詠深の従姉妹はホームラン打者   作:たかと

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今回は真深のアメリカ時代に
親しくしてくれた先輩の名前が何人か出てきます

そして同時に真深の過去が仲間全員が知ることに

それではお楽しみください!


第7話 クリフ・ボストフ

柳大川越のバスを見送った真深と詠深が

珠姫と部室内に入ると既にメンバー全員が

揃っていて今日の試合の感想などを話していた

 

 

「いや~~、いい試合だったな!」

 

 

「けど、惜しかったわね

もう少しで勝てたかもしれないのに」

 

 

稜は試合に満足した一方で

菫は勝ちきれなかったことを残念そうに話す

 

 

「だが強豪校と試合をして

しかも引き分けに持ち込めたのだから

私たちもやれば出来ると分かったんだ

今日の試合で得たものは大きいだろう」

 

 

「そうね……夏の大会までに

しっかり練習すれば前に芳乃ちゃんが

言ったとおり私たちは今より強くなれるわ」

 

 

怜と理沙は今日の試合で手応えを掴めたようだ

 

 

「私は初フライが取れて良かったわ」

 

 

「私はスイングを向上させたいです」

 

 

初心者の息吹と白菊も手応えと課題を得ていた

 

 

「確かに課題は幾つか見つかりましたが

初めての練習試合で……しかも強豪校を

相手に皆さん本当によく頑張りましたね」

 

 

藤井先生からも褒め言葉を貰いメンバーも

嬉しそうな表情を見せて部室内は爽やかな

雰囲気が広がっていた

 

 

 

 

 

 

 

……しかし

 

 

 

 

 

 

 

「真深ちゃん……ちょっと聞いてよか?」

 

 

「希ちゃん……どうしたの?」

 

 

直後に希が真深に発した一言によって

その場の雰囲気が一転することとなる

 

 

「真深ちゃんは、なして

野球を辞めようと思ったん?」

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

希の、その言葉に真深本人と真深の過去を

知っていた詠深、珠姫、息吹、芳乃の4人に

緊張が走ったような表情になる

 

 

「希?……真深が

野球を辞めようとしたって、どういうこと?」

 

 

直ぐに菫が希の言葉に反応した

 

 

「さっき真深ちゃんが柳大の

選手と話してるのが聞こえたんけん

新越谷に来てなかったら野球辞めてたって」

 

 

「「あっ……」」

 

 

先程、大野と浅井と会話をしていた

真深と詠深が"しまった"という様子になると

希から言い逃れしようのない質問をされてしまう

 

 

「それにこの前……芳乃ちゃんと息吹ちゃんと

ランニングした時に桟橋でもアメリカにいる間

私は一人で野球をしてたとか練習でも試合でも

孤立してたて詠深ちゃんと珠姫ちゃんの二人と

そんな話してたけん……気になっててん……」

 

 

「「「「「…………」」」」」

 

 

真深はあまり昨年の自分の話を

人に話したくないと思っており

詠深、珠姫、芳乃、息吹も真深から

他の人に言わないでいてほしいと

頼まれていたので困惑してしまう

 

 

「おいおい真深……

野球辞めようと思ってたって何でだよ!?」

 

 

「アメリカで孤立してたってどういうこと?」

 

 

希の言葉を聞いた稜と菫が

希のように真相を知りたがってしまう

 

 

「確かにアレだけの打撃力と守備力と

アメリカでの実績があれば名門校でも

1年からレギュラーになれた筈なのに

どうして態々、新越谷を選んだんだ?」

 

 

「確かにそうね……

まあ、私たちは真深ちゃんが

同じチームに居てくれて心強いけど」

 

 

怜と理沙も今まで気にしていなかったようだが

希の話を聞いて気になり始めてしまったようだ

 

 

「真深さんの過去……興味あります!」

 

 

遂に白菊からも問われてしまった

 

 

「なあ……詠深たちは知ってるのか?」

 

 

「確かに4人とも

希が話を切り出した途端に

なんだか気まずそうな雰囲気になったわね」

 

 

「そっ、それは……」

 

 

「「「…………」」」

 

 

稜と菫に指摘され真深の過去を

知っていた4人が口ごもってしまう

 

 

「なんだ、なんだ~~?

詠深たちに話して私たちには

話さないなんて水臭いじゃないか

ズルいぞ~~~、私たちにも教えろーーー!」

 

 

稜は空気が読めないらしく

はしゃぎながら真深たちに催促してきた

 

 

「私たちチームメイトやけん、知りたいけん」

 

 

稜とは逆に希は真剣な表情で聞いてきた

希としては野球と真剣に向き合っている為に

自分より実力がありながら野球を辞めようと

考えた真深の真意がどうしても知りたいのだ

 

 

「真深ちゃん……どうする?」

 

 

「流石に、ここまで追及されたらね……」

 

 

詠深と珠姫が言いづらそうに真深に言うと

 

 

「そうね……私たちチームメイトだもんね」

 

 

「真深ちゃん……

気が進まないかもしれないけど話してみたら?

皆になら打ち明けても、きっと大丈夫だと思うし」

 

 

息吹と芳乃は仲間を信じて

打ち明けても良いのではないかと真深を促す

 

 

「…………」

 

 

それでも真深は話すのを躊躇っていると

 

 

「真深ちゃん……私も一緒に話すからさ」

 

 

詠深が真深と一緒に話すことを申し出ると

真深は特に話を聞きたがっている希と稜に

真剣な眼差しで忠告した

 

 

「"聞かなきゃ良かった"……って

後悔するハメになるかもしれないわよ」

 

 

「うん……私もそう思う」

 

 

詠深も聞かない方がいいと最終確認をするが……

 

 

「大丈夫やけん、教えて」

 

 

「私も大丈夫だーーー!」

 

 

「私も知りたいわ」

 

 

同じく真剣な眼差しを真深に返す希に対し

稜は漸く話が聞けると浮かれ騒いでいると

菫も聞きたそうにしてきた

 

 

「真深ちゃん……私たちにも聞かせて

私も真深ちゃん何があったな気になるし

どんな内容だろうと私は受け入れるわ」

 

 

「あぁ、私も理沙と同じだ

それに私たちは、もう仲間じゃないか?」

 

 

理沙と怜は昨年の不祥事を経験したことも

あるためか真深にどんな過去があろうとも

気にしないと約束してくれた

 

 

「私も大丈夫です」

 

 

「私も気になりますね」

 

 

理沙に同調するように

白菊と藤井先生も話を求めてきた

 

 

「はぁ~~……分かりました」

 

 

仲間の熱意を受けた真深は観念して

詠深たちの助けも得て昨年の自身の

出来事を洗いざらい話した

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

「なっ、何なんだよソイツら……頭に来んな!」

 

 

「稜、落ち着いて!?」

 

 

「こんな話を聞いて落ち着いてられるか!!」

 

 

「私だって腹が立ったわよ!

だからって此処で稜が怒ったって

真深の過去が変わる訳じゃないでしょう!?」

 

 

真深の過去を知った途端に稜はブチギレてしまい

それを菫が慌てて宥めていたものの内心はやはり

稜と同じで憤りを抱いているようである

 

 

「真深ちゃんに、そんな過去が……」

 

 

「昨年の今頃といえば

丁度、私と理沙を始めとした1年生が

上級生から暴力沙汰にあって野球部が

停部の処分を受ける前か後の頃の話だな」

 

 

「そうね……私と怜は文字通りの暴力を

真深ちゃんは言葉と嘲りの暴力を受けてたのね」

 

 

理沙と怜の2人は前年の不祥事のことを

思い返したらしく暗い表情になっていた

 

 

「……そういったお話は

野球漫画の中だけだと思っておりました」

 

 

白菊は信じられないといった感じで

驚きと困惑が入り混ざった様子を見せていた

 

 

「…………」

 

 

そして真深に話を持ち掛けた希は

かなりショックを受けたらしく

何も言えなくなってしまっていた

 

 

「だから聞いたら後悔するって言ったのに……」

 

 

仲間の反応を見た詠深は

"言わんこっちゃない"という表情になる

 

 

「もし新越谷以外の高校に……

それも仮に強豪校に進学していて

例え野球部に勧誘されていたとしても

素っ気ない態度で突っぱねていたと思う」

 

 

そして等の本人である真深の方は初めて

自身の過去を知った知った仲間の反応を

見て申し訳なさそうな表情になりながら

心の内を明かすと……

 

 

「そっか……

だから初めて新入生の皆と会った時に

真深ちゃんだけ他の皆と感じが違ったのね」

 

 

不意に理沙が何かを悟ったように口を開いた

 

 

「理沙先輩……?」

 

 

「それって私達が怜先輩と

理沙先輩に初めて会った時の話ですよね?」

 

 

「真深ちゃんだけ感じが違ったとは?」

 

 

新越谷以外の高校では野球部に入っていなかった

という真深の話を聞いて呟いた理沙に詠深と芳乃

更に珠姫の順に尋ねた

 

 

「ほら! 初めて皆と会った時に

怜ったら意地を張って素っ気なくしたじゃない

それに皆は戸惑ったり稜ちゃんなんか怒ったり

してたけど真深ちゃんは何処と無く怜の心境が

分かってるみたいに落ち着いた様子だったから」

 

 

「今でもあの時の自分の

態度を恥ずかしく思っているよ……」

 

 

なんと理沙はあの時の真深の

表情を見て他の新入生と様子が

違うことに気がついていたのだ

因みに怜はあの時の自分の態度を

今でもかなり後悔していたようだ

 

 

「確かに先輩方の話を聞いた時に

初めて新越谷に入って詠深たちに

誘われてなかったら完全に野球を

辞めようとしていたなって思って

自分自身でも改めて自覚しました」

 

 

あの時の自身の心境を悟った理沙の話しは

真深自身も自覚していたこともあったので

真深も直ぐに認める

 

 

「まあ……そう言うわけで

活動停止処分が明けて1からやり直す

新越谷高校の野球部と一緒に自分自身も

1から野球を向き合おうと思ったんです」

 

 

そう言って真深は自身の過去を知った仲間に

改めて自分自身の決意と心の内を明かした

すると同じく真深の過去を聞きながら黙って

部員たちの様子を見守っていた藤井先生が

優しく穏やかな声で真深に語りかけ始めた

 

 

「上杉さん……

此処には上杉さんが打つことを

不快に思う人など私も含め1人も居ません

ですからこれからは存分に打ってください」

 

 

「はい! 現に今日、打ったホームランは

皆の声援があったからこそ打てたんです

もう去年の苦い記憶とは決別できました

あのホームランごと、かっとばしたので」

 

 

「そうですか、それを聞いて安心しました」

 

 

そう言って真深は迷いを感じさせない

言葉と決意に満ちた表情を見せたので

藤井先生もそれに笑顔で返した

 

 

「私も今日の試合で真深ちゃんが

ホームラン打って援護してくれて嬉しかったよ

また次の試合でもホームラン打って援護してね」

 

 

「フフフ……

いつも打てるとは限らないけど頑張るわ」

 

 

「うん!」

 

 

真深の後ろから詠深が笑顔で飛び付いてきて

真深が過去の苦い記憶を絶ち切れたと聞いて

嬉しそうな表情を見せる

 

詠深自身も試合の途中で過去のトラウマを

克服したこともあり色々と共感する思いが

あったようだ

 

 

「私と理沙も見習って去年までのことを

引きずらずに前を向いて進まなくてはな」

 

 

「そうね……頑張らないと」

 

 

怜と理沙……昨年の暴行沙汰の被害者である

2年生の2人も入部してから初めての試合に

出たことに加えある意味自分たちより心痛な

経験をした真深の話を聞いて励まされた様だ

 

 

「私は真深や希に負けない打者になるぜ!」

 

 

「私も、もっと精進したいです!」

 

 

稜と白菊は今日の試合の真深と希の打撃を

見たことで色々と良い刺激を受けたようだ

 

そんな稜と白菊を冷静沈着な珠姫と菫が

張り切りすぎないかと心配そうな表情でいた

 

 

「…………」

 

 

一方で真深の話を聞いた当の本人である

希は何やら悲しそうな表情で無言で俯いた

 

 

「さあ! 皆でグラウンド整備に行きましょう」

 

 

「はい! ×10」

 

 

士気を高めたメンバーの姿を満足そうに

見守っていた藤井先生が告げると俯いた

希を除いた全員が元気よく返事をすると

メンバーは各々"トンボかけ"をして

グラウンドの整備を始めると全員で

協力し合ったこともあり10分程で

作業を終えることが出来た

 

 

「はぁ~~

やっぱり、もっと投げたかったな……」

 

 

真深と2人でマウンドの周りの"トンボかけ"を

終えた詠深が使ったトンボを用具置き場に戻し

グラウンドを見渡しながら呟く

 

 

「あら詠深……まだ投げ足りなかった?」

 

 

「うん……

みんなと初めての試合が楽しかったから」

 

 

「そうね……私も最終回の1打席と

守備に出られただけでも楽しかったから

全イニング投げた詠深は尚更楽しかったわよね」

 

 

「うん! もう一試合やりたいくらいだよ」

 

 

「そうね、早く次の試合が決まるといいね」

 

 

二人は早くも次の試合に思いを馳せていた

 

 

「なら次は勝てるように、練習しないとな」

 

 

「怜先輩」 「キャプテン」

 

 

そんな二人の元に外野の

"トンボかけ"を終えた怜が歩み寄ってきた

 

 

「柳大川越は確かに強豪校だが

埼玉には更にランクが上の強豪校がある

柳大川越に引き分けたくらいで満足しては

到底そこに勝つことなどは出来ないからな」

 

 

「はい! 分かっています」

 

 

「これからも練習、頑張りたいです!」

 

 

「よし! その意気だ」

 

 

気合い十分の真深と詠深の

言葉を聞いて怜も満足そうな表情を浮かべると

 

 

ブンッ ブンッ ブンッ

 

 

「希ちゃん……」

 

 

3人から少し離れた場所で"トンボかけ"を

終えた希が目に涙を浮かべながら素振りを

している姿があった

 

 

「今日は解散……自主トレにするか」

 

 

そんな希の姿を見た怜がメンバーの疲労も考えて

今日は解散する判断を下したので高まる気持ちを

押さえつつ真深と詠深も今日は家路に就こうかと

話をしていた時だった

 

 

「詠深ちゃん! 真深ちゃん!」

 

 

芳乃が息吹と珠姫と一緒に駆け寄ってきた

 

 

「二人ともこの後、何か用事ある?」

 

 

「用事? 別にないけど……」

 

 

「私も特に無いわよ」

 

 

用事が無いことを告げる詠深と真深

 

 

「だったら家に来てよ!」

 

 

「家って……芳乃ちゃんと息吹ちゃんの家?」

 

 

「そだよ~~

記念すべき新生新越谷野球部の

初戦を終えた記念に夕飯食べに来てよ」

 

 

「え!? 急にお邪魔したら悪くない?」

 

 

芳乃と息吹の家の都合を真深が考慮するが……

 

 

「今日は両親が居ないから大丈夫よ」

 

 

「うんうん! 明日は日曜日だし

それにウチは昔から家に友達を呼んで

一緒に、ご飯食べたりしてたから問題ないよ」

 

 

当の息吹と芳乃が問題ないと返す

 

 

「折角だし行ってみない?

私もさっき家に電話したらOK貰ったし」

 

 

珠姫は既に川口家で夕飯を

食べて帰る了承を得ていた

 

 

「どうする詠深?」

 

 

「珠ちゃんの言うとおり

折角だし息吹ちゃんと芳乃ちゃんの

家も見てみたいしお邪魔させて貰おうよ」

 

 

「そうね……じゃあ私達も家に連絡しないと」

 

 

「そうだね♪」

 

 

息吹と芳乃は問題ないと言うし

珠姫も行くと聞いたので二人も

家に電話で事情を話すと親から

了承を得たことで真深と詠深も

珠姫と一緒に息吹と芳乃の家に

お邪魔することになった

 

 

そして部室でユニフォームから制服に着替え

校門前でチームメイトと別れると5人は一路

川口家へと向かって行った

 

 

 

 

 

 

 

ーー数分後ーー

 

 

 

 

 

 

 

「「「おじゃましま~~す」」」

 

 

芳乃と息吹の家は以前2人から聞いた通り

新越谷高校に近く家の中だけでなくお庭も

広く理想的な一軒家であった

 

 

「川口家! 近くていいなぁ」

 

 

「本当ね~~」

 

 

「…………」

 

 

初めて見る川口家に詠深、真深、珠姫は

興味深そうに周りを見渡しながら家に上がる

 

 

「飲み物、取ってくるね

私の部屋、散らかってるから

二次反省会は息吹ちゃんの部屋でね」

 

 

芳乃はそう言って台所へ向かっていった

芳乃と息吹の部屋は両方とも2階だった

 

 

「3人とも、こっちよ」

 

 

息吹が真深たち3人を部屋に招くが……

 

 

「あっ! あっちが芳乃ちゃんの部屋か」

 

 

詠深が直ぐ隣にあった芳乃の部屋を見つけた

 

 

「ちょっとだけ……」

 

 

「あっ! 詠深……勝手に見たら」

 

 

友達とはいえ流石に勝手に見るのは

どうかと思いながらも真深も芳乃の

部屋の中を見てしまうと……

 

 

「すごい……」

 

 

「そうね……」

 

 

芳乃の部屋は正に野球一色であった

至るところに野球に関係する書物や

サイン入りボールに色紙が並べられ

壁や天井には芳乃がざっしの写真を

引き伸ばして自作したとも思われる

野球選手のポスターがところ狭しと

貼られていた

 

 

「あれ?」

 

 

「どうしたの詠深?」

 

 

不意に天井を見上げた詠深が唖然とした

表情になったので真深も見上げてみると

 

 

「あれ……まさか私たちじゃ?」

 

 

「みたいね……」

 

 

そこには、いつの間に撮っていたのか

入学式の日に"あの球"を投げる詠深と

同じく入学式の日にホームランを打つ

真深の写真がポスターの大きさにまで

引き伸ばして飾られていた

 

 

「人の部屋、勝手に見ちゃダメだよぉ~~~」

 

 

「「ひっ!?」」

 

 

そこへ丁度、台所から飲み物をもって

戻ってきた芳乃に冷たい声を掛けられて

詠深と真深は思わず竦み上がってしまった

 

 

「ゴメン、つい……」

 

 

「ちょっとした出来心だったの……」

 

 

詠深と真深が芳乃に謝りながら息吹の部屋に入る

 

 

「そんな悪い子達にはお仕置きとして……」

 

 

「なっ、なに?」

 

 

「試合後のマッサージをしてあげるよ」

 

 

「いいの?」

 

 

「それは、ご褒美では……」

 

 

芳乃は嬉しそうにマッサージを名乗り出た

 

 

「こう見えて得意なんだ~~。ねっ、息吹ちゃん」

 

 

「そっ、そうね……」

 

 

芳乃に話を降られた息吹が

何故か苦笑いをしながら答えていたが

詠深も真深もそれを気に止めなかった

 

 

「じゃあ先にお風呂に入ろうか?」

 

 

「うん」

 

 

「それじゃ、お借りするわね」

 

 

芳乃に進められ詠深と真深が

川口家の浴槽へ向かっていく

 

 

「タオルとかシャツとか、ここに置いとくね」

 

 

替えの着替えを脱衣場に残し

芳乃は息吹の部屋へ戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

チャポーーーン

 

 

 

 

 

 

 

「ふい~~、極楽、極楽♪」

 

 

「詠深ったら、オジサンみたい」

 

 

「だって気持ちいいんだも~~ん」

 

 

「そうね……いい汗かいたもんね」

 

 

二人で浴槽に漬かりながら気分よく呟く

 

 

「友達の家のお風呂に

入るのって小学生以来だね

昔は私と真深ちゃんと珠ちゃんの

誰かの家でよく一緒に入ってたよね」

 

 

「えぇ……懐かしいわね」

 

 

そう言いながら小学生の頃に詠深、真深、珠姫の

3人……若しくは他の友達も一緒に誰かの家の

風呂に入っていた頃のことを思い出していた

 

 

「それにしても真深ちゃん、スタイル良いよね」

 

 

「えっ、そうかしら?」

 

 

「そうだよ……美人だし男の子にモテそう」

 

 

そう言って詠深は真深の体を"ジィーーッ"と見る

 

 

「詠深も十分に可愛いわよ

それに私より元気があって明るいから

きっと男の子の人気者になると思うわ

 

 

「いやいや……

真深ちゃんの、お淑やかさには敵わないよ

とてもホームランを量産する打者には見えない」

 

 

「詠深こそ……

あんな凄い変化球を投げる投手に見えないわよ」

 

 

「アハハ、お互い様だね」

 

 

「フフフ、そうね……まぁ、私たち従姉妹だし」

 

 

「だね♪」

 

 

久しぶりに一緒に風呂に入ったこともあって

昔話しなどで二人は大いに盛り上がっていた

 

その後頭や体を洗って芳乃が用意してくれた

替えの着替え着て息吹の部屋へ戻るや否や

二人は早速芳乃からマッサージを受けていた

 

 

「柔らかくていいねぇ

故障もしにくいし球速も上がると思うよ」

 

 

「ほんと? やったーーー」

 

 

芳乃から投手として理想的な

体つきだと言われた詠深が嬉しそうになる

 

 

「珠姫ちゃん

今日の詠深ちゃんの投球はどうだった?」

 

 

「4回の1点は余計だったね

"あの球"要求したのに普通のカーブがくるし」

 

 

芳乃に練習試合での詠深の投球の評価を聞くと

やはり4回に1点を取られた場面を持ち出した

 

 

「まあまあ、珠姫……

アレが切っ掛けで詠深が中学時代のトラウマを

克服することが出来たんだし多目に見てあげて」

 

 

「そうだね……終盤は良かったし

あのまま、ずっと受けていたかったよ」

 

 

詠深の心境を悟っていた真深が

擁護すると珠姫も何だかんだで

詠深の投球に人通り満足していたようだ

 

 

「アハハ……最後はエラーしちゃったけど」

 

 

「まあまあ……真深のレーザービームに

助けられたんだから良かったんじゃない

"終わり良ければ全て良し"って言うじゃん?」

 

 

詠深自身はラストのエラーを

気にしていたので息吹が急かさずフォローした

 

 

「はい! できたよ」

 

 

そんな話をしている内に芳乃は

詠深のマッサージを終えていた

 

 

「すごい! 軽くなった!」

 

 

芳乃のマッサージの効果は

良かったらしく気分良さそうに腕を振っている

 

 

「さあ! 次は真深ちゃんね!」

 

 

「ありがとう」

 

 

詠深のマッサージを終えた芳乃は

次に真深のマッサージを開始した

 

 

「真深の体って一見、華奢なのに

マッサージしてみると凄く鍛えられてるね」

 

 

「そうね……

まあ、あんなホームラン打てるんだから当然よね」

 

 

芳乃と芳乃と一緒にマッサージをしていた

息吹が真深の体を見て興味深そうに呟いた

 

 

「それにしても希ちゃんに

真深ちゃんの過去を聞かれた時は焦ったね」

 

 

「そうだね……でも皆も理解してくれたし」

 

 

詠深と珠姫は試合後に希に

真深の過去を聞かれたことを話し始めた

 

 

「でも、あの後、希ちゃん……

思い詰めた様子で素振りしてたよね」

 

 

「うん……どうしたんだろう?」

 

 

詠深と珠姫はやはり"トンボかけ"を

終えた後に希が1人で無我夢中で

素振りをしていたことを思い出し

心配そうにする

 

 

「きっと朝倉さんの球を

捉えきれなかったのが悔しかったのと

多分だけど真深ちゃんの話しを聞いて

希ちゃんなりに何か思うことがあったのかも」

 

 

同じく希が素振りをしている場面を見ていた

芳乃が希の心境を推測していたが後に芳乃は

近いうちに希の本当の心境を知ることになる

 

 

「とにかく強豪校と引き分けられたし

詠深ちゃんと真深ちゃんもトラウマを

克服できたから今日の試合で得た物は

思った以上に多いと思うよ」

 

 

話題を変えるように芳乃が言うと

真深たちも満足そうな表情になる

 

 

「はい! 真深ちゃんも終わったよ!」

 

 

「ありがとう芳乃ちゃん

マッサージ上手ね……凄く体が軽くなったわ」

 

 

詠深と同様に真深も芳乃のマッサージに

満足して感想を口にした時であった

 

 

「あっ、いけない……

さっき、お風呂から上がった時に洗面所に

ブラシを置いてきたみたいだから取ってくるわ」

 

 

そう言って真深は風呂上がりに髪を溶かした時に

使ったブラシを洗面所に忘れたことに気がついた

 

 

「ちょっと取ってくるわ

序でに御手洗いも借りていいかしら?」

 

 

「いいよ~~、場所は分かる?」

 

 

「えぇ、さっきお風呂場に

連れていってくれたときに見たから大丈夫よ」

 

 

芳乃にトイレの場所を覚えていることを

告げると真深はブラシを取りに部屋を退出した

 

真深が退出した後も残りの4人で今後の課題や

反省点を話し合っていると……

 

 

「あっ! ちょっと一旦、休憩にしていい?」

 

 

「芳乃ちゃん? いいけど、どうしたの?」

 

 

今まで一番喋っていた芳乃が

突然休憩を申し出たので珠姫が首をかしげると

芳乃は息吹の部屋のテレビのスイッチを入れた

 

 

「毎日欠かさず見ている野球番組が始まるのよ」

 

 

「あっ! それ私も時々見てる」

 

 

「あぁ……あの15分番組の?」

 

 

息吹の説明に珠姫が声をあげると

詠深も思い出したように呟いた

 

 

「珠姫ちゃんも見てたんだね

注目の高校野球の選手だけでなく

海外の野球を取り上げることもあるから

楽しくて毎日欠かさずに見ているんだよ」

 

 

芳乃が髪をピョコピョコさせながら

説明すると番組は既に始まっていた

 

 

「あぁ~~最初の方を見逃しちゃった……」

 

 

番組の序盤を見逃し残念そうに芳乃が呟くと

 

 

《さあ続いては海外からの情報です》

 

 

番組のアナウンサーが次のコーナーを告げていた

どうやら海外の野球のコーナーらしい

 

 

《今や日本でも注目されている

女子野球史上最強の打者として

注目されているアメリカ女子高校野球選手

クリフ・ボストフ選手が今日も打ちました》

 

 

アナウンサーの言葉と同時にテレビ画面に

アメリカの女子高校野球の試合が映し出されると

そこに黒人系の屈強な体の女子野球選手が映った

 

 

「あっ! ボストフ選手だ!」

 

 

テレビに写った選手を見て声をあげる芳乃

するとテレビに写った選手がホームランを

打つシーンに切り替わった

 

 

「今日もホームラン打ったんだ」

 

 

「今年は何本ホームラン打つかしらね?」

 

 

「正に女子野球史上最強のホームラン打者だね」

 

 

テレビに写る選手を見ながら

芳乃、息吹、珠姫が呟いていると

 

 

「あれ? この人、この前見たよ」

 

 

詠深がなに食わぬ表情で口を開いた

 

 

「見たよって……テレビででしょう?」

 

 

「ううん、真深ちゃんのスマホの写真で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「…………は?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠深の言葉に3人が暫く呆然としてしまう

 

 

「詠深ちゃん……それ、どういうこと?」

 

 

「真深ちゃんが日本に帰ってきた日に

アメリカで撮った写真を見せてもらって

その時に真深ちゃんと二人で映ってたよ」

 

 

 

 

 

「え?」(・_・)

 

 

 

 

 

詠深の話に芳乃が思わず目が点になってしまうと

 

 

「あら、ボストフじゃない……懐かしいわ」

 

 

風呂場から、ブラシを取りに行っていた

真深が戻ってくると、テレビ画面を見て

なに食わぬ表情と声でそう呟いた

 

 

「真深ちゃん……懐かしいって?」

 

 

「ボストフ選手と会ったことがあるの?」

 

 

「あっ! もしかしてアメリカにいた頃に

ボストフ選手と対戦したことがあるとか?」

 

 

そんな真深に珠姫、息吹、芳乃の

順に尋ねると思いもよらぬ答えが帰ってきた

 

 

「会ったことがあるもなにも

2年前に同じチームで一緒にプレーしたから」

 

 

真深のその言葉に話を聞いた

詠深以外の3人が暫く呆然として固まった直後

 

 

「「「えぇ~~ーーーーーーーーーー!?」」」

 

 

「「ひっ!?」」

 

 

珠姫、息吹、芳乃が

驚愕した大声をあげたので

真深と詠深が驚き戸惑ってしまった

 

 

「3人とも……急にどうしたの?」

 

 

「どうしたの……って

逆に詠深ちゃんは何で驚かないの?」

 

 

「驚かないのって……どういうこと?」

 

 

3人が大声を出したことに

訳がわからなそうに驚く詠深だったが

逆に珠姫に何故、驚かないのかと聴かれてしまう

 

 

「真深ちゃん……

本当にボストフ選手とチームメイトだったの?」

 

 

そして芳乃は、かなり動揺しながら真深に尋ねる

 

 

「あ~~……ごめんなさい……

隠すつもりじゃなかったんだけど

何度も言ったように野球を辞める

つもりだったから話す必要は無いって

思ってたからそのまま話すの忘れてた」

 

 

芳乃のあまりの反応に

真深が後退りしそうになりながらも

答えると詠深も戸惑いながら尋ねる

 

 

「珠ちゃん、芳乃ちゃん……

クリフ・ボストフって有名な選手なの?」

 

 

「詠深ちゃん、本当に知らなかったんだ」

 

 

芳乃が詠深に唖然としていると

興奮しながら詠深に説明をし始めた

 

 

「クリフ・ボストフ選手……

去年アメリカの女子高校野球界の本塁打記録を

大幅に更新した上にその本塁打数はアメリカの

女子プロ野球リーグの"RMLB"で本塁打王に

なった選手の本塁打の数に匹敵していたという

学生部門は愚かプロ記録を高校生が更新するか

という衝撃的なペースで本塁打を打ってしまい

そして今年もハイペースで本塁打を打っている

今や"RMLB"の全球団が彼女を獲得しようと

血眼になっている今や現地のプロの選手よりも

注目されている女子野球界のスター選手だよ!」

 

 

「えっ、ウソ!?」

 

 

芳乃の説明を聞いて詠深は非常に驚いてしまう

 

 

「芳乃ちゃん……

アメリカの選手にも詳しいのね」

 

 

「日本の選手ほど詳しくないけど

流石にボストフ選手は知ってるよ」

 

 

「スター選手だもん!」

 

 

真深の指摘に芳乃と息吹が

当然だと言わんばかりに主張する

 

 

「流石、ボストフね……

日本でも有名な選手になってたんだ」

 

 

「……ボストフを普通に名前で呼んでるし」

 

 

「真深ちゃん、本当にチームメイトだったんだ」

 

 

友達のことを思い出すように

普通にボストフの名前を口に出した真深に

息吹と珠姫は更に唖然とさせられてしまう

 

 

「あっ、あの~~、真深ちゃん……」

 

 

「なに、芳乃ちゃん?」

 

 

芳乃が恐る恐る真深に声をかけ質問する

 

 

「……詠深ちゃんから

写真があるって聞いたんだけど?」

 

 

「ボストフの写真?……えぇ、スマホにあるわよ」

 

 

対する真深が呆気なく返答すると

 

 

「「見せてーーーーー!!」」

 

 

「ひっ!?」

 

 

芳乃と息吹に物凄い勢いで迫られる真深

 

 

「私も見たい!」

 

 

芳乃と息吹ほどではなかったが

珠姫もいつもより興奮した様子で食い付いてきた

 

 

「わっ、分かりました!

今、鞄からスマホ出すから落ち着いて!?」

 

 

そして真深は冷や汗をかきながら

部屋の隅に置いていた鞄からスマホを取り出して

画面のフィルムの項目を操作し写真を探し始めた

 

 

「あっ、あった」

 

 

見つけた写真をクリックして

スマホの画面に映し出して見せると

そこには確かについさっきテレビに

映っていた選手が青いユニフォームを

着た真深と同じ青いユニフォームを着て

真深と二人で親しそうな様子で写っていた

 

 

「へぇ~~、この人がボストフ選手?」

 

 

「そうよ……懐かしいわ」

 

 

「凄く体が大きい人だね……

確かに本塁打、沢山打てそうだね」

 

 

ボストフを知らなかった詠深は

初めて見るボストフの姿に普通の反応を見せる

 

 

「確かに一見怖そうだけど

仲間思いで時々お茶目なことをして

メンバーを楽しませるからチームの

メンバーからは凄く慕われてたのよ」

 

 

「うん、体が大きくて怖そうだけど

表情は優しくて凄くイイ人って感じがする」

 

 

真深の話を聞いた詠深は

ボストフの屈強な姿とは裏腹に

人格的にイイ人だと直ぐに分かったようだ

 

 

「じゃあ真深ちゃんを

スタメンで使うようにチームの

監督に進言してくれた4番打者で

チームの主将だった人ってこの人なんだ」

 

 

そんな感じでボストフを知らなかった

詠深は普通の反応だったが他の3人は違った

 

 

「真深ちゃん……」

 

 

「はっ、はい……?」

 

 

芳乃の雰囲気に真深が

挙動不審になりながら返事をすると……

 

 

「この写真、メールで転送してーーー!」

 

 

「ヒィィィィィ!?」

 

 

芳乃が更に興奮しながら真深に

迫ってきたので流石に困惑してしまう

 

 

「私も欲しいわ!」

 

 

「真深ちゃん、私もお願い!」

 

 

「わっ、分かったわ! 今、転送するから!!」

 

 

何とか興奮する芳乃たちを落ち着かせると

真深はさっき見せた写真をメールに添付し

3人に送信してあげる

 

 

「はわわ~~!?

真深ちゃんとボストフ選手のツーショット写真」

 

 

興奮して髪をピョコピョコさせた芳乃は……

 

 

「ほっ、他の選手の写真とか無い?」

 

 

更なる写真を見たがったので

真深が中学時代のアメリカの

チームメイトの写真を見せてあげると

 

 

「ちっ、ちょっと……

この人"ジータパーラー"じゃない!?」

 

 

「本当だ!?

記録上一度もエラーをしたことがなく

長打力以外はボストス選手より上だと

言われる"走好守"全てが完璧の将来は

最強の遊撃手になるだろうと言われる

オールマイティーの同じくスター選手」

 

 

「確か打率も6割を越えてたよね!?」

 

 

芳乃と息吹が見つけたのは金髪で身長が高く

王公貴族の令嬢のような美しい容姿の美女だった

 

 

ポジションが遊撃手で長打力以外はボストフに

勝るとも言われている同じく注目を集めている

スター選手であった

 

 

更に……

 

 

「嘘!? この人、"モウラー"選手!?」

 

 

「珠姫ちゃんと同じく捕逸ゼロを誇り

しかも盗塁阻止率80%以上の強肩で

打撃力もあるこれまたスター選手だよ」

 

 

珠姫が見つけたのはショートカットの銀髪で

男性のような凛々さをも感じさせるクールな

雰囲気の選手が写っていた

 

 

ジータパーラーが最強の遊撃手候補である

一方で将来は最強の捕手になるであろうと

注目されるこれまたスター選手だった

 

 

「こっ、この人は……

去年のアメリカの女子高校野球界で

奪三振数1位に加え防御率も1点台を

記録して将来は間違いなく女子野球界を

代表する投手になるだろうと言われている

これまたスター選手の"ラスターソン"投手」

 

 

続けて芳乃が見つけたのは

ジータパーラーと同じ雰囲気と凛々しさを

感じさせる容姿をした金髪の美女であった

 

 

将来は女子野球界の優れた投手に送られる賞を

全て得るだろうとも言われる名投手である

 

 

ボストフを含めたこの4人の選手は

今や各々が違う高校に進学していて

違うチームになっているが4人とも

進学先で1年目からレギュラー座を

勝ち取っており才能を存分に発揮しながら

2年目となる今年も絶好調だと聞いている

 

 

「まっ、真深ちゃん……

本当に凄いところで凄い選手と野球してたんだ」

 

 

写真を見て興奮した芳乃が

髪をピョコピョコしながら真深を見る

 

 

「と言っても渡米1年目は

ベンチにも入れていなかったから

実際にプレイ出来たのはレギュラーを

取れた2年目のシーズンの途中だから

一緒にやれたのは半年くらいだったわよ」

 

 

「いやいや!?

それだけでも十分に凄いって!!」

 

 

「このメンバーの中でレギュラーで

しかもクリーンナップを打ってたんでしょ!?」

 

 

息吹と珠姫は今では日本でも知名度のある

アメリカの名だたるスタープレイヤー達と

一時期でも同じチームでプレイをしていた

真深の経歴に驚きを隠せずにいる

 

 

「こんな凄い選手が新越谷の野球部に

所属してるなんて歴史的な出来事だよ」

 

 

芳乃が今まで見たことのないくらいの

物凄い早さで髪をピョコピョコさせる

 

 

その後真深は芳乃たちにジータパーラーを

初めとしたスマホに映る他のスター選手の

写真を欲しがられて写メールで転送をする

作業を暫く続けることとなった

 

そして後日……芳乃から話しを聞いた

他のメンバーや藤井先生からも写真を

催促されるのであった

 

 

「う~~ん!

マッサージで体も凄く軽くなったし

真深ちゃんの話を聞いてたら何だか

無性に投球練習したくなってきたよ」

 

 

「今日はダメダメだよ!」

 

 

気持ちが高まった詠深が投球練習に

行こうとしたので詠深の肩を心配する

芳乃が慌ててそれを止めようとするが

 

 

「珠ちゃんも、したいよね」

 

 

「うん、ちょっとだけなら」

 

 

珠姫も詠深の球を受け足りないらしく

詠深の肩のことを考えるといけないと

分かっていながらも捕りたいそうだ

 

 

「仕方ないなぁ……10球だけだよ」

 

 

そんな二人に苦笑いを浮かべながらボールを渡す

 

 

「その代わり終わったら素振り500回ね

今日は真深ちゃん以外みんな無安打だし」

 

 

「「500回……」」

 

 

芳乃からそう告げられ苦い表情になる詠深と珠姫

 

 

(まあ毎日やってるけど……)

 

 

息吹は毎日やらされているらしいが

詠深や珠姫と同様に苦い表情になる

 

 

「あら……私は毎日それくらい振ってるわよ」

 

 

逆に真深は日課にしてるらしく何気ない表情だ

 

 

「その間に、ご飯作ってるね」

 

 

芳乃が4人分のバットを渡すと

真深たち5人は何だかんだで楽しそうに

投球練習や素振りをしていたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー翌日の日曜日ーー

 

 

新越谷が柳大川越との試合を終えた翌日

 

 

ーー咲桜高校ーー

 

 

「ようこそ咲桜高校へ! 歓迎致します」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

埼玉県屈指の女子高校野球の強豪校

咲桜高校の校長先生がとある人物を

出迎えていた……なんとそれは留学生だった

 

 

「貴女のアメリカでの実績は知っているわ」

 

 

「貴女のような選手に咲桜を

留学先に選んでくれて光栄に思うわ」

 

 

「他の部員にも紹介したいから来てくれる?」

 

 

「勿論です……宜しくお願いします」

 

 

校長先生と共に留学生を迎えた

咲桜高校野球部の顧問の先生と

小関と田辺が留学生に告げると

留学生は流暢な日本語で返事をした

 

 

「日本語、上手ね……」

 

 

「母が日本人なので……

留学中は母方の祖父と祖母の家で暮らします」

 

 

「成る程ね……さあコッチよ」

 

 

小関と田辺は留学してきた人物を

グラウンドへと案内して行ったが

そんな中で留学生は心の中で闘志を燃やしていた

 

 

(真深……こんどこそ貴女に勝ってみせるわ!)

 

 




という訳で……
真深の過去が全員に知らされる話でした

下に今回名前だけ登場した
真深のアメリカでの先輩たちの
プロフィールを掲載しますのでご覧ください




【ボストフ】


【右投げ右打ち/一塁手】


名前とプレイスタイルは
女子ソフトボールアメリカ代表で
女子ソフトボール界を代表する打者
【クリストル・ブストス】がモデル

この物語での容姿のモデルは
アニメ【ガンゲイル・オンライン】の
主人公の後輩でライバルである【エヴァ】




【ジータパーラー】


【右投げ右打ち/遊撃手】


名前とプレイスタイルのモデルは
【ヤンキース】で活躍した【ジーター】と
【レッドソックス】の【ガルシアパーラー】と
メジャーを代表する遊撃手二人の名前を無理やり
一緒にしておりプレイスタイルもモデルの二人と
同様に完全無欠のプレイヤー

この物語での容姿のモデルは
【ソードアート・オンライン】の【アリス】





【モウラー】


【右投げ左打ち/捕手】


名前とプレイスタイルのモデルは
【ツインズ】の名捕手で有名な【マウアー】

この物語での容姿のモデルは
【FINAL FANTASY、10・2】の【パイン】





【ラスターソン】


【右投げ左打ち/投手】


名前とプレイスタイルのモデルは
【ブストス】と同期の女子ソフトボール
アメリカ代表のエース投手【オスターマン】

この物語での容姿のモデルは
【魔法科高校の劣等生】の【リーナ】



以上が真深の先輩で有力選手の情報です

実は近い内に、この4人が日本に来日します
ですが目的は真深に会いに来るためではない上に
しかも来日するのはこの4人だけではありません

何が起こるかは後のお楽しみです!!
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