この物語はコミックとアニメのシーンやセリフを
自分好みに混ぜているので一方の内容を知らない
人には「こんなセリフあったか?」
または「こんなシーンあったか?」
なんてことがあるかもしれませんがご了承下さい
それでは今回は試合後の様子をお楽しみください
新越谷と柳大川越の試合は4対4で迎えた
最終回に柳大川越のワンアウト三塁という
場面で真深の凄まじい送球で三塁ランナー
を刺すという度肝を抜くプレイを披露して
引き分けに終わった
「うっ、嘘でしょ……?」
フライを打った大野は一塁ベース上で
真深の送球を見て呆然としながら呟く
そして柳大川越のベンチでも……
「なっ、なんスか……今の送球?」
「何という強肩なんだ……」
「さっき私から打ったホームランの
打球といい彼女は一体何者なんでしょう?」
「分からん……
上杉真深なんて名前は聞いたこともないが」
「けど、アレだけの長打力と強肩なら
名前もそれなりに知られてるはずッスけど?」
大島と浅井と朝倉も真深の送球に
大野のように呆然とするか唖然と
しながら真深を見ていた
一方……
「真深ちゃん、ありがとう~~~~~!」
「ホラ詠深、エースが泣くんじゃないの」
「だって私のエラーのせいで
負けちゃったと思ったんだも~~~ん!」
試合が終了して新越谷のベンチ前に戻ってきた
真深に詠深が駄々っ子のように引っ付きながら
泣き出したので真深は思わず苦笑いを浮かべる
「凄い送球だったな真深! よく刺してくれた!」
「私の目の前を凄い早さで飛んで行ったわ!」
「一瞬、何が起きたのか分からなかったわ!」
「まるで"レーザービーム"じゃねぇか!」
「私、感動しました!」
同じく集まってきた新越谷の仲間たちも
怜、理沙、菫、稜、白菊の順に興奮しながら
真深の送球を称賛する
「しかも凄く正確だったけん、ビックリした!」
「うん! 丁度、私がランナーの足に
タッチできる位置に送球してくれて助かったよ」
希と珠姫は強肩に加えピッタリとホームの
完璧な位置に投げた正確さも称賛してきた
「さあ、整列だ!」
興奮もそこそこに主将の怜が
メンバーに整列のために並ぶよう促すと
柳大川越の選手たちも整列の為に集まってきた
「4対4の引き分け……礼!」
主審が告げると両チームの選手が
「ありがとうございました」っと
一斉に帽子を取って挨拶を終えて
互いにベンチに戻ろうとした時だった
「ちょっと、あなた!」
「はい?」
後ろから声をかけられて振りかえると
柳大川越のエースの大野と捕手の浅井の姿が……
「大野さんと浅井さん……でしたよね」
「ああ、ちょっと君に聞きたいことがあってね」
「なんでしょう?」
真深が首を傾げながら聞き返すと
大野が先に質問してきた
「あなた……何処の中学出身?」
「…………」
「それともガールズかしら?」
大野の質問に真深が直ぐに答えずに
いると浅井が質問に付け加えをしてくる
「申し訳ないが君の名前は聞いたことがなくてね
しかし打力といい守備力といい、どれを取っても
一流の実力だ……それこそウチよりもランクの
高い強豪校のレベルであるにも関わらず名前も
実績も不明なものだから気になってしまってね」
浅井に真剣な表情で聞かれては
致し方無いと真深が判断すると
「他校にリークしないと約束してくれるなら」
「当たり前でしょ……
なんで私たちが態々、敵に塩を送る
真似なんてしなくちゃいけないのよ」
出来れば夏大会までチームのことを
知られたくないと思っていた真深が
条件を出すと大野と朝倉は快く応じてくれた
「私は小学校6年の夏から今年の3月まで
父親の仕事の都合でアメリカに行っていて
中学生は向こうで過ごしていたので野球も
向こうのチームに所属していたんですよ」
「アメリカのチームに!?」
「成る程……道理で名前が知られてないわけだ
よかったらアメリカでの君の成績なども教えて
貰えるだろうか?」
「え?」
そこまで話して良いのだろうかと
真深が悩んでいると思わぬというか
やはりというか"あの娘"が出てきた
「レギュラーでクリーンナップだったんですよ
しかも通算本塁打の数が30本越えなんですよ」
「詠深……」
詠深だった……
詠深は真深の実績を誇りに思っていたので
それを聞きたがっている人物を見つけると
話さずにいられなくなってしまうのである
「アメリカでレギュラーですって!?」
「しかも本塁打の数が30本越えとは」
そして真深のアメリカでの成績を聞かされた
浅井と大野は案の定驚きの表情になっていた
「疑わないんですね?」
「確かに一瞬、耳を疑いそうになったが
あれだけの打力を見てしまえば納得できるさ」
「…………」
正直言って真深は自分の実績を浅井と大野の
二人が直ぐに信じたことを意外に思っていた
真深は詠深や珠姫に川口姉妹ならまだしも
他の人は本場アメリカでレギュラー選手で
それだけのホームランを打ったと言っても
直ぐには信じられないだろうと思っていた
真深はモデルのような容姿をしているので
そんなにホームランを打てるような選手に
見えないとアメリカで対戦相手の投手から
何度か言われたことがあるのだ
但し対戦相手の投手は真深の実力を素直に
認めており容姿と打力のギャップに驚いて
そう言っていただけに過ぎず真深もそれを
分かっていたので相手選手ともその話題で
笑い話をしていたこともあった
すると大野が気に入らなそうに話し初めた
「それにしても気に食わないわね
真のエースである私が投げてる時はアンタを
温存して朝倉が投げてから出してくるなんて」
「止せ、彩優美!」
大野の言葉を浅井が厳しい口調で注意した
「済まないな……
彩優美は純粋に君と勝負がしたかっただけで
決して君達に嫌みを言ったわけではないんだ」
「…………」
浅井がそう言うと大野が
顔を赤くして恥ずかしそうな表情になった
「ごめんなさい……
実を言うと今日は久しぶりに日本で
試合をするので最初の方は試合を見学して
攻撃や守備の流れとかを見ておきたいって
私が監督に頼んで控えにして貰ったんです」
「どういうこと?」
自分の方から控えにするように頼んだことを
打ち明けると大野が不思議そうに尋ねたので
真深は芳乃と藤井先生に話したのと同じ話を
大野と浅井にも話した
「成る程……そう言うことね」
理由を聞いた大野は納得した様子を見せると
「つまり柳大の真のエースである
私の投球とウチの守備の実力から
色々と学習したかったってわけね
……それなら納得だわ!」
そして満足そうな表情になる
「十分に参考になったんじゃない?」
「ええ……お陰さまで昔、見ていた
高校野球の試合の流れを思い出せました」
真深も大野に笑顔で肯定したが
今度は浅井が真深に疑問をぶつけてきた
「しかしそれだけの実力があって
何故、名門の強豪校の試験を受けなかったんだ
君の実績なら1年でもレギュラーを掴めただろう
少なくともベンチ入りメンバーに選ばれた筈だ」
「あっ……」
浅井の質問に流石に詠深も言葉が詰まり
真深も聞かれたくなかったような表情に
なるが新越谷を選んだ経緯だけは話した
「実を言うと私は日本に帰ったら
それを機会に野球を辞めようと思ってたんです
新越谷は詠深が入学するから選んだだけでして
そんな私に野球を続ける切っ掛けをくれたのが
従姉妹の詠深を始めとした新越谷の皆なんです
もし新越谷に入っていなければ私は間違いなく
野球を辞めてしまっていましたから」
「あら……貴女たち従姉妹だったのね
と言うか何でまた辞めようと思ったのよ?」
「そっ、それは……」
「真深ちゃん……」
大野はあれほどの実力がありながら
辞めようとしたという真深の話しを
聞いて何故辞めようと思ったのかを
聞くとそれ以上は話したくなかった
真深が困惑した様子を見せると
「彩優美……あまり他人の事情を
根掘り葉掘り聞くのは無粋というものだぞ」
「そっ、そうね……ごめんなさい」
浅井が真深に気を聞かせ
彩優美を注意すると大野も申し訳ないと
思ったらしく直ぐに引き下がってくれた
「取り敢えず……
もう野球を辞めようとなんて思ってないのね?」
「えぇ……続けますよ
夏の大会に向けて気合いも十分です」
「だったら夏の大会では私たちと
当たるまでは負けるんじゃないわよ
そこで今度こそ私と勝負しましょう」
「えぇ、受けて立ちます」
「フフッ」
そうして互いに握手を交わす真深と大野
そして浅井も真深と握手をすると二人は
詠深とも握手を交わした
「正直言って人数もギリギリで
1年主体のチームと練習試合だからって
拍子抜けしてたんだけど間違っていたわ
新越谷を侮っていたことは素直に謝るわ
だから初回に3失点もしちゃったのよね」
大野は詠深たちが油断されていることに
気づいていないことを分かっていながら
自分から自らの過ちを打ち明けると
真面目な表情で詠深たちに謝罪した
「私は最初から侮ってなどいなかったがな
やるからには相手が何処だろうと関係ない
残念ながら今日は3打席とも三振だったが
君たち二人を始め中村を始めとした強者が
新越谷に所属していると分かっただけでも
今回の練習試合は私達柳大川越にとっても
有意義な試合だったぞ」
浅井は試合内容以上に夏大会前に真深や
詠深を始めとした新越谷の実力者たちの
情報を入手できたことに大満足のようだ
「では……失礼する」
「じゃあねーーー♪」
最後に一言、言い残して浅井と大野は去っていった
「……いい人達だったわね」
「うん! 夏の大会で、また試合できるといいね」
「そうね……そのためにも練習頑張らないとね」
「よーーーし! 頑張るぞーーー!!」
詠深は今日の練習試合で夏の大会に向け
更にモチベーションを高めたようである
その後新越谷のメンバーたちは制服に着替え
帰り支度を整えた柳大川越の他の選手たちと
会話や互いの健闘を称え合ったりもしていた
捕手同士で互いに意見を交わしていたのか
珠姫が浅井と何やら意気投合していた他に
芳乃は大野と朝倉からサインを貰っていた
そして詠深と真深はバスに乗って川越へ
帰ろうとする柳大川越を見送ろうとすると
「武田さん、上杉さん」
「朝倉さん」
真深と詠深に朝倉が声をかけてきた
「武田さんの球
すごい球だったよ……魔球だね、あれは」
「そっちこそ……手も足も出ませんでしたよ」
「アハハ……
上杉さんには完璧に打たれちゃったけどね」
詠深の言葉に苦笑いを浮かべながら
真深を見て返答する朝倉
「だけど……
お陰で私ももっと変化球を鍛えたくなったよ
上杉さんとあの子(希)には通じなかったしね」
そう言いながら朝倉は
自分の指を何度も動かしている
「あの……」
すると横から誰かが朝倉に
声をかけてきたがそれは他でもない希だった
「最後勝負してくれて、ありがとう」
そう言う希の表情は何処か照れくさそうだ
本人もそれを分かっていたか分からないが
「次は負けんけん!」
そのままグラウンドへ走り去っていった
「……いいチームになりそうだね
皆、仲がいいし、環境はいいし、魚も釣れるし」
「ハァ……?」
「釣り好きなんですね……」
「うん! もちろん1番は野球だけどね」
今朝初めて会った時も釣りを
していたことを思いだし詠深はキョトンと
してしまい真深は苦笑いを浮かべてしまう
「次は公式戦で会おうか
上杉さん……次は打たせないよ」
「はい!」
「望むところです!」
朝倉からの再戦の誓いの言葉に
明るい声と笑顔で答える詠深に
対してリベンジを宣告された
真深も力強く返答すると朝倉は
詠深と真深と握手を交わした
そして再戦を誓い合った後に朝倉が
バスに乗り込むと柳大川越のバスは
選手を乗せ川越へ走り去っていった
それを真深と詠深はバスが見えなく
なるまで見送っていた
「公式戦でか……」
「珠ちゃん」
詠深と真深の横から朝倉との会話の
一部始終を見聞きしてたのか珠姫が
声をかけてきた
「そうなると、いいね」
「うん! はぁ~~
それにしても楽しかったな
皆と初めての試合……珠ちゃんと真深ちゃんは?」
「楽しかった……最高にね!」
「私も楽しかったわ
チームの皆と声も掛け合えたし」
「うん……そうだよね」
「…………」
珠姫、真深の順に答えたが
やはり去年の真深を知っている
詠深と珠姫はその言葉の重みを理解した
「詠深ちゃん、真深ちゃん、珠姫ちゃん」
そこへ部室から芳乃が顔を出してきた
「そろそろ、反省会やるよーーー!!」
やはり芳乃も試合が楽しかったようで
明るい声で真深たち3人を呼び出した
「うん!」
「今行くよーー!」
「私たち以外は全員、集まってるみたいね」
珠姫、詠深、真深の3人も反省会をしに
笑顔で部室へと走って行ったのだった
次回……【クリフ・ボストス】
というわけで
オリジナルの試合後のやり取りでした
次回のタイトルですが……
これはズバリ真深がアメリカ時代に
親しくしてくれた先輩の名前となります
完全なオリジナルキャラクターとなります
それでは次回まで失礼致します!