99ADVENTURE   作:リカル

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究極体出現! 撃ち破れローダーレオモン&ドルグレモン

☆レギオン群島・荒野エリア

応急修理中デッカードラモン号、甲板上

 

 

「ガルムモン!、いっきまーーーす☆」

「え?、ええ!?、えええーーー!!?」

 

 

「・・・・・・・・・あのオヤジは何やってんだァ?」

「一度アレやりたかったんだって

うん?、今度は青瓢箪達がやるみたいだね」

 

 

「石動双葉!」「花柳香子!」

「エアロブイドラモン!」

「「「出る!!」」」

「おおおっ!、みんな格好いいな!!」

 

 

「今のニンゲン共、頭に何被ってんだァ?」

「ヘルメット、だって

こんな事もあろうかと!、とか

チャラチャラチャチャ~ンとか言いながら目の焦点がおかしいワー爺が渡してたよ」

「あの爺さん頭大丈夫かァ?」

「うん、大丈夫じゃない

だから『明けの遠吠え』達が4体掛りであんな事をやってるんだよ」

 

 

「フォウン!、フォーーーンッ!

そ、そこは!?、いかん!、いかんぞい!」

「長!、我慢しなくちゃダメなんだなー!」

「腰とか肩とかヤッベ!

ガルル!、これヤッベくね!?」

「そう思うなら真面目にやれ!、グルル!

なんとしてでも長の疲れを癒すんだ!」

「リーダー、この戦いが終わったら私

二足歩行に進化して機械整備が出来るよう努力します」

「ドーベルモン、それはフラグという奴らしいぞ

前に始祖様から教えて貰った事がある」

 

 

「ハタ目獲物を襲ってるようにしか見えねぇなァ・・・」

「うんうん、うん?」

 

 

「りゅ、リュー君すとっぷすとっぷ~!」

「あのような遊戯をやる暇は無いで御座る」

「確かに、早くひかりちゃんには会いたいけど!

私達だけやらないのはなんか寂しいよぉ!」

「・・・・・・・・・」

「無視されたーーー!?」

 

 

「ケッ、しょーもねぇなァ」

「さて、そろそろジュンナと交代しないと

一応訊くけど、君はどうする?」

「寝る」

「そういう事にしておくよ、うん・・・」

 

神機レーダーの反応を頼りに真矢、クロディーヌ、ひかりの捜索に出た舞台少女達を見送ったドルモンがハッチに入ると

 

「ねぇ、なな

そろそろ機嫌直して」

「・・・・・・・・・」

「うん?」

 

艦内では純那とななが何やら神妙な顔つきで語り合っていた。

 

「3人の事が心配で居ても立っても居られない気持ちも、この状況があなたにとって決して面白いモノじゃないのもわかってる

でも、もう幕は上がってて私達は舞台少女なの

だから、今は 」

「レイド帝国を倒して、この世界を救う事が本当に私達9人の役なの?

ここはいつものあの地下の劇場じゃない

データの中にある世界なのに

どうして純那ちゃんはそう言い切れるの?」

「それは」

「人間が救ったっていう物語があるから?

でも、それがどんなモノか

本当かどうかもわからないじゃない

大体、人間で良いなら舞台少女が・・・

みんながやる必要なんてない

それでも、舞台少女じゃなくちゃいけないなら

 

 

私だけで良かったのに」

 

 

「ッ!、なな!!」

「ごめん、純那ちゃん

ちょっと頭冷やしてくる」

「・・・・・・・・・」

 

足早に階段を降り、ドルモンを避けて外へと飛び出すなな。

 

「はぁーーー、やっちゃったのかも・・・」

「うん?、そう思うならワザワザあんな話しなくても良かったんじゃないかな?」

「もし君が悩む友を持っているなら

悩みに対して安息の場所となれ

だがいうならば堅い寝床、戦陣用の寝床となれ

そうであってこそ君は最も役立つものとなるだろう」

「何だよそれ?」

「ニーチェの言葉よ」

「ルーチェモン?」

「誰よそれ!?」

「傲慢を司る七大魔王だよ

他の魔王と一緒にデジタルワールドを支配しようとして・・・

あ、確かニンゲンの伝承に出てくるのもそいつらだったっけ?

うーん、駄目だあんまり思い出せない」

「え?、ちょっと待って!

ドルモン、あなた

何さらっと重要な事言ってるの!?」

「ワザとじゃないよ

自分が座に着く前に起きた大昔の事なんて覚えてる奴殆ど居ないんじゃないかな、うん」

「座?」

「!!!、な、なんでもない!!!」

「そういえば、ストラビモンがあなたの事・・・

隠士殿とか呼ぶけど、それと何か関係が 」

「なんでもないって言ってるだろ!?

大体!、ボクなんかより今はナナの心配をしろ!

君にはあの子の方が大事なんだからさ、うん」

「はぐらかさないで!

知ってる事があるならちゃんと教えてよ!!

今の私にとって・・・、信じられる情報源は・・・

あなたしか居ないんだからッ」

「じゅ、ジュンナ?」

「ななにあんな風に言ってても正直不安なの

 

 

これで、本当に正しいのかって・・・

 

 

だから、少しでもその不安を減らす為に出来る事をやってきたつもり

・・・・・・・・・つもりだったのに、私

海賊が襲ってきた時、足手纏いでしかなかった

海を移動する以上、そこで襲撃されるのは想定出来た筈なのに」

「うん、あの時の君は酷かった」

「・・・・・・・・・そうね、認めるわ

だからこそ、これから先に備える為にも!

もっとこの舞台を、あなた達が生きるデジタルワールドについて知らなくちゃいけないの」

「ボクが知ってる事が君達の役に立つかどうかもわからないのに?」

「それを決めるのは私自身よ」

「・・・・・・・・・

 

 

このデジタルワールドは世界樹により造られた」

 

 

「え?」

 

 

「世界樹はこの電脳空間に生まれた世界において根幹を成すホストコンピュータ

それを中心に幾つかのサーバーが広がっている

そう、まるで枝葉のようにね

ボクらが今居るこの場所だって、世界樹の枝の一部でしかない」

 

 

「ど、ドルモン?」

 

 

「これから向かうはじまりの街は枝の根本

言わば、このサーバーにおいて唯一世界樹の中枢・通称天界にアクセスが出来る場所なんだ

だから、レイド帝国の防備だってあの要塞の比じゃないし

よしんば、天界に行けて世界樹の深奥を占拠しているレイド帝国の支配者と戦ったとしも・・・

 

世界樹と共にデジタルワールドの創世に携わった十の魂が集う創造神

 

世界樹の防衛を司る13の聖騎士

 

世界樹の意思を反映し実行に移す12の神々

 

更には己の意思とチカラのみでその領域に匹敵していた5体の番長

 

他にも多くの究極体デジモンが挑んで

 

 

成す術もなく削除されたんだッッッ!!!」

 

 

「!?」

 

 

「何が、何が!、孤高の隠士だ!?

何が空白の座の主だ!?

何が13番目の聖騎士だ!?

デジタルワールドを守る抑止力?

何も抑えられなかっただろ!?

何も守れなかった!、逆に守られたんだ!

 

 

『あいつ』に!!!、オメガモンに!!!

 

 

なのに、なのに!

こうして戻ってきて生き恥を晒しているッ!

ニンゲンのチカラがなければ成熟期にすらなれない癖にだ!!!」

 

 

「聖、騎士?、あなたが?」

 

 

「うん!、そうさ!

その成れの果てが君のパートナーの正体だッ」

 

パートナーが望む己の知る全て。

それを激情と共に吐き出したドルモンの顔には歪んだ笑みが浮かんでいた。

 

「ほら、言った所で君にはわからないだろ?

知った所でどうにもならないだろ?

だったら、せめて今のうちに夢見ときなよ

もしかしたら、自分達舞台少女なら

そんな相手にも勝てるんじゃないかって何の根拠もない夢物語をさ」

「ええ、そうね・・・

あなたの話を私はきっと半分も理解出来てない

 

 

それでも、話してくれてありがとう」

 

 

「・・・・・・・・・!?」

 

 

「後、そんな想いをしたのに私に協力してくれて

パートナーになってくれて、信じてくれて

ありがとう」

「そ、れは!

君が、『あいつ』に似てると思ったから!」

「そのデジモンも聖騎士?」

「・・・・・・・・・うん、最強のね

なのに、結局帝国にやられたんだ

デジタマに還ったボクをこっちの許可なく無理矢理ワー爺に押しつけて、さ

そういう文句も、今はもう言いたくても言えない

だからジュンナ」

「?」

「君は絶対にナナを離すな

こんな後悔するのは、ボクだけで十分だよ

うん」

「ドルモン・・・」

 

 

アォゥン! アォーーーゥン!!

 

 

「「!」」

 

 

突如聞こえてきた遠吠えの意味は   敵襲。

 

 

 

 

 

☆デッカードラモン号停泊地付近の崖

 

時間は少しだけ遡る・・・。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

後悔や寂しさを膝と一緒に抱え込むなな。

 

「ねぇ、こんな私を見てて何が楽しいの?」

「いーやァ、イラつくだけだァ」

 

彼女の側ではレオルモンが寝そべっている。

 

「なら、なんで」

「ケッ、自惚れてんじゃねぇ

オレサマがここで寝たいから寝てんだァ」

「・・・・・・・・・そっ、か

でも、自惚れぐらいしないとね

私だって、舞台少女なんだから」

「テメェのブタイってなんだァ?」

「それは勿論、みんなとのスタァライトだよ」

「なら

今のテメェはブタイショージョじゃねぇなァ」

「!」

「アアン?、何キレてんだァ?

ここはデジタルワールドだァ

スタァライトなんて欠片もねぇだろうがァ」

「それは!、そう、だけど・・・」

「最もどっかの冠ニンゲンはァ

んな事お構い無しにスタァライトスタァライト言いまくってるがなァ」

「!!

確かに、華恋ちゃんはこの世界でも

スタァライト、し続けてる

(そんなあの子とひかりちゃんが居たから

私の【再演】は途切れてしまった

 

途切れてしまったからこそ

 

今、みんなが危ない目に合ってる)」

 

ななの脳裏に甦る

 

要塞での死闘、海上での防衛戦。

 

「(【再演】を続けてさえいれば

 

こんな事にはならなかった

 

私が負けたから、みんながッ

 

・・・・・・・・・なんて、思っちゃダメね

こんな気持ちがあったから純那ちゃんに八つ当たりなんてしちゃったんだし)

レオルモンの言う通り

今の私、全然舞台少女じゃないわ」

「なら、テメェはなんだァ?、ニンゲン」

「なな」

「アア?」

「なーな、ニンゲンじゃなくて

ななって呼んで欲しいなって♪」

「ア"ァン!?」

「あ、ばななでも良いのよ?」

「誰が呼ぶかァ!

ケッ、ちったァマシな顔になったなァ・・・」

 

笑顔で詰め寄られたレオルモンは体を起こす

 

 

「あ、れ?」

「!、くそったれがァアアア!!」

 

 

ななの足元が大きく崩れて・・・。

 

 

 

ザッ パァァァアン!!!!

 

 

「この音は!!?、馬鹿な!

周辺に水気は一切なかった筈!!」

「なんかよくわかんねーけどヤッベくね!

なぁ!、ガルル!?」

「ああ!、そうだなグルル!

嫌な予感がビンビンするぞ、リーダー!」

「シーサモン!、手負いの所悪いが長を頼む」

「リーダー!、みんな!

わ、わかったんだな!」

「フォ、フォウン・・・ッ」

 

 

異変に気づいた『明けの遠吠え』の4体が現場に駆けつけると

 

 

「こ!、これは!!

 

 

ナナさん!!!、レオルモン!!!」

 

 

〔「ッッッ!!?、ゴボ!」〕

「・・・・・・・・・ァ、ァ!」

〔フシューーーゥ〕

 

そこでは崖が大きく抉れ

中から赤い装甲と両肩の砲身、銀の両腕が特徴的なマシーンが身を乗り出していた。

 

「な、ナナさんが水の中に!?

アレじゃあ息が出来なくてヤッベえよぉ!」

「それに、レオルモンがデカイ腕に捕まってる!

早く助けないといつペシャンコにされるかわからん!」

「ま、待て!

あいつの威圧感完全体とは比べモンにならない!

まさか!、究極体か!!?」

「「なっ!?」」

「どうやら・・・あの日あなた達に救われた命!

使うべき時が来たようだ!!

 

 

アォゥン! アォーーーゥン!!」

 

 

遠吠えを上げるや否や茜色で細身の体を翻し強大な敵に敢然と立ち向かうファングモン。

 

「!、リーダーに続けぇええ!!」

「「オォウン!!!」」

〔フシューーーゥ〕 

 

すると、他の3体も動き出し四方八方から赤いマシーンに飛び掛かるがまるで意に介されない。

 

「《ブラストコフィン!》」

「《カオスファイヤー!》」

「《フォックスファイヤー!》」

「《シュヴァルツ・シュトラール!》」

〔フシューーーゥ〕

「くそ!、ちくしょう!

こっちは全力なんだから少しは効けよぉ!!」

「諦めるな!、グルル!!」

「せめて、せめて注意だけでも!」

〔フシューーーゥ〕

「!、全員離れろーーー!!」

 

だが、流石に煩わしかったのか

両肩にあるキャノン砲だけを動かし

 

 

〔《ムゲンキャノン》〕

 

 

「「「グギャアアアッ!」」」

 

 

無造作に、強力なエネルギー波を発射。

直撃は受けていない筈なのに、余波だけで傷つき

『明けの遠吠え』の3体は吹き飛ばされる。

 

「(なんで、なんでこの子達逃げないの!?

こんなのどう見ても敵う訳ないのに!)」

「ナナさん!!!、今助けます!!!

 

 

だから レオルモンはお願いしますね」

 

 

〔フシューーーゥ〕

「(!?、ダメ!、ダメぇえええ!!)」

 

砲身が向けられ、エネルギーが充填されている。

それでも茜色の毛並みに細身の狼は止まらない。

マシーンの頭上にある水球の中、必死に声にならない叫びを上げる

 

 

「自分はファングモン!

一度狙った獲物は、絶対に逃さない!!」 

 

 

この世界の希望【オタカラ】を奪い返す為に。

 

 

「《スナイプ、スティイイイルッ!》」

〔《ムゲンキャノン》〕

「《パワーメタルッッッ!!!》」

 

 

盗み、超弩級のエネルギー砲、巨体鉄球。

これらの発動はほぼ同時。

 

 

「間に合った!?」

「じゅ、ジュンナさん!、ドルガモン!」

「わっかんねぇよ!、わっかんねぇよぉ!」

「リーダー!、リーダー!」

「ファングモンッ

くそ!、またボクはワー爺から仲間を!!」

 

マシーン周辺をもうもうとした爆煙が覆う

 

 

「・・・・・・・・・」

「ケッ、オレサマを余所にかっこつけんなァ!

犬共がァアアア!!」

「ガフッ、ゲホ!」

〔フシュ・・・ウ〕

 

 

それを引き裂き

 

巨体を傾けたのは輪と舞を手にした大場なな。

 

彼女のパートナーたる獅子・ライアモンの口には

 

ボロボロなファングモンが咥えられていた。

 

「なな!」

「「「りぃぃぃだぁぁぁあ!!!!」」」

「よかった!、本当に!、うんッ!」

「ドーベルモン、ガルルモン、グルルモン

ファングモンと一緒にデッカードラモン号に戻っていて

ここは、私達が引き受けますから」

「「「わふっ!?」」」

「なな、あなた」

「さっきはごめんね純那ちゃん

でも、もう大丈夫

デジモンのみんなのお陰でやっとわかったから

本当の、本当にわかったから・・・!

この世界、デジタルワールドでの私の役!」

「ケッ、ちったァ

ブタイショージョ、らしくなったんじゃねぇかァ

ナナァ」

「あははっ、やっと名前で呼んでくれたね♪」

〔フシューーーゥ!〕

「ア"ア"?、そういやテメェ

よくもこのオレサマを踏んづけてくれたなァ!

ポンコツ野郎がァ

 

ぜってぇ、ブッ壊してやらァアアア!!!」

 

舞台に立つ覚悟を固めたななの隣で吠え猛るライアモンの体から黄色い粒子が放たれた。

 

 

「楯突く奴ァ何だろうがァ食い破る!

 

邪魔する奴ァ何度こようがァブッ壊す!」

 

 

再生産された0と1の幕の下

獅子の全身が同じ色の重厚な装甲に覆われる。

 

 

「ライアモン進化ァ!、ローダーレオモン!

 

何時でも、幾らでも掛かってきやがれ!

 

全部纏めてオレサマが相手すらァアアア!」

 

 

咆哮を上げながら削岩機と化したタテガミを

モーニングスターと化した尻尾を振り回し幕を粉微塵にする機械獣ローダーレオモン。

 

〔《アクセルアーム》〕

「《ローダァモーニングスタァ!》」

「はぁっ!」

 

再び握り潰そうとしてきた銀の腕を鉄球付きの尾と大太刀、小太刀が弾き返せば

 

「《キャノンボール!》」

「これも!」

 

空を行く獣竜とその背に乗った舞台少女による援護射撃が降り注いだ。

 

〔フシューーーゥ〕

「くっ、思った以上に固いわね」

「うん、何せ相手は究極体

デジモンが到達しえる最終進化形態だ

今のボクじゃ通じないのも無理はない・・・」

「それは私達が居ない場合の話でしょ?」

「うん?」

「さっき、あなたが自分で言ってたじゃない

もしかしたら、舞台少女なら

そんな相手に勝てるんじゃないかって」

「あ、あれは 」

「根拠がない?

 

あるじゃない

 

帝国の強大さをその身で味わったあなたが少しでもそんな風に思えた

私達が、思わせる事が出来た!

だから、今、あなたはこうしてここに居る

同じ舞台の上に立ってるじゃない!」

「!」

「夢物語?、上等よ!

それを舞台で、世界に実現させるのが

舞台少女!、そしてあなたはそのパートナー!

だから、ドルガモンが夢見た未来を

 

 

夢のままで終わらせたりしないで」

 

 

「・・・・・・・・・本当に、君は」

 

 

「へ?、きゃあああ~~~~~~!?」

 

 

苛烈なまでの情熱に心を射抜かれたドルガモンは体を傾け純那を鼻先まで滑らせると

 

 

勢い良く上へと放る。

 

 

「過ぎ去った時間に、掴め損ねた手に

 

止められなかった、抑えられなかった現実に」

 

 

直後、水色の幕が降り

その中で獣竜の体毛が紺から赤に。

 

 

「目を背けるのは!、今日限り!」

 

 

更には翼が一対増え、角まで生えていくのだが

一番の変化は・・・

 

 

「ドルガモン進化!、ドルグレモン・・・!

 

定まっちゃいないなら、好きにやらせて貰うさ!

 

うん」

 

 

最早、幕に収まりきらない巨躯。

 

「あああ~~~!?、あぅっ!

なぁ!!?、なななななな!!」

「純那ちゃーーーん、呼んだーーー?」

「よんでなーーーい!!」

 

超大型獣竜の額にある宝石・インターフェースの上に着地した純那はそこからでは全体が見えない程に大きくなったパートナーに戸惑うばかり。

 

〔《ムゲン 〕

「何処見てんだァ!?」

 

頭上を覆い隠す存在に砲身を向けた途端ローダーレオモンが赤い装甲に爪を叩き込んだ。

 

〔キャノン》〕

 

その攻撃を、体勢が崩れた事も意に介さず

マシーンは天に向かって砲撃。

 

「掴まってろジュンナ!」

「ええ!」

 

余波だけでも『明けの遠吠え』達を戦闘不能に追いやったソレを、ドルグレモンは巨体に似合わぬ曲技飛行で躱す。

 

「・・・・・・・・・」

「ケッ、あっちのニンゲンが狙われたワリに

落ち着いてんじゃねぇかァ」

「だって

ドルモンが、ドルグレモンが一緒ですから♪

それは私も同じでしょ?」

「アア?、知るかァんなこたァ」

「うふふっ!」

 

純那と同様にパートナーに騎乗するなな。

 

〔《アクセルアーム》〕

「お願い」

 

その直後

突き出された豪腕を前に輪と舞を交差させれば

 

「純那ちゃん」

〔フシュウッ!?〕

「任せて、なな」

 

翡翠弓から放たれたキラめく矢が飛来。

 

ニ刀の斬撃を受け、更に加速した一矢は

 

黄色と水色のマーブル模様な渦を纏い銀の装甲を

 

穿つ。

 

「オラァアアアアアア!!!」

 

漸く出来た損傷を狙い、それを更に広げるのは

超高速回転する削岩機【タテガミ】。

 

「《ムゲン》」

 

片腕がスクラップにされる最中、マシーンは再び砲身にエネルギーをチャージしていった。

 

 

「ナナァ!」「うん!」

 

 

すると、鉄球付きの尻尾により打ち出されたななが空中で大太刀と小太刀を振るい鈍く光る砲門に己のキラめきを刻みつける。

 

「ーーーーーー!!!」

 

遠目にはほんの僅かにしか見えない筈のソレを

正確に幾重にも射抜く純那。

 

「《ブラッディー!」

 

しかも、急降下しているドルグレモンの上で。

 

〔キャ、キャキャッノ、ォ?〕

「ばな、ナイス♪」「ケッ!」

 

 

なながマシーンの頭部を踏み台にしてジャンプし、ローダーレオモンが銀の腕をもぎ取りながら飛び退く。

 

 

「タワーーーーーー!!!》」

 

 

同時にマシーンは自身を遥かに越える超大型の尾に串刺しにされ、紫空へと捨てられた。

 

 

〔ン ンンンンンーーーーーー!!!》〕

 

 

だが、やはり

 

このデジモンは自分の状態などお構い無し。

 

いや、あるいは

 

理解した上でこんな暴挙に出たのかもしれない。

 

「なんだァありゃあァ!?」

「自爆?

ううん違う、アレは・・・」

「あいつ!、削除する寸前に自分のデータを丸ごとエネルギーに変換して

その全てを撃ち出したんだ!

くそっ!、くそぉ!、しくじったッ!!」

「しくじってなんてない」

「え・・・」

 

 

「失敗じゃない!、終わってなんてない!

私達はまだ舞台に立ってる!

そうでしょ!?、ドルグレモン!!!」

 

 

空間を構成するデータにヒビをいれながら

 

今まさに堕ちてこようとする

 

無限をも超越した破壊の奔流。

 

 

「本当に!、君って奴は!!

 

諦めるって事を知らないのか!!?」

 

 

そんな絶望の光景に向けて

 

自身のキラめきとソウルを幾つも束ね

 

星見純那が翡翠弓を引き絞れば

 

「ローダーレオモン!」

「ケッ、しょうがねぇなァ!」

「《メタルメテオッッッ!!》」

「《ボーリンストーム!》

オラァアアアアアアアアアアアア!!」

 

上昇限度まで飛翔するドルグレモン。

その口から放たれた巨躯の10倍はある鉄球がローダーレオモンが高速回転させたタテガミから発生した暴風に乗って

紫空から迫り来るエネルギーにぶつけられた。

 

 

「人には運命の星がある」

 

 

天に向かって舞台少女は束ねた矢を放つ

 

 

「綺羅星! 明星! 流れ星!」

 

 

放つ! 放つ! 放つ!

 

 

「己の星は見えずとも、見上げる私は今日限り」

 

 

ただひたむきに、積み重ねていく

 

 

「99期生!、星見純那!」

 

 

遥か高みにある星【スタァ】を目指して。

 

 

「掴んでみせます! 自分星!」

 

 

こうして生まれた水色のキラめきの数々は

暴風すらも味方につけて、鉄球を後押しし

 

 

遂には、破壊の奔流をも退けるのであった。

 

 

「・・・・・・・・・」

「うん?、ジュンナ!?」

 

だが、そこで張り詰めた弓の弦が切れたかのように

純那の体が崩れる。

 

「くそっ!、起きろジュンナァ!!」

 

パートナーの意識が途切れた事で強制的に解除される進化。

翼を無くしたドルモンが抱き締めながら彼女の名を叫べば

 

 

「大丈夫」

 

 

固い地面ではない、柔らかい何かに包まれた。

 

「2人共、お疲れ様」

「ケッ、ウマイ所だけ食いやがったなァ」

 

その正体はローダーレオモンの背に乗って

1人と1体を受け止めた大場なな。

 

「なんだよ・・・ッ、ボクの心配なんて必要なかったじゃないか」

「え?」「アア?」

「なんでもない!、こっちの話だよ、うん!

 

うん?」

 

自分に向けられる視線から目を背け、ドルモンが上を見上げれば

 

 

未だ消えない水色のキラめきが

 

 

川のように、雲のように流れる紫空から

 

 

一枚の欠片が落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

☆クラスター群島、水辺エリア

 

 

一方その頃、華恋はというと・・・

 

 

「あいたたた!、痛い!、いたーーい!!」

「ヴァアーーー!!!

ヒー!、とっちゃメーーーーーー!!

《ライトニングファーーーーーー!!!》」

「いたいいたいいたいいたいぃッ!

リュー君!、へるぷへるぷーーー!」

「生憎拙者は敵襲に備えねばならぬので・・・ひかり殿のパートナーの説得は華恋殿自身がして下され」

「えええーーーーーー!?

痛た!?、刺さってる!

トゲトゲいっぱい刺さってるからー!

ひかりちゃーーーん!、早く起きてー!」

「んん・・・すぅ・・・すぅ・・・」

「ヴゥーーーーーー!、メーーーーーー!」

 

 

思わぬ強敵と戦っていた!

 

 

 

 

 

 

 




※スイジンモン
はじまりの街でトレーニング場を担当していたアンドロモンがレイド帝国により削除され、デジタマを改造された存在。
ワー爺に戦い方を教えてくれていた。
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