機動戦士ガンダム -プリンセス・オーケストラ- 作:オリーブドラブ
-シエル・ヴァンクリーフ-
18歳。マルセイユ出身。「パリ防衛隊」のアリサ・ヴァンクリーフとは双子の姉妹であり、考えるより先に動くタイプの士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色は白地にグレーの十字ライン。
※原案はシズマ先生。
-パール・L・レムリアン-
17歳。ローマ出身。感情表現が苦手なため、無口で無愛想と思われがちな士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色は紫と黒。
※原案はマルク先生。
パリ士官学校、第1回MS戦技会。その1回戦第4試合は、かの「パリ防衛隊」の一員であるアリサ・ヴァンクリーフ中尉の妹が出場していることもあり、大いに注目を集めていた。
『オォーッホッホッホ! さぁ、全市民と全生徒の皆さんッ! このわたくしの華麗なる操縦をご覧あ……っぶねぇですわぁッ!』
『……惜しい。さすが、シエル』
実力というよりは、言動に。
生真面目さで有名だったアリサとは対照的に、豪快かつ楽観的な振る舞いが目立つシエル・ヴァンクリーフは。対戦相手であるパール・L・レムリアンの正確無比な射撃に、翻弄され続けている。
白地にグレーの十字ライン、というヒロイックなデザインが施されているシエル機は、紫と黒のパール機に為す術なく追い回されていた。
それでも彼女の機体は、高い精度を誇るパールに何度も狙われていながら、今のところ掠ってもいない。考えるよりも先に身体が動くタイプである彼女は、優れた「直感」を駆使してパール機の射撃をかわし続けているのだ。
『こっ……こんなところで負けるわけには行きませんわッ! この華麗なるわたくしが居ない戦技会なんて、セロリが入っていないポトフのようなものでしてよッ!?』
『例えが微妙すぎる……』
数少ない発言をツッコミに割いているパールとしては、これを気にシエルと友達になろうと思っていたのだが。無口で無愛想と周囲に思われている上、当のシエルは普段からあの調子で大騒ぎしているため、なかなか進展がないのであった。
結局、シエル機はパール機に撃ち返す好機を得られないまま、岩壁に追い詰められてしまう。どうやら、決着の瞬間は近いらしい。
『くっ……! パールさん、なかなかやりますわね……! このわたくしをここまで追い詰めるなんてッ!』
『……私、ただ撃ってただけ。それより、その……もし良かったら、この試合が終わったら、その、私と……』
『ですがッ! まだ試合は終わっていませんわッ! リゼットさんから着想を得た私の新戦法、とくとご覧なさいッ!』
『……!』
それでもシエルは諦めることなく、リゼットがしていたように100mmマシンガンを上空に放り投げ、全速力でバーニアを噴かす。
相手を押し倒して動けなくしてしまっても、試合は終了となる。その可能性に賭けたシエル機の突撃に、パールは瞠目し――
『あっ』
――そのまま普通にペイント弾を撃ち込んでいた。真っ向から連射を浴びたシエル機は、瞬く間に塗料だらけにされてしまう。
『試合終了! パール・L・レムリアン候補生、2回戦進出!』
『なんでですのぉおぉお!?』
そのあまりにも呆気なさすぎる幕切れに、全市民と全生徒がポカーンとする中。シエルはひとり涙目になりながら、わんわんと泣きじゃくっていた。
リゼットの戦法がジャネットに通用していたのは、彼女の機体が遮蔽物に隠れていたからであり。互いの機体が見えているような開けた場所で得物を放り投げても、単に丸腰になって不利になるだけなのだが。
考えるよりも先に身体が動いてしまうシエルの気質が、今度は裏目に出てしまったらしい。パイロットのうなだれ具合を反映しているかのように、彼女のジムトレーナーも両膝と両手を着いている。
『……あの、元気出して。シエルの分も私、頑張るから……』
『わあぁあぁんっ! またお姉様達に叱られてしまいますわぁあぁん!』
『よ、よしよし、泣かないで……』
その光景に同情を誘われ、パール機も片膝を着いてシエル機の頭部を優しく撫でていた。余談だがこの後、2人は少しだけプライベートでも話すようになったのだという――。
活動報告にある通り、キャラ募集企画は8月23日00:00まで続いております。機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)