トンネルのむこうは夢の国でした。水の底が暗くなる。波止場にトビウオが止まった。
「メルさあん、メルさあん。どこですかにゃ~~……」
さっきまで一緒にいたメルセデスの姿はない。
トビウオはBTを陸地へ運んだあと、何も言わず水の底へ消えてしまった。
「エカ様~、エカ様~、高い高いしてほしいにゃ~」
エカ様は呼び名の通り尊敬され、賢く、タカなので空を飛べた。
BTはエカ様の足につかまって夜空にのぼる。
「メルさんどこにいるのかにゃ……」
上空から見下ろす街は人であふれていた。どうやら祭りの最中らしく、騒がしい声がする。
「なんかこわいけどポポがいるから安心にゃ」。ポポはクマなので強かった。
「あ、ライくん戻ってきたにゃ」。ライはヒョウなので素早い。
夜街を駆け回ってきたライだったが、メルセデスは見つからなかったらしい。とても素早かった。
「アルくんなでなで」。アルはネコなのでかわいかった。
BTたちがわちゃわちゃしていると、向こうからやってきた一人の女が話しかけてきた。
「ふふ、ようこそ私の街へ」
頭をさげてゆっくり歩いてきた彼女は、肩まであるピンク色の髪、耳にイヤリングを垂れていた。
服装はこの街によく溶け込んだ黒いミニドレス。その赤い瞳がBTをまっすぐと見つめた。
「友達を探しているのですにゃ……」
「あら、私もそうなの。こっちにきて話しましょ」
「あ、じゃあ同じにゃあ……」
BTの手を引いて歩く女は高台へ向かった。
騒がしい街から離れ、夜の静けさが戻ってくる。
「むやみに歩き回ってもすれ違うだけ。あの木の下で待ちましょう」
「うにゃ~……」
「ここはとてもいい所だから、あなたもきっと気に入るわ」
…………。
「BTちゃん! BTちゃん! 起きて!」
トビウオの犠牲のあと、知らない街にたどり着いたメルセデスたち。
夜の街で突然倒れたBTはメルセデスの膝の上で眠り続けていた。
「あなた、BTちゃんに何したの!?」
頭をさげてゆっくり歩いてきた彼女は、肩まであるピンク色の髪、耳にイヤリングを垂れていた。
「ふふ、ようこそ私の街へ」
手を広げた女は話を続ける。
「嬉しいものですよね、忘れられるって」
「何したの!」
「暗黒の魔法使い様、ありがとうございます」
「聞いてますか!?」
「はじめまして、女王様。お元気にしていましたか?」
「はじめまして、わたしの悪夢。ゆめのくにから愛をこめて」
ドン!!!!!!!!!!
暗黒の魔法使い 直属
軍団長 †夢幻のルシード†
「わたしと楽しく遊びましょう?」