機動戦士ガンダム -プリンセス・オーケストラ-   作:オリーブドラブ

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-第9話からの登場人物-

-ミエ・フユタ-
 19歳。サイド6出身。仏のような優しい心を持つ、温厚で嫋やかな士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色は緑。
 ※原案はダス・ライヒ先生。

-リオ・ランドール・ウエシロ-
 16歳。サンディエゴ出身。ヨシナオ・シンジョウの遠戚であり、イサミ・チネンの幼馴染でもある快活な士官候補生。搭乗するジムトレーナーの色はファイアパターンを取り入れた白と桃色。
 ※原案はエクシリオン先生。



第9話 仏心の淑女 -ミエ・フユタ-

 ミレイナの奮闘によりさらなる盛り上がりを見せる、MS戦技会2回戦。その第6試合においては、ミエ・フユタとリオ・ランドール・ウエシロの戦いが繰り広げられていた。

 

『くっ……あ、当てられないっ! やっぱり私にはっ……!』

『ミエさん! アタシ相手に手加減なんてしてたら、すーぐに試合終了しちゃうよっ!』

 

 緑一色に統一されたミエ機と、ファイアパターンに彩られたリオ機が絶えず森の上を飛び交い、互角の撃ち合いを続けている。だが、常に好戦的な笑顔を浮かべるリオに対して、ミエの方は表情に余裕がない。

 ――生まれも育ちも、戦争とは無縁だったサイド6であり。自分に出来る何かをしたい、という仏心だけで士官学校の門を叩いた彼女には、リオほどの闘争心はないのだ。

 

 MSパイロットとしての高い適性とセンス故、出場者に選ばれ2回戦にまで進んでいる彼女だが。元々戦いを嫌っていた人間が才能だけで勝ち進むには、限界というものがある。

 本来ならば実力において拮抗しているはずのリオに、徐々に追い詰められているのも。ペイント弾の狙いを、無意識のうちに自ら外していることが原因であった。

 

 優れた才覚に加え、戦闘に適した性分も持ち合わせているリオとの戦いで、そんなことをしていては勝てる試合も勝てない。それを裏付けるように、リオよりも先に彼女のジムトレーナーが、ペイント弾を撃ち尽くしてしまった。

 

『しまっ……!』

『外し過ぎなんだよぉおっ!』

 

 その好機に乗じて、バーニアを噴かすリオ機が急接近していく。僅かに弾を残している100mmマシンガンを投げ捨てながら、彼女のジムトレーナーは空中でミエ機にタックルを敢行した。

 

 ――わざわざ得物を捨てずとも、遮蔽物などない空中なら、容易くペイント弾を当てることはできた。しかし、リオには分かっていたのだ。ミエが、わざと狙いを外していたことに。

 それが意図的なものではない、ということも理解していた。彼女がそういう性格なのは、付き合いの長い自分が一番よく知っている。

 

 故に彼女は最後の返礼として、マシンガンを捨てることを選んだのである。どのみち彼女としては、接近戦の方が得意なのだから。

 

『アタシとここまで張り合ったからには、手加減なんてさせない! ミエさん、これで最後だっ!』

『リオさん……わかりました。なら私も、精一杯お応えしますっ!』

 

 森の上空から岩壁に激突した両機は、そこから転げ落ちながら互いを取り押さえんと掴み合う。

 仰向けになったミエ機に覆い被さるようにリオ機が飛び掛かるが、ミエ機も負けじと両足でリオ機を押し出す。そして転倒した相手を追い、ミエ機が動き出した瞬間――リオは、勝利を確信した。

 

『……入ったッ!』

『なっ……!?』

 

 限界まで自機の体勢を下げ、そこに相手が覆い被さったと同時に。彼女のジムトレーナーは、まるで噴き上がる炎の如く立ち上がり、ミエ機をその勢いで投げ飛ばしてしまうのだった。

 衝き上がる爆炎のような、ショルダースルー。その意表を突いた投げ技に反応し切れず、ミエ機は飛び掛かった弾みで森の中へと転倒していく。

 

『ミエ機、場外! リオ・ランドール・ウエシロ候補生、3回戦進出!』

 

 それは、格闘戦に持ち込む瞬間から狙い続けてきた、リオの作戦であった。最後の最後で、ようやく親友と全力でぶつかることができた彼女は、満面の笑みを浮かべてミエ機に手を差し伸べる。

 

『えへへ……やっぱり、リオさんには敵わないです』

『なんくるないさ。ミエさんはまだまだこんなもんじゃないって、今日の試合でよく分かったからね。……アタシも、早くイサミに追いつかなくちゃ!』

 

 その手を取り、はにかむミエに微笑みながら。リオは、接近戦の中で彼女が見せた「本気」の片鱗に、好敵手(ライバル)を見つけた時に近しい昂りを覚えていた――。

 




 活動報告にある通り、キャラ募集企画は明日の8月23日00:00まで続いております。まだまだ募集は続いておりますので、機会がありましたらお気軽にどうぞー(о´∀`о)
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