詠深の従姉妹はホームラン打者   作:たかと

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遅くなって申し訳ありませんでした

急遽仕事が忙しくなり書く時間が
取れずに時間が掛かってしまいました

今回は1回裏の梁幽館の攻撃に入ります

ここもオリジナル展開で行くので
どのような展開になるか楽しんで
読んで貰えると嬉しいです

それではご覧下さいませ!



第25話 盗ませてもらうよ

新越谷が2点を先制して1回表が終わって

これから1回裏の梁幽館の攻撃に移るため

互いのメンバーがベンチに引き上げていく

 

 

すると……

 

 

「フフッ……フフフフ」

 

 

「ウィラ、どうしかしたの?」

 

 

「含み笑いなんかしちゃって」

 

 

そんな中で不意にユイが笑い出したので

小関たちが理由を予測しながらも尋ねる

 

 

「いえ……去年と変わらず……

寧ろ更にパワーアップした真深の

打撃力とスイングを見たあまりに

私もテンションが上がってしまって

楽しくて笑いが堪えられなくなって」

 

 

「闘志に火がついたって訳ね」

 

 

「分かるわ……あんな打球を

見せられて投手でない私ですら

興奮したから投手で、しかも彼女と

対戦する為に留学してきたウィラは

興奮を押さえられないのは当然よね」

 

 

「仮に彼女が咲桜に来たら彼女も

1年生からレギュラーを取れただろうね」

 

 

ユイから笑い出した理由を聞いた

小関、田辺、久保の3人も予測通りだと

思いながら納得した様子を見せた時だった

 

 

「はい……私も同感です」

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

不意に横から声がしてユイたちが声がした方を

向くと咲桜の制服を着たクールビューティーな

雰囲気の長い黒髪の少女がいた

 

 

「二宮さん!?」

 

 

「あなた学校にいたんじゃなかったの!?」

 

 

その姿を見たユイと小関が驚きの声をあげる

 

 

彼女の名前は二宮瑞希……

 

 

今年、咲桜高校に入学した1年生部員で

ユイと同じく、1年生で背番号を貰った

チーム全員が期待を寄せる、捕手だった

 

 

「ウィラードさんが1度も打ち取れずに

アメリカで黄金世代とまで言われていた

ボストフ選手たちとチームメイトだった

上杉さんと上杉さんの従姉妹でエースの

武田さんの試合は是非とも近くで見たく

監督に頼んで許可を貰って来ました」

 

 

「そうなんだ……

まぁ、監督が許可したなら良いわね!」

 

 

「それに二宮さんは分析が得意だし」

 

 

「うん……丁度、良いかもね!」

 

 

許可を貰らったと聞いた小関たちは先輩は

二宮瑞希が来て寧ろ良かったと思っていた

彼女は相手の情報収集も得意だったからだ

 

 

「とはいえ梁幽館も名門の意地がある筈ですし

向こうには上杉さんにも劣らない打者がいます」

 

 

「そうね……この試合

どうなるか、まだ分からないわね」

 

 

そう言って二宮と小関は

真剣な表情になって静かに呟いた

 

 

「1番で通算打率6割の陽秋月さんと

4番で通算本塁打50本の中田奈緒さんですね」

 

 

「うん……実は去年の夏大会の準決勝で咲桜は

梁幽館と当たったんだけど陽秋月にヒット3本

そして中田には本塁打を1本打たれて苦戦して

僅差で辛くも勝った試合だったからね……」

 

 

「あの試合は、きつかったわね……

特に中田は相手が強いほど力を発揮する

タイプだから当時の3年生の先輩投手も

中田にはかなり手こずらされてたわよね」

 

 

「「…………」」

 

 

ユイの言葉に田辺と久保が答えると

ユイと二宮は興味深そうに聞き入っていた

 

 

一方、双方のベンチでは……

 

 

(2点止まりか……

今の稜ちゃんの打球が抜けてたら

3点差だったのに……希ちゃんの打球といい

稜ちゃんの打球といい何でアウトにできるの?)

 

 

芳乃は改めて梁幽館の内野陣の

守備力の高さに狼狽えてしまっていたのだが

 

 

(ううん! 2点取れたんだ!

真深ちゃんのホームランが無かったら

間違いなく0点だったし良い流れだよね!

お陰で詠深ちゃんは気持ちに余裕を持って

投げられるし菫ちゃん、稜ちゃん、白菊ちゃんも

2点リードして緊張も取れたから良しと見よう)

 

 

芳乃は、なんとか気持ちを前向きに切り替えた

 

 

そして梁幽館のベンチでは……

 

 

「2点リードされるのは久しぶりだな……

だが焦らず1巡目は見ていくことにしよう

勿論チャンスがあれば同点か逆転を狙うぞ」

 

 

「「「「「「「「おうっ!!」」」」」」」」

 

 

キャプテン中田からの呼び掛けに

チームメイトたちが声高らかに答えた

 

 

そして……

 

 

「「「ゴーゴー、レッツゴー、梁幽館!!」」」

 

 

「「「ゴーゴー、レッツゴー、梁幽館!!」」」

 

 

三塁側に陣取る梁幽館の応援団から

大声援と吹奏楽団の応援ソングが鳴り響いた

 

 

「おおー! 強い学校って感じだな~~」

 

 

「うちも、ああいうの欲しいね」

 

 

マウンド上で詠深と珠姫は

梁幽館の応援団を見て少し興奮していたが

 

 

「ねぇ、タマちゃん

私の投球……通用すると思う?」

 

 

「全国クラスの打線に通用したら凄いね」

 

 

「…………」

 

 

珠姫からの励ましの言葉を送られると

詠深は何やら考え込んだ様子になった

 

 

「どうしたの? 緊張してきた?」

 

 

その様子を見た珠姫が

心配して再度、詠深に声を掛けてみると

 

 

「ううん! ワクワクしてきた!」

 

 

「そっか」

 

 

遊園地に遊びに来た子供のように

楽しそうな笑顔になっていたので

珠姫は安堵して再び言葉を送る

 

 

「今日は初回から全力で行くからね

2点リードしてるしリラックスして投げてね」

 

 

「うん、大丈夫!」

 

 

「梁幽館を見に来た観客も多いから

さっき真深ちゃんがホームラン打って

観客を驚かせたように私たちも私たちの

力を見せて見ている皆を驚かせちゃおう」

 

 

「うん! 今度は私たちの番だね!」

 

 

そう言って詠深と珠姫がレフトの守備に

入っている真深を見ると二人の視線に

気づいた真深は"頑張れ"とグローブを

填めていない右手の拳を握りながら腕を

小さく上げたので二人も同じように腕を

小さく上げて答えた

 

 

《1回裏、梁幽館の攻撃は

1番、中堅手、陽秋月さん》

 

 

そして詠深と珠姫の準備が整うと梁幽館の

1番打者の陽秋月がゆっくりと打席に立つ

 

昨年の夏から打率6割を維持する梁幽館の

不動の1番打者にして足も早く基本的には

栗田監督の指示や管理の元で打たせている

梁幽館のメンバーの中で中田と共に自分の

判断で好きに打つ特権をも与えられている

 

それだけ監督からの信頼が厚いことに加え

先頭打者本塁打の数も多いという長打力も

持ち味の真深や中田にも劣らぬ強打者だ

 

そんな陽秋月を間近で見る捕手の珠姫は

冷静に陽秋月を打ち取る策を練っている

 

 

(苦手なコースは強いて言えばアウトコース

単打なら勝ちくらいの気持ちで攻めていくよ)

 

 

(うん!)

 

 

珠姫からのサインに詠深は笑顔で頷く

 

 

(公式戦初投球は……

アウトコースへの"ストレート"!)

 

 

バシィッ

 

 

詠深の外角へのストレートが決まり詠深は

高校での公式戦初投球でストライクを取った

因みに陽秋月は手を出すことなく見送った

 

 

(初球打ちが多い陽さんが見送った

珍しく見ていくつもりなのかな?

だったら今度は同じコースに"コレ"を!)

 

 

(オッケー!

アウトコースへの"ツーシーム"!)

 

 

続けて外角へ……

但し変化球である"ツーシーム"を投じたが……

 

 

カキィィィィィィィィン

 

 

((えっ!?))

 

 

先程は見送ってきた陽秋月が同じコースへの

ツーシームをジャストミートさせると打球は

レフト線への大きな当たりになった

 

 

「大きい!」

 

 

「入るか?」

 

 

陽秋月の放った打球に梁幽館のベンチと

応援団の席から本塁打を期待する声が上がるが

打球を確認したレフトを守る真深がその場から

一歩も動くことなく詠深と珠姫の2人に向けて

大丈夫と言うかのように手を横に振ると打球は

レフトのポールの外へ抜けてファールになった

 

 

「なぁ~~!」

 

 

「惜しい!?」

 

 

惜しくもファールとなった打球に

梁幽館のベンチや応援団に観客が

悔しそうに頭を抱えていた

 

 

「ほっ……」

 

 

「助かった……」

 

 

そして真深の身ぶりを見て信じた珠姫と詠深が

打球が切れるのを確認する前に安堵の溜め息を

したが、それに驚く者が数人いた

 

 

「今の陽さんの打球……

ホームランになるかファールになるか

ギリギリの打球だったのに、真深は打球を

見た瞬間に打球の行方が分かったのかしら?」

 

 

「多分……でも速い段階でファールだと

分かったら無駄に打球を追いかけて余計な

体力を消費することを抑えることができるよ」

 

 

「ですね……

あまり目立たないプレイですが

真夏の暑さの中で試合をする中で

それは非常に大きいと思いますね」

 

 

新越谷のベンチで戦況を見守っていた

息吹、芳乃、藤井先生の3人が陽秋月の

打球を追うのを止めた真深を見ながら

感想を口にしていた

 

 

そして、もう一人……

 

 

「…………」

 

 

先程の真深のホームランを見てから

真深に興味をもった中田がベンチで

それに気づいて腕を組んで見ていた

 

 

(コースが良いぶん助かったけど

外いっぱいの球を、あそこまで飛ばすか

先頭打者本塁打の数が多いのも納得だね

これじゃ一瞬たりとも油断はできないね)

 

 

一方で珠姫は陽秋月の長打力を

目の当たりにして直ぐに詠深に

決め球で勝負させる判断をした

 

 

(出し惜しみしている余裕はない

詠深ちゃん! "あの球"いくよ!)

 

 

(うん!)

 

 

珠姫から"あの球"(ナックルスライダー)の

サインが出ると"待ってました"とばかりに

詠深の表情が満面の笑みになった

 

 

(!?……なんか来る!)

 

 

そんな詠深の様子に気づいた陽秋月が

詠深が決め球を投げて来ることを察知して

対応して見せようと集中力を更に高めていた

 

 

「来るか、決め球……見せてみろ!」

 

 

ベンチでは中田も詠深の決め球を

目に焼き付けようと集中して見届けていた

そして詠深は嬉しそうに"あの球"を投じる

 

 

(えっ……直球!? いや、曲がる!)

 

 

それを見た陽秋月は前の2球と同じような

外角へ投じられた直球かと思ったが詠深の

雰囲気から外角からゾーンに入ってくる

変化球だと直ぐに判断し直すと予測通りに

曲りながら入ってきたが詠深の"あの球"は

陽秋月の予想を上回る角度で落下しながら

曲がってきたので対応できずに三振となる

 

 

「ストライク、バッターアウト!」

 

 

「よしっ!」

 

 

「やった! 三振取った! "あの球"で!」

 

 

主審から三振のコールが出ると

珠姫と詠深が思わず喜びを露にする

 

一方で陽秋月が三振に打ち取られて

梁幽館のベンチと観客席がザワつく

 

流石打率6割を誇るだけに陽秋月は

滅多に三振しない選手だったらしく

驚きを隠せないようだ

 

 

「陽さんが三振したぞ!?」

 

 

「陽さんって三振するんだ」

 

 

「初めて見た……」

 

 

「今の球なに!?」

 

 

「スライダー!?」

 

 

「いや、それより凄い変化だったぞ!」

 

 

「あの4番といい、エースといい

何で新越谷に、こんな良い選手がいるんだ!?」

 

 

そして先程の真深のホームランの時のように

再び観客席の一般客たちが驚愕し始めていた

 

 

「友理……あの子、本当に無名なの?」

 

 

そして詠深の"あの球"を見た梁幽館で真深と

同じ左翼手を守っている太田が無名投手とは

思えない変化球を投げた詠深を見て驚愕して

戦略マネージャーである高橋友理に尋ねる

 

 

「はい……中学では部活動で

プレイしていたみたいですが

公式戦は全て初戦で破れていますね」

 

 

「……覚醒したんだな」

 

 

高橋友理の言葉を聞いた梁幽館の

メンバーの一人が小さく呟いたが

実際には中学のチームメイト達に

足を引っ張られて実力を出せずに

いただけで詠深自身は既に優れた

投手であったのが事実であるのは

新越谷の仲間だけが知る話である

 

 

「和美の球……やけに打たれると

思っていたけれど真相が分かったわね」

 

 

「珠姫め……」

 

 

詠深の球を打つ練習をしたことで

自身の決め球であるスライダーを

立て続けに打たれたことを知った

吉川は珠姫に"してやられた"と

言いたそうな表情で珠姫を見ていた

 

 

「直球とツーシームに……スライダー?

和美のに似ている……あれは見た方がいいかも」

 

 

「わかった」

 

 

三振に倒れた陽秋月は次の打者である

白井に詠深の球種を伝えてベンチへと

引き上げていったが何時以来かという

三振に悔しそうな表情を浮かべていた

 

 

《2番、二塁手、白井さん》

 

 

そして詠深の球種を伝えてた先程

希の打球をファインプレイによって

アウトにした2番の白井が打席に立った

 

 

(決め球が来る前に打ちたいけど

早打ちで、凡退したら怒られるし

2点差だから慎重にいかないとね)

 

 

中田や陽秋月と違い管理された梁幽館の

野球の中で作戦に反する打撃をするのは

レギュラー陥落の危険もあることに加え

1点差ならまだしも2点差がついている

 

なんとしても出塁するためにも白井は

ここはじっくり見ていく選択を選んだ

 

 

(この白井さんと次の高代さんは

最近のデータが無いから、最初は

低めを中心に丁寧に攻めていくよ)

 

 

(わかった)

 

 

一方で珠姫も最近レギュラーに選ばれた為に

春大会を初めとした最新のデータがないので

陽秋月と対峙した時とは違う意味で警戒して

低めに投げていくよう詠深にサインを出した

 

 

「ストライク!」

 

 

珠姫のサインに頷いた詠深は外角低めに

直球が決まりストライクを取ることができた

 

 

(直球は平凡に見えるけど

コントロールは良さそうだな)

 

 

初球の直球を見ていった白井は

詠深のコントロールの良さに感心しる

 

詠深のコントロールの良さは梁幽館の

打者すらも目を見張る出来だったようだ

 

 

「ストライク、ツー!」

 

 

(ツーシーム……甘い球だと思って

今のに手を出すと詰まらされるというわけね)

 

 

そして2球目は内角にツーシームが決まり

詠深は2球で白井を2ストライクに追い込んだ

 

 

(よしっ! "あの球"いくよ!)

 

 

(うん!)

 

 

そして詠深と珠姫は2連続の三振を

狙って"あの球"を投げると白井は

手が出そうになるが間一髪バットを

止めて三振を免れた

 

 

「ボール! ノースイング!」

 

 

(よしっ! 意識していればバットは止まる!

この球の攻略は奈緒と秋に任せて私は捨てるわ)

 

 

ボールとコールされ安堵した白井は

自分が下手に手を出してもヒットに

できる確率は低いと判断したらしく

"あの球"を確実に見極め他の球種に

狙いを絞る選択を選んだが……

 

 

(それにしても……

なんて球を投げる1年だ……

とはいえ打てる球はあるんだし

今は落ち着いて対処していこう)

 

 

やはり詠深の"あの球"には度肝抜かれたようだ

しかし白井も名門校でレギュラーを勝ち取った

意地もあり続く"ツーシーム"を上手く捉えたが

やや詰まらされて2塁への弱い当たりとなった

 

 

「菫ちゃん!」

 

 

それを見た詠深が二塁手の菫に声を出すと

菫は毎日の練習で鍛え上げてきた成果か

素早く打球に反応してボールをグラブに

納め直ぐに一塁に送球したのでアウトを

取れたと思った新越谷のメンバーだったが

 

 

「セーフ!」

 

 

「嘘でしょ、足速すぎ!?」

 

 

なんと白井は俊足を飛ばし

間一髪セーフとなって出塁した

 

菫の捕球や送球が遅かったわけではなく

白井の足があまりにも速すぎたのである

寧ろ練習の成果が出ていたタイミングの

完璧な捕球と送球だったのだ

 

すると梁幽館の応援席から出塁した際に

演奏される梁幽館応援団のオリジナルの

テーマソングが鳴り響いた

 

 

「お馴染みの、出塁テーマだな」

 

 

「私、生で聴いたの初めてだよ」

 

 

過去に高校野球中継で何度も耳にした

応援ソングを生で聴いたことで詠深と稜の

二人のテンションが何故か上がっていたが

菫と珠姫の二人はそれどころではなかった

 

菫に至ってはアウトにしていた筈の送球を

セーフにされてしまい珠姫に至っては

それより重大なことに頭を悩まされていた

 

 

(まずいな……

"あの球"を早々に捨ててきたみたい

柳大川越が二巡目でしてきた戦術を二人目で……

しかも初見でバット止めるだなんて見極めも凄い)

 

 

今まで詠深の"あの球"を投げられた大抵の打者は

初見では対応しきれずに打ち取られていたのだが

梁幽館の打者は初見で対応してきた事が珠姫には

信じられなかったし何よりも詠深の最大の武器の

"あの球"を速い段階で見極められて今日の試合の

珠姫のプランが少し狂い始めてしまっていた

 

 

(白井さん……さっきの

ファインプレイといい今の走塁といい

やっぱりレギュラーを勝ち取っただけあるな)

 

 

更にベンチにいる芳乃も守備に続いて

攻撃でも白井のプレイに動揺させられていた

 

 

《3番、遊撃手、高代さん》

 

 

そして梁幽館自慢のクリーンナップに

打順が回ってくると白井と同じく最近の

データが少ない高代に打順が回ってきた

 

 

(ここからはクリーンナップだし

見極め力に関しては中田さんは疎か

他の打者も同格だと思った方がいいね)

 

 

それでも珠姫は気持ちを前向きに切り替えた

 

一方で梁幽館ベンチでは高橋友理が

気まずそうに栗田監督の表情を

伺いながら何やら考え事をしていた

 

 

(ここはやはり送りでしょうか?

私としては強攻で行きたいのですが

栗田監督は常にバントを基本にした

忠実で確実な采配をしますからね)

 

 

全国クラスの打線を誇る梁幽館だが

栗田監督は相手の強弱に関わりなく

送りバントやスクイズなどの小技を

用いる戦術を選択する堅実な野球を

心情にしているのかワンアウトでも

3番打者でもこの場は送りバントを

選択するだろうと見ていた

 

 

(先程の攻撃で、新越谷は最初のランナーが

出た際にバントをさせるか悩んでいました

本当は打たせたかったに違いありませんが

ウチの守備力と投手力を考えて強弱による

リスクを負うよりも4番の1発に賭けたの

でしょう……片や此方は一塁にランナーを

置けばノータイムでバント……武田さんは

決め球に注意すれば打てそうですし此処は

強攻で行った方が良いと思うのですけどね

それに一塁が空けば中田さんとは勝負して

もらえないかもしれませんし……)

 

 

強攻を望む高橋だか栗田監督の管理と指示の元で

試合を進めるのが現在の梁幽館の野球だったので

流石に意見するのも憚られていた高橋が恐る恐る

栗田監督を見た時だった

 

 

(えっ!?)

 

 

だが栗田監督が高代に出したサインを見た

高橋と驚きの表情になると打席に立つ前に

栗田監督のサインを確認しようとベンチに

目を向けていた高代に至っては意外そうな

表情になっていた事を新越谷のメンバーは

気づいていなかった

 

そして高代は栗田監督のサインに

驚きながらも頷くと打席に立った

 

 

「プレイ!」

 

 

そして主審のコールが出るや否や

高代は直ぐにバントの構えを見せた

 

 

(バント!? ワンアウトで3番が!?

いや……もしかするとバスターの可能性も……)

 

 

珠姫としては予想外だった3番打者による

バントの構えに戸惑いながらベンチにいる

芳乃の方を見て確認をする

 

 

(送りだと思うよ……

梁幽館は序盤ならワンアウトでも

バントをしてくることが多いから

ありがたくアウトを貰っておこう)

 

 

(わかった)

 

 

送りバントだと判断した芳乃のサインに

頷いた珠姫は詠深に直球のサインを出す

 

そして珠姫のサインと、判断を信じた詠深も

迷わず、やや低めの直球を投じた瞬間だった

 

 

(((えっ!?)))

 

 

詠深と珠姫と芳乃は激しく動揺させられた

高代は詠深が直球を投げた瞬間にバットを

引いてヒッティングの構えになったのだ

 

 

(げっ!?)Σ(゚Д゚υ)

 

 

(嘘!? バスター!?)

 

 

(芳乃ちゃんの読みが外れた!?)

 

 

送りバントだと信じきっていた詠深は

打者にとっては打ち頃の直球を高代に

投げてしまっていたのだ

 

 

そして……

 

 

カキィィィィィィィン

 

 

高代は絶好球を芯で捉えると

打球はレフトへのライナー性の打球となった

 

 

(久しぶりに、私と監督の思考が合いましたね

流石に2点差ということに加えて武田さんが

予想以上の変化球を持っていたことで強攻を

選択してくれました!)

 

 

強攻を好む高橋友理は堅実な野球を徹底する

栗田監督と思考があったことが少ないためか

久しぶりに考えが一致した事と高代の打球の

当たりの良さを見て嬉しそうな表情になった

 

ベンチにいる他の梁幽館のメンバーも一塁の

白井が足の速いこともありチャンスの拡大か

若しくは1点を返せたと思ったのであろうか

身を乗り出す者までいた

 

 

 

 

 

しかし!!

 

 

 

 

 

「白井、戻れーーー!!」

 

 

「えっ?」

 

 

「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」

 

 

突然ネクストサークルにいた中田が

俊足を飛ばし2塁に到達しようとしていた

白井に戻るように大声を発したので白井や

ベンチにいた高橋や梁幽館のメンバー達が

高代の放った打球の行方に目を向けてると

レフトの真深は高代が打った瞬間に打球の

落下点を見極めてその場に走り出していた

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

「捕った!?」

 

 

「嘘でしょう!?」

 

 

低めのライナー性という難しい打球を真深は

間一髪スライディングキャッチで捕球したのだ

 

プロにも匹敵するファインプレイに梁幽館の

ベンチは勿論だが観客席も驚いていたのだが

それで終わりではなかった

 

 

(白井さんが飛び出してる……"一か八か"!)

 

 

一塁と二塁の間に白井がいて慌てて一塁に

戻ろうとしていることを確認した真深は

直ぐに立ち上がると腕を振りかぶった瞬間

 

 

「やぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

ドギュュュュュュュュュュュュュュュュン

 

 

「なっ!?」

 

 

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

 

 

打撃と並ぶ真深の守備の際の真骨頂の

レーザービームが一塁に戻ろうとする

白井を刺そうと襲いかかると球場にいる

新越谷のメンバーと観客席で観戦をする

ユイ以外の全員が度肝抜かれてしまった

 

 

「ちょっ、嘘だろう!?」

 

 

幸い中田の掛け声のお陰で一塁に戻り始めた

白井だったが真深のレーザービームが真っ直ぐに

一塁に向かってくるのを見ると必死に一塁に手を

伸ばすと同時に送球が一塁の希のグラブに収まる

 

 

「セッ……セーフ!」

 

 

あまりの送球に一塁の塁審が一瞬

迷いながらも冷静に白井のタッチと希の

捕球のタイミングを見定めセーフをコールした

 

 

「タッチしたやん!?」

 

 

しかし捕球して直ぐに白井にタッチした

希は納得できず一塁の塁審に抗議するが

 

 

「貴女の捕球よりもランナーの右腕が僅かながら

早いタイミングで貴女の両足の間を潜らせながら

ベースに触れてましたのでセーフです」

 

 

「うぅぅ……」

 

 

冷静に……そして毅然とした一塁の塁審に

説明された希は渋々ながらも引き下がった

 

 

「仕方ないよ希ちゃん……切り替えよう」

 

 

「ツーアウトだし次でチェンジ狙うわよ」

 

 

そんな希にベンチから芳乃と息吹が声をかけたが

白井や梁幽館は命拾いして思わずホッとしていた

 

 

(危なかった……奈緒の掛け声が

無かったら間違いなくアウトにされてた)

 

 

セーフのコールに不満そうにしている

希の足元では未だに一塁にタッチした

姿勢で白井が息を上がらせていた

 

 

「あんな送球、見たことないわよ……」

 

 

「打撃だけじゃなく、守備も凄い……」

 

 

「あれは、全国クラスだぞ……」

 

 

ホームランに続いてレベルの高い捕球からの

レーザービームを見せつけられた事で真深は

梁幽館から完全に警戒されていた

 

 

「マジかよ……なんだよ今の送球!?」

 

 

「さっきのホームランといい何者なんだよ?」

 

 

「あんな凄い選手どうして誰も知らないの?」

 

 

そして観客も真深の捕球のレベルの高さと

レーザービームを見せられ騒然としている

 

 

「上杉真深……名前、覚えたわ!」

 

 

「私、彼女を応援するわ!」

 

 

そして試合を見に来た観客の中に

真深のファンになる者が出始めていた

 

 

(まずいですね……

彼女一人に完全に流れを持って行かれていますよ

このまま無得点で終わったら流石に厳しいですね)

 

 

梁幽館のベンチでは高橋友理が

改めて真深への評価と警戒心を

高めると同時に危機感も高まっていた

 

 

(この状況を変えられるとしたら……やっぱり)

 

 

心の中で呟く高橋の目は自然とチームの

頼れるエースで4番の主将に向いていた

 

 

《4番、一塁手、中田さん》

 

 

「キャーーー!!」

 

 

「中田さーーーん!!」

 

 

高代が凡退し球場に中田の名前がコールされると

待ってましたとはがりに割れんばかりの大声援が

沸き起こり始めた

 

それは彼女が埼玉どころか全国でも屈指の

スタープレイヤーであることを感じさせられる

 

するとマウンドに新越谷の内野陣とベンチから

芳乃が詠深の元に集まってきた

 

 

「凄い声援だな……」

 

 

「流石ね……」

 

 

中田への声援に稜と菫は圧倒されている

 

 

「芳乃ちゃん、どうする……歩かせる?」

 

 

そんな二人を余所に珠姫は敬遠も視野に

中田との打席はどうしようかと相談すると

芳乃はその場で少し考えた後に決断を下す

 

 

「勝負しよう!」

 

 

芳乃の下した決断は中田との勝負だった

 

 

「いいの!? やったーー!!」

 

 

「勝負していいの?」

 

 

中田と勝負したかったのか詠深は

芳乃が勝負することを決断すると

嬉しそうにするが珠姫や内野陣は

意外そうな様子になる

 

 

「二塁にランナーがいたら敬遠だったけど

幸いランナーは一塁だし今の真深ちゃんの

プレイで流れがウチに来ているから此処で

中田さんを打ち取れば一気に試合の流れを

此方に向けられる……2点差あることだし

シングルなら勝ちの気持ちで勝負でいこう」

 

 

「うん! わかった!」

 

 

芳乃の決断を聞いた珠姫が頷くと内野陣の

希、菫、稜、理沙も頷いてポジションに戻っていく

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「おっ! 勝負するぞ!」

 

 

「いいぞ、武田ーーー!」

 

 

「中田、打ってーーー!」

 

 

珠姫が座ってミットを構えると

球場全体から称賛の声が響いた

 

やはり高校通算本塁打50本の

中田とランナーを置いた場面で

勝負する相手は少なかった為に

中田のファンにとって勝負する

選択を選んだ新越谷の決断への

称賛が多かった

 

 

(これは助かりました……

中田さんと勝負して貰えなかったら

本当に厳しかったのですが勝負して

貰えるなら此方としても望みはあります)

 

 

高橋に至っても中田との勝負を選んだ

新越谷の決断に心の底から安堵していたらしい

 

そして中田自身も勝負してもらえて嬉しそうな

表情を詠深に向けていたが直後にレフトを守る

真深にも目を向けると更に笑みを浮かべていた

 

 

(新越谷が相手だからと言って

油断などしていなかったが正直に言って

君達のような素晴らしい選手に会えるとは

思わなかった……久しぶりに楽しめそうだ

故に私も誠心誠意を持って挑ませて貰おう)

 

 

中田も詠深との勝負を楽しみにしていたらしく

心の中で真深と詠深に称賛の言葉を送っていた

 

こうして詠深と中田の初めての勝負が始まった

 

 

(いつも投球練習で真深ちゃんを

相手にした時と同じように慎重に投げてね)

 

 

(大丈夫! 真深ちゃんと

練習して打ち取った時の感じて投げるから)

 

 

抽選会の日以降……毎日のように

真深を相手に投球練習をしていた

詠深は自信満々とまで言わないが

中田を打ち取ろうと気合いを高める

 

 

(出し惜しみは無し! 初球からいくよ!)

 

 

相手が中田奈緒という真深クラスの

打者なので珠姫は迷わず"あの球"の

サインを出した

 

 

(うん!)

 

 

中田と勝負できて嬉しそうな詠深は

気合い十分に頷いてから振りかぶり

全力で"あの球"を投じた

 

 

「ストライク!」

 

 

(初球から来たか……良い変化球だ)

 

 

念のため初球を見逃した中田だったが

ストライクをコールされると球のキレ

更に右打者からみればビーンボールが

頭を過る程の速球からゾーンに落ちて

ストライクになった詠深の"あの球"に

思わず目を見張った

 

 

(よしっ! ストライク取って貰える!)

 

 

一方で珠姫は見送ってもストライクを

取ってくれた主審に安堵していた

 

主審によっては詠深の"あの球"は

見送るとボールになることがあるので

珠姫にとって何より嬉しいことだった

 

 

(よしっ! ここからは初めて真深ちゃんを

打ち取った時のと同じパターンで攻めていくよ)

 

 

(わかった)

 

 

珠姫と詠深は抽選会の日に希と勝負した後に

真深を三塁ゴロで打ち取った時と同じように

中田と勝負しにいくことにした

 

 

(次は内角にボール1個分、外すんだよね?)

 

 

(そう! コントロール、ミスらないでね)

 

 

真深を初めて打ち取った時の配球を

覚えていた詠深は中田に萎縮せずに

自信をもって内角にストレートを投げる

 

 

「ボール!」

 

 

案の定、主審はボールをコールしたが

予定通りの配球だったので詠深と珠姫は

全く動揺しておらず寧ろ頷き合っていた

 

 

しかし!

 

 

(やはり内角にストレートで来たか……

ということは次は再び、あの"変化球"だろうな)

 

 

中田は詠深と珠姫の考えを読んでいたのだ

 

 

(仮に私が空振りすれば次は恐らく

内角への"ストレート"が"ツーシームが"来る

可能性が高い……それを確実に投げさせる為にも)

 

 

来る球が分かる時ほどホームランにできる

可能性は限りなく高いので中田は内角への

直球かツーシームを投げさせたいと考える

 

 

(ならば私も……"あの手"を使わせてもらおう)

 

 

すると、そこまで考えた中田は心の中で

呟きながら真深の方に視線を向けたのだ

 

 

(君の技術……"盗ませてもらうよ")

 

 

そして中田が真深を見て微かに笑みを浮かべた

 

 

(!?)

 

 

中田が一瞬だけ見せた笑みに

真深は気づいて胸騒ぎがしたが

詠深と珠姫は気づいていなかった

 

 

「ストライク、ツー!」

 

 

そして詠深は中田に渾身の"あの球"を投げると

中田はゾーンに入りながら落ちる"あの球"に対し

内角の直球を打つ時のようなスイングをした為に

全然違う高めを打つようにスイングをしてしまう

 

 

「中田が簡単に追い込まれたぞ!」

 

 

「頼む中田! 何とかしてくれ!」

 

 

「ここで0点は流石に厳しいぞ!」

 

 

中田の全力の空振りを見て

梁幽館を応援している観客は

必死に中田に声援を送り始めた

 

 

「奈緒! せめて1点だけでも返して!」

 

 

「頼みます!」

 

 

「奈緒さん!」

 

 

「お願いします!」

 

 

梁幽館のベンチから高代、高橋、小林、吉川も

必死になりながら、中田に声援を送っていた

 

 

(よしっ! 内角を意識させた後の

"あの球"に上手く引っ掛かってくれた

これで"あの球"を強く意識したはずだから)

 

 

(次は"ツーシーム"で詰まらせるんだよね?)

 

 

(そう! これで決めて流れを完全に掴もう)

 

 

一方で珠姫と詠深は上手く中田を追い込んで

緊張しながらも"ツーシーム"で打ち取ろうと

気合いを入れて挑もうとしていたのだが……

 

 

(さっきの視線に、今のスイング……まさか!?)

 

 

先程の中田が自身に向けてきた視線と

空振りを見た真深が何かを察したが遅かった

 

 

(行くよーー!)

 

 

(来い!)

 

 

詠深はツーシームを投げようと振りかぶった瞬間

 

 

「次は"ツーシーム"……だね?」

 

 

「えっ?」

 

 

中田のたった一言を耳にした瞬間に

珠姫の背筋に悪寒が走ったと同時に

詠深も気づいてしまった

 

中田が真深がいつも打つ時のような

不適で冷たい笑みをしていたことに

 

 

((さっきの真深ちゃんと同じ手を!?))

 

 

中田は先程の真深が吉川の決め球から

ホームランを打つためにわざと初球の

スライダーと直球を空振りしたように

中田も詠深の"あの球"に対してわざと

内角高めを意識させられ空振りしたと

詠深と珠姫に勘違いさせ油断を誘って

見事に真深の真似をして見せたのだ

 

そして詠深が"ツーシーム"を投げた瞬間に

詠深と珠姫は中田の意図に気づいたものの

 

 

 

 

 

カキィィィィィィィィィィン

 

 

 

 

 

中田を打ち取ろうと渾身の力を込めて

投じたツーシームを捉えられた瞬間に

詠深と珠姫が青ざめた表情になって

打球を見上げると打球はレフトに飛ぶ

 

しかしレフトを守る真深はグラブを

嵌めていない右腕を腰に当てたまま

打球を追おうともしていなければ

見上げようともしていなかったのだ

 

 

(追っても無駄ね……)

 

 

それは中田との勝負が最悪の結果に

なったことを安易に示していたのだ

 

そして打球は真深の頭上を越えると

そのままスタンドに飛び込んでいった

 

 

《入りましたーーー!

4番、中田の同点2ラン本塁打ーーー!》

 

 

またしても豪快なホームランが出ると

1回に両チームの4番によるホームランの

応酬で実況のボルテージが上がってしまう 

 

 

「キャーーー!!」

 

 

「中田さーーーん!!」

 

 

そして中田の打球がレフトスタンドへ

飛び込むや否や観客席から大声援が沸き上がった

 

一方で新越谷ナインとベンチは唖然としてしまい

芳乃に至っては深く俯いてしまっていた

 

そしてホームランを打ってダイヤモンドを

回る中田が二塁を過ぎるとレフトにいる

真深の方に再び挑戦的な笑みを向けると

 

 

 

 

 

 

 

(試合は、まだ……これからだ!)

 

 

(やってくれましたね……

ですが……望むところです!)

 

 

二塁と三塁の間を走る中田と

レフトの真深の間では互いに

挑戦的な笑みを向けながら

激しく火花を散らせていた

 

それは中田が真深を

好敵手と認めた瞬間であった

 

 

 

 

 

 

 

「奈緒! ナイスバッティング!」

 

 

中田のホームランで先にホームに帰っていた

白井が嬉しそうな表情で中田を出迎えると

ベンチに戻ってきた彼女をチームメイトが

更に手厚く出迎えてきた

 

 

「奈緒さん! ありがとうございます!」

 

 

「ナイスバッティングでした!」

 

 

特に先程は真深にホームランを打たれてしまって

2点を先制された責任を感じていた小林と吉川の

2年生バッテリーは感謝の気持ちも込めて中田を

出迎えていたのであった

 

 

「よく打ってくれました

これで流れを引き戻せたでしょう」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

栗田監督も中田への称賛を惜しまなかった

 

実を言うとここを0点で抑えられたら

流石に厳しいと考えていたことに加え

高代の打席で真深のファインプレイで

防がれたことで少しでも流れを此方に

引き寄せたいと栗田監督は考えていた

 

故に今の中田のホームランは大きかったのだ

 

 

「ナイバッチ、奈緒」

 

 

「秋……」

 

 

そして中田の親友の陽秋月が近づくと

 

 

「今のホームラン……彼女の真似?」

 

 

「ああ……

あの変化球を空振りすれば

ツーシームを投げてくると思ってな」

 

 

どうやら陽は中田が先程の真深の

ホームランを打った時の真似を

したことを見抜いていたようだ

 

 

「何にしても同点に追い付いただけだ

気を引き締めて行かないと、またやられるだろう」

 

 

中田も真深のようにホームランに

浮かれることなく寧ろ試合が更に

激しくなるだろうと気を引き締めたのだった

 

 

 

 

次回……【どうなるんだ、この試合!?】

 

 




まさかの中田さんの同点ホームラン

1回に両チームの4番のホームランが
飛び出したことで試合は更に激しくなります
1回表と裏だけで2話も使ってしまいましたが
次回は4回くらいまで話が進むと思いますので
楽しみにしてくださると光栄です

そして……

気づいた方も居られるかもしれませんが、この度!
同じく球詠の物語を書いておられる銅英雄さんの
小説【最強のスラッガーを目指して】の小説と
コラボすることになりまして二宮瑞希さんに
登場して貰うことになりました!

因みに真深も向こうの小説に登場しています!

銅英雄さん! ありがとうございました!
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