
「うん、良いけど……?」
真深の申し出に詠深と珠姫が首を傾げる
「真深ちゃん、どうしたんだろう?」
「分からないけど
真深ちゃんのことだから何か考えがあると思う」
芳乃も真深の意図が分からないようだか
真深を信じて言われた通りに詠深に
"あの球"を何球か投げることに同意する
「投げるよ、真深ちゃん」
「えぇ……珠姫、いくわよ!」
「オッケーーー!」
珠姫が合図してミットを構えると
詠深は言われた通りに"あの球"を投げ込む
(やっぱり……
詠深だったら"アレ"を投げられるかも)
間近で"あの球"を投げる詠深を見た
真深は何かを確信した様子になった
「もう良いわ、詠深」
「?」
真深に言われて詠深は投球を止めると
真深の元に珠姫と芳乃もやって来た
「真深ちゃん……何を確かめてたの?」
3人を代表して芳乃が尋ねる
「投球が苦手な私が言うのも何だけど
"あの球"を投げられる詠深なら投げられる
かもしれない取って置きの変化球があるわ」
「取って置きの変化球!?」
「どんな変化球?」
「教えて、真深ちゃん!」
真深の言葉に珠姫、芳乃、詠深の順に尋ねる
「ラスターソンの話は覚えてる?」
「ボストフ選手と同じ真深ちゃんの
中学時代の先輩でチームのエースの人だよね?」
「そう……
実は2年前に私が所属していた
チームにはラスターソンの他に
もう1人エースの投手がいたの」
「ラスターソン投手の他にもう1人?」
「ラスターソン投手と2本柱だったってこと?」
「そう……今から詠深に
教える変化球はその人が得意としていた球よ」
そう言って真深は詠深に
教えようとしている変化球を告げる
そして……
「「「えっ!?」」」
真深から聞かされた変化球の
名前に3人は驚きの声をあげていた
「確かに投げられれば
かなりの武器になるとは思うけど……」
「簡単に習得できる球じゃないよね」
「私に投げられるかな……?」
芳乃、珠姫、詠深の順に感想を口にする
「勿論、可能性の話よ
難しい変化球だから無理する必要はないわ
ただ"アレ"は"あの球"によく似ているから
詠深なら投げられる可能性は高いと思うの」
「確かに……」
「一理あるね」
「…………」
真深の言葉に芳乃と珠姫は少し納得していると
詠深が無言で何か考え込んでいると思った瞬間
「私、やりたい! 投げてみたい!」
詠深は興奮しながら身を乗り出して宣言してきた
「詠深ちゃん……」
「でも、覚えるにしても
投げ方が分かる人がいないと……」
詠深が真深の提案した変化球の
習得を決意したが珠姫が最もな意見を口にすると
「私が教えるわ」
「真深ちゃんが!?」
真深が変化球の享受を志願した
「でも真深ちゃんは投手が苦手だって……」
「例の先輩に教えて貰って投げ方は分かるわ」
「本当に!?」
「えぇ……教える私が
投げられないのに生意気かもしれないけど?」
「ううん! そんなことないよ!」
詠深がこれでもかと首を素早く横に振る
「珠ちゃん、芳乃ちゃん、私やってみたい!」
そして珠姫と芳乃に自身の決意を伝えた
「うん! 詠深ちゃんが言うなら」
「勿論、協力するよ!」
詠深の決意に珠姫と芳乃も協力を名乗り出た
「でも練習することで
直球や"あの球"に加えて折角覚えた
"ツーシーム"に悪影響が出ない程度にね」
「そうだね……
無理そうなら潔く諦めて
他の変化球にチャレンジしよう」
「うん、分かった」
珠姫と芳乃の注意に素直に頷く詠深
「真深ちゃん、宜しくね」
「えぇ、私は詠深なら出来ると思うわ」
「うん!」
詠深は真深からの激励に嬉しそうな表情になる
こうして新たに習得した"ツーシーム"に続き
真深から提案された変化球に挑戦することに
なった詠深だが真深の教えた変化球が後に
詠深のピンチを救うことになることを
この時は誰も知るよしはなかった
詠深が新たな変化球の習得を
決意する話しでした
真深が詠深に教える変化球の正体は
夏の大会の途中に判明するのでお楽しみに!
次回は大鷲と藤和との練習試合の話ですが
原作とは全然違う展開かも知れませんので
何卒、宜しくお願い致します!