詠深の従姉妹はホームラン打者   作:たかと

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初勝利を祝うオリジナルの話しになります

本当は中間テストまで書きたかったのですが
ストーリーの繋がりや書くのに少し時間が
掛かりそうなので次回に持ち越しました

それではオリジナルの祝勝会をご覧下さい


第12話 祝勝会

合宿最終日に行われた

新越谷と大鷲高校と藤和高校の

3校による練習試合で新越谷は

第1試合の大鷲高校戦は合宿の成果を

試すために試行錯誤したこともあって

惜しくもチーム初黒星を喫したが次の

ベストオーダーで望んだ藤和高校戦との

第2試合は真深の2本の本塁打と詠深の

好投で念願のチーム初白星を成し遂げた

 

 

「勝ったぁーーー!!」

 

 

「初勝利だーーー!!」

 

 

新越谷のベンチに詠深と珠姫を先頭に

内野陣と白菊が歓喜の声を上げながら

戻ってきた後にやや遅れて真深と怜も

笑顔で戻ってきた

 

 

「皆さん、お疲れ様

そして初勝利おめでとうございます」

 

 

藤井先生が微笑みながらメンバーを祝福する

 

 

「凄いよ、みんな!

Bチームとはいえ去年の

東東京大会優勝チームに勝つなんて

特に6回裏のトリプルプレイは凄かったね」

 

 

「私なんて鳥肌がたったわ!」

 

 

戻ってきたメンバーに芳乃と息吹が

大興奮しながら称賛の言葉をかける

 

 

「けどピンチの原因は私のエラーだし

アレと大鷲戦のも入れてエラー2つだからな」

 

 

「それを言ったら私だってエラーしたし」

 

 

「私も皆さんの足を引っ張ってしまいました」

 

 

「私なんてエラー1つに3失点だったし」

 

 

初勝利に沸き上がりながらも

本日エラーをした稜、菫、白菊、息吹が

申し訳なさそうな表情でエラーを悔やんでいる

 

 

「みんな打球が強いわよね……

前進と思ったら後ろだったりしたから

打球の目測を誤らないようにするのが私の課題ね」

 

 

「私は守備のサインが細かくて

集中できなくなっていたからな」

 

 

苦笑いを浮かべながら呟く息吹と稜

 

 

実際に、稜が2つ、菫と白菊と息吹が1つずつと

2試合で合計5つのエラーを記録していたのだ

 

 

「まあ……確かに

経験不足を露呈した感はあるけど……」

 

 

「そのための練習試合です

練習試合を重ねて経験を積み重ね

至らないプレイがあったら普段の

練習で集中的に強化し得たものは

普段の練習で更に伸ばせるように

チーム全体で取り組んで行きましょう」

 

 

「「「「はいっ!!」」」」

 

 

藤井先生からの激励の言葉に

今日エラーをした稜、菫、白菊、息吹が

決意に満ちたように力強く返事をした

 

 

すると……

 

 

「先生! 帰ったらノックを受けたいです」

 

 

「私も、お願いします!!」

 

 

「私も是非!」

 

 

稜と菫と白菊が自ら藤井先生にノックを希望した

 

 

「私も! 出来れば投球練習もしたいです」

 

 

息吹はノックに加えて投球練習も希望してきた

 

 

「ふふふ……じゃあ、私も一緒に投球練習するわ」

 

 

息吹に続いて理沙も投球練習を志願した

 

 

「今日みたいな投球じゃ

詠深ちゃんの負担削減にはならないしね」

 

 

自分と息吹が投手に選ばれた理由を

理解している理沙としては大鷲戦の

投球内容では役目を果たせないと

危機感を強めたようである

 

 

「じゃあ、私も……」

 

 

「詠深ちゃんはダメだよ」

 

 

「えっ! なんでーーー!?」

 

 

「あれだけ投げたんだから

今日はしっかり休まないと肩を壊すよ」

 

 

「でも真深ちゃんから教わってる

"例の球"を投げる練習もしたい気分だし」

 

 

「それは、また明日以降にね」

 

 

「珠姫の言う通りよ、詠深

気持ちは分かるけど無理と焦りは禁物よ」

 

 

「うぅぅ……分かった」

 

 

珠姫と真深に止められ詠深は

渋々、今日の投球練習を断念すると……

 

 

「では武田さんと上杉さんは

股割りなど内野の練習は如何でしょう?

今後も内野の守備に付く機会もあるでしょうし」

 

 

「うぐっ!?……股割り?」

 

 

「あら嫌なの? 私はやるわよ」

 

 

「!? やっ……やります!」

 

 

藤井先生が股割りを提案し詠深は一瞬怯んだが

真深がやると聞いて一転して股割りを決意した

 

 

「私はトス打撃がしたいけん」

 

 

「え? 希ちゃん、打撃は絶好調だったよね?」

 

 

「チャンスで1回も打てなかったけん

そやから帰ったら沢山、打ち込みたいっちゃけん」

 

 

希はチャンスで全て凡退したことをが

悔しかったらしく打撃練習を志願した

 

 

「いい感じになってきたな」

 

 

「はい! チームが、できあがってきました」

 

 

そんなメンバーの様子に

怜と芳乃が微笑みながら見守っていた

 

 

「さあ! 余韻に浸るのも良いですが

そろそろ大鷲高校と交代の時間ですし

私たちは観客席の方に移動しましょう

強豪校同士の試合を見るのも参考なりますよ」

 

 

「「「「「「「「はーーい」」」」」」」」

 

 

藤井先生からも促され新越谷のメンバーは

ベンチを片付けて荷物や用具を纏めてから

大鷲高校と藤和高校の試合を観戦するため

客席の方へ移動していった

 

そして30分後に大鷲高校と藤和高校の

試合が行われたが強打の大鷲高校に対し

藤和高校の守備は先程ノックを希望した

4人にとっては非常に参考になっていた

 

因みに試合は、新越谷戦の反省を生かした

藤和高校が接戦の末、3-2という僅差で

大鷲高校を破った

 

それにより今日の練習試合は3校が

それぞれ1勝1敗と痛み分けの結果になった

 

こうして初勝利と共にやる気と課題を得た

新越谷のメンバーは大鷲高校と藤和高校の

メンバーと挨拶を交わした後に電車に乗り

意気揚々と学校へと帰っていった

 

 

しかしその日……

 

 

新越谷が県外で初勝利を

成し遂げたと同時に県内では

とんでもない練習試合が行われていた

 

 

 

 

 

ーー埼玉県内のとある球場ーー

 

 

 

 

 

「頼むぞ、彩優美!!」

 

 

「大野さん、意地見せるッス!?」

 

 

埼玉県内のとある球場で2週間前に新越谷が

練習試合で対戦した柳大川越の練習試合が

行われていたのだが柳大川越のベンチからは

追い詰められた雰囲気が出ていた

 

 

その訳は……

 

 

(打ちたいのは山々だけど

簡単には打てる球じゃないわよ!?)

 

 

柳大川越はリードを許していて

回はすでに7回裏の柳大川越の

攻撃だったがツーアウトにまで

追い込まれ打順は投手の大野だった

 

そして大野と対峙する相手の投手は

胸に大きく咲桜と刺繍がされている

ユニフォームを着た金髪の少女であった

 

 

「ウィラ! あと一人よ」

 

 

「最後、三振で閉めちゃって!」

 

 

なんとマウンドに立っていたのは

真深のライバルで咲桜の留学生ユイだった

 

 

ズバァァーーーン

 

 

「ストライク!」

 

 

ユイの豪速球が捕手のミットに

豪快な音をたてながら収まった

 

 

(なんてストレートなの……?

アンダースローで、この豪速球だなんて

しかも少し浮き上がりながら向かってくる)

 

 

ズドォォーーーン

 

 

「ストライク!」

 

 

(それに加えて鋭い変化球……)

 

 

ユイの圧倒的な投球の前に

大野は完全に飲まれてしまっていた

 

 

「大野さんがあっさり追い込まれたッス……」

 

 

「あんなに狼狽えた彩優美は初めて見たな……」

 

 

「実際とんでもない選手ですよ……

投球だけでも凄いのに私と大野さんから

1本ずつ本塁打を打って5打点上げてますから」

 

 

呆然としながら大島と浅井と朝倉が呟く……

 

 

試合は前半は咲桜の3年生エース小石が投げ

柳大川越は朝倉が先発で好投し攻撃の方でも

初回に浅井が2ラン本塁打を打つなど咲桜と

互角の試合をしていのだがユイがマウンドに

上がってから状況は一変した

 

柳大川越打線から次々と三振を奪い打撃でも

朝倉と途中からマウンドに上がった大野から

本塁打を放ったりチャンスメイクをしたりと

投打に渡り柳大川越を圧倒したのだ

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「ストライク、バッターアウト!」

 

 

最後は大野も三振に仕留め試合が終了した

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

:::: 1234567 .計

ーーーー ーーーーーーー ーー

.咲桜. 0032322 .12

柳大川越 2010000 .3

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「完敗だわ……」

 

 

「ウィラード・ユイ……なんて化け物だ」

 

 

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 

 

呆然と呟く大野と浅井に同調するかのように

柳大川越の選手たちも呆然としながら咲桜の

選手を見ているしか出来なかった

 

 

 

 

 

その一方で……

 

 

 

 

 

「ウィラ! ナイスピッチ」

 

 

「ありがとうございます。小関さん」

 

 

「打撃も凄かったわね……本塁打2本なんて」

 

 

「昔から投球も打撃も両方好きだったんです」

 

 

咲桜のベンチではユイが先輩の

小関に褒められて嬉しそうにしていた

 

 

「もうウィラがエースで良いんじゃない?」

 

 

「そうね……小石は今日、本塁打を打たれたし」

 

 

「ちょっと、諒!? 由比!?」(;^∀^)

 

 

小関と田辺の言葉にエースの小石が

思わず苦笑いをしながら突っ込みを入れる

 

 

「いいえ! 咲桜のエースは小石さんです

寧ろ1年生で留学生である私が名門の咲桜で

10番を貰えてるだけで十分に感謝してます」

 

 

そう言ってユイは自身の背中にある

2番手投手の背番号10に思いを馳せる

 

ユイは暫定ながら名門の咲桜で1年目で

レギュラーの座を掴んでいたのであった

 

 

「ウィラ……アナタ良い娘ね」

 

 

「アレだけの実力があるにも関わらず

天狗にならずに謙遜で立派だと思うわ」

 

 

「いつも1番にグラウンド整備をやるしね」

 

 

そんなユイを小石、小関、田辺が頭を撫でる

 

 

「咲桜は強力打線が売りではあったけど

本塁打を狙って打てる打者は居なかったし

今年は控え投手に不安があったから貴女が

咲桜に来てくれて私たちも感謝しているわ」

 

 

「これなら今年も優勝いけるわね!」

 

 

埼玉屈指の強豪校の咲桜にユイという投打に

隙のない強力な留学生の選手が加わった事を

知らしめる結果であった

 

 

「いいえ! 私にとって優勝するには

越えなくてはならない大きな壁がありますから」

 

 

「新越谷よね」

 

 

「はい!」

 

 

小関の言葉にユイは鋭い目付きで頷いた

 

 

「他校はノーマークだろうけど

私たちは少なくともAランクと見て

対策を立てておいたほうがいいわね」

 

 

「そうね……夏の大会では

いつ当たるかは分からないけど

警戒するに越したことはないからね」

 

 

なんと咲桜は新越谷をマークしていたのだった

そして片付けを終えた咲桜のメンバーは制服に

着替え柳大川越のメンバーに挨拶を終えた後に

バスに乗り学校へ帰っていった

 

 

 

 

 

ーーそして場面は新越谷高校に戻るーー

 

 

 

 

 

学校に帰って来たメンバーは

早速、藤井先生からノックを受けていた

 

 

「そうです!

早い打球は汚い格好でも、まず捕ること!」

 

 

「「はい!」」

 

 

藤井先生の渇に菫と稜は

息が上がりながらも返答しながら捕球している

 

 

「次、外野!」

 

 

内野陣のノックが終わると藤井先生は

息吹、白菊の外野陣の、ノックを始めた

 

センターに怜、レフトに息吹、ライトに白菊で

ノックを受けている

 

因みに怜の守備能力は問題ないのだが怜が

一緒にノックを受けながら息吹と白菊に

アドバイスが出来ればと2人のノックに

付き添う形で参加していたのだった

 

そしてグラウンドの隅では希がトス打撃を

理沙は投球練習をして珠姫はそれを捕球し

その近くで真深と詠深は股割りをしていた

 

 

それから暫く時間が経過し太陽が沈み

空が赤く染まり始めた頃に練習が終了し

同時に合宿も全ての課程を終えたのだった

 

 

「それでは、これにて合宿を終了する」

 

 

「試合も初勝利を達成して格上が相手でも

形になるのが確認できたのは大きかったね

それぞれのやるべき課題も見つけられたし

これからもじっくり地力を上げていこうね」

 

 

怜と芳乃の言葉にメンバーも嬉しそうに頷く

 

 

「先生! 最後に何があります?」

 

 

「皆さん……お疲れさまでした

改めて、初勝利おめでとうございます」

 

 

そう言ってチームの初勝利を祝福する

藤井先生だったが先程の練習で沢山の

ノックを打った為なのか体中の筋肉が

悲鳴をあげていて杖で体を支えるのが

精一杯の状態だった

 

 

「ですが初勝利に浮かれ過ぎず

気をつけて家に帰ってくださいね」

 

 

藤井先生は初勝利を祝福しながらも

浮かれないようメンバーに優しく注意する

 

 

「それと……これからも週末に

練習試合を組んでおきますので

今日の初勝利を励みに皆さんの

更なる成長に期待していますね」

 

 

「また試合できるの? やったーー!」

 

 

「やる気、出てきたぞ!」

 

 

「今度こそ、チャンスで打つっちゃ!」

 

 

また練習試合が出来ると聞いて

詠深、稜、希が興奮しながら声をあげたが

直後に一瞬でテンションが下がる言葉が

藤井先生の口から告げられた

 

 

「それと……部活も大事ですが

もうすぐ中間テストがあることも忘れずに

勉強の方も計画的にやっておいて下さいね」

 

 

「「「「「「「「はい……」」」」」」」」

 

 

「私はイヤだーーー!!」

 

 

中間テストと聞いてメンバー全員が

沈んだ声で返事をして稜に至っては

盛大に拒否反応を示すのだった

こうして合宿は終了した

 

 

 

ーー新越谷高校正門前ーー

 

 

 

「帰りのこと……

先生に釘を刺されちゃったわね」

 

 

「でも、ちょっとは御祝いしたいよね」

 

 

合宿が終わり解散したメンバーが

全員で正門を抜けて息吹と芳乃が呟くと

 

 

「初勝利か……」

 

 

静かに呟いた詠深の瞳から涙が流れ始めた

 

 

「詠深ちゃん、どうしたの!?」

 

 

急に泣き始めた詠深に芳乃を始め

真深と珠姫を除くメンバー全員が驚くと

 

 

「始めて勝てて嬉しかったんだよね?」

 

 

「中学では公式戦はおろか

練習試合でも1度も勝てなかったものね」

 

 

「うぅぅ……タマちゃん、真深ちゃん」

 

 

珠姫と真深は詠深の思いを悟っていたらしく

珠姫は肩を……真深は頭を優しく撫でたので

感情が押さえられなくなったのだろう詠深が

真深と珠姫に甘えるように更に泣き出した

そんな詠深にいつも困らされている真深と

珠姫も今日くらいはと多目に見てあげていた

 

 

「エースの初勝利か……

折角だし……みんなで祝うか?」

 

 

「そうね……カラオケなんてどう?

浮かれすぎない程度なら良いんじゃない?」

 

 

「賛成ーーー! 詠深とチームの

初勝利おめでとうパーティーやろうぜ!」

 

 

「もう! 早速受かれてるし……」

 

 

詠深の様子を見た怜と理沙が

簡単に祝おうと提案した途端に稜が

早速羽目を外しそうになり菫に注意されていた

こうしてメンバーはカラオケに向かっていった

 

 

 

 

 

ーー駅前近くのカラオケボックスーー

 

 

 

 

 

カラオケについたメンバーは

好きなお菓子や飲み物を注文し初勝利の

余韻を堪能しながら楽しい時間を過ごしていた

 

 

「詠深! 初の勝ち投手、おめでとう!」

 

 

「おめでとう、詠深ちゃん!」

 

 

真深と珠姫が先に詠深の初勝利を

祝福すると他の仲間からも次々と

祝福の言葉が送られてくる

 

 

「うぅぅ……みんな、ありがとう!」

 

 

詠深は感動したことに加え校門前とは違い

周囲に赤の他人が居ないカラオケボックスの

中であったこともあり盛大に泣き出してしまう

 

 

「嬉しいよ~~~!!」

 

 

「もう……昔から涙脆いのは変わらないな」

 

 

「でも、そこが詠深の良いところなのよね」

 

 

幼馴染みである珠姫と従姉妹の真深が

詠深が小さい頃から涙脆かったことを

思い出しながら微笑ましそうな表情になる

 

その後は歌ったり食べたり飲んだりしながら

チームと詠深の初勝利を心から楽しんでいた

 

そして暫く盛り上がった後にメンバーは今日の

大鷲高校と藤和高校との試合をから得た成果と

反省点と今後の課題を話し合い始めた

 

 

「今日の2試合を通じて痛感したのは

さっきも言ったけど……やっぱり守備だね」

 

 

大鷲戦と藤和戦のメンバーの成績を記録した

タブレットを見ながら口にした芳乃の発言を

否定するメンバーは1人も居なかった

 

 

「アレだけエラーをすれば

勝てる試合も勝てなくなってしまうからな」

 

 

「そうですね……

正直に言って藤和に勝てたのも詠深ちゃんが

三振を多く取ったからというのもありますし」

 

 

怜と芳乃が指摘するように藤和との試合は

詠深が柳大川越との試合より奪三振が多く

内野ゴロや外野フライが少なかったことが

勝ちに繋がったことはエラーを連発して

敗れた大鷲との試合のデータから見ても

明らかなものであった

 

 

「でも……何より初勝利に繋がった

大きな要因は真深ちゃんのホームランね」

 

 

「そうだな……1点先制した後の2ランと

最終回で逆転しようという相手の希を打ち砕く

ホームランと大事な場面で打ってくれたからな

やはり真深をチームの4番にして正解だったな」

 

 

「そんな……怜先輩こそ

目の覚めるような凄い二塁打でしたよ」

 

 

理沙と怜から褒められ

恥ずかしそうに顔を赤くする真深

 

 

「真深ちゃんがホームランで

援護してくれて私も嬉しかったよ~~!」

 

 

「はいはい」

 

 

詠深が真深に嬉しそうに喜びを表現してきて

真深も詠深を落ち着かせながらも嬉しそうだ

 

 

「でも本当に凄いわよ!

大鷲戦でも1本、打ったから今日一日で

3本も打ったってことだし、柳大川越で

打ったのも入れれば3試合で4本塁打よ」

 

 

「流石アメリカでボストフやジータパーラーと

クリンナップを組んだ通算本塁打30本越えの

新越谷のスラッガーだな!」

 

 

菫と稜も試合で目の当たりにした

真深の打撃力を改めて称賛する

 

 

「ありがとう……

でも大事な場面で打てたのは

皆がベンチから応援してくれたお陰よ

皆の後押しがなかったら打てなかったと思う」

 

 

「真深ちゃん……」

 

 

静かに呟いた芳乃の言葉に

去年の真深の置かれた辛い状況を知っていた

他のメンバー達も真深の言葉の重みを悟っていた

 

 

「今日はチームの初勝利だけでなくて

詠深の初勝利まで一緒に喜んでくれて

1度は辞めようと思ってた私の野球に

対する思いを取り戻してくれて改めて

新越谷に入ってチームの一員になれて

良かったと心から思うわ……ありがとう」

 

 

「なっ、なんだよ真深……照れるじゃないか」

 

 

真深からの感謝の言葉に恥ずかしそうにする

メンバー達を代表するかのように稜が照れた

表情と言葉で真深に言い返すと……

 

 

「うぅぅぅ……私も新越谷に来て

皆と同じチームになれて凄く嬉しいよ~~」

 

 

「詠深……また泣いてるの?」

 

 

「だって……

私も真深ちゃんと同じこと考えてたから」

 

 

再び泣き出した詠深に苦笑いを浮かべて

突っ込む真深に詠深が泣きながら答える

 

 

「このメンバーで夏の大会も勝ちたいな」

 

 

「ええ……私もよ」

 

 

続けて口にした詠深の思いに真深も頷く

 

 

すると……

 

 

「あっ……息吹さんが貰い泣きされてます」

 

 

「真深と詠深の苦労を知ってるからね~~」

 

 

白菊の言葉に気づいて見てみると

息吹が詠深に負けないくらいの勢いで泣いていた

 

 

「でも……真深ちゃんのホームラン以外にも

怜先輩の打撃力も凄かったですし理沙先輩も

抜ければ長打になった当たりがありましたし

菫ちゃんも稜ちゃんも調子は悪くなかったよ」

 

 

芳乃もチーム全体の打撃力に手応えを感じていた

 

 

「あとは白菊のホームランが出れば完璧だな」

 

 

「はい! 精進します!」

 

 

稜からの激励に白菊は気合いを入れていた

 

 

「私はチャンスで打てるようになるけん!」

 

 

やはり希は藤和との試合で2度の

チャンスで凡退したことを悔やんでいた

 

 

「希は、さんざん打ってチャンス作っただろ?」

 

 

「チャンスで打てなきゃ意味なかろうもん!」

 

 

「おっ、おう……そうだな……」

 

 

稜としては褒めたつもりなのだが

自分の結果に満足していなかった

希に強く反論されてしまっていた

 

 

「でも確かに大鷲戦も藤和戦も

打線の繋がりは凄く良かったと思うよ」

 

 

参謀の芳乃も珠姫と同様に

チームの打撃には手応えを感じたようだ

 

 

「芳乃ちゃん! 初勝利したし

全国に行ける可能性、上がったっちゃないと?」

 

 

詠深の夏の大会も勝ちたいという言葉を聞いた

希が身を乗り出す勢いて隣に座る芳乃に尋ねる

 

 

「う~~ん……そうだね

確かに攻撃の方は期待値が高いけど

何度も言うけど守備を向上させないとね」

 

 

「そやね……」

 

 

冷静にチームの状態を分析して指摘する

芳乃の言葉に希も反論の余地は無かった

 

 

「でも6回裏のトリプルプレイは凄かったから

これから夏の大会まで皆が頑張って練習すれば

きっと守備のレベルも上がって良くなる筈だよ」

 

 

「だな!」

 

 

「頑張らないとね」

 

 

「私も守備で精進します」

 

 

「私は投手でも上達させないと」

 

 

稜、菫、白菊、息吹が改めて

己の守備力の向上を決意すると同時に

改めて全国出場を目指して気持ちを1つにし

初勝利おめでとうパーティーは幕を下ろした

 

 




原作では大鷲高校や藤和高校との
試合は連敗したことに加えてエラーが
重なったことから千本ノックでしたが
この物語では初勝利したことによって
もっと上手くなりたいとメンバー達の
闘志に火が付き自らノックを希望する
展開にしましたが大丈夫だったでしょうか?

それからユイは小関を初め先輩たちから
田辺由比と区別を付けるためにウィラと
"あだ名"で呼ばれています

だったらウィラードの名前を別にすれば
良かっただろうと思うかもしれませんが
底は何卒、目を閉じて頂けるとありがたいです

次回は中間テスト……
真深の学力が明らかになるのでお楽しみに!
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