今回は少しシリアス要素を含んでいます。
友希那と結婚をして1年が経過したある日の事…
~美竹邸~
今日はRoseliaの全員と俺で華道体験会を開いていた
リサ「もうこんな時間だし、少し休憩入れない?」
紗夜「そうですね」
蒼「何か作ろうか?」
あこ「ホント⁉あこね…甘いのがいい!」
燐子「私は…ホットミルクを…お願いします」
蒼「了解 友希那は何にする?」
友希那「…」
蒼「友希那?」
友希那「ごめんなさい…少しボーっとしていたわ」
蒼「大丈夫か?」
友希那「えぇ」
友希那は膨らみかけた自分のお腹を優しく擦る
紗夜「大分、大きくなりましたね」
友希那「えぇ、あと少しで生まれるわ」
リサ「名前は?もう決まったの?」
あこ「あ!あこ、聞きたい!」
燐子「どんな名前ですか?」
友希那「‘楓’美しく気品がある子になってほしくてこの名前にしたわ」
リサ「いい名前じゃん!蒼が決めたの?」
蒼「いや、友希那が決めた名前だ」
それより、俺が気にしていることは…
蒼「あいつらはどう思っているんだろうな?」
紗夜「蒼さん…」
合同ライブ直前に、友希那が妊娠していることが分かった。それに合わせて、音楽活動を休業する必要がある
これで、身体を休めることが出来る…そう思っていたが…
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~数か月前~
「湊さん!どうして休止なんですか!」
友希那「え、えっと…」
「結婚したって話本当ですか⁉」
「湊さん何か一言を!!」
俺たちとの対バンの後にRoseliaの休業宣言をした
そして、俺たちは社長に呼び出しを受けた。その移動中にマスコミが駆けつけてきた
それをうまいことかわし、建物に入ることが出来た
~会議室~
社長「さて、呼び出された理由は分かるよね」
蒼「はい」
会議室には俺と友希那。それ以外のみんなは別の部屋で待っている
社長「我社では、“ミュージシャンの恋愛は禁止”だと分かっているね」
友希那「はい…」
この会社では、ミュージシャンは夢を与える事を存在と決めつけられている…だから結婚など妊娠しているなど夢を壊すようなことはあってはならない…
そのルールを破ったからには、俺たちには罰が下される
社長「さて、君達にはそれぞれ追って指示を出す。今日はもう帰りなさい」
~美竹邸~
友希那「ごめんなさい…まさか、こんなことになるなんて」
蒼「仕方ないさ。子供の事を考えて行動してくれたんだろ?」
友希那「えぇ…」
独断であの休止宣言をしたのはまずかった…
だが、友希那との関係を社長に話していなかった俺にも責任がある
そして後日…
Roseliaに対しては長期間の活動休止
Mond Umkehrenは…
宗太「クビ⁉」
蒼「あぁ…」
哉汰「いくら何でもおかしいよ!」
劉「哉汰の言う通りだ。いきなり解散はおかしいだろ!」
蒼「社長の命令だ…俺たちはそれに従うしかない…」
和期「仕方ない…か…」
蒼「すまない…俺のせいで…」
宗太「お前は悪くない」
和期「そうだ!悪いのはあのわからず屋の社長だ!」
哉汰「解散になっても、またCiRCLEで演奏すればいい」
劉「そうだな。さて、俺たちも仕事探しをするか」
~美竹邸~
友希那「お帰り…」
蒼「あぁ…」
家に帰ると友希那が作詞をしていた
蒼「処分を聞いてきた。Roseliaは長期間の活動休止」
友希那「そう…貴方達は?」
蒼「すまなかったな。こんなことになって」
友希那「いいえ…貴方達は?」
友希那の言葉を無視し続けて謝罪をする
蒼「俺と同じ事務所に入れるべきじゃなかった」
友希那「そのことはいいの!貴方達はどうなったの!!」
友希那は言葉を荒げる。さすがにもう限界か……
蒼「クビだとよ…」
友希那「え⁉どうして…」
蒼「上からの指示だ。俺はそれに従がっただけだ」
友希那「本当の事を話して!」
蒼「……俺が一方的に友希那と関係を持ったことを伝えた」
友希那「――⁉どうしてそんなことを!!」
蒼「お前が再び歌える舞台を用意するためだ!!」
友希那「――!!」
蒼「俺自身、音楽を続けたい…だが、そんなことよりお前の事を第一に考えた…お腹の子が成長した後にもう一度Roseliaとして、再びあの場所に立つには誰かが’犠牲’になる必要がある」
友希那「そんな…」
蒼「だから俺は…もうギターを辞めるよ…」
友希那「貴方はそれでいいの?」
蒼「いい?いいわけないだろ!!ほかにどうすればよかったんだよ⁉あのジジイの事だ!あのままだと俺とお前の二人共辞めさせられていた!クソが!!今更こんなもの作ったって――!!」
カバンの入れていた作詞中の紙を破り捨てる。
蒼「はぁ…はぁ…クソッ!!」
友希那「蒼···」
蒼「友希那。お前は湊さんの所に···実家に帰れ」
友希那「何を言っているの!?」
蒼「俺はこれ以上お前に醜態を晒したくない…それに俺と居たら面倒なことになる··だから帰れ···」
苦渋の決断だった…でも仕方なかった。友希那とお腹の子を守るためにはこれしか方法はない。
友希那「いえ、帰らないわ。忘れたの?私は何があっても傍に居るって約束したことを」
友希那は俺に抱き着いてきながらそう言った
その言葉で結婚式での誓いを思い出した
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蒼『友希那。ずっと指輪を見ているな。そんなに気に入ったか?』
友希那『えぇ、これでようやく一緒に居られるからね』
蒼『もしかして、俺が修行の旅に行っている間寂しかったのか?』
友希那『そ、そんなことないわよ///』
蒼『ハハハ…そう照れるなって。実は俺も寂しかった』
友希那『そうなの?』
蒼『旅の最中、友希那の事が唯一心残りだった。しっかりやっていけているのか。蘭やチュチュといがみ合ってないか』
友希那『貴方の中の私は喧嘩早いイメージなのかしら?』
蒼『そんなことないけど…』
友希那『貴方は私が居ないとその内、身を滅ぼしそうね』
蒼『それは友希那もだろ?』
友希那『そうね。私達は離れるわけにはいかないわね。お互いのために…』
蒼『そうだな』
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蒼「そうだったな…急に怒鳴ったりしてすまなかった」
友希那「いえ、構わないわ。これからどうするか二人で考えましょう」
蒼「あぁ…いまだけはこのまま…」
友希那「えぇ」
俺たちは…俺はバンドを解散し、音楽から身を引いた……
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ー解散から半年ー
友希那「蒼…大丈夫?」
蒼「え、どうしたんだ急に?」
ギターの手入れとノートの整理をしていると友希那が屋根裏部屋にやってきた
友希那「なにか思い詰めているように見えて…」
蒼「大丈夫だよ。もう落ち着いたよ」
クビにされてからは父と同じく華道で生計を立てる。
解散してからはマスコミや野次馬が出かける度に姿を表し、やれ。友希那の弱みに付け込んでいるとか、強姦しただの。下らない嘘話を広められオレの心は荒んでいった。
唯一救いがあったのは、リサを始めと高校時代の仲間達だ。彼女達だけは俺達の事を擁護してくれた
蒼「来週末また、本家で仕事があるから」
友希那「えぇ、わかったわ」
さて、そろそろここを出るか
ピンポーン
友希那「誰かしら?」
紗夜「お久しぶりです。友希那さん、蒼さん」
蒼「紗夜か…」
友希那「紗夜。何をしに来たの?」
紗夜「実は蒼さんに用事がありまして…」
蒼「ここではなんだし、上がってくれ」
~リビング~
紗夜にコーヒーとおまけにつぐみ特製のプリンを出した
蒼「どうぞ」
紗夜「頂きます」
蒼「で?話ってなんだ?」
紗夜「今回は私から蒼さんに仕事のお願いをしに来ました」
友希那「仕事?」
紗夜「はい。私はソロデビューしようと考えています」
蒼「そうか…」
紗夜「驚かないのですね」
友希那「えぇ、紗夜ならば少しでも上を目指すためにソロ活動すると思っていたわ」
紗夜「流石、友希那さん。それで作曲と作詞のアシスタントとして蒼さんにお願いしたいのですが、引き受けてくれますか?」
音楽業界から追放された俺が?
友希那の顔を見合わせると静かに頷いてくれた。
蒼「こんな俺でいいなら引き受けよう!」
紗夜「ありがとうございます。では、早速準備してください」
蒼「準備?」
紗夜「早速仕事してもらいますからギターと着替えをしてください」
蒼「わかった」
ギターを屋根裏部屋から取り出し、服を着替えリビングに戻るが話し声が聞こえる
友希那「紗夜、ありがとう。彼を助けてくれて」
紗夜「いえ、私達は彼に助けてもらいましたので…」
友希那「そうね。彼が困っている時に妻である私が助けないといけないのにね。それに…」
紗夜「それに?」
友希那「蒼も父と同じように音楽から身を引いた。その時の私は何もできなかった」
紗夜「友希那さんは十分支えられていると思います」
友希那「え?」
紗夜「彼が音楽業界から追放されても、私の話を受けて頂いたのはあなたの存在が彼をそうさせたと思います。守るべき大切な人として」
紗夜とはこの前、飲み屋で心の内を話した。将来の不安と友希那の事も…
蒼「準備できたぞ」
紗夜「では、友希那さん。彼を借りていきます」
友希那「えぇ、蒼。しっかり紗夜をサポートするのよ」
蒼「あぁ、行ってくる。それと…ありがとうな友希那」
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~現在~
蒼「紗夜、あの時はありがとう」
紗夜「急にどうしたのですか?」
紗夜と二人でお茶の用意をしている。友希那には、ノンカフェインのタンポポティー
蒼「あの時、アシスタントの話を引き受けてよかったと思っている」
紗夜「そうですか」
蒼「実は…機会があればもう一度腕を売りに行こうと思っていたんだ」
紗夜「そうだったのですか⁉」
蒼「思っていたけど…度胸はなかったけどな。でも、形は違えどまた音楽に関れる。だけどなんで俺なんだ?」
紗夜「和期さんはパティシエとして勉強で忙しそうですし、あなたなら信頼も出来ますし腕も確かなので」
蒼「ありがたいな」
紗夜「一つ聞いていいですか?」
蒼「なんだ?」
紗夜「蒼さんはこのままでいいのですか?」
蒼「…」
紗夜「今のままだと蒼さんは、表舞台に出ることが出来ません。仮に数年後にRoseliaが活動し始めたら、貴方はどうするのですか?」
蒼「数年後か…俺は昔と変わらず。Roseliaのサポーターとして影から見守ろうと思っているよ」
紗夜「そうですか…それなら私から何も言うことはありません」
光ある所に影あり…
何時か…Roseliaが再び表舞台で返り咲く時には、俺は裏でその姿を見守る…
表舞台から姿を消したものに出来ることはそれぐらいしかないからな
お盆を持ち、友希那達の所に戻ろうとした瞬間――
リサ「蒼、紗夜。大変‼友希那が!」
蒼「――⁉」
一目散に友希那の元に駆け付けると、友希那はお腹を押さえて倒れている
あこ「蒼にぃ!ど、どうしたら!」
蒼「落ち着け!リサは病院に電話!紗夜は車の用意!」
破水も始まっている。救急車を呼ぶ時間も勿体無い。考えろ…考えろ…
友希那「あ…お…っ!」
蒼「なんだ⁉」
友希那「傍に…」
蒼「あぁ、俺はここいる。安心しろ」
友希那「うん…」
だいぶ苦しそうだ…こんな時はどうすれば!!
紗夜「車の用意出来ました!」
蒼「よし!友希那。運ぶぞ」
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~病院~
リサが病院に連絡してくれたおかげで、すぐに友希那は治療室に運ばれた
蒼「何とか間に合った感じだな」
紗夜「そうですね」
あこ「友希那さん…大丈夫かな?」
燐子「今は待つこと…しかできないよ…あこちゃん」
燐子の言う通り、今は待つしか…うくっ!この痛みは――⁉
左腕の痛み耐えられず、膝を着く
リサ「蒼⁉どうしたの!」
蒼「心…配…するな…っ!」
燐子「幻肢痛…ですか?」
蒼「あぁ…しばらく…すれば…うっ!ぐぁぁ!!」
紗夜「せめて、お医者様に…」
蒼「いやっ!…ここで友希那が出てくるのを…待つ!」
紗夜「……分かりました。しかし後で検査を受けてください」
蒼「あぁ…」
看護師「旦那様。もうすぐ産まれますよ!大丈夫ですか!!」
言われてもな…このまま動けそうにないし…
蒼「えぇ、俺よりこの人をお願いします…」
俺が指を指したのは…
リサ「え⁉アタシ⁉」
看護師「じゃあ、これを着てください」
リサ「は、はい!」
看護師とリサは足早に治療室に入っていた
あこ「蒼にぃ、どうしてリサ姉を行かせたの?」
蒼「リサは…ずっと友希那の傍にいた。俺なんかよりずっと長い間にな…」
紗夜「だから今井さんには、代わりに見届けてほしいと…」
蒼「あぁ、俺は動けそうにないから…な」
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数時間後
友希那とリサが治療室から病室に移ったのを見届け、左腕の検査を受けた
~病室~
あこ「可愛いですね!」
燐子「とても…肌が柔らかいですね」
リサ「紗夜も触ってみてよ。ぷにぷにだよ」
紗夜「では…少しだけ……」
友希那「触り過ぎて起こさないようにね」
中では楽しそうにしているな。そのせいで入りにくい…
友希那「蒼?そこに居るのでしょ?」
観念して病室に入る
蒼「バレていたか…」
友希那「えぇ」
友希那の隣には俺たちの子供がスヤスヤ眠っていた
蒼「その子が俺たちの…」
友希那「えぇ、そうよ。女の子よ」
紗夜「私達は失礼します」
友希那「そうね…もう遅いし…蒼、貴方は?」
蒼「今日はここに泊まるよ。腕もない状態で帰れないしな」
リサ「友希那、蒼。じゃあまた明日☆」
蒼「あぁ、また明日…」
リサ達を見送り、友希那の傍に寄る
蒼「身体の方は大丈夫か?」
友希那「えぇ、特に問題わないわ…」
蒼「良かった…」
友希那「腕がないけど…まさかまた…」
蒼「あぁ、友希那が苦しんでいる時に俺も幻肢痛に苦しんでいたよ」
友希那「大丈夫なの?」
蒼「さっき、検査を受けたから結果待ちだな」
友希那「そう。蒼…」
友希那が一枚の紙を渡してきた。その紙には――
蒼「この詩は…」
友希那「貴方があの時破り捨てた紙をみんなで紡ぎ合わせた物よ。最後は貴方が完成させて…」
夜中にコソコソやっているなっと思ったらこれを書いていたのか
蒼「ハハハ…友希那には敵わないな。よし!この曲名を決めたぞ」
友希那「なに?」
蒼「この曲は…Sing Alive」
友希那「いい名前ね…」
この曲には何があっても前に進み続けるように記した。過去の約束…
Roseliaに夢を託したことを忘れないように願いを込めた詩だ
蒼「復帰した時はこれを歌ってくれ」
友希那「えぇ、約束するわ」
この日、俺たち三人は同じ病室で一夜を過ごした。
翌日、蘭や父さん、湊さんや宗太達がやってきて病室は賑やかになった
外伝の内容は?
-
BADEND
-
5年後世界
-
楓誕生まで
-
10年後のAfterglow