詠深の従姉妹はホームラン打者   作:たかと

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今回は梁幽館と埼玉宗陣の
ビデオのチェックと対策と
芳乃と息吹による影森への
偵察の話しになります

殆ど原作と同じ展開ですが
梁幽館の映像を見たあとに
詠深が希と対戦したあとに
真深とも対戦しますので
勝負の行方を見届けてください



第17話 対策と偵察

芳乃からユイの伝言と激励を聞いて

夏の大会に向けての意欲を更に高めた

真深、詠深、珠姫、息吹、芳乃は梁幽館と

埼玉宗陣の春の大会の試合を見る為に

意気揚々とビデオルームに駆け込んだ

 

 

「みんな、お待たせ~~♪」

 

 

「遅いぞ芳乃。早くビデオ見ようぜ!」

 

 

芳乃たちがビデオルームに着くと

先にビデオルームに来ていた稜が

早く梁幽館と埼玉宗陣のビデオを

見たいと芳乃に催促する横で怜は

ユイからの伝言を聞いたであろう

詠深たちの先程までとは少し違う

雰囲気に満足そうな笑みになると

そんな怜の表情に気づいた芳乃も

怜に向けて小さく頷いて見せると

 

 

「うん! 直ぐに準備するからね」

 

 

稜に催促された芳乃は嬉しそうに

ノートパソコンを取り出して

ビデオを再生する準備を始めると

芳乃はものの数分で準備を整えた

 

 

「それじゃあ始めるよ」

 

 

そう言って芳乃はノートパソコンを

操作してビデオルームの黒板の前に

設置されたスクリーンに春の大会の

映像を再生させると先に埼玉宗陣の

エースの古川の映像が写し出された

 

 

「埼玉宗陣のエースの古川さん

豪速球とチェンジアップ中心の本格派だよ」

 

 

映像には相手打者に豪速球で

相手打者を三振に打ち取った

シーンが流れる

 

 

「早いな~~!」

 

 

古川の投球を見た稜が打者を三振に

打ち取った古川の豪速球を見た稜が

興奮した様子で声をあげてると他の

メンバーもその投球に目を光らせている

 

 

「それじゃあ、次は梁幽館の映像ね」

 

 

ある程度、古川の投球を写した芳乃は

再度ノートパソコンを操作して今度は

梁幽館の映像に切り替えると梁幽館の

エースで4番の中田の姿が写し出された

 

 

「梁幽館のエースの中田さんも

古川さんと似たタイプなんだけど

それよりも凄いのが……この打力!」

 

 

芳乃の言葉と同時に中田がバックスクリーンに

豪快なホームランを打つシーンが写し出された

 

 

「先制スリーラン!」

 

 

「おおっ!」

 

 

「エースで4番……カッコいいな~~」

 

 

中田のホームランを見た希が

興奮して目を光らせている横で

詠深は投手と打者の両方を極める

中田に憧れの言葉を口にしていたが

 

 

「ホント凄い打撃ね」

 

 

「真深みたいだな!」

 

 

理沙と稜が中田の打撃を見て

真深みたいだと言葉にすると

 

 

「そんなことないもん!

真深ちゃんの方が、もっと凄いもん!」

 

 

そう言って詠深は中田より

真深の方が凄い打者だと拗ねた表情になる

 

 

「詠深の気持ちは嬉しいけど

中田さんの打撃はアメリカでも

十分に通用するレベルだと思うわ」

 

 

そんな詠深に真深は嬉しく思いながらも

中田の打力のレベルの高さを指摘していた

 

 

「そして梁幽館の2番手、吉川さんは……」

 

 

再び芳乃がノートパソコンを操作すると

今度は吉川の投球シーンを写し出された

 

 

「速球とスライダーで高い奪三振率

2年前は割りとノーコンだったけど

これを見た限りでは良くなってるね」

 

 

吉川が初球に投げた直球を見た珠姫は

かつて美南ガールズでバッテリーを

組んでいた時よりもコントロールが

良くなっている事を指摘すると次に

吉川がスライダーを投げるシーンが

写し出された

 

 

「このスライダー!」

 

 

「詠深さんの"あの球"に似てますね」

 

 

吉川の投げたスライダーはコースも

急速も詠深の投げる"あの球"に

よく似ていたので菫と白菊が驚くが

 

 

「全然似てない!

詠深ちゃんの方がよっぽど制球いいし!」

 

 

先程、中田の打撃が真深の打撃に

似ているという指摘に、反論した

詠深のように珠姫も吉川の投球が

詠深に似ているという指摘に反論するが

 

 

「自分で言うのもアレだけど、似てるよ……」

 

 

中田の打撃が真深の打撃に似ていると

発言した稜と理沙を異議を唱えた詠深に

真深が否定した様に今度は詠深が吉川の

スライダーが自分の"あの球"に似てると

発言した菫と白菊に異議を唱えた珠姫に

詠深が否定していた

 

そんな二人を見たメンバーは

姉妹見たいに、よく似た従姉妹だと感じていた

 

 

映像を見た後は芳乃は

2回戦で先発するであろう吉川の

速球と斜めに落ちるスライダーの

対策を兼ねた練習プランを提案した

 

 

「速球にはマシンの最高設定で対策

そしてスライダーには詠深ちゃんの投球練習を

兼ねた実践形式のフリーバッティングをするよ

必ず1打席につき1球はあの球を見せること!」

 

 

芳乃がスライダー対策に詠深との実践形式の

練習を提案すると希が1番乗りで嬉しそうな

様子で詠深に勝負を申し込んできた

 

 

(詠深ちゃんとの対決……

この時をずっと待っとったよ!)

 

 

子供のようなワクワクした笑顔で

希はヘルメットを被ってバットを構えた

 

 

(練習だし気持ち良く打たせるか……

と思ったけど……全力で打ち取りに行くよ

これは私達の練習でもあるんだから!)

 

 

(うん!)

 

 

珠姫からのサインに詠深も

気合いをいれた表情で頷いて見せた

 

 

(希ちゃんは仮想、梁幽館の陽さん……

初級からビシバシ決め球を狙ってくる

そう簡単には"あの球"は投げてあげないよ)

 

 

そして珠姫は内閣にミットを構えると

指でサインを出して投げる球種を示す

 

 

(わかった)

 

 

それに頷いた詠深は内角一杯に

"ツーシーム"を投げ込むと球は

内角一杯に決まった

 

 

「"ツーシーム"……マジやん!」

 

 

希は初めて投じられた詠深の

"ツーシーム"に興奮した様子を見せる

 

 

その後、詠深は2球目に"あの球"を

思わせるコースに、直球を投じると

流石に空振りは取れなかったものの

次に投じた"あの球"で希を空振りに

打ち取りに勝負は詠深の勝ちとなる

 

 

「まず私の1勝ね」

 

 

「次は勝つけんね」

 

 

詠深も希も勝負に満足したらしく

微笑むような笑顔を送りあった

因みに希が三振するのは練習でも

試合でも今のが初めてであった

 

 

「さて、次は……」

 

 

希を三振にした詠深と珠姫が

次に対戦を指名した打者は……

 

 

「真深ちゃん、お願い!」

 

 

「あら……次が私でいいの?」

 

 

「うん!」

 

 

「真深ちゃんと

もう1回真剣勝負したかったんだ」

 

 

そう言って珠姫と詠深は怜と理沙が

チームに加わってくれた日に真深と

"あの球"で勝負した時のことを口にする

 

 

「分かったわ……遠慮はしないわよ」

 

 

「「望むところだよ!」」

 

 

全力で打ちにいくという真深の

挑発に詠深と珠姫も口を揃えて返し

再び真深と詠深の真剣勝負が始まった

 

 

(真深ちゃんは正に仮想、梁幽館の中田さん

長打力に加えて難しい球をカットする技術も

優れているから相手にとって不足はないからね)

 

 

そして最初に珠姫の出したサインは……

 

 

(真深ちゃんは相手の球質や球筋を

見るために初球は見逃すことが多い

だったら……初球は内角一杯に直球)

 

 

(うん!)

 

 

サインに頷いた詠深は珠姫の

サイン通りに内角に直球を投げると

珠姫の読み通りに真深は初球を見逃した

 

 

(よしっ! やっぱり見逃した……

なら顔面4分割で外角低めに"あの球"で!

真深ちゃんには前の勝負で打たれているし

出し惜しみしないで思いっきり投げてね!)

 

 

(オッケー! 今度は打たせないよ!)

 

 

詠深は"あの球"を投げる練習にと

芳乃が提案した顔面4分割による

外角低めに投げ"あの球"は真深から逃げる様に

鋭く外角低めに大きく曲がりながら落ちていく

 

 

しかし……

 

 

ガキィィィィィィィン

 

 

「「!?」」

 

 

真深は外角低めに逃げる

"あの球"をバットの芯で

捉えてライト方向へ大きく飛ばした

 

 

「ファールでしょ? ファールだよね!?」

 

 

「…………!?」

 

 

固唾を飲んで打球の行方を見る珠姫と詠深

 

そして打球はかなりギリギリだったが

ファールゾーンに切れていってくれた

 

 

「「ふぅ~~」」

 

 

ファールになり安堵の溜め息を吹いた

 

 

(やっぱり、一筋縄ではいかないか

思えば藤和との試合でも外角低めの

難しい球をホームランにしていたよね)

 

 

真深の特大ファールに珠姫は

新越谷が初勝利を納めた藤和高校との

練習試合での真深のホームランを思い出した

 

 

(タマちゃん、どうしよう?)

 

 

真深の特大ファールを目の当たりにし

自分の投球は真深に通用しないのではと

流石の詠深も不安そうに珠姫に目を向ける

 

 

(大丈夫! 次は内角寄りに"コレ"でいくよ!)

 

 

(大丈夫かな?)

 

 

(多少は"一か八か"だけど

初球に内角一杯に直球を見せたあとに

外角低めに"あの球"を投げたから可能性あるよ)

 

 

(うん、分かった! タマちゃんを信じるよ)

 

 

珠姫の出したサインに詠深は強く頷いた

 

 

一方の真深は……

 

 

(初球に内角寄りに、直球を見せた後に

"あの球"を外に大きく外して来たわね

だとしたら次は内角一杯に外した後に

"あの球"が投げるか続けて"あの球"を

続けて投げてくるかね)

 

 

真深も真深なりに珠姫のリードと

分析して詠深の次の球を予測していた

 

そして詠深の投じた3球目は初球と

同じ内角寄りのコースに投げ込んできた

 

 

(やっぱり……2球続けて"あの球"ね)

 

 

2球続けて"あの球"と判断した真深が

外角に大きく曲がるであろうボールを

捉えようとしたが……

 

 

(!?)

 

 

ボールは逆に真深の方向に曲がってきたのだ

 

 

("ツーシーム"!?)

 

 

外へ逃げる"あの球"が来ると

読んでいた真深は意表を突かれてしまった

 

 

(よしっ! 上手く逆をついた!)

 

 

珠姫も真深の読みの裏をつけて

真深を打ち取れたと確信した

 

 

……しかし

 

 

(甘いわ!)

 

 

真深は瞬時に体制を建て直すと

腕を上手く畳んでバットを振り抜いた

 

 

キィィィィィィィン

 

 

「「!?」」

 

 

真深が"ツーシーム"を捉えると

打球は三塁線へと弾き返されて

レフトの方向へ転がっていった

 

 

(完全に逆をついたのに

瞬時に体制を建て直して打つなんて……)

 

 

並みの打者は読みと違う投球をされると

対応しきれずに打ち損じて強い打球には

ならないものを真深は体制を建て直して

強い打球を放ったので改めて珠姫は真深の

打撃力と技術力のレベルの高さを痛感した

 

 

「やっぱり真深ちゃんには敵わないか……」

 

 

詠深も真深の打撃力を前に

苦笑いをしながらも残念そうに呟いた……が!

 

 

「ううん……詠深の勝ちよ」

 

 

「「え?」」

 

 

真深の敗北宣言に詠深と珠姫は目を丸くした

 

 

「今の打球なら三塁手に取られて

内野ゴロになってたわ……ですよね理沙先輩?」

 

 

「そうね……今くらいの打球なら私も取れたわ」

 

 

真深が自分の放った打球は三塁ゴロに

なっていたと認めチームの三塁手である

理沙に確認すると理沙も取れると証言した

 

 

「だから今の勝負は詠深の勝ちよ」

 

 

理沙の確認も取れたこともあり

真深は改めて詠深に自身の負けを認めた

 

 

「やっ、やったーー! 真深ちゃんを打ち取れた」

 

 

すると詠深は自分の投球で真深を

打ち取れたとマウンド上で喜びを現した

 

 

「やったね、詠深ちゃん!」

 

 

「うん! タマちゃんのリードのお陰だよ!」

 

 

そんな詠深を珠姫も称賛を惜しまなかった

 

 

「流石ね、二人とも……

私は"あの球"を少し意識しすぎたみたいね」

 

 

真深は自分の敗因を分析して呟いた

 

 

「私たちも強くなってる

だから勝てるよ……どこが来ても」

 

 

「うん!」

 

 

チームのリードオフガールである希と

チームの4番である真深を打ち取れて

詠深と珠姫も自信を持つことが出来たようだ

 

その後も詠深と珠姫は他の打者とも勝負して

対する打者の方も自分の打撃練習である為に

互いとって有意義となる真剣勝負になっていた

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

 

 

 

西武秩父駅の前には芳乃と息吹の姿があった

 

 

「初戦で当たる影森高校は

最近のデータが殆んどない

つまり……直接見るしかないよね」

 

 

「私達は偵察部隊……という訳ね」

 

 

「うん」

 

 

新越谷が初戦で当たる影森の最寄り駅であり

二人で影森の偵察に来たのである

 

 

「分かっている範囲では

ここ3年間だと3回戦が最高……

公式戦で柳大や椿峰に敗退してる

とはいえ全てはロースコアの接戦」

 

 

「とても不気味ということね」

 

 

「うん……抽選会にも

マネージャーしか来てなかったし

少しでも情報が得られると良いな」

 

 

駅から影森高校へ向かう道中で芳乃は息吹と

会話をしながらデータの多くある梁幽館を

初めとした強豪校よりやっかいな相手かもと

感じながら歩みを進めていた

 

やがて芳乃と息吹は影森高校の野球部の

グラウンドの近くにある小高い丘にある

公園に辿り着いた

 

 

「ここからなら

盗み見しなくても丸見えだよ。ありがたい!」

 

 

その公園は影森の野球部のグラウンドの

全体が見下ろせる偵察にはもってこいの

場所だった

 

 

「早速ノックを受けてる!

体の線は細いけど、ちゃんと練習してるなぁ」

 

 

「守備上手いわね」

 

 

ノックから見ても影森の守備のレベルは

芳乃が見ても、それなりに高いことが伺えた

 

 

「おっ! あの子が

影森のエースの中山さんだね

息吹ちゃん、よく見ておいて!」

 

 

「えっ?」

 

 

芳乃が息吹に影森のエースの

中山を見ておくように頼むと

やがて中山が投球練習を始めた

 

 

「おおっ! アンダースロー!」

 

 

中山のアンダースローに息吹も

興味深そうに中山の投球練習に注視する

 

しかし芳乃と息吹が投球練習を見初めた

直後に中山が冷たい視線を向けて振り返った

 

 

「ひっ!?」ゾクッ

 

 

その冷たい視線に芳乃は

重圧を感じ瞬時に身を伏せた

 

 

「まっ、まさか気付かれたの……?」

 

 

「この距離だし

大丈夫なはずだけど

なに……今のプレッシャー?」

 

 

中山の放つ不気味なプレッシャーに

芳乃と息吹は堪らず退散して駅前に

戻り蒸しパンを食べながら個人的に

感じた影森を見た感想を話し合った

 

 

「かなり不気味なとこだったわね」

 

 

「個々は強いように見えなかった

中山さんの球もそこまで凄くなかったし……」

 

 

「特殊な戦術でも使うのかしら?」

 

 

「ともあれ嫌な予感がするね……」

 

 

二人が共通して感じたのは

やはり影森の不気味な雰囲気だったようだ

 

 

「というか今日

私が付いてきた意味あるのかしら?」

 

 

「ああ……それはね」

 

 

芳乃が息吹を連れてきた理由……それは

 

 

 

 

 

ーー翌日ーー

 

 

 

 

 

「昨日見てきたけど……

影森高校は守備型のチームだと思われるよ」

 

 

芳乃はさっそく得てきた

影森の情報をメンバーに伝授していた

 

 

「エースはアンダースローだよ」

 

 

「アンダースロー!?」

 

 

相手のエースがアンダースローと聞いた希が

対戦が楽しみなのか目を輝かし身を乗り出す

 

 

「うん! 息吹ちゃんが再現してくれるよ」

 

 

芳乃がそう言うとマウンドに上がった息吹が

偵察で見たように中山のアンダースローを

得意のコピー能力で忠実に再現して投球する

 

 

キィィィィィィィン

 

 

そしてそれを打席に立った怜が打ち返した

 

 

「なるほどね……」

 

 

息吹のコピー能力で再現される

中山のアンダースロー対策と練習の為の

芳乃は息吹を連れていって行ったのであった

 

 

次回……【大好きなチームのユニフォーム】

 

 




ユニフォームを貰う場面まで
書こうと思っていましたが切れ目が良いですし
長くなりそうなので今回はここまでにしました

楽しみにしてくださった方には申し訳ありません

次のユニフォームの話しが書けたら
次はいよいよ夏の大会の話しに入ります

やっと此処まで来れましたので
これからも宜しくお願い致します
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