いつの間にか二ヶ月が過ぎていた。
慣れって怖いね。
A year:三月
朝っぱらから訓練、訓練だ。なんなら自主練だよ馬鹿野郎が。俺も真面目になったもんだ。
マシンガンを構え、照準を付けて、撃つ。
何度も何度も、何度も何度も。体に染みつくまで毎日毎日、飽きもせず。
その甲斐があってか、ある程度の形にはなってきた。無論、エクシアやノエルと比べるとひどいもんだが。
「飽きないね、君も」
「……いたのか。気がつかなかったぜ」
朝の、誰もいない射撃訓練場で訓練をしていたはずだったが、後ろのベンチにモスティマが腰掛けていた。
「何の用だ」
「いいや、何も。私が、君に用があると思うのかい?」
「思わねえな。俺も、お前に用なんてねえからな」
俺たちの間には、一種の不可侵条約が結ばれていた事は、確かだ。
──俺はモスティマのことが嫌いだ。モスティマも俺のことが嫌いだ。
おそらく、それだけは共通している。
どうしてこれほどまでに、一目見た時から嫌いなのか、俺なりに考えてみたことがある。結論はこうだ──モスティマの、飄々としているところが気に食わない。この女は全て表面上で済ませる癖がある。人の中身に立ち入らないし、自分の中に立ち入らせない。それだけなら別に、俺もどうこう思うはずはないのだが……。
ただ、薄く笑うモスティマの顔が、なぜだか気に入らない。その理由は、どれだけ考えてみても分からない。
「なんてね、嘘さ。君の初任務が決定したよ。銃器の密輸組織の壊滅さ」
「わざわざそれを言いにきたのか?」
「そうさ。実は、アーツ部隊との協働でね。君たちが前衛、私たちが後衛って配置になるだろうね」
「はっ……よろしくお願いしますって言えばいいのか?」
「いらないよ、別によろしくしたい訳じゃないだろ? 私も、君も」
「そうだな」
銃撃音が響く。
的に当たったのは五割ほど。まだまだ未熟。もっと早く狙いを付け、もっと高い命中率を。
「まさか、
「その任務の話か?」
「私もね、君の戦闘能力を認めてない訳じゃない。剣術と格闘術に秀でているんだってね」
「らしいな」
「ならどうして、
「お前に教える理由はないな」
銃撃音が響く。
護衛隊の訓練には、それぞれの希望した武器での訓練がある。俺は仕方なく剣を選んで訓練しているが、別にやりたいわけじゃ無い。
──昔、俺がまだスラムにいた頃の、アメリアという少女のことを思い出した。
アメリアの頼みだ。剣を握るって事は誰かを傷つける事。見境なく、誰彼構わず殺す。俺の育った場所にいた子供たちも、先生も、一人残らず死ぬことになった。だから俺は、剣を捨てることにした。
これまでの俺と決別し、トランスポーターになるための決意表明がこの銃だ。それにシルエットもボウガンよりかっこいいし。
「ふぅん。それで、結局君は何を使うつもりだい?」
「ま──木刀だな。鉄パイプでもいい」
「舐めているのかい?」
「俺はどんな野郎でも殺す気はない。俺が本気でぶった切って、ギリギリ殺さないで済むラインはその辺りだ」
「これは驚きだ。サルカズのセリフとは思えないね」
「俺はサルカズだが、カズデルで育った訳じゃねえ。俺は本来のサルカズがどういうものかを知らねえ。同族に会う事は少ない。適当な物差しで評価すんじゃねえよ」
「それは失礼。見直したよ」
「は、嘘つけ」
「ああ、嘘さ」
最後の一発を命中させて、俺は射撃姿勢を解いた。
「それにしても下手だね。これでマシになったって本当かい?」
「……お前、本当に口が減らねえな。術師サマに口出される筋合いはないが」
「おや、これでも君の十倍は射撃が上手いよ?」
「やってみろよ、じゃあ」
銃を受け取ったモスティマは恐ろしく滑らかなリロードを終え、狙いをつけるのと引き金を引くのがほぼ同時の、クソ上手い動作を終えた。俺の十倍上手い。
俺は流石に悔しかった。同時に、若干の尊敬の念を覚えたのは確かだ。
そうそうできるもんじゃ無い──エクシアより上手いんじゃないか? ノエルに並ぶレベルだ。
「……お前、何で術師なんてやってんだ?」
「さあ、君に教える理由はないけど」
先ほどの意趣返し。
「次の作戦で君が一定の活躍を見せたら、トランスポーター組合へ紹介してあげよう」
「……何が目的だ?」
「いいや? 親切心さ。君にはなるべく早くラテラーノを出て行ってもらいたいからね」
「ち……。もらうばっかは性に合わねえ。貸しにしてろ」
「ああ、そうさせてもらおうかな。まあ、一向に返せる気配はないけれどね」
「言ってろ」
そう。言わせておくのが精一杯。あとで一泡吹かせてやる。
任務前、ブリーフィング。この小隊が編成されてから初の実動となるらしい。俺やフロストリーフも、ようやく認められたってことみたいだ。嬉しいね。
「改めて整理するが。本作戦は、銃型武器を密輸している武力組織を叩き、一人残らず裁判所にブチ込ませることを目的としている。そのため、殺人は許可されていない」
小隊は十二人編成。隊長が言葉を繋げる。
「だが、アルクとフロストリーフは例外だ。私が許可を出した場合、殺害を許可するものとして動け。無論、殺さずに済むならばそうしろ」
──対象は、ラテラーノ人だ。
俺たちは公証人役場の執行官じゃない。治安維持隊である以上、同族の殺害は許可されていないし、法王護衛隊ともあろう者たちが”堕天”するわけにもいかない。
そういう意味では、俺たちは都合が良かった。
殺してもバレねえ。サンクタ族は同族殺しをするとすぐ分かる。天使の羽と輪っかが黒ずむからだ。どういう仕組みか知らないが……。堕天使は一般に忌避される傾向にある。神の教えとも関連して、悪に落ちた天使とみなされるためだ。大変だな、と俺は他人事のように思った。
「先鋒隊長はアルク、お前が務めろ」
「了解」
「アルク率いる数名が戦線を切り開き、目標を地下から地上に押し出す。そこにアーツ部隊の一斉掃射で持って形をつける──こんなところか。作戦は一時間後だ、それまで各自準備しておけ」
ぞろぞろと退出し始める。俺もフロストリーフと並んで武器の準備をしに行った。
「──殺せるか? アルク」
「俺はやらねえ」
「そうか」
「お前はどうだ? 殺せって言われたら殺すのか?」
「ああ。それが私の役目だ」
迷いはなかった。フロストリーフはそうやって育ったのだから、そうなるように、なった。
俺は、フロストリーフに人を殺させたくなかった。これは俺の身勝手だ。
だから、もしもそういう状況が来たら、俺が代わりにやることにした。ただのガキに殺人の咎は重い。とっくに手遅れだとしても、俺はそうしたかった。
速やかに市街の一角が封鎖され、包囲網が敷かれた。
俺たちは地下への階段を一斉に駆け下り、ドアを蹴り破った。
「動くな、ラテラーノ治安隊だ!」
「──法王の犬どもが! どうやってここを見つけやがった!」
輪っかが黒ずんでいる連中が銃を取ろうとする前に、俺たちは速攻を仕掛ける。それが先鋒の役目。
数が多い。
「重装兵、前へ!」
相手の掃射を重装兵が弾く。リロードのタイミングで再び前へ飛び出し、戦線を切り崩しにかかる。
「クソが、こいつら強えぞ!」
「退却しろ、出口使え!」
「逃すか。──凍りつけ、私の血の如く!」
フロストリーフが氷結のアーツを発動させ、数人の男たちの足を凍らせた。ぶっ倒れる。
有効だったらしい。男たちは背後の階段を駆け上がり地上を目指す。全てこちらの作戦通りに。
そして階段の先には術師部隊が待ち構えている。袋のネズミ、詰みってやつだ。
勝ったな。
*
モスティマは退屈していた。
全て順調すぎて、あくびが出そうだ。隊員の手前控えるが、そのくらいだった。
だが。
一つ、この作戦には誤算があった。敵部隊の中にもアーツ術師が混ざっていて、想定以上の能力を備えており、こちらのアーツの第一波を相殺したこと。それが誤算。
そして、地上に無事出てこられた男たちが叫ぶ。
「術師ばっかりだ! 近接はいねえ、やっちまえ!」
アーツ部隊は近接部隊とは系統が別だ。念のため少数の前衛兵は残してあるが、それだけだ。敵部隊と張り合えるほどではない。
術師は後方支援で真価を発揮する。
初めて、モスティマの額に冷や汗が流れた。
「みんな、術師を潰すよ! 最大火力でね!」
距離十メートル。三秒で埋まる距離。
次々倒れ伏していく男たちだが、全てを倒し切るには至らない。
モスティマは杖を構えた。
全力を出さなければならない状況。ただその後の被害計算は洒落にならないだろう。なるべくなら使いたくなかったが……。
「死にやがれ、クソ共が──!」
振り上げた剣の矛先はモスティマ。
手加減の効く距離じゃない。殺さないと自分が危うい。
あーあ、これで私も堕天使か、と思いながら、モスティマはそのサンクタを跡形もなく消し飛ばそうとして──男が崩れた。
男の後頭部に、投げられた木刀が男の意識を刈り取ったのだ。アルクという男の仕業だと分かった。
思わず地下からの入り口を見た。
武器を投げたのなら、素手で戦わざるを得ないが──アルクは襲い掛かる男たちを圧倒していた。
殴る蹴る投げる──なんでもやる。速やかに意識を奪い取っていく。銃撃に対して、その男たちの体を盾にしたりもしていた。めちゃくちゃだ、どっちが悪い組織なのかわからないような、悪魔染みた戦い方。
モスティマは、なぜあれほどの戦闘能力を持ちながら、アルクが銃にこだわるのか不思議だった。
──まあそれは、自分も同じか、と独りごちながら、すでに大勢が決した戦場を見回した。
*
「結局殺さずに済んだな」
「ああ、そうだな。殺さずに済むのなら、そちらの方がよほどいい」
男たちを全員護送車に運びながら俺たちは会話していた。
「しかしアルク、まさか獲物を投げるとは思わなかったぞ」
「あれは木刀だからできたことなんだよ。鉄剣でやると殺しちまうからな。まあ木刀でも、打ちどころが悪けりゃ死ぬかもしれねえけど」
「しかし、よく戦場で素手になろうと思ったな。リーチを手放すようなものだろう?」
「ああ、まあな……。活躍しなきゃいけねえもんでな」
「? 目立ちたがりやだな、アルクは」
「くく……そうだな。俺はなるべく目立たなきゃいけねえんだわ」
借りを返すのには十分だろ。まあ一つくらいは貸しを返したのではなかろうか。
「アルク、一応君は護衛隊の一員だ。挙げた成果は悪くないが、ここの印象を悪くするような戦い方は控えてくれないか?」
「隊長殿、俺を誰だと思っている? 俺はあんたらが忌み嫌うサルカズだぜ?」
「ふん……確かに私たちはサンクタで、サルカズに対して思うところは多い。だがアルク、それは君のことを認めていないわけではない。それは理解しておけ」
「お、おお? どうも……」
毒気を抜かれた。
そりゃ、気絶した敵の体を盾にすんのもどうかとは思ったが、素手じゃ射撃に勝てないからなあ。仕方ないと思うんだけどなあ……。
相手がそれに引き金を躊躇するような、優しい連中で助かった。サンクタ族ってのは確かに天使の種族だな。
「やあフロストリーフ。ちょっとアルクを借りるよ」
「モスティマか。好きにしろ」
「……あのねえ」
俺は連れて行かれた。
「なんだよ?」
「私は何も、助けてくれとは言っていないんだけど」
「ああ、さっきの戦闘の時の話か。なんだ、要らなかったか?」
「いずれにせよ、私を傷つけることは叶わなかったと思うよ」
「なんだあ? 手柄を横取りされたって言いたいのか? そういうキャラだったか」
「違うさ。だがその場合、私はあの男の人を殺さなければならなかっただろうね。そうなれば私は晴れて立派な堕天使ってことさ」
「ふーん。良かったじゃん、堕天使になっちまうと出世コース外れるんだろ?」
「別に権力やお金に興味はないさ。でも……なぜ君が、私を助けたのか。それには興味がある。アルク、答えて欲しいんだけど──なぜ君は私を助けたんだい?」
貫くような眼差しが俺を見た。
「いや普通に貸しを返すためだけど」
何か? という顔で答えた。
モスティマは半ば睨むように俺を観察している。無機質な天使のように。
「アルク。この際だから聞いておこうか。君は私のことが嫌いだ。そうだろう?」
「ああ。嫌いだ」
「なら、さっき私のことは放っておくべきだった。違うかい?」
「さあな。お前に借りを作ったままなのは、俺の気分が悪い。それに、俺はお前のことが嫌いだが、お前に傷ついて欲しいわけじゃない。誤解するなよ」
「……変なヤツ」
「お前に言われたくねーよ!」
俺は思わず叫んだ。モスティマが薄く笑っていた。
「何が可笑しいんだよ……」
「いいや? 別に」
「ち……。話は終わりだな? 俺戻るぞ。術師の部隊は居心地悪いんだよ、インテリ集団って感じで……」
「ああそう? だったらもう少しゆっくりして行きなよ」
「耳腐ってんのかお前。ああもう……じゃあな」
「ああ、またねアルク」
なんだってんだとか思いつつ、初任務は終わりを告げた。
寒い。
フロストリーフの発作だ。心的外傷によるアーツの無意識化での暴走により、フロストリーフは周りを巻き込んで自分自身を凍らせようとすることが、たまにある。
俺はいつも通りフロストリーフを抱きしめて呼びかける。起きろっつって。最近運び込んだストーブの出力を最大にして、近づけて。
やるせない思いがあるのは確かだった。この世界は、存外厳しいもので、特にガキには容赦ない。
「冷たい──痛い。痛い……」
うわ言のように、フロストリーフは苦しそうに呻く。俺にできるのは、せいぜい温めて、起きろって言うだけ。
俺は博愛主義じゃない。
道端に苦しんでるやつが転がっていたとして、知り合いなら助けるかもしれない。だが、他人なら助けないかもしれない。フロストリーフを拾ったのは気まぐれだ。
気まぐれなら、助けない方が良かったのかもしれない。
フロストリーフの苦しみを俺は理解できない。俺はフロストリーフの過去を想像できても、理解できない。知らないから。
俺はフロストリーフの過去を聞かない。聞くつもりもない。いつか話してくれるのを待っている訳でもない。きっと俺は冷たい人間だ。
俺はフロストリーフを救わない。救えない。俺はきっと、こいつのトラウマを治療することはできないだろう。フロストリーフは医師による心的外傷の治療を拒んだのだ。理由は知らない。
だが、想像することはできる。
きっと、フロストリーフはその傷を抱えていたいのだ。根底には罪悪感があるのだろう。このちっぽけなガキがクルビアの少年兵だったことは、俺も知っている。仲間がいたはずだ。戦場の少年兵同士は仲良くなっていったはず。そして、俺が出会った時点でフロストリーフは一人だった。俺の想像通りなら、つまりはそういうことだろう。
なら、自分が今の生活に慣れていくことに罪悪感を覚える。フロストリーフは、今の暮らしは悪くないと言っていた。
世の中には一定数、自分が幸せになることが許せねえ連中が存在するらしい。フロストリーフも、その一種だ。
俺はこのアーツの暴走が、フロストリーフが無意識下で感じている自分を許せない想いに起因するものだと考えている。
……考えすぎかもしれない。感傷に浸っているだけかもしれない。すべて俺の妄想で、見当違いも甚だしくて、こうしてフロストリーフが苦しんでる理由は、全く別かもしれない。
全ては想像だ。俺はフロストリーフに何も聞かない。ただ、一時的にこいつを悪夢から覚ましてやるだけ。あるいは、このままフロストリーフがこいつ自身の冬に眠る方が、こいつにとって楽なのかも。
──全ては想像だ。
痛い、寒いと呻くガキに抱く感慨は、その程度だ。俺は救いたいとも思いはしない。こいつは救われたいと口に出さない限り。俺たちの関係は決してガキとその保護者なんかじゃない。俺たちは相棒だ。俺はそう思っているからこそ。
ただ、冬の夢から目を覚まさせるために、こうやって温めるだけ。
「──寒い……。痛いな……」
「そうだな。なあフロストリーフ。お前の望みは一体なんだ。お前は何が欲しい。もし手に入るとしたら、何を望む?」
フロストリーフは目覚めない。今日の悪夢は一段と深いらしい。
「この生活はお前を救うのか? お前から戦いを奪った後に、いったい何が残る? 穏やかな平和はいずれお前から戦いを奪うぞ。だからお前には、それを拒否する権利があるはずだ……」
「──冷たい……。うう、寒い……」
「俺は、お前がちゃんと笑えるようになって欲しいと思っている。その年でどれだけ強かろうが、ガキは笑って、馬鹿みたいに遊びまわるべきだと今でも思っている。そしてそうやって十分育って、もうガキとは呼べない年になって、まだ戦いたいんなら好きにすればいいと、そう……思っている」
「嫌だ……痛い……。冷たい……」
「ダメだな……自分の中で、考えの整理がついてねえ。ぐちゃぐちゃだ……。おいそろそろ起きろよ。いい加減、俺まで凍えそうなんだが……」
ストーブの熱気が遠い。手足の感覚がなくなっていくような。
冷たい眠気が俺を襲う。吹雪に吹かれるような、柔らかい雪に寝そべるような。
冷たく、俺を────
「起きろアルク、いい加減離せ。狭いし暑い」
「……おお、神よ。こいつはいったいどいういうことだ」
体が重い──いや、なんか体の上に重たいもんが乗っかってる。フロストリーフだこれ。
いや──昨日あのまま寝たのか? ストーブがつけっぱなしだ。三月だというのに寝汗がひどい。ストーブの熱気に汗をかいていたんだ。
フロストリーフの背中に回していた手を解く。
「……お前、生きてるのか?」
「変なことを聞くな……私の声が聞こえていないのか?」
「昨日、寝てからの記憶はあるか?」
「なぜそんなことを……いや、まさか──またアレが起こっていたのか?」
「気づいてなかったのかよ……」
「夢じゃ、なかったのか」
フロストリーフがボソっと呟いた。
「え? 覚えてんの?」
「ぼんやりと……寒い中で、誰かに抱きしめられていたような気がする。だから、私は安心して眠ったんだ」
「お前な……一歩間違うとそのまま自分のアーツで死んでたんだぞ……」
「そうだな、そこは反省している。だが……私はもしかしたら、アルクのことを信頼しているのかもしれない」
「突然どうした?」
「……私の周りにいた人は、みな過ぎ去っていった。アルク、お前は過ぎ去らないのか?」
「さあな。過ぎ去るかもしれない。俺だって、頭に銃弾一発貰えば死ぬ。だが過ぎ去らないかもしれない。運よく弾丸が外れてくれるかもな。今までは外れていたが、これからどうかは分からない。いったい誰が、この先の未来を知ることができる?」
「……そうだな。無用な質問だった。忘れてくれ」
フロストリーフは立ち上がった。いつも通りの一日を始めようとしていた。俺はその背中に呼びかけた。
「忘れんな、俺はお前の相棒だ。死ぬかもしれないが、そう簡単にくたばるつもりはねえよ」
フロストリーフは微笑んだ。
「そうか」
他者による救いなど、厳密な意味ではあり得ない。救いはいつだって、それを求める人の中にしか存在しない。
ただ──それはもしかしたら、俺にとっての救いだったのかもしれないと。そう思った。
・フロストリーフ
6章辛すぎ。 ファウストが辛すぎ。無理。
名前とかアーツとか、若干ノヴァうさぎに似てないでもない。当初はフロストリーフもウサギだと勘違いしていた。別にその辺りを意識した訳ではないがなんかそんな感じになってしまった。
かわいい。
・モスティマさん
かわいい。
・密輸組織
今回の被害者。カチ込まれてかわいそう。
・勝ったな
フラグの代名詞。言わなきゃいけないルールでもあるのか? ビッグボブは訝しんだ。
・裁判所にブチ込ませることを目的にしている
いいですねッ!