幼女で始める異世界生活   作:テクテク

14 / 14
episode3

 

最初に違和感を感じたのは確か……夕食の前に父さんと母さんが、外の雪景色を見ながら話してる時だ。

父さん達は仲が良くて、いつもニコニコしながら話をしている。なのにその日はすごく深刻そうな顔で話してたから、僕はその光景が頭から離れなかった。

 

 

 

 

 

 

 

次は…………確か天気のいい日に皆で集まった時だったと思う。

その頃はミアが、……あ、ミアって言うのは青い髪を短く揃えてる引き込もりの女の子ね。

そのミアがよく子供の集まりに来るようになってた。と言っても、いつもエナと難しい話をしてたんだけど。

エナはミアの引きこもりうつったのか村長の家に通い出すし、あんまり皆いい気持ちじゃなかったと思う。

 

まぁ要するに、ミアがいる時はエナはほとんどミアと話してたし、ミアはほとんどエナ以外とは話さなかったと思ってくれたらそれでいい。

 

なのに、ある日ミアを連れてみんなに同じことを聞き回っていたのだ。珍しい行動と、不思議な質問だったのですごく記憶に残っている。

 

 

 

 

 

僕等がどれくらいこうやって遊んでるかなんて、なんでそんなことを聞くんだろう……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして違和感が僕の前に形として現れたのは、母さんに頼まれて家の物置にしまっている薪を取りに行った時だ。言われた数の薪持って家に帰るまでに何となく残りの薪を見て僕は

 

 

 

 

…………あれ……薪の数ってこんなに少なかったっけ……?

 

 

そう、思った。

 

当然な話だが、薪はとても大事だ。

冬を越すとき家を暖める必要があるし、料理にだって使う。凍った飲み水を解かすのにも必要だ。

だからもし無駄に使おうものなら、母さん達からとても怒られる。だけど僕にはそんな記憶はないし、母さん達が無駄にするとはとても思えなかった。

 

 

 

そして今まで感じていた違和感が、薪が残り少ないという事実と結びついてあることを僕に示した。

 

もしかして…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもより、

 

冬が……長い…………………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その事に気がついてから1週間が経ったけど、冬が終わる気配は全くなかった。僕の家の薪の残りもどんどん少なくなっていくし、いつ終わるか分からない冬に備えるためにも薪は節約する必要があり、家はとても寒い。

 

しかも何故か、僕を含めて子供は家で過ごさせると決まったらしい。

父さんが大人達の集まりでそう決まったと言っていた。

せめて皆と遊んでいたら体が温まるのにあんまりだと思う。

 

大人達の集まりでは薪の材料を取りに行くか、周りの木を切り倒して薪にしようという話もでたらしい。だけど長老達年寄り組が冬が長い時は決して村から出てはならないし、木を切るなど論外だと強硬に反対して話が纏まらないのだとか。

年寄り組は飢えた獣が出ることを恐れていて、木は獣を村から遠ざけているらしい。

 

 

 

 

 

 

日が経てば経つほど薪は少なくなる。だけど父さん曰く年寄り組の反対はどんどん強くなっていっているらしい。父さんも少しイライラしているようだ。偶に親同伴で他の家に遊びに行く時に感じるが、村の空気がなんだか悪くなっている気がする。

そんなこれ以上経つと諍いが起きそうな嫌な雰囲気が村に充満していた頃、商隊が村を訪れた。

 

 

 

 

商隊は残念な事に薪は持っていなかったが、実力のある冒険者を護衛に着けていたらしい。村長達との商談の結果、その護衛の冒険者達と村の大人の男達が村を出て薪を集める事になったらしい。

 

そして方面別に分けて複数回実施された薪集めは成功して、僕は久しぶりの暖かい我が家に感動した。父さんの話から村の雰囲気も良くなってきているみたいだ。

『後は冬さえ終わればいつも通りの日常になるだろう』

多分、村の全員がそう思っていたんじゃないかと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………だけど、

 

この冬はいつまで経っても終わる気配を見せなかった…………。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。