諦めた夢をもう一度   作:hirag

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7話 FWF

~FWF会場~

 

蒼「ようやくたどり着いた」

宗太「あぁ、長かったな」

 

バンド結成から3年、ようやくここまでたどり着いた

 

友希那「もう来ていたのね」

リサ「早いね~」

 

宗太「会場を確認したかったからな」

紗夜「あなた達もなんですね」

 

劉「コンテストの時は遅刻気味だったしな」

燐子「そう…でしたね」

 

哉汰「出番は僕たちが先だったね」

あこ「蒼にぃ達の後にあこたちの出番だね」

 

蒼「じゃあ、最終調節しないといけないから」

友希那「そうね。また後で…」

 

_________________

 

~控室~

 

蒼「調節は…これぐらいか」

宗太「調子はどうだ?」

 

蒼「あぁ、この腕にもだいぶ慣れてきた」

哉汰「それにしても大変だったな。練習中に動かなくなったよね?」

 

この痛覚が戻ったことで、今までハードな練習をしていたのか身をもって痛感した

 

和樹「あの話しはしたのか?」

蒼「いや···まだ」

 

宗太「腹は括ったんだろ?言っておくが俺たちはその事に干渉しないぞ」

 

蒼「分かっている」

劉「さぁ、そろそろ時間だ!行こうぜ」

 

_________________

 

~ステージ袖~

 

哉汰「緊張してきたね」

宗太「肝心なところでミスりそう」

 

蒼「ミスってもいいさ。それをいかにカバーできるか考えていればな」

劉「コンテストに落ちたチームの分も頑張らないとな」

 

そう…俺たちがここにいることは同じ夢を持った人たちを蹴落としてここまで来た。

 

その人達の分も最高の演奏しないと申し訳が立たない

 

友希那「蒼」

蒼「友希那。もう着替えてきたんだな」

 

Roseliaの衣装は青を基調したものだった。

そうだ!友希那には言わないといけないことが…

 

友希那「えぇ、それより長い道のりだったわね」

蒼「あぁ、本当に長かった…なぁ友希那。このライブが終わったら――」

 

「Mond Umkehrenさんそろそろお願いします」

 

和期「時間だ。行こうぜ!」

蒼「あぁ」

 

後で話せばいいか…今は目の前の事に集中しよう

 

友希那「なに?」

蒼「いや、なんでもない。先に行ってくる」

友希那「えぇ、頑張って」

 

待ちに待った夢の舞台だ

 

宗太「いつもの頼むぜ」

蒼「あぁ、始めようか。俺たちの音楽を…」

「「「「おう」」」」

 

「キャーキャー」

「ワァーワァ―」

 

下見の時に会場の大きさに驚いたが、いざその場に立ってみる人の多さに圧巻だ

 

蒼「MondUmkehrenです。それでは聞いて下さい――Sairensoft」

 

♪♪♪♪~

 

演奏の最中、湊さんの言葉を思い出す

 

湊父『君にとって音楽は何だい?』

 

俺にとって音楽は、「思い出」

 

思い出があるからそれを基に曲が出来る。

 

嬉しかったこと、辛かったことその全てがあったから今の俺たちがある

 

この歌には俺たちの思い出が詰まっている

 

笑いあったことや泣いたこと···後悔したこともあった

 

それを含めて今、この場所で歌うことができる

 

今までもそしてこれからも進み続ける中で新たな音楽を紡ぎだす。その為に俺は···

 

_________________

 

~2時間後~

 

Roseliaの演奏も終え、舞台袖から演奏を聞き、控室に戻ろうとすると

 

湊父「友希那、リサちゃん、蒼くん」

友希那「お父さん」

 

蒼「こんにちは、湊さん」

リサ「お久しぶりです。蒼、あっちで話そうか…」

蒼「そうだな」

 

邪魔にならないように俺とリサはその場を後にしようとするが――

 

友希那「いいえ、大丈夫よ。四人で話しましょう」

蒼「いや、三人で話してくれ…俺も父が呼んでるから」

 

友希那「そうなのね。また後で…」

蒼「あぁ、それでは湊さんまた…」

湊父「うん。また後で」

 

友希那をあんな危険な目に遭わせたから…顔を合わせられない

 

あの事件以降、湊さんとは録に顔を会わせていない

 

あの事件は俺の不祥事で起きたようなものだから···

 

_________________

 

~控室~

 

控え室にはいると父一人だけ待っていた

 

父「蒼、いい演奏だったよ」

蒼「ありがとう」

 

父「お前の意見を否定しなくてよかった。素晴らしいものを聞けたんだからな」

 

蒼「父さん…ありがとう。俺も自分の意見を貫き通した甲斐があったよ。父さん…俺、まだバンドやっていいか?」

 

父「…」

 

蒼「FWFが終わるまで活動を続けるって言ったけど…ここで終わらせるわけにはいかない気がして…だから」

 

父「続けなさい」

蒼「え?」

 

父「お前の人生はお前が決めるんだ。無理に華道を継がなくてもいいし、お前がやりたいようにすればいい。今のお前は幸せか?」

 

蒼「うん!幸せだ。やっぱり俺は音楽が好きだ…これまでもこれからも大好きな音楽とともに進んでいきたい」

 

父「そうか…お前の本心を聞けて良かった」

 

蒼「でも···父さん、華道も俺が引き継ぐよ。だから見ていてくれ。俺の…いや、俺たちのこの先を…」

 

父「そうか…強くなったな。友希那ちゃんにあの事は伝えたのか?」

蒼「いや、まだ…」

 

父「早く伝えるといい」

蒼「あとで伝えるよ」

_________________

 

 

 

俺は父と話し終え、控室で片付けをしていた

 

蒼「よし、後は電気を切って係員に報告すればOKっと」

 

コンコン

 

誰か来たみたいだ。係員かな

 

蒼「どうぞ」

 

扉を開けて入ってきたのは湊さんだった

 

湊父「失礼するよ」

蒼「湊さん…どうかしましたか?」

 

湊父「今日の演奏素晴らしかったよ」

蒼「ありがとう…ございます。あの…怒らないのですか?」

 

湊父「なんのことだい?」

蒼「5か月前の事件についてです。あの時、俺は…友希那を危険な目に遭わせてしまった」

 

湊父「そのことについて僕は怒らないよ。寧ろ感謝している」

蒼「感謝…ですか?」

 

湊父「詳しいことは友希那から聞いたよ。これで二度目だ。君が友希那を守ってくれたのは、君には感謝の言葉しかないよ」

 

蒼「そうですか···」

 

湊さんが許しても、このモヤモヤが無くならない

 

湊父「君はこのライブをどう感じた?」

 

蒼「これまでないくらい楽しかったです。音楽を続けてきて本当に良かったってそう実感しました。それもこれも湊さんが音楽を教えてくれたおかげです」

 

湊父「そうか…あの時の小さな少年が良くここまで成長したね」

 

蒼「ありがとうございます…湊さん。あの…実は…俺、来月から旅に出ようと思っています」

 

ガタッ!!

 

唐突に扉が開いた。どうやら友希那が聞き耳を立てていたようだ

 

友希那「どういう事?」

蒼「聞いていたのか?」

 

友希那「どうして…」

蒼「俺は家を継ぐ。でも、俺はまだ未熟。だから各地で色々と学ばないといけない!」

 

友希那「だったら私も!」

蒼「それはダメだ」

 

友希那「どうして!?」

蒼「俺は夢を叶えた。なら今度は何をするか各地を回りながら考えたい。その為に旅に出る」

 

友希那「残された皆は…」

蒼「みんなにはしっかり伝えるさ。だからさ、友希那はここに残って俺の代わりに皆を支えてくれないか?」

 

しばらく考え込む友希那。その答えは···

 

友希那「えぇ、分かったわ。貴方が帰って来るまで美竹さん達の事は任せて」

 

蒼「それを聞けて良かった。えっと…その…向こうでやることが終わったら…け、け…」

 

友希那「け?」

 

こ、ここまで来たんだ言ってしまえ!

 

蒼「結婚して…くれないか?…///」

 

あぁ~もう顔が暑くて仕方ない///

 

友希那「えぇ、喜んで」

 

湊父「うん、君のような男なら娘を預けられるよ」

 

蒼「ありがとうございます。いつになるか分からないが必ず帰ってくる、だから…待っていてくれないか?」

 

友希那「えぇ、待っているわ。何時までもずっと…」

 

 




次回、最終回 夢と幸せ

外伝の内容は?

  • BADEND
  • 5年後世界
  • 楓誕生まで
  • 10年後のAfterglow
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