モスティマさんといっしょ!!!   作:にゃんこぱん

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ケオべさん来たああああああああ! えっちだあああああああ!
後やっとラッピー来ました。ピックアップありがとう……ありがとう……
がみさまあ"! ありがとうございますう"う"う"う"!!!

ケオべさん可愛すぎる。むり、一人称おいらは無理、可愛すぎる……


A year:八月──中

祭りの範囲は広大だ。どこ行っても何かやってる。

 

その一角。やたら音楽が爆音で流れてくる場所があった。フロストリーフが興味を惹かれたようなので行ってみた。

 

──エンペラー! エンペラー! エンペラー!

 

『ハハハ、こいつはゴキゲンだぜ! もっと騒ぎなクソったれのオーディエンス共! 俺が神だ!』

 

──うおおおおおおおおおお!

 

歓声が爆発した。うるせえ。音楽よりこの盛り上がりの方がよっぽどうるさいが……この狂騒は嫌いじゃない。

 

いや、それより……。

 

「ペンギン……?」

「ペンギンか……?」

「ペンギンだな……俺の見間違いか?」

「いいや、私にも見えてる……。あれは、一体なんだ……?」

 

ペンギンはDJ機材を回した。曲調が変わる。

 

『親愛なる諸君にお届けしてやるぜ──聖母マリアの福音をな!』

 

賛美歌を超ロックにしたような音楽が流れ出し、ペンギンがマイクを掴んでラップし始めた。

 

俺はその光景を放心しながら見ていた。

 

なんだこれ……。

 

横を見たらフロストリーフが周囲の観客に混じって手を振り上げて楽しんでいた。

 

ま、お祭りなら騒がなきゃ損か。エンペラー!

 

──エンペラー! エンペラー! エンペラー!

 

うおおおおおおおおお!

 

しばらく夢中になった後、ステージが終わったので戻ろうとした。その時知った顔が見えたのでフロストリーフを連れて追っかける。

 

ステージの裏、関係者用の入り口まで来た。

 

「ノエル」

「……ああ、アルク。それにフロストリーフ。いかがでしたか、エンペラーのステージは」

「悪くない。あのペンギンはエンペラーと言うんだな。覚えた」

「ええ、著名なアーティストです」

「──おお? 出待ちか? 熱心なファンだな嬢ちゃんにハチマキ野郎」

 

関係者用の扉からペンギンが出てきた。

 

近くで見てもペンギンだ……。

 

「エンペラー、お疲れ様でした。なかなか私も楽しめましたよ」

「ハッ、当然だろ。俺を誰だと思ってやがる。神だぞ?」

「ペンギンでは? それにラテラーノでその言葉はいかがなものかと思いますが」

「ちっ。それでそっちの二人はサインでもねだりに来たのか? とっととペン寄越しやがれ、顔でもシャツでも好きなとこに書いてやる。今は気分がいいからな」

「いや別にいい。ノエル見つけたから来ただけだしな」

「なんだよクソったれが! いや……おいハチマキ野郎、お前どこの種族だ?」

 

俺は周囲に人がいないことを確認してハチマキをとった。

 

「──へえ! こんな場所にサルカズとはな、面白え。俺ほどじゃねえがな!」

「うるせえなこのペンギン」

「誰がペンギンだツノ野郎が! 俺は皇帝だ」

「どっからどう見てもペンギンだろ……」

 

ノエルが口を挟んだ。

 

「ああそうだ。エンペラー、以前新しい会社を起こすとおっしゃっていましたね。彼、なかなか優秀ですよ」

「あん? ……ふーむ、そうだな。お前働けんの?」

「いや俺はフリーでやっていこうと思うんだが……」

「じゃあテストだ」

「聞けよ」

 

エンペラーはどうやって持ってるのか分からないが、とにかくハンドガンを俺に向けた。……どういうつもりだ? いやその前にそれどうやって構えてんだ? お前指ないよな。あんの?

 

「今からお前に向かって引き金を引く。その後のお前の行動で、俺の会社にお前がふさわしいかどうか判断するぜ。準備はいいな?」

「話を聞かねえペンギンだな……。フロストリーフ」

「ああ」

 

フロストリーフが携帯式のナイフをペンギンの喉元に突きつけた。

 

「こういうのでどうだ?」

「──ハッ! ただのファンかと思ったら、とんでもねえのが来やがった。確かになかなか悪くねえ。そうだな……おいノエル、紙とペン寄越せ」

 

ペンギンがハンドガンを下げたので、フロストリーフもナイフをしまった。

 

「うちに来る気があんのならこいつに連絡よこせ。お前、なかなかイカれてるからな。まあ俺ほどじゃねえがな!」

「本当に話を聞かないペンギンだな……。まあいいか。フロストリーフ、行くぞ」

「待ってくれ、サインが欲しい」

「俺様のサインが欲しいって? 仕方ねえな……」

 

このペンギンさっぱり訳がわからん。俺はペンギンからもらったメルアドを眺めながらしみじみ思った。

 

「──いや、そもそも何の会社なんだ?」

「そんなもん、答えは一つしかねえ──俺の大いなる野望のための手足だ」

「運送会社です。アルク、実際悪くない話ですよ」

「運送会社。まあ、確かに悪くねえな……このペンギンがボスってことを除けば、の話だが」

「ああ?」

 

サインをもらえて満足げなフロストリーフを横目に、俺はちょっと考えた。

 

「はっ、まあいい。面白そうなヤツを見つけたら俺に教えろ」

「どうする気だ?」

「雇うんだよ、当たり前だろ?」

 

……。

 

ペンギンってわかんねえな……。

 

俺たちはその場を後にした。メルアドは一応端末に登録はしておいた。一応。何かの役に立つかもしれないし。

 

ハチマキをしなおして食べ歩きをしていると、フロストリーフを見つけて駆け寄ってくる何人かの女の子がいた。

 

友達らしい。話には聞いていたが、実際にちゃんといるってことがわかるとほっとした。これじゃまんま保護者だなとか思いながら。

 

友達数人で回っているらしく、俺はせっかくなのでフロストリーフを友達たちに預けることにした。

 

「ま、ガキはガキ同士で遊ぶのが一番だ。悪い、こいつのこと頼むわ」

「はーい! まかせてくださーい!」

「アルク、どういうつもりだ」

「ま、せっかくだしな。いい経験だと思ってみろよ」

 

小遣いを掴ませて俺は逃亡。フロストリーフの恨めしげな目が印象的だった。

 

それに俺も、ガキ引っ下げたままじゃ楽しめねえ。

 

「なあ、そうだろ?」

「子供扱いかあ。する方は楽だけど、される方は案外覚えているものだよ?」

「何でそんなこと知ってんだ?」

「エクシアからそうやって文句をもらうんだ。いつまでも子供みたいに扱わないでってね」

「くく、お前も案外そういうところあるよな」

 

人混みの中にモスティマがいた。目立つからすぐにわかった。こいつの蒼い髪は印象に残る。

 

「エクシアはどうした?」

「大学の友達たちと一緒さ。本人は私と周りたがっていたけどね。悪いとは思ったんだけど」

「なんでまた」

「私に言わせるのかい? 意地が悪いね」

「……あん? どういう意味だ?」

「私も、人並みな感情があるってことさ。一緒に回らないかい? アルク」

「二人でか?」

「ふふ。そう、二人で」

 

嬉しそうなモスティマに、俺はそこまで察しがつかない訳じゃなかった。

 

「ま、そうだな。……行くか」

「そうだね。行こうか」

 

 

 

 

出店の種類は多岐に渡る。

 

普通に飲食店もあるし、服やらアクセサリーやら、果ては楽器なんかもある。それ売れるの?

 

ペンダントやピアスを眺めながら。

 

「お前こういうの興味あんのか?」

「さあね……。必要ならばやるけれど、私自身は別にいいかな。好きとか嫌いとか、そういう感情は嫌いじゃないけど……どうもね」

「ふーん」

 

俺もわかんねえ。着飾るだとか、お洒落だとか、俺こそもっとも向いてなさそうだ。興味もない。

 

けどどうにも、モスティマがそういったことに興味を持たないのを、あろうことか──そう。あろうことか”勿体ない”と。そう思ってしまった。

 

そう思ってしまった自分を、半ば諦めた。いつの間にか、俺はこいつのことが嫌いじゃなくなっていたから。

 

「──君は、そういうものが好みなのかい?」

「ああ、いや……分からねえからな、俺はこういうの。さっぱりわからねえけど、ただなんて言うかね……。お前にどれが似合うかなって考えてた」

「え? ……私に? やだなあアルク、私にはこういうの必要ないよ?」

「だとしてもな。……あー、ダメだわからん。頭が痛くなってくるな」

「珍しいじゃないか。君がそこまで……あれ、もしかして気を遣ってるのかい?」

「なんだ、悪いか? 俺にだって感情くらいある。これまでのこと、俺は結構感謝してんだぞ? これでもな」

「ああ、そうなのかい? そうか、それは分からなかったな……。ふふ、そうかい。だったら──これがいいな」

「いや、こんなのでいいのか? もうちょい高いのでも」

「いいよ。これでいい」

 

さっき俺が手に取っていた、シンプルな飾り気のないネックレス。細いチェーンとシンプルな飾りだけの安物。

 

「これがいい」

「……分かったよ。ちょっと待ってろ、買ってくる」

 

買ってきて手渡そうとすると、モスティマが止めた。

 

「せっかくだ。君に付けてもらおうじゃないか」

「……お前なあ。俺が不器用なの知ってるのか?」

「知ってるよ。だからせっかくなんじゃないか」

「マジかよ。分かったよ……」

 

頭から、慎重にかける。モスティマが顔を上げると、必然的に目が合う。

 

「うん……。どうだい?」

「まあ……悪くねえんじゃねえか」

「似合っているかい?」

「……似合ってるよ」

「そっか。ならよかった。あ、ところでさ、せっかくだからエクシアにも何か買っていってあげよう」

「そりゃ悪くねえな。フロストリーフの分もなんか買ってくか。くく、まるで世話焼きの親にでもなった気分だ」

「ふふ、そうだね」

 

歩き出して、俺はやっと本題を切り出した。

 

「お前、枢機卿? ってのになるのか?」

「ああ、その話かい? まあ祭り上げられただけさ」

「一つ聞いておきたいんだが、お前さ。何をしたいとか、何になりたいとか、そういうのあるのか?」

「うーん、そうだね……。特にない……かな。私は今の生活がそれなりに気に入ってるんだ」

「そうか。だが今はずっと続かねえぞ」

「おやおや。君の口からそんな言葉が出るなんてね。それが本題かい?」

「ああ。俺がラテラーノにいる期間は、後半年ない。俺はいつまでもラテラーノでトランスポーター見習いする気はねえ。国際資格と、銃の免許を取っちまえば、この場所に用はなくなる。そういう約束だ。ノエルとのな」

「そっか。ねえ、今だから聞けるんだけど、ノエルとどういう契約をしたんだい?」

「お前を幸せにしろってよ」

「それはまた……。ノエルも世話好きだ」

「ノエルにとって、お前とエクシアは全てだって言ってたな」

 

フロストリーフの姿を思い出しながら、適当なアクセサリーを吟味する。

 

「ノエルは私の最高の戦友さ。昔、大学時代にカズデルの戦いに関わったことがあってね」

「……そりゃ初耳だな」

「うん。このことに関しては、君にだって秘密だよ」

「いいさ。好き好んで聞くような話じゃなさそうだ。ああそうだ。俺から一つ、お前に伝えておくべきことがあると判断したから、お前に伝えておく。ノエルが何か企んでる。気を付けろ」

「覚えておくよ」

 

モスティマも色々と眺めている。物騒な話をしながらも、その口元は穏やかだ。

 

「ノエルとエクシアは、実の姉妹じゃないんだ」

「今日は色々と新しいことを聞くな。そういう日なのか?」

「ノエルは幼い頃親を亡くしてね。ある家庭の養子になった。その家には赤ん坊がいて、程なくノエルはすぐに赤ん坊の姉になった。エクシアはそのことを知らないけど──親を亡くしたノエルにとって、その赤子は大きな心の支えになったんだ。そして赤子も、ノエルにひっついて育った」

「それがあの姉妹ってわけか」

「まあ、私は大学からノエルに出会ったからね。当時のことなんて実際に見たわけじゃない。でもまあ、ノエルは常に、妹に誇れる自分であろうとして、また妹も姉のことを尊敬していた。ノエルは法王親衛隊の若手部隊の隊長を務めるようになって、私はアーツ部隊の隊長になった。きっと、エクシアも姉の後を追うだろうね」

「……そういえば、話は変わるんだが──お前、サンクタとサルカズのハーフなんだろ?」

 

モスティマは微笑むばかりだ。

 

「ふふ。アルク──それじゃあんまり話、変わっていないよ」

「質問に答えろよ」

「そうだね。おそらくそうだと、私も思ってるよ」

「曖昧だな」

「──どちらにせよ、私にはツノと、この天使の輪っかだけが残った。それが全てさ。多くを語る気はないよ」

「そうだな。過去に意味はない──あるのは事実だけ、か」

「そういうこと」

「俺の予感が正しければ、お前ら三人はこのままじゃいられない。確実にな」

「そっか」

「だから、お前の望みを俺は確かめたかった。改めて問うことにする。お前の望みはなんだ?」

 

モスティマは答えない。ただ微笑むばかり。

 

そういうヤツだと分かっていた。

 

俺はモスティマの、そういうところが嫌いだった。

 

 




・エンペラー
ペンギンにして世界的なミュージシャン。ノエルに呼ばれて収穫祭に参加していた。
こいつコウテイペンギンじゃなくてキングペンギンなんだぜ。wikiに書いてあった
この頃、ペンギン急便を起こす計画を立てている。

・モスティマさん
かわいい。
公式ではモスティマさんの種族は明言されていない。これは二次創作です。天使と悪魔のハーフってエモいよね

・カズデルの戦い
マジでなんも考えてない。公式からの手がかりがなさすぎる。
ノエルとモスティマが仲良くなったきっかけ程度の認識です
なんか……いろいろあったんやな……

・アルク
モスティマのそういうところが嫌い。
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