川口息吹・芳乃姉妹と再会し出会う話になります
果たして真深は新越谷野球部に入部するのか?
それではご覧下さい!
詠深と真深が再会してから数日後の四月上旬
遂に二人が新越谷高校に入学する日を迎えた
家が近いこともあり当然二人は一緒に学校へ
電車に乗って向かっていった
因みに二人の家から新越谷高校までは電車と
徒歩を合わせて片道20分くらい掛かる
詠深と真深は正門に入り直ぐの場所に
立てられた新入生のクラスが書かれた
大きな看板に目を向けて自分たちの
クラスが何組かを確認すると
「やった!
真深ちゃんと一緒のクラスだ!」
「宜しくね、詠深」
「うん! 早速教室に行こうよ!」
「えぇ」
幸いなことに同じクラスになれた詠深と真深は
自分たちのクラスの教室へと駆け出していくと
教室は既に多くのクラスメイトが来ていたので
二人も自分たちの席を確認する
「私は1番後ろの列で窓側だわ」
そう言って真深が自分の席を確認すると
「私も1番後ろの列で真ん中の席だよ」
「あら、席も近くなんて、ラッキーね私たち」
「うん!」
なんと二人の席は同じ列で
しかも2つ隣の席だったので
席も近くだと分かり詠深が嬉しそうにする
「取り敢えず、席に座りましょうか?」
「そだね~~」
そう言って一旦別れて自分の席を目指す
そして……
真深の席は窓側で外の景色がよく見える
良い席だったが不意に野球部の練習場が
見えたのでアメリカで同世代の娘たちに
避けられていたことを思い出した真深が
軽く溜め息を吹いた時だった
「真深ちゃん! 真深ちゃん!」
「詠深……どうかしたの?」
何やら後ろから明るい声で詠深に呼ばれ
振り返ってみると詠深は自分の隣の席の
娘とその娘と瓜二つの容姿の女子二人と
意気投合していた
早速友達が出来たのかと思いながら
真深が3人と元に歩み寄ると
「はわわ~~、凄く綺麗な娘♥️」
真深の姿を見た金髪のボブカットの娘が
ツーサイドアップ部分をピョコピョコと
動かしながら目を輝かせていた
因みに真深の身長164と1年生の中で
比較的に高く髪もストレートロングで
詠深も再会した時は思わず見とれた程の
容姿だったのだ
「二人にも紹介するね
彼女は上杉真深……私の従姉妹なんだ」
「川口芳乃だよ、宜しくね」
「川口息吹よ、宜しく」
「はじめまして、上杉真深です」
詠深が金髪の二人に真深を紹介すると
金髪の二人が自己紹介してきたので
真深も詠深の横に立って自己紹介した
「二人は、もしかして双子なのかしら?」
「そだよ~~! だから真深ちゃんも
私たちのことは名前で呼んでほしいな
因みに息吹ちゃんがお姉ちゃんだから」
「分かったわ、芳乃ちゃんと息吹ちゃんね」
容姿は瓜二つだが髪型が違うので多分
間違えないだろうと真深が思ってると
「ねぇねぇ!
詠深ちゃんから聞いたんだけど
真深ちゃんも野球をしてたって本当?」
「えぇ、そうだけど?」
「ポジションは?」
「外野手よ……主にレフトを守ってたわ」
芳乃の質問に真深が答えた瞬間
プニッ
「きゃあ!?」
芳乃が突然、真深の腕と足と手を触り初めたのだ
「真深ちゃんの腕と足、凄く鍛えられてる
もしかして真深ちゃんは長打力が持ち味なの?」
「……どうして、そう思うの?」
「何となくだけど……
鍛えられかたが長距離打者の体つきだったし
真深ちゃんの手は何回も素振りをしてないと
出来ないくらいに手も固くなってたんだもん」
「…………」
体つきを見ただけで見抜いてしまった
芳乃の観察力に真深は思わず感心していると
「芳乃ちゃん……私が投手で変化球を
投げ込んだことも見抜いちゃったんだよ」
どうやら詠深も芳乃に手を触られたようだ
すると芳乃が再び真深に質問をしてきた
「真深ちゃんは何処の中学だったの?」
「アメリカよ」
「「アメリカ!?」」
アメリカと答えると
芳乃と息吹が揃って驚きの声をあげた
「お父さんの仕事の都合で小学6年から
向こうの学校に通ってて先月帰ったばかりなの」
「そうだったんだ……
どうりで私のチェックに引っ掛からない筈だよ」
更に興奮した芳乃が髪をピョコピョコし初めるが
直ぐに残念そうな表情になって何やら尋ねてきた
「詠深ちゃんにも聞いたんだけど
新越谷に来たってことはもう野球はしないの?」
「不祥事で活動停止中で部員も殆どいないわよ」
芳乃に続いて息吹にも尋ねられると
「えぇ、私も詠深も
色々あって野球はもういいかなと思って……」
「…………」
真深が答えると詠深も神妙な表情になっていた
「新越谷を選んだのも詠深が通うから選んだの」
「そうなんだ……」
野球を辞めたという詠深と真深の
言葉を聞いた芳乃が残念そうに呟くと……
ガラッ
「皆さん、入学おめでとう。席について~~」
クラスの担任の教師が教室にやって来たので
四人も自分の席へと戻っていった
その後は体育館で入学式を終えて教室に
戻るとその日の行事は全て終了したので
詠深と真深は友達になった川口姉妹と
昼食と親睦を兼ねて越谷レイクタウンへ
寄り道して帰ることになった
そして四人が玄関の下駄箱に向かおうと
雑談をしながら廊下を歩いていた時だった
「詠深ちゃん……? 真深ちゃん……?」
「「えっ……?」」
すれ違った娘に突如、声をかけられたのだ
「やっぱり詠深ちゃんと真深ちゃんだ
珠姫だよ……覚えてないかな?」
黒いショートカットの娘の姿を見た
詠深と真深はその娘のことを直ぐに思い出した
彼女の名前は山崎珠姫
詠深と真深の幼馴染みで親友であり
小さい頃から3人で野球で遊んだ仲なのだ
「タマちゃん!?
覚えてるよ、久し振り~~!!」
「わっ!?」
「急に転校しちゃうんだもん
懐かしいな昔は真深ちゃんと
3人で一緒に遊んでいたよね」
詠深にいきなり抱きつかれた
珠姫が、かなり困り顔になっていたので
真深が呆れた表情になりながら助け船を出す
「コラ、詠深……珠姫が困ってるでしょ」
「だって嬉しいんだも~~ん」
「だからって加減はしないと」
「は~~い」
真深に叱られ詠深は苦笑いをしながら離れた
「久し振りね珠姫、元気だった?」
「久し振り真深ちゃん、日本に帰ってたんだ」
「えぇ、先月帰ってきたばかりよ
それにしても珠姫も何処かに引っ越してたの?」
「うん……真深ちゃんが
アメリカに引っ越した少し後に
お父さんの仕事の都合で越谷市から
隣の吉川市に引っ越すことになったんだ」
「そうだったの」
「うん……」
真深も珠姫も互いに久し振りの再会を喜んでると
「ファンです! サインください!!」
芳乃が何処からか色紙を取り出し
珠姫にサインを頼んできたのだ
芳乃の話によると珠姫は中学校で
美南ガールズというチームの正捕手ようで
珠姫の強気なリードと守備力に魅了された
芳乃は珠姫のファンになった経緯を聞いた
「へぇ~~、タマちゃんも野球してたんだね」
「詠深ちゃんと真深ちゃんも、やってたの?」
芳乃の要望に答え色紙に
サインする珠姫が詠深と真深に尋ねると
「投手をしてたよ。1回も勝てなかったけど」
「私も向こうのチームで、外野手をしてたわ」
二人も何気ない表情で答えるが
その表情は相変わらず浮かない表情だった
すると……
「ねぇねぇ! 折角野球女子が
再会したんだからキャッチボールしようよ!」
芳乃が珠姫に貰ったサインを手に取り
髪をピョコピョコしながら3人に提案した
「いいね、やろうか」
珠姫がそれに応じたので詠深と真深も
久し振りに珠姫とキャッチボールが
出来ると喜び応じて野球場に向かった
しかしグラウンドには誰もいなく
他の部活は先輩と見られる生徒が
練習しているなかで野球場だけが
静かでひっそりとしていた
「グラウンドに来てみたけど誰もいないね」
「もう停部期間は終わってる筈だけど……」
そう言ってキャッチボールをしながら
グラウンドを見渡す川口姉妹
「廃部になっちゃうのかな?」
そんなグラウンドを見た
芳乃が寂しそうに呟くと
グローブにボールが収まる
乾いた音が鳴り響いたので
川口姉妹が目を向けて見と
詠深と真深と珠姫の3人で
キャッチボールをしていた
三角に別れていて詠深が珠姫に
珠姫が真深に真深が詠深に向け
ボールを投げていた
「やっぱり経験者のプレーは
キャッチボールだけでもかっこいいね」
「そうね」
芳乃と息吹は3人の
キャッチボールに釘付けになっていた
暫くキャッチボールをしていると捕手の珠姫が
投手の詠深に投球練習を提案したので芳乃が審判
息吹がバットを持ってバッターボックスに立った
すると……
「そうだ詠深ちゃん。"あの球"は投げないの?
昔、カラーボールで投げてた魔球があったじゃん」
詠深と真深が再会した日に詠深が真深に
見せた魔球を投げないのかと聞いてきた
すると詠深は動揺しながら珠姫に尋ねる
「投げていいの?」
「え?」
「捕れるの?」
「投げられるの? 硬球で!?」
珠姫が驚きながら詠深に確認すると
「珠姫……この間私も見せてもらったけど
確かに"あの球"だったし"キレ"も凄かったわ」
「!?」
どうやら珠姫は冗談半分で
詠深に"あの球"のことを聞いたのだが
詠深本人だけでなく真深からも本当に
"あの球"を投げると聞き興奮しながら
ミットを構えると"あの球"を要求した
「投げて! きっと捕るから!」
珠姫に言われて詠深は投球モーションに入ると
息吹は空気が変わって緊張し芳乃は詠深の
決め球が見られると期待の眼差しを見せていた
「いくよ」
そう言って詠深が投じた硬球は真深が
見たときと同じようにスッポ抜け息吹へ
ビーンボールになるかと思われた瞬間に
大きく曲がりながらストライクゾーンに
落ちて来た球を珠姫は見事に捕球した
「凄い……よく捕れたわね珠姫」
初めて見た時に簡単には捕れないだろうと
思っていた真深は初見で捕球した珠姫に驚いた
「"あの球"を覚えてなかったら逸らしてたよ
確かに"あの球"に似てるけど真深ちゃんの
言うとおりあの頃よりも凄い落差とキレだね」
珠姫はそう呟くと再び詠深に"あの球"を
投げるよう頼むと珠姫は見事に全て捕球した
「凄い! あんな変化球見たことないし
1球も逸らさない珠姫さんも流石だよ!」
「でも、あんな変化球を投げられるのに
どうして1回も勝てなかったのかしら?」
興奮して髪をピョコピョコさせる芳乃に対し
息吹が不思議そうに首を傾げながら呟くと
「野球は一人じゃできないもの」
「「あっ……」」
真深の言葉に芳乃も息吹も"ハッ"とすると
詠深の球を捕れる捕手がいなかったのだと
瞬時に悟った
一方、詠深と珠姫は……
「凄いね、詠深ちゃん
本当に"あの球"が来るなんて、びっくりだよ」
"あの球"を連投した詠深を珠姫が称賛すると
「球ちゃんも凄いよ
本当に全部捕ってくれるんだもん」
誰にも捕ってもらったことのない
"あの球"を全て捕球した珠姫を詠深も称賛すると
「転校したあとに美南ガールズに
入ったんだけどそこが凄く強いチームでさ
めちゃくちゃ練習させられて詠深ちゃんや
真深ちゃんとしてた野球とは全然違ってて
楽しい時なんて無かったけど詠深ちゃんの
"あの球"を捕れるようになっていたから
練習してきて良かったよ」
「…………」
珠姫の言葉に暫く詠深は沈黙していたが
やがて静かに話し初めた
「私も野球を辞めた後も中学時代って
なんだったんだろうって思ってたけど
あの3年間は今日の為の3年間であって
無駄な3年じゃなかったんだって思えた」
そう言って詠深は自分の中学校時代の話をすると
「ただの投球練習だったけど
誰かと真剣に野球をやれたの
初めてだったから嬉しかった」
「…………」
「だからもう野球に思い残すことは無いなと
思っていたけど珠ちゃんが捕ってくれるなら
やっぱり私は野球がやりたいよ」
そう言って詠深は涙をながし初めると
「いいよ、やろうよ」
珠姫はそう言って詠深の手を取ってきた瞬間
「たっ、タマちゃ~~ん!」
遂に本格的に泣き初めてしまった
「良かったね詠深……諦めなくて」
「うん……」
真深は詠深にそう言って詠深の頭を撫でた
詠深は再び野球に対する情熱を取り戻したのだ
すると詠深が真深に思わぬ言葉を口にしてきた
「ねぇ! 真深ちゃんも野球続けようよ!
私は真深ちゃんとも一緒に野球がしたいよ!」
「…………」
詠深に言われても真深は直ぐに
返事をすることは出来なかった
真深に至っては完全に野球を
辞めようと思っていたからだ
「真深ちゃんみたいな打者が
居てくれたら私も凄く心強いし
いくらタマちゃんが捕ってくれても
点が入らなかったら意味がないもん」
詠深は真深が直ぐには首を縦には
振らないだろうと分かってたのか
間髪いれずに誘ってくると……
「見せてよ……真深ちゃんの打撃」
そう言って詠深は真深にバットを差し出した
そして詠深に差し出されたバットとバットを
差し出す詠深を真深が暫く無言で見つめると
「……1球だけよ」
「うん」
真深は詠深の熱意に押されたのか渋々応じると
詠深はマウンドに立ち真深はバッターボックスに
立ち珠姫はミットを構え芳乃は審判の位置につく
「投げるなら試合の時みたいに投げてよ」
「え?」
「キャッチボールの時みたいな
球だと流石に私も気持ちが入らないから」
「分かったよ……ストレートで良いよね?」
「良いわ」
互いにやり取りをすると場の空気が一変したので
珠姫と芳乃と息吹も思わず息を飲み緊張していた
「いくよ、真深ちゃん!」
「来なさい!」
そう言って詠深は試合で投げるように
珠姫のミットを目掛けてストレートを投げると
真深は大きく踏み込んで力一杯バットを振った
グワキィィィィィィィィィィィン
「「「「 !!!? 」」」」
真深の放った打球は快音を響かせながら
高く舞い上がると防御ネットの1番高い
部分に当たってグラウンドに落ちてきた
(やっぱり楽しいな……この感触)
久しぶりにホームランの打球を打って
思わず真深が打った時の感触に浸っていると
「凄い! 文句なしの、ホームランだよ!」
「もう少しでネットを越えてたわよ!?」
「スイングが早すぎて見えなかったよ!」
あまりの快音と打球の凄さに詠深たちは
暫く呆然としてしまっていたが復活した
芳乃と息吹と詠深が興奮しながら言うと
「あんな打球……ガールズでも見たことない」
珠姫は未だに呆然としながら感想に口にすると
直後に詠深の発した言葉に全員が驚くことになる
「流石だね、真深ちゃん!
アメリカでホームラン連発してただけあるね!」
「「「ホームラン連発!?」」」
珠姫、芳乃、息吹が揃って声をあげた
「もしかして、レギュラーだったの!?」
「え? えぇ……そうだけど」
芳乃の勢いに圧倒されながらも答えると
「凄い! 凄いよ真深ちゃん!
本場アメリカでレギュラーだったなんて!」
「私、てっきり控え選手だと思ってた……」
芳乃と息吹も真深がアメリカのチームで
野球をしていたと教室で聞いてはいたが
まさかレギュラー選手だとは思わなかったのだ
「因みにアメリカでは何本くらい打ったの?」
「え~~と……30本くらい打ったかしら?」
「「「「30本!?」」」」
珠姫の質問に真深が30本と答えると
先程の3人に加えて今度は詠深も声をあげた
「凄いよ真深ちゃん!
アメリカでそんなに打てたんなら
高校でも絶対ホームラン打てるよ」
「確かに心強いわね……」
芳乃と息吹が真深にそう言うと
「そんなに打てて何で辞めようと思ったの?」
珠姫が真深にとって聞いてほしくなかった
質問をすると答えたくなさそうな真深の様子に
気付いた詠深が代わりに珠姫たちに事情を話す
すると……
「そんな、酷い……」
「なんなのソイツ等!? 信じられない!?」
「そんな人達に野球をやる資格なんてない!」
話を聞いた3人は芳乃は悲しそうに
珠姫と息吹は怒りで我を忘れそうに
なってしまっていた
「大体、遊び呆けてたら努力をしてた真深に
レギュラーを取られたって仕方ないじゃない
それなのに逆恨みしてそんな態度をするなんて」
未だに息吹は怒りが収まらないでいると……
「お願い、真深ちゃん!
私は真深ちゃんの打撃に援護してほしい!
また3人で一緒に野球がしたい!」
そう言って詠深は再び真深を説得を試みると……
「やろうよ真深ちゃん!
あれだけの打力があって辞めるなんて勿体ない」
「そうだよ、詠深ちゃんが投げて
珠姫ちゃんが捕って真深ちゃんが
打てば新越谷はきっと強くなるよ」
詠深に続いて珠姫と芳乃も
真深の説得に加わると芳乃は更なる提案をする
「3人が入部するなら
私と息吹ちゃんもマネージャーとして
入部するよ。5人も入れば廃部にはならないし」
「え、私も?」
「息吹ちゃんは選手がよかった? 良いよ!」
「……そういう意味じゃないんだけど」
芳乃が息吹を巻き込む形で入部し
共に野球部に所属することを希望してきた
そして詠深たちに説得されるなかで真深は
静かにバットを見つめてると自分は野球が
好きで打者をしたいんだと自覚すると
「正直に言うとね……」
「「「「???」」」」
「詠深が中学校で一度も勝てなかったって
聞いたときに私が同じチームにいて詠深を
援護してあげられてたらなって思ってたの」
「うん……私も真深ちゃんの
打撃の話を聞いた時からそう思ってたし
今の真深ちゃんの打撃を見たら尚更、思ったよ」
詠深も真深の打撃を見て真深が中学校の
同じチームに所属していて打撃で援護を
してもらうシーンを想像していたようだ
「中学校では無理だったけど……
新越谷なら詠深を援護してあげられるのよね」
「真深ちゃん、それって……」
「詠深と珠姫の為なら打ってあげたいし
今の打球を打って私はやっぱり野球と打撃が
好きなんだって改めて自覚しちゃったからね」
「真深ちゃん!」
「それじゃあ……」
詠深と珠姫が真深に期待の目を向けると……
「また3人で一緒に野球しましょう
私もまた3人で野球をすることを夢見て
アメリカで頑張ってたんだと思えたから」
真深は新越谷高校で野球を続ける決意をした
「まっ、真深ちゃ~~ん!」
すると詠深が珠姫にしたときのように
泣きじゃくりながら真深に飛び付いてきた
「コラ、詠深!? 直ぐ人に抱きつく癖は
直しなさいって小学生の頃から言ったでしょう」
「だって嬉んだも~~ん! びえぇぇぇぇぇ!」
真深に注意されても詠深はお構い無しであった
「全く……」
泣きじゃくる詠深に真深が思わず溜め息をすると
「あんな恐ろしい球を投げるのに……」
息吹も泣きじゃくる詠深を唖然として見ていた
「真深ちゃん、改めて宜しくね」
「えぇ、宜しくね珠姫」
未だに詠深に引っ付かれながら
真深は珠姫と握手を交わすのであった
因みに5人がキャッチボールを初めてからの
一部始終を見ていた二人の人物がいたことを
この時の5人は全く気付いていなかった
その後は何とか詠深を落ち着かせ
校門前で5人で記念撮影をすると
昼食を兼ねて越谷レイクタウンへ
遊びに向かった
こうして新生、新越谷野球部が発足したのだった