シャンフロキャラで〇〇!   作:mitune

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※Twitterで『お絵かきをしたい嶌田@re_simadA_800』氏が開催したワンドロ企画の加筆修正版です。お題は「ケーキ」


楽玲のクリスマスケーキ 

「うーん、やっぱり雑に甘い。素直に高級レストラン辺りに買いに走るべきだったか」

 

 以前にもノリで頼んだ覚えのあるケーキを苦労してムシャムシャしながらポツリとぼやく鳥頭の半裸が1匹

 

 場所は「蛇の林檎」サードレマ支店、この日は珍しく、暗黒面なメンバーのみでなく光明面のメンバーも参加する旅狼メンツでの賑やかなパーティーが開催されていた。

 

「美食舌があるとはいえ、やっぱりゲームで美味い物食べ放題!ってわけにはいかないのね、残念ながら」

 

「現実だと小さめとはいえホール丸々一個は絶対にカロリーがやばいからねぇ…」

 

「チキンはチキンっぽいですよ!皮がパリパリで楽しいです!」

 

「スープは…まぁ普通かな、旨味は兎も角味の加減は僕好み」

 

「…薄いと思う、私はこっちのローストハムぐらい濃い目がいい」

 

「ルスト、肉だけでなく野菜も食べなよ、あ、ソースついてるよほら拭いて…あぁ待ってて今切り分けるから」

 

 そんな風に各々が料理を楽しむ中で1人、最初に手に取ったグラスを握りしめたまま微動だにしない者がいた。

 

「どしたのレイ氏、料理に手をつけてないみたいだけど」

 

「だひょ」

 

「だひょ?」

 

「だ、大丈夫です」

 

「そんならいいけど…」

 

 本当に大丈夫なのだろうか、とサンラクは少し不安を抱く。

 

(昨日辺りから一緒に帰っている時もいつも以上にローディングが長かったし…経年劣化した機械かな?)

 

 そこまで考えて首を振るサンラク、心の中だけとはいえ、仮にも同年代の女性を例える言葉では無いだろうと考えていた事を振り払ったのだ。

 

「レイ氏にはあんまり口に合わんかったかね?」

 

「いっいえそんな!た、食べます!」

 

 そう言うが早いか丁度正面にあった山と積まれたフライドポテトを口に放り込み

 

「…?…………!!!!!?」

 

 

 

 爆発した

 

 

 

「レイ氏!?何が…」

 

 目の前で悶えるサイガー0に驚きながら、その原因を探すサンラク

 

「…おい、そこで売りにしてる顔を背けて震えてる外道、ポテトの山に何仕込みやがった」

 

「んひゅ…い、いやそんな、大した物は入れてないよ、ちょっとしたパーティーグッズさ…」

 

 犯人はすぐに見つかった、アーサー・ペンシルゴンである。

 

「テメェよりにもよって俺が注文したポテトに仕込むとか確実に俺狙いじゃねーか!」

 

「最初に皆が手を出してた山のちょうど中腹に隠す辺り油断を誘ったね…」

 

「ロシアンルーレットってやつですね!」

 

「ふふん、まぁ毒物を警戒するのは当然だよねー…………!!!!!」

 

 悶える者が追加された。

 

「プチシューをドヤ顔で食べてたやつもなんか悶えてますけど」

 

「…ローストハムは仕込みようがないから安心」

 

「当たったら当たったで他の料理にもって…えぇ…」

 

「と、取り敢えずほらレイ氏、そっち炭酸だったから俺の飲んでたオレンジジュースを…」

 

「ひ、ひゃい……さっ、さしのまゃ!?」

 

「あ、新しいグラスもうないのか…すいませーんグラスおねがいしやーす」

 

 

 

「ふー、さーて課題を済ませるか…ん?」

 

 パーティーを終えてすっかり暗くなった窓の外を横目に机に向かうと、一件のメール着信

 

「レイ氏、いや玲さんから?」

 

『夜分遅くに〜中略〜、追伸:今から楽郎君の家に向かいます』

 

「えっマジで?」

 

 先にログアウトしていたのは分かるが、この文章量はどう考えても先に用意してあったとしか思えない。一体何の為だろうか。

 

 …疑問は兎も角、外が暗いのは先程確認した。わざわざ女子高生に出向かせるのは躊躇われる。

 

 そんなわけで用件を確認しないまま、適当に着替えて玄関を出ると…

 

「あっ」

 

「えっ」

 

 玲さんがいた。

 

 冷たく澄んだ外の空気、暖かそうなコートとマフラーを身に付けて尚体を震わすその姿は、ともすれば沈んでいきそうな暗闇を照らす街灯も相まって胸が締め付けられそうな儚い光景だった。

 

「あ…」

 

「雪…だな…」

 

 それも、ちらほらと降りてきた白い結晶を伴っていたのだからその神秘的さは天井知らずだ。

 

「と、どうしたのこんな時間に」

 

「あっ…その…えと…」

 

 身体を寒さで震わせているのか…?よく見れば両の手は手袋をしておらず、荷物で塞がっており真っ赤になっている。

 

 余程慌てていたのだろうか、忘れ物をするなど玲さんらしくない、その手にあるのはひょっとしてケーキだろうか、何故こんな時間に訪ねてきたのか。

 

 様々な疑問が瞬時に浮かんで、しかしその疑問と幻想的な光景に心奪われるよりも先に俺の体は動いていた。

 

 否、心奪われたからこそ、体は勝手に動いていた。

 

「えっと、こ、この…っ!?」

 

「大丈夫?手袋を忘れるなんて珍しいね」

 

 荷物を預かると同時に、凍えている玲さんの小さな手を上から包み込む。

 

「…!?……!!!!!!!!!!」

 

「これ、ひょっとしてケーキ?…あぁそう言えばパーティーが決まった時にシャンフロのケーキが微妙だって言ったんだっけ、それでケーキを焼いて口直しにしてくれと」

 

 ゆっくりと冷たくなった玲さんの手を温めながら、ここまで俺の為にしてくれたであろう女の子にかける言葉を探す。

 

「ありがとう玲さん、最高のサプライズプレゼントだ」

 

笑顔で、顔を固めている玲さんにお礼を言った。

 

「………」

 

「さて、取り敢えず中に…玲さん?玲さーん?」

 

「…きゅう」

 

 卒倒してしまった玲さんを抱えて家に駆け込んだら瑠美に「ケダモノ!」と言われてしまった、解せぬ。




 ケーキ、というお題でめっちゃ混乱したけど、他の方の絵を見るに誕生日ケーキとかでもよかった気がする…。私の中ではケーキとクリスマスはイコールなのかもしれない。

 雪との組み合わせはシャンフロヒロインキャラ中玲さんが最強。
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