99ADVENTURE   作:リカル

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麗将ロゼモンに良いように踊らされた天堂さんの精神テンションは今!、舞台版になっているッ!


クレシェモン怒りの日、パンダモンは止まらない

☆レギオン群島・雪原エリア

 

 

これは、まひるとガルムモンが黄色いマシーンと遭遇する少し前の出来事。

 

 

「テンドー!、おいテンドー!!

ワタクシの話を聞いているのデシテ!?」

「ええ、聞こえていますよレキスモン」

「なら、何故足を止めない!?

この悪天候の中これ以上進むのはどう考えても危険デシテ!

せめて、他の誰かと合流するまでは安全な場所を確保 」

 

 

「なら、あなたはそうして下さい

私は独りで先に行きますから」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

 

真矢の言葉にレキスモンは耳を疑った。

 

「い、いや待てテンドー テンドー?

本気でワタクシを置いていく気デシテ・・・?

お、おい!、おい!!」

 

矢継ぎ早の問い掛けに応える声はない。

 

「ーーーーーーッッッ!!!」

 

吹雪の中、遠ざかるトップスタァの背に兎獣人はグローブに包まれた拳を向ける。

 

 

「《ムーンナイト、ボム・・・!》」

 

 

そこから放たれた催眠作用のある泡は

 

 

「!?、ぅ、ぁ」

 

 

斬り捨てられた、技を放ったデジモンごと。

 

「・・・・・・・・・」

 

薄れゆく意識の中、ルナモンは見た。

倒れ伏した自分を一瞥すらしない天堂真矢を。

 

 

 

 

☆レギオン群島・荒野エリア

応急修理中デッカードラモン号、キッチン

 

 

「あんの高慢ちきがーーーーーー!!!」

 

 

熱したフライパンの上、念入りに砕かれた種や岩塩が踊り狂う。

 

 

「へし折られてしまえーーーーーー!!!

形だけは良い鼻っ柱はおろか!

無駄に均整のとれた骨格までも!

ベッキベッキになれデシテーーーーーー!」

 

 

目を血走られせながら複数の果物の果汁から造った液体を鍋で温め、削った皮を少しずつ素早く入念に混ぜ合わせる事で徐々にゼリー状に。

 

「ワタクシ何か間違った事を言ったか!?

いや!、間違ってない筈!、デシテ!!」

「え、ええ

間違ってはいないけど、あの天堂さんだから」

「真矢ちゃん・・・それにクロちゃんも・・・」

「ある意味ぶれないよなー、あいつら」

「ところで、何であの子目ぇ醒ました途端怒りながらお料理してはるん?

それも、冷蔵庫入れてたらすっかり酸っぱくなったり渋くなった果物で」

「そ、そこまではオジサンもわかんない☆」

「あれ?、ストラビモンの知り合いじゃなかったの?」

「知り合いっていうか、なんというか

気配が月光チャンに似てたし、ニンゲン臭染み付いてたからとりあえずお持ち帰りしたんだけど・・・」

 

真矢への不平不満の全てを食材にぶつけるルナモンをキッチンの入り口に集まった舞台少女達とデジモン達が遠巻きに見つめている。

 

「フーーーーーーッ

後は荒熱をとってから、器に移し

上にソースをかけて冷やせば完成デシテ」

「え?、あのソース!?

アレってレオルモンしか食べれないとっっっても辛い実から作ってたけど・・・」

「弱火でじっくり温めてから一気に強火にかければ辛味はある程度飛ぶのデシテ

それでも心配なら後がけにすればいいだけの事」

「うんうん、流石は

仕事そっちのけで酒盛りばかりの神々だね」

「ハッ!、頭の中までクロンデジゾイドの堅物共

その中でも特に融通の効かない事で有名な会議席の空白殿に誉められるとは光栄デシテ」

「ぶふぇっ!」

「笑うな青瓢箪!

うん?、というかやっぱり君記憶戻ってるな!

エアロブイドラモンに進化してからおかしいとは思ってたよ!、うん!」

「ナ、ナンノコトデスゥ?」

「ケッ、生まれ変わっても内輪揉めかァ・・・相変わらずくっだらねぇなァ」

「み、みんな!、過去の諍いは置いておいて!

今は同じ舞台少女のパートナーとして仲良くやっていこう!!」

「その舞台少女にワタクシ斬り捨てられたのデシテーーーーーー!!!

本当に何様だあいつーーーーーー!!!?」

「炎のー、やっと落ち着いたのに蒸し返すのはオジサン的にはやめて欲しかったなー」

「す、すまない!」

〔「皆の衆!、カレンさんとギンリュウモンが帰ってきたぞい!

しっかり舞台少女さんも一緒じゃあ!」〕

「お、華恋は無事に連れて来れたんだな」

〔「ぶ、無事と言っていいんかのぅ?」〕

「!、華恋ちゃんどこか怪我してるの!?」

〔「ケガ

た、確かにアレはケガと言えなくも・・・」〕

「ワー君、情報は正確に伝えて

あの子に関してはマヒルは特に敏感なんだ」

〔「も、申し訳ありません始祖様

しかし、その、こればかりは実際に見た方が早いかと・・・」〕

『?』

 

伝声管越しの歯切れの悪い報告に首を傾げながら6人と7体が甲板に上がると

 

 

「ひかりちゃーーーん!、そろそろ起きてー!

もうすぐ着くからーーー!」

「まだ・・・ねむ・・・ぃ・・・・・・・・・」

「ヴーーーーーー!」

 

 

「「華恋ちゃん!!?」」

「あの子ったら、なんでギンリュウモンのお腹にしがみついてるの!?

しかも、全身トゲまみれで!」

「アレはエリスモンの針毛?、まさかあのニンゲンと一戦交えたのデシテ?

いや、そんなアホ熊ではあるまいし・・・」

 

 

「華恋殿、皆待ちくたびれているで御座る」

「あ、ほんとだ! たぁっ!」

「・・・・・・・・・ぬぅっ」

 

宙に浮かぶ鎧竜から愛城華恋、飛び込み参上。

 

「華恋ちゃん!、その格好どうしたの!?」

「え、えっとひかりちゃんのパートナーの子

エーちゃんと色々あって・・・」

「とにかく、一旦お部屋に戻ろ?

衣装についたトゲ抜くの手伝うから」

「私よりも、ひかりちゃんを早くベッドで寝かせてあげないと!

何だか、すっごい疲れてて眠そうだから

天堂さん達もそうでしょ?」

「疲れた!?、眠そう!?

ふざけるなデシテーーーーーー!!

寝かしつけようとしたワタクシがどんな目にあったかも知らないでーーーーーー!!」

「わわわっ!?、何何なにぃ!?」

「あー、ごめんねカレンチャン・・・

今この子その話題になるとヒスっちゃう 」

 

 

「ヴーーー!!!、ヴァアーーー!!!

ヒー!、とっちゃメーーーーーー!!!」

「あいたたたたたたぁ!?」

「香子ッ!

いってぇ!?、あたしにまで刺さったぁ!」

「カオルコ!、フタバ!

君!、やめるんだ!!

2人は敵じゃない!、味方だ!」

「ヴゥウウウーーーーーー!」

 

 

「って!、何が起きた炎の!?」

「ああーーーーー」

「マヒル!?

・・・・・・・・・あ、そういう事かぁオジサン納得

じゃない!、早く止めるないと!」

「!、そうだね!」

「エリスモン、何故デシテ?

奴やクロディーヌにはこんな事は・・・」

 

パートナーに近づく人間に針毛を飛ばし激しく威嚇するエリスモンにルナモンは違和感を覚えていたが

 

「んん・・・・・・・・・すぅ・・・・・・・・・」

「兎に角、貴様はいい加減起きるのデシテ!

《ティアーシュート!》」

「わぷ!?」

「「「ひかりちゃーーーんッ!?」」」

「ヒーーーーーー!!」

 

とりあえず、八つ当たりも兼ねてひかりの顔面に水球をぶちかました。

 

「?、??、ここ、どこ?」

「ヒー!、ヒー!

だいじょぶー?、だいじょぶー?」

「・・・・・・・・・大丈夫じゃない、エリスモンの爪とか針が刺さって凄く痛い」

「ヴゥーーー!、ヴゥーーー!」

「エリスモン?、どうしたの?」

「目は醒めたようデシテ」

「ルナモン?、天堂さんは?、一緒だったんじゃなかったの?」

「あ"?」

「ハイハイ☆、オジサン横入りしますよっと」

「誰?」

「私のパートナーだよ

久しぶり、ひかりちゃん」

「!?、まひる!」

「ヴゥウウウーーーーーー!」

「ッ

エリスモン、本当にどうしたの・・・?」

 

青い上掛けに爪をメリ込ませ針毛を大きく逆立てるエリスモン。

 

「理由はわかんないけどそのハリネズミは他のニンゲンが近づくのが嫌みたいだね、うん」

「なら、落ち着くまで神楽さんと個室に居て貰うしかないわ

幸い、部屋はまだ空きがあるし」

「うん、なのに君ら一つの部屋を2人で使ってるけど?」

「寮と同じにしてるだけよ、大体それを言うならあなた達なんて部屋自体を使ってないじゃない

いつも好き勝手通路や甲板に寝転がって・・・

ドルモンなんて毎日お爺さんの部屋に入り浸ってばっかり 」

「ヒカリだっけ?、ボクが部屋まで案内するよ!

うん!!」

「え?、ええ、お願い」

「ううっ、ひかりちゃーん・・・!」

「華恋、ごめん

後で 」

「ヴゥウウウウウウーーーーーー!!!」

「ワォッ、特にカレンチャンへの敵愾心が洒落にならないカンジ☆

まさかとは思うけどさぁ、マヒルはあそこまでだったって事はないよね?」

「それは、その、ノーコメントで・・・」

 

純那の提案により、ひかりはエリスモンにしがみつかれたまま艦内へ。

 

「ふぇええええええんっ!

こっち来ないでデスぅうううううう!!」

「この青瓢箪!、さっきはよくもうち見捨てて自分だけ逃げはってからにぃいいい!!」

「フレイモン、あたしのはほどほどでいいから

早く香子に刺さったの燃やしてやってくれ」

「あのー、出来れば華恋ちゃんもお願いしたいなーって」

「わかっているさナナ!

だが、これだけ細かいと衣装を燃やさずに焼き尽くすのは少々時間がかかる!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ケッ、いつまでそのまんまで居る気だァ

トカゲ野郎」

「拙者が何をしていようが御主には関係ないで御座るよ、猫」

「アア、関係ねぇなァー

テメェがそうやって籠ってる間にオレサマは完全体になってんだからなァー」

「なぬうん!?」

「まァー、今のテメェじゃいつまで経ってもなれねぇだろうがなァー」

「何故だ!?、拙者こそ!

この内で最も真剣にデジタルワールドが救われる事を願っているというのに!!」

「それ以外考えてねぇからァ

いやァ、それを理由にテメェが見なくちゃいけねぇモンから目ぇ反らしてるからだろうがァ・・・」

「!」

「ケッ、こんなクセェ説教するなんざァ

オレサマも絆されたモンだなァ」

 

 

「・・・・・・・・・テンドー」

 

 

様々な感情が交錯し混沌とする甲板の上でルナモンは想う

 

 

「(ワタクシを置いて行った事を!

 

 

絶っ対に後悔させてやるのデシテ!!!)」

 

 

みんなが美味しそうにスイーツを食べる前でお預けをくらうパートナーの顔を!。

 

この妄想を実現する為、今の自分が出せる最高の一品を仕上げるべくキッチンに向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

☆レギオン群島・廃墟エリア

 

 

〔フシューーーゥ〕

「く・・・っ」

 

 

迷彩柄の重装甲にOdette the Marvericksの切っ先を這わせた途端、腕を鈍い痺れが襲う。

 

〔《ライジング〕

「!」

〔サン》〕

 

直後、尾を思わせる形で後部から伸びるプラグが激しく放電。

その威力は廃墟全体を目映く照らす程だった。

 

 

バ ヂ ィ ッ !

 

 

だが、トップスタァのキラめきには敵わない。

 

「どうやら、常に全身が電流に覆われているようですね

そうとわかった以上は」

〔フシューーーゥ、シュッ!〕

「その上で演じるまでの事」

 

プラグを断ち斬り、頭部に降り立った真矢目掛け迷彩柄のマシーンが左手のアームを振り回せば洗練されたステップで躱された挙げ句

 

 

ソウルを纏った白刃が鋭く突き立てられる。

 

 

まるで事前に打ち合わせをしたかのように。 

 

 

天堂真矢はこの世界の最終進化形態を相手に即興の独擅場を悠々と演じていた。

 

「「追い付いた!、わよ/ジャン!!」」

 

そこに飛び入りで加わるは

彼女を越えんと挑戦し続ける次席

を、越えんと邁進する大熊。

 

「西条さん、グリズモン

アドバイスは必要ですか?」

〔フシューーーゥ〕

「「いるわけない」」

「でしょ!?」「ジャン!」

 

半ばから断ち斬られたプラグからの放電にもクロディーヌとグリズモンは怯まず突っ込んでいく。

 

「ってか!、ルナモンどうしたジャン!?

迷子か!?」

「ええ、困った事にはぐれてしまって・・・」

「そっか!、テンドーも大変ジャン!

ウチもクロ公が迷子にならないようにしないとな!」

「ふふっ、お互いパートナーには苦労しますね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうしたクロ公?、変な顔して

あ!、わかったジャン!、うん 」

「Ferme-la!!!」

〔フシュ!?〕

「西條さん、やはり最低限の教養は身につけさせた方が良いのでは・・・?」

「あんたの意見に従うのは癪だけどッ

そうした方が良さそうね!

でも!、まずはこいつを片付けてから!」

〔フシュシュゥ!!〕

 

鮮烈なオレンジのソウルを立ち昇らせるEtincelle de Fierteが豪快に振るわれマシーンの脚部が強引に斬り裂かれた。

 

「!、キタキター!

《当身返しぃいいい!!!》」

 

バランスを崩し、倒れ込んでくる重装甲要塞の真下に大熊がその体躯を滑らせると

 

中枢部分に熊爪を走らせながら投げ飛ばす。

 

〔フシュ、シューーー・・・ゥ〕

「しゃあっ!!

見たかクロ公!、今日こそウチの勝 」

 

 

〔《キルリアン・ブラント》〕

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ち?」

「「!!!」」

 

勝ち誇るグリズモンの体を撃ち抜いたのは

マシーンの右手部分にある銃身から放出された

破壊の雷電。

 

「ーーーーーーッッッ、グリズモン!!!」

「ん?、どうしたクロ公?」

「!?

どうした、って・・・あなた・・・!」

「なんだよー、さっきより変な顔して

ってか、なんでウチ動けないジャン?」

「!、!」

 

クロディーヌは何も言えない。

 

何故なら、目の前で倒れ伏すパートナーの

 

 

右半分は完全に消滅しているのだから。

 

 

「しかも

なんかさ、すっげぇねみぃ、ジャ・・・ン

あ、でも

もう、いっか      ウチ勝てたし♪」

 

 

 

冗談じゃないわ」

 

 

「西條さん?、ぐぅっ!?」

 

 

その瞬間を天堂真矢は見た。

 

 

誰よりもよく知る彼女が神機が宿る腕を、拳を

 

 

大胆に振りかざし

 

 

「私は    負けてないッッッ!!!!」

 

 

「ん?    ぐええええええ!!!?」

 

 

オレンジに輝くソウルを、誇り高きキラめきを

 

 

熱く、激しく燃え上がらせ

 

 

消滅寸前のパートナーに全力で叩き込む姿を。

 

 

「勝手に付きまとって

 

勝手に勝った気にならないでよ

 

 

Nounours」

 

 

 

やりやがったジャン!、コンチクショー!」

 

 

吹き飛ばされた大熊は好戦的な笑みを浮かべ

 

 

データが丸出しな自分の体に熊爪を突っ込み

 

 

体内に宿る橙色の粒子を周囲にぶちまける。

 

 

「大チャンス到来!

 

キタ!、キタ!、キターーーーーー!」

 

 

0と1の穴だらけな幕の下で半分欠けた大熊の体が圧縮されていった。

 

 

「この爪で!、この拳で!、絶対の絶対に!

 

絶対絶対絶対!、勝ってみせるジャン!!」

 

 

更には毛並みが白と黒のツートンカラーに変化。

だからこそ、首に巻かれた真っ赤なマフラーがよく映える。

 

 

「グリズモン進化!、パンダモン!!

 

テッペンまで上がんのは!、ウチ!

 

ジャッ!、ジャーーーン!!

 

・・・・・・・・・って!

 

クロ公お前!、寝込み襲うとはヒキョージャン!

やるんならやるって言えよ!、迎え撃つから!

ん?、何だよ泣いてんのか?

腹でも壊したジャン?、やっぱうん 」

「その話いつまで引っ張るつもりなの!?」

「いってぇー!?、だからやるんならやるって言えって言ってるジャンか!」

 

 

「ふふっ♪、すっかり入り込まれてしまいましたね西條さん

 

最も

 

それは、私も同じなんですが

 

 

ねぇ、ルナモン?」

 

 

 

 

 

 

 

☆レギオン群島・雪原エリア改め草原エリア

走行中デッカードラモン号、見張り台

 

 

「あ・ん・の・ぉーーーーーー!

 

ニ・ン・ゲ・ン・は・ぁーーーーーー!

 

ど・ん・だ・け・ぇーーーーーー!?

 

高慢ちき!!、デシテーーーーーー!!?」

 

 

バキバキバキバキバキバキバキバキ!!!!

 

 

「おおいっ!!?、壊すなよ月光!!!」

 

甲板から発せられるドルモンの怒声も今のルナモンの耳にはまったく入ってこない。

半壊した望遠鏡を握る手にはドス黒い闇のオーラが放たれ、血走った目の瞳孔はかっ開いており種族的な愛らしいは皆無だった。

 

 

そんなウサギの頭上から舞い降りるのは

 

 

天堂真矢のソウルとキラめきで構成された幕。

 

 

『はぁああああああ!!??』

「うっそだろぉおおおっ!?、神機の射程圏越えてんのになんであそこから届いてんのぉ!?」

「それは、天堂さんだから、かな?」

「・・・・・・・・・なにそれオジサンこわい」

 

 

「空を刻む 鋭利な欠落ッ

 

見える星はどんなに遠くとも

 

輝きは、光は、確かに届いている・・・!」

 

 

白にルナモンから零れる白が重なり

その下でレキスモンに、いやもっと上へと至る。

 

 

「レキスモン進化、クレシェモン

 

今宵の月に!、ワタクシに!

 

歯止めはないと知れ!、デシテッ!

 

《ダークアーチェリー!!!》」

 

 

幕を貫くのは今の心情を表したかのような闇の矢

それを放つのは、グローブから変化した新たな武器を組み合わせる事で構成されたボウガンのようなモノだ。

 

「!?、あの子この距離から正確に狙ってる!

 

 

あんなに激しく動き回ってる天堂さんを!!

 

 

でも、彼女はそれすらも自分のキラめきへと昇華しているわ!

流石は99期生首席!、私も負けてはいられない!」

「・・・・・・・・・何故だろう、今なら

あのいけすかない神ともわかり合える気がするよ

うん、うんっ」

「それはよかった!」

「フレイモン、今の喜ぶ所じゃねーから」

 

興奮した様子で双眼鏡を覗いているパートナーとは裏腹にドルモンのテンションは低い。

 

「キィーーーーーーッ!

見せつけてくれる、デシテーーーーーー!」

「ひゃああああああん!!?

ちょぉっ!、今めっちゃ揺れたぁ!」

「デッカードラモン号が壊れたらどうするつもりデスぅうううううう!!

これだから自分勝手でお高く止まった奴はイヤなんイヒャイイヒャイイヒャイ!!?

ヒャオルヒョヒャヒャイエフゥ!!」

「ってかァ、見えてねぇだろうがァ・・・」

「うふふ、見えなくてもわかるんじゃないかな?

だって、真矢ちゃんのパートナーですから♪」 

「すごい!、すごいねクレシェモン!

力強いのに綺麗でしなやかなジャンプした後!

自分でバンってやった矢をバッって掴んで!

びゅーーーんって飛んでっちゃったよー!?

まるでひかりちゃんみたい!」

「ちがー!、ヒーもっとすごいー!」

「ありがとう、エリスモン

・・・・・・・・・でも、痛いッ」

「(何故だ!?、何故!

あんな、世界の事などまるで考えていないモンばかりが完全体になれて!

 

 

拙者はなれない!?)」

 

 

混迷する甲板を後にして草原エリアを突っ切る月光の魔人クレシェモン。

 

「テンドーーー!、き・さ・まーーー!

《ルナティック!、ダンス!》」

「ふふ、待っていましたよ クレシェモン」

 

頂きにキラめく星の元へ到達するや否や、両手の武器ノワ・ルーナを用いた幻惑の舞踏を披露すれば

 

 

天堂真矢はその不規則なステップに

 

 

完璧に合わせて、魅せる。

 

 

〔フシューーーゥ〕

「ワタクシを!、斬り捨てておいて!

よくもまぁヌケヌケと!、デシテ!」

〔フシュ?、シュシュ?〕

「それについては大変申し訳ありません

しかし、あのような雪の中で眠るのは遠慮したかったので

つい・・・」

〔フシュゥ!?〕

 

マシーンを中心にした円を描くかのような動き。

月と星が交錯する度、より激しくより華麗に

レイピアが鎌が盾が火花を散らす

 

迷彩柄の装甲の上で。

 

「2人だけで盛り上がらないでよね!!」

「《笹パァァァンチ!!》」

〔フシューーーゥ!!〕

 

すると、惑うマシーンの頭上からクロディーヌとパンダモンが襲いかかってきた。

 

「!、アホ熊!?

貴様、その姿は一体・・・!」

「何驚いてんジャン?、進化したのはお前だって同じジャン!」

「いや、そうではなく!

何故パンダモンになってるのデシテ!?

確か貴様の完全体はグラップラー 」

「だってウチ笹好きだし!」

「そんな理屈ーーーーーーッ!?」

「「!」」

 

クレシェモンは激情のままに矢を放ち

Odette the Marvericksには闇を

Etincelle de Fierteには氷を各々の刃に宿す。

 

「ワタクシはもう疲れた!

後は貴様らが勝手にやれ!、デシテッ」

「クレシェモン!、ウチもアレやるジャン!

テンドーとクロ公ばっかズッリィジャン!」

「あ"あ"あ"ーーーーーー!!!!!!」

「うおおおおおお!!?」

 

そして、パンダモンは丸めてシュート!。

 

〔《キルリアン・ブラント》〕

 

「それはもう」

 

再び放出された破壊の雷電を凍てつく闘気で冷静に受け流し

 

 

「通さないッッッ!!!」

 

 

内に秘めていた熱烈な刃で真っ二つに断てば

 

 

「《アニマルネイル!、回転つき!》

ジャジャジャジャーン!」

 

ツートンカラーの球体が豪快に突っ込み剥き出した爪で銃身を切り裂いた。

 

〔フ、シューーーゥッ〕

「・・・・・・・・・」

 

損傷し更に激しくスパークするマシーンの前で

 

極限まで姿勢を低くし、パートナーの闇を用い

 

自身のキラめきを更に引き立たせ

 

切っ先に収束させる聖翔音楽学園99期生首席。

 

 

〔《ライジング・・・サン・・・!!!》〕

 

 

すると、彼女の足元で序盤に切り捨てられたプラグが跳ね

 

 

あの電光が放たれる。

 

 

「      はぁっ!!     」

 

 

それよりも速く、目映く

 

突き出されたOdette the Marvericksは

 

迷彩柄の重装甲要塞

 

どころか

 

背後の廃墟すらも削り取った。

 

「疲れたのではなかったのですか?」

「何の話デシテ?」

「さぁ、何の話かしらね?」

「え?、クレシェモンの矢があのピロピロブチ抜いただけジャン?

他に何かあんのか?」

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「あ!、何かキラキラ落ちてるジャン!

誰が取るか早いモン勝ちジャン!」

「やめろアホ熊!

こいつらの前でそういう事言うなデシテ!

そして貴様らも貴様らでムキになるなーーー!

ソウル消耗してるんだから大人しくしていろデシテーーー!」

 

戦闘が終わり進化を解いた後も何だかんだ騒がしい2人と2体だったとさ。

 

 

 

 

 

 

☆レギオン群島・廃墟エリア

移動中デッカードラモン号、機関部

 

「「「「ウオオオオオオンッ!」」」」

「気張れお前達!、ぐぅうっ!」

「傷ヤッベ!、ヤッベェぐらいいってぇけど!

俺ら、こんぐらいしか役に立てねぇモンなガルル!」

「ああ!、そうだグルル!」

「おいらも、頑張るんだなー!」

「すまない、みんな・・・」

「リーダーは休んでいて下さい!!

自分だけでは!、こいつら率いて長の世話までするのは無理なんですから!」

〔「皆の衆!、一旦休憩じゃ!」〕

「「「「!、わふぅ~~~・・・」」」」 

 

伝声官越しの指令が耳に入るや否や手負いの獣達がタービンの上に崩れ落ちる。

 

「・・・・・・・・・ッ」

「こんなとこで何やってんだァ?」

「あの子達、まだ怪我が治りきってないのに

どうして、あんなに

私達の為に頑張ってくれるんだろ?」

「別にテメェらの為だけじゃねぇなァ

あいつらはあいつらで自分の為に体張ってんだァ

だから、間違っても代わるとか言うんじゃねぇ」

「うん、わかった・・・

いつもありがとね、レオルモン・・・」

「ケッ!」

 

レオルモンと共に機関部を後にするなな。

 

「あ!、また強そうな奴出てきたジャン!」

「ええ?」「アアン?」

「ごめんなさい、なな

この子、頭が悪いの」

「それも常軌を逸してデシテ」

「そ、そうなんだ・・・」

 

デッカードラモン号を降りた彼女達を待っていたのはベアモンの洗礼。

 

「これでやっと99期生が全員揃ったね!」

「いやぁ、オジサンもやっと肩の荷が降りた

カンジィ☆」

「それは気が早過ぎるな!、光の!」

「フレイモン殿の言う通りで御座る!

拙者らの使命はデジタルワールドを救う事!

ニンゲンを集めるのはあくまでも通過点に過ぎませぬ!」

「その為にも頭数必要なんだって事ぐらい少し考えればわかるだろ?、デス」

「そう思うんなら、もっと大きな声出したらどうどす?」

「ところで、天堂とクロ子もロボ倒したんだろ?

ならさ、コレ持ってないか?」

「ええ、先程回収した所です

私が」

「この3枚と

天堂さんが持っている分を合わせれば・・・」

「うん、やっぱりピッタリだ」

『!』

 

舞台少女達が今まで集めた欠片を繋ぐと

ソレは一枚のカードキーに変化した。

 

「わぁあああ!、すごいねひかりちゃん!」

「うん

あれ?、エリスモン?」

「みせてー!、みせてー!」

「え?、いいけど」

 

すると、あれだけ頑なにひかりに引っ付いていたエリスモンが純那の元へ。

 

「・・・・・・・・・《ケンザンダイブ!!》」

「うああああ!!?」

「純那ちゃんッ!」

「お前!、何を!?」

「エリスモン!?」

「ヴゥーーーーーー!

《ライトニングファー!》」

 

すると、彼女から強引にカードキーを奪い

舞台少女やパートナー達に向け針毛を飛ばしまくる。

 

「いたた!?、いたたたたた!!」

「華恋ッ!

エリスモン!、やめて!」

「やー!、こいつらヒーとるー!

エー、スタァライトきらいーーー!」

「「!!!」」

「ぬ・・・」

「ヴゥウーーーーーー!!」

 

思わぬ言葉に華恋とひかり

 

リュウダモンが動けなくなった。

 

その隙にエリスモンはカードキーを毛の中に隠し何処へと走り去る

 

 

足元にいつくかの種をバラ蒔いて。

 

 

「!、構えろテンドー!!」

「わかっています!!」

 

直後、棘の津波が9人と8体を飲み込まんと殺到してきた。

 

「《リヒト・ナーゲル》」

「《ベビーサラマンダー!!》」

「ひぇええっ」

「た、助かったデスぅ・・・」

「ありがとな、相棒」

「ストラビモンも あっ、ひかりちゃん!」

 

 

「(エリスモン!、どうして・・・!?)」

 

 

光と炎が切り開いた道を突っ切る青の舞台少女。

廃墟の壁面に短剣を投擲しワイヤーで移動する。

それを何度も繰り返す内に、パートナーと

 

 

麗将・ロゼモンの姿が見えてきた。

 

 

「これー!、もってきたー!」

「うふふっ、良い子ねぇ」

「ねー、これでもー

エー、ヒー、ずーっといっしょー?」

「ええ、勿論 た・だ・し♪」

「ウー?、ヴェエー!?」

「エリスモン!!」

 

黒のヒールに蹴り飛ばされたエリスモンを

辛うじて受け止めるひかり。

 

「不穏分子として一緒に削除して差し上げますわ

全てはレイド帝国の為に」

「あなた!、エリスモンに何をしたの!?」

「あらあら、流石の演技力ね神楽ひかりさん

 

 

本当はその子の事もこの世界の事も興味はない

 

 

華恋と一刻も早くスタァライトしたいのに」

 

 

「!?

だから、この子は華恋をあんなに攻撃して

スタァライトがきらいって言ってたの?」

「ウー・・・ヒー、エー、いっしょー・・・

かえっちゃー、やー・・・!」

「ーーーーーーッ、く!!」

「うふふ♪

あたくし何か間違った事を言ったかしら?」

 

投げ放たれたBlossomBrightをロゼモンは軽々躱しカードキーを見せびらかしながら宙へと舞い上がる。

 

「天界へのアクセスコード

これが無ければあなた達が中枢へ行くのは不可能

 

 

そして」

 

 

『オオオオオオオオオオオオオオ・・・!!』

 

 

「な!?」

 

すると、廃墟の各所からレイド帝国の大軍勢が現れその全てがデッカードラモン号の方へ。

 

「麗将の名の元にこのレギオン群島に配備されたデジモンを総動員させましたわ

セキュリティの核たるガーディアンは倒せても

これだけの数を御相手出来まして?」

「また、あなたの脚本通りにッ

私達は!、踊らされて!」

「後悔する暇あんならとっとと動きなバカタレ」

「え?」

「ん"、んんっ!

これは最後通牒でしてよ

今から、そうですわねぇ・・・

一時間半後にあの艦に総攻撃を仕掛けます

それまでに降伏しレイド帝国にその身を委ねるか

 

 

あるいは無謀にも抗って、全てを失うか」

 

 

「・・・・・・・・・!!」

 

 

「うふふふ♪、どちらでも好きな方を選びなさいな

 

舞台少女達よ」

 

 

「待って!、待ちなさい!!」

「ゥー・・・ヒー・・・」

「!、エリスモン・・・

 

ごめんね

 

それでも、私は華恋との運命が」

 

 

 

 

☆??????

 

 

「はてさて

 

もう1匹

 

お膳立てが必要な小童がいるみたいだねぇ

 

まったく!、どいつもこいつも世話が焼けるったらありゃしない!

 

・・・・・・・・・まぁ、あんたに比べりゃあ可愛いモンさ

 

カッカッカッ!」

 

 

 

 

 




※ライデンモン
はじまりの街で医院を担当していたアンドロモンがレイド帝国により削除され、デジタマを改造された存在。
ワー爺に治療の仕方や薬草について教えてくれていた。

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