戦姫絶唱シンフォギア 悪意に囚われし戦士   作:オルター

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今回はイベントストーリーの前日談的な感じで纏めました。

一応は不定期ではありますが、更新していく予定です!

※補足
時系列としては”片翼の奏者”ストーリーが終わり、奏が原作世界の響や翼達と知り合った後の出来事になります。
原作側は既にグレ響やOTONA達、セレナと出会っており、未来が正式な装者になった後の出来事です。


影とは既に、ソコにあるもの

 

 ”通信衛星アーク”。かつて日本を代表する大企業”飛電インテリジェンス”と”ZAIAエンタープライズ”によって共同開発された衛星である。

 

 アークを宇宙に打ち出すことをきっかけに、飛電は人工知能搭載人型ロボット”ヒューマギア”を普及させようとしていた。しかし、突然のアクシデントによりアークの打ち上げは失敗。街を丸ごと1つ吹き飛ばす程の大爆発は後に”デイブレイク”と呼ばれ、これによりアークは跡形もなく消滅、飛電によるヒューマギア普及計画は凍結されることになった。

 

 そして爆発により廃墟と化した実験都市は”デイブレイクタウン”と呼ばれ、日本政府により立ち入りが制限される場所となっている。

 

 だがあることを境に、この廃墟に1人の少年が住み着くようになった。その少年の名は”立花 響”。

 

 ツヴァイウィングのライブ会場で起こったノイズ襲撃事件の生存者であることから迫害を受けていた彼は、アークの使者たるヒューマギア”アズ”からアークの力を貰い、ベルト”アークドライバーゼロ”に導かれこの場所に2年もの間滞在している。

 

 そして今も、彼は屋内にあるパソコンを弄りながらノイズへの対策となり得るデバイス”プログライズキー”の製作に取り掛かっていた。

 

「このデータはこうして…ここはこうだな」

 

 ひたすらキーボードを入力し、データのインプットが完全に終了した時にEnterキーを押す。

 

 すると実験台のようなテーブルの上に2本のロボットアームが現れ、レーザーのような光線を射出するとテーブルの上にプログライズキーを生み出した。響は完成したキーを手に取って確認する。

 

「よし…今回もいい出来具合だ」

 

 響の手には犬のような模様の描かれた黄土色のプログライズキーが握られていた。

 

 彼は自分から全てを奪ったノイズへの復讐を果たすべく衛星アークのテクノロジーを使って、手に入れた力”ライダーシステム”を強化する為に様々な武装やプログライズキーを製作している。

 

(衛星アーク本体が無くても、コイツがあれば一時的にアークの知能を復元させることが出来る…。あの女…随分と良いものを俺に渡してくれたな)

 

 響は心でそう言いながら、コードに繋がれているアークドライバーに目を向けた。

 

「今回はこんなところだな。次は買い出しにでも行くとするか」

 

 デイブレイクタウンは元々ヒューマギア運用実験の為に管理していた実験都市だったこともあってか、人が住めるような部屋や必要最小限の電化製品、食料が配備されている。ホームレスになった響にとっては、うってつけの隠れ家だった。

 

 そして彼はドライバーに接続されたコードを抜き、懐に仕舞ってから街をあとにした。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 自身の隠れ家から少し離れた商店街の中を、響は歩いていた。

 

 今の彼は、赤いラインが入った黒いフード付きカーディガンに、白いシャツ、インディゴブルーのジーンズを着ている。そしてフードで頭を隠しているため、正面でないと彼の顔は見えなくなっている。

 

 そして彼はスーパーに入店し、出た時には両手に少量の買い物袋を持っていた。何気なく彼は袋を持ちながら欠伸をする。

 

(なんか今日は眠いな…隠れ家に着いたらベッドで一眠りするか…)

 

 眠たそうな目をして彼は心でそう呟くと…

 

 

 

ウゥーーーーーーー!!

 

 

 

 突然街中にサイレンの音が鳴り響いた。ノイズの襲撃を知らせる警報である。

 

「ノイズか…また性懲りも無く…」

 

 持っていた買い物袋を離れた場所に置いて周囲に人がいないことを確認すると、響は懐からドライバーを取り出して腰に装着する。

 

 

『アークドライバー!』

 

 

 

「変身」

 

 

 

 

『アークライズ!』

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

 ―同時刻―

 

 

 ここは、人々を守る為に日夜戦い続けている組織、特異災害対策機動部二課の司令室。ノイズ警報はこの中にも響いていた。

 

「ノイズの反応パターンを検知!こ、これは…?」

 

「どうした!?」

 

 女性オペレーター”友里 あおい”の言葉に、屈強な司令官”風鳴 弦十郎”が聞き返す。

 

「多数のノイズの反応が、一斉に消滅しました!」

 

「何だと!?」

 

 男性オペレーター”藤尭 朔也”の報告を聞いて、風鳴司令は驚きを隠せなかった。

 

「弦十郎のダンナ!ノイズが出たのか!?」

 

「奏か!いや…藤尭の報告だと、現れたノイズは先程全て消滅したそうだ…」

 

「何だって!?」

 

 司令室に駆け込んできた朱色の髪の女性”天羽 奏”。彼女は二課に所属する唯一のシンフォギア装者である。

 

 現代兵器が通用しないノイズを倒すことが出来るのは”FG式回天特機装束”―通称”シンフォギア”のみ。しかし、そのノイズが消滅したことに奏も驚いていた。

 

「付近の防犯カメラは!どうなっている!?」

 

「ダメです!何者かによってハッキングされているようで、映像を写し出せません!」

 

「何ですって!?」

 

 風鳴司令の質問に友里が答える。そしてその返答に白衣を着た茶髪の女性”櫻井 了子”が反応した。

 

「まさかノイズが自然消滅したのか?」

 

「いや、誰かに倒されたなら兎も角、こんな短時間で自然に消滅するとは聞いたことがないぞ…」

 

「もし本当にノイズが自然消滅したなら、カメラへのハッキングを行うこと自体が不自然よ」

 

「それに倒したのが並行世界から来た装者達だったとしても、そもそもハッキングする理由がない。恐らく、シンフォギア以外にノイズを倒せる第三者の仕業と考えた方がいいな」

 

「だとしても一体誰が!?何の為に!?」

 

「今の俺達には、どう考えても分からない事だな…だがおかげで被害者は確認されていない。それだけでも御の字だろう」

 

「ならいいんだけどな…」

 

 風鳴司令の言葉を聞くも、奏は腑に落ちない表情をする。彼女の目は、自然とモニターに向いていた。

 

(何なんだ…妙な胸騒ぎがする…)

 

 

 

 

 この世界に現れたアークの使徒。奏と並行世界のシンフォギア装者達が、彼と出会う日は遠くない…。

 

 

 

 




この小説内の響(通称:アーク響)はグレ響よりもよく喋る代わりにグレ響よりも戦闘力が高く、彼女と同じ位かそれ以上の人間不信になっています。

アーク響をどうやって救い出すのかお楽しみに!
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