機動戦士ガンダム -プリンセス・オーケストラ- 作:オリーブドラブ
-アーニャ・ザカエフ-
17歳。セルギエフ・ポサード出身。穏やかな佇まいに反して、非常に攻撃的な操縦を見せる士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色は明るい紫。
※原案はMrR先生。
-リリア・ラチェーミロ-
14歳。キエフ出身。常に無言で、基本的にカンペでコミュニケーションを取っている士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色はワインレッドをベースに黄緑のアクセントを施したもの。
※原案は影騎士先生。
第2回戦へと進んだMS戦技会の試合内容は、さらにレベルの高い者同士が競い合うようになったこともあり、より激しさを増している。
第3試合であるアーニャ・ザカエフとリリア・ラチェーミロの対決も、その一つだった。彼女達のジムトレーナーは木々を盾に絶え間なく飛び回り、互角の精度で撃ち合っている。
『やりますね、リリア。私もかなり腕には自信があったのですが……あなたはそれ以上のご様子』
『……』
『ですが、私も伊達に鍛えてきたわけではありません。本当の勝負は、ここからです!』
『……』
『……通信、機能してます?』
明るめの紫で統一されたアーニャ機と、ワインレッドを基調とするリリア機は、一進一退の攻防を続けていた。しかしリリアの方がまだ余裕があるのか、アーニャの問いかけに言葉では答えず――頭部のライトを利用したモールス信号で、「大丈夫だよ」と返答している。
戦闘の真っ只中でありながら、MSの操縦とモールス信号を並行して行える彼女の処理速度は、まさに超人的。並外れた口下手でさえなければ、今頃は間違いなく士官学校トップの成績を収めていたことだろう。
『……』
『なになに……自分が勝ったらバストアップの方法を教えてほしい? も、もう、模擬戦に何を聞いているのですか、あなたは』
『……』
『分かってます、分かってますったら、あなたが真剣なのは。……それなら、次の撃ち合いでケリを付けるとしましょう。その勝負、乗って差し上げますよ!』
そんな彼女の天才ぶりを、入校当初から見てきた親友として。アーニャはリリアの誘いに敢えて乗り、小さな岩山に自機を隠す。それは、岩山の裏側にいるリリア機も同様であった。
暫し、両者の動きが止まり。この演習場から、MSの駆動音が消え去る。小鳥の囀りと木々の揺れ、川のせせらぎだけが聞こえる、静寂のひと時。
――その静寂を一瞬疾く破ったのは、リリア機の方であった。ほぼ同時に動き出した両者はバーニアを噴かし、岩山から飛び出して来た相手を照準に捉える。
『そこぉおぉッ!』
『……ッ!』
さながら、西部のガンマン達による決闘のように。瞬きする暇すらない、刹那の中で繰り広げられた銃撃戦は――両機の全身に、ペイント弾の塗料を被せていく。
事実上の、相討ち。この場合、より多くの塗料を浴びていた方が敗退となる。
『……ふふっ、やはりあなたには敵いませんね』
だが、審査員達が映像を検証するよりも先に。アーニャは、自分が僅差で敗れていることを悟っていた。
苦笑を浮かべ、モニターに映る親友の顔を見つめる彼女は。仕方ないな、と言わんばかりの苦笑を浮かべ、モニター越しにリリアの頬をつついている。
『試合終了! 厳正なる審査の結果……リリア・ラチェーミロ候補生、3回戦進出!』
そして審査の結果が発表され、リリアの勝利が確定となった後。アーニャは微笑を浮かべるリリアと見つめ合い、言葉にならずとも伝わる想いを感じ取っていた。
『……』
『えぇ、分かってます。……バストアップと言われても、私にはマッサージくらいしか思い付きませんが……友として、力になって差し上げますよ』
そんな親友にリリアは、「アーニャだけが頼り」と書かれたカンペをおずおずと広げながら。精一杯の勇気を振り絞り、この一言を告げる。
「……あり、がとう」
活動報告にある通り、キャラ募集企画は8月23日00:00まで続いております。機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)