回想劇『そのハリネズミにジレンマなどなく』
エーがヒーとグルグルにとびこんだあと
「ウーーー・・・、ウー?、ヒー?
ヒー!、どこー!?、ヒーーー!!」
めをさましたエーはヒーをさがしました。
「ヒー!、ヒー!、ヒーーーーーー!!
ヴゥーーーーーー!、ヴーーーーーー!」
なきながら、なんどなまえをよんでもヒーのこえはきこえません。
それでも、エーはガンバりました。
めになみだをイッパイためて、てとあしをバタバタさせて
そして、やっとみつけました。
「!?、ヴゥウーーーーーー!!
ヴァーーーーーー!!」
「あらあら、うふふ♪」
「・・・・・・・・・んぅ」
でも、ねてるヒーのそばには
あのイヤなヤツがいたのです。
「ヒー!、いじめちゃー!、メーーーーーー!
《ケンザンダイブーーー!!》」
「いじめてなんていませんわ
少しの間、休んで貰っただけでしてよ
あなたと2人っきりでお喋りがしたかったから」
「ヴェエーーーーーー!?
ヴァーーーーーー!、はなせはなせー!」
イヤなヤツからヒーをまもろうとしたエーをトゲトゲがガッチリしました。
「ヴゥウーーーーーー!!、ヴーーーーーー!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ウー?」
エーがトゲトゲからでようとガンバっているとなんだかあまくてイイニオイがしてきます。
「うふふ、良い子ねぇ」
「エー、いいこー?」
「そうよ、あなたはとっても良い子なの」
エーはあたまがポワポワしてきて
イヤなヤツがイイヤツにかわりました。
「だから御褒美にとっても良いモノを見せて
ア・ゲ・ル♪」
「ぅ」
「!、め、メー!
ヒー、いじめちゃー、メー・・・!」
「あらあら、魅了されても尚この子の事をこんなに想えるなんて
羨ましいねぇ」
「ヴー、ヴゥーーー!《ライトニング 」
でも、ねてるヒーにちかづくのをみて
やっぱりイヤなヤツだとわかったエーはフワフワしながらツンツンになろうとしました。
「だからこそ、存分に御覧なさいな」
イヤなヤツのてがヒーのてを
そこにあるスゴいのをギュッとしたら
「あなたのパートナーが望む『舞台』を」
「!?」
エーはみました、みてしまいました
『舞台少女・神楽ひかり』を、ぜんぶ。
「あ、ああああああーーーーーー!
やー!、やー!
ヒー、いっちゃー!、やーーーーーー!!」
ヒーのゆめ、ヒーのやくそく、ヒーのうんめい
スタァライト。
「ヴァーーーーーー!!
ヴゥーーーーーー!!、やーーーーーー!!
やー!、やー・・・ヒー・・・ヒーーー・・・!」
「あらあら、可哀想に
あなたにはあの子しかいないのに
あの子にはあなたはいらないなんて、ね?」
「ウウーーー!、ヴゥウーーー!」
「でも、大丈夫よ
だって、このデジタルワールドには
スタァライトなんてないのだから」
「ウゥー・・・ウウー?」
「だから、ここにさえ居れば
あなたは大好きなヒーとずっと一緒よ」
「ヒー、いっしょー?」
「そうよ
でも、もし
あのニンゲンが現れたら・・・
取られてしまうかもしれないわねぇ」
「!!、ヴゥウーーーーーー!!!」
ヒーのなかでいちばんキラキラしてたニンゲン。
そのかおをおもいだすだけでエーはおなかが
ドロドロしました。
「・・・・・・・・・流石は星罪の舞台少女
純粋で無垢な魂がこんなにも穢れるなんて
おっどろいたー」
「ウー?」
「ん"、んんっ!
ねぇ、あたくしのお願いを聞いて下さる?
あなたがヒーと一緒に居る為に」
「わかったー!、エー!、がんばるー!」
エーはガンバります。
これからもずっと、ずっとヒーといたいから。
エーはヒーをはなしません。
たとえ、エーのハリがヒーにささっても
だって、エーにはヒーしかいないのだから。
☆レギオン群島・廃墟エリア
停泊中デッカードラモン号、中央通路
レイド帝国による総攻撃まで残り45分
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「ウーーー!、ウーーー!」
「エリスモン・・・」
舞台少女、そのパートナーデジモン
更には『明けの遠吠え』達まで集まった中央通路は重苦しい空気に包まれていた。
「あのさぁ月光 」
「言うな隠士、これは間違いなくワタクシの失態デシテ
貴様のパートナーにも悪い事をした」
「わかってるならいいよ、うん・・・
ジュンナ、手の具合は?」
「大丈夫、しっかり治療して貰ったし
この世界だと私達怪我の治りが早いから
制限時間までには弓を扱えるまでにはなる筈よ」
「純那ちゃん、無理しないで」
「ケッ!、そうも言ってらんねぇなァ」
「猫の言う通りで御座る!、拙者達はこれ以上無い程の窮地に立たされてしまった!!
御主のせいでな!!」
「ヴゥー・・・」
「リュ、リュー君!、そんな怒っちゃダメ!」
ひかりを筆頭に泣きじゃくるエリスモンを宥めどうにか話を聞き出したはいいが状況は何も変わらない。
いや、それどころか。
「何故庇い立てる!?、こやつが下らぬ口車に乗ったばかりに 」
「くだらなくなんてないよ!!!」
「ぬ!?」
「くだらなくなんて!、ない!
ひかりちゃんと離れたくないって気持ち!
私知ってるッ、よくわかる!
だから、そんな風に言わないで・・・!」
「結局それかッ」
「え?」
「ハイハイ☆、ちょーっと失礼☆」
「「!」」
「2人共そんだけ元気ありあまってんならさ☆
ちょっくらオジサンとパトロールしない?、こんな回りくどい事する奴が約束通りに攻めて来るとは限らないっしょ☆」
「そ、それは、言わんとする事はわかるが」
「ホラホラ☆、駆け足駆け足☆」
「ちょ、ちょっとちょっとぉ!
お、押さないで~~~!!」
一触即発の空気に陥った華恋とリュウダモンをストラビモンが強引に連れ出し、中央通路に再び静寂が満ちる。
「ヴーーーーーー、ヴゥーーーーーー!」
「ッ」
「だ、大丈夫?、ひかりちゃん」
「うん、まだ我慢出来る
星見さん、みんなも、ごめんなさい・・・」
「神楽さんが謝る事じゃないわ、悪いのはこの子の心につけこんだ麗将・ロゼモンでしょ?」
「でも、華恋のパートナーが言ってた通り
こんな事になったのはエリスモンの
私のせい、だから
私がもっと早くこの子と話してさえいれば」
「それはしょうがないんじゃない?
だって、元々住む世界が違うんだから
いずれ帰るのは当たり前でしょ?」
「え!、そうだったジャン!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今難しい話してるから終わるまで冷蔵庫のおやつ食べて待ってろデシテ」
「おやつ!、やっりぃ♪」
「では、行きましょうかベアモン」
「おう!、行くジャン!、テンドー!」
「
フーーーッ、ハーーーッ、ふぅううう・・・!
さて、あのアホは兎も角としてエリスモンが知らない上にこんな事をしたのは無理はないのデシテ
レイド帝国の侵略の影響かはじまりの街が機能を喪失してからのデジモンはデジタマから還った直後に見たモンを親と認識し
そこから生きる術を学ぶ事が多いのだから」
「インプリンティング、刷り込みね
あ、ドルモンがワーお爺さんにベッタリなのもそれが理由?」
「いや、それは単にそいつがボッチなだけデぶふぇっ!?」
「今ボクの話は関係ないよね!?、うん!
大体それはどっちかって言ったらこいつらだ!
昔はとーちゃんとーちゃん言ってワー爺の後ろをゾロゾロついて回ってさぁ!」
「んで、ドドモンそれを遠くから見てたっけ?
なぁ!、ガルル?」
「ああ、良く覚えているぞグルル」
「なのに、誘っても全然来なかったんだなー」
「仕方ないさ、そういう年頃だったのだろう」
「でも、今は長だけでなく
ジュンナさんも居てくれて良かったなドルモン」
「ちっくしょう!、薮蛇だったぁあああ!」
「後、今のデジタルワールドは神機無しでは進化するには多大な時間を要する筈なのにこいつはヒカリと出会って数日足らずで成長期にまで至っている」
「契約前にも関わらず!、そこまで影響を与えるなんて凄いな!」
「でもさ、それってつまり心は赤ん坊のまま体だけデカくなったって事だろ?」
「どおりで、なんやブイはんよりお子ちゃまやなぁって思いましたわ」
「今の話ブイ関係あったデスぅううう!?」
「士武大陸で貴様らの話を聞いた時点でワタクシがもっとフォローすべきだったのデシテ・・・」
「そうは言っても、あなた
天堂真矢とあの子の相手で手一杯だったじゃない
それに甘えていた私も同罪よ
だからこそ、舞台の借りは舞台で返すわ
そうでしょ?、ひかり」
「ええ、西條さんの言う通り
幕はまだ開いている
この世界での私達の物語、こんな形で終わらせたくないから」
「ヒー・・・」
「皆の衆、あの大軍勢にも全く怯んでおらんのぅ
ワシなんて、もぅ、腰がガクガクでッ」
「うん、それはただの持病だね」
「あはははっ、あれ?、ばななちゃん?」
「・・・・・・・・・」
「トカゲ野郎が気になんのかァ?
ケッ!、テメェも随分と絆されモンだなァ」
「うふふっ、そうだね♪
レオルモン達のお陰で今ならわかるの
あの子の、リュウダモンの気持ちが・・・」
「ア"アン?」
「まひるちゃんが捕まってたキテンの街
ううん、ウラル大陸全体が表立ってレイド帝国と戦う事を避けてたのにあの子だけは独りでも声を上げて抗おうとしてた
それは、きっと
すごく寂しくて、心細かったんだと思う・・・
だから、華恋ちゃんと出会って受け入れて貰えて
やっと、自分の居場所が出来て
嬉しかったんじゃないかな?」
「なのに、当の華恋ときたら
神楽さんとスタァライトの事ばかりで
ちゃんと真面目にやる気があるのかって考えたら
イライラしちゃうわよね・・・」
「うん?、ジュンナ?」
「ほんま、人の事引っ掻き回す天才やわぁ」
「だな」
「フタバ!?」
「引っ掻き回してるのはカオルコだってイヒャイイヒャイイヒャイ!!?」
華恋の話題で盛り上がる舞台少女達。
「ヴーーー!!」
「エリスモン・・・」
それだけでもエリスモンは針毛を逆立てて唸り声を上げるのであった。
☆レギオン群島・廃墟エリア
停泊中デッカードラモン号、甲板
レイド帝国による総攻撃まで残り30分
「うんめ!、うんめぇジャン!」
「ええ
ゼリー自体の持つ柑橘類を彷彿とさせる風味を、上にかかったソースの塩気と辛味が絶妙に引き立て、なおかつ中に散りばめられた種の食感と渋味が素晴らしいアクセントになっています、砂糖を使わず他の味を巧みに扱う事で甘さを引き立てる手腕
今度は是非バウムクーヘンに挑戦して欲しい所
いや、それよりもそろそろ真剣に
持ち帰る方法を考えるべきでしょうか?」
「ベロンベロン♪
ん?、テンドー今何か言ったジャン?」
「ただの独り言ですからお気になさらずに
それよりベアモンは西條さんと離れる事になっても良いのですか?」
「え!?、お前らもう帰るジャン!?」
「いいえ、私も彼女達も一度始めた舞台を途中で投げ出すつもりはありません
この物語が終わるまでは御一緒させて頂きます」
「なーんだ、それならいいジャン!
その前にウチがクロ公に勝てばいいだけだし!
勝ち逃げなんて絶対させないジャン!」
「そういえば、ベアモンはどうして私には直接挑まないのですか?」
「だって、テンドーはクロ公の獲物ジャン
まだあいつに勝ってないウチが横入りすんのはダメだろ?」
「・・・・・・・・・ぷ!、ふふふっ!、ははは!!
そ、そうですかッ!」
「?、ベロンベロン♪
うっし!、キレーになったジャン!
とりあえずテンドー、あそこからあそこまで!
ウチの分な!」
『オオオオオオオオオオオオオオ・・・!!』
ベアモンがスプーンで指し示す先で蠢くのは
レイド帝国の大軍勢、その半分。
「おや、珍しく謙虚ですね」
「だって、ウチだけ楽しむのは悪いジャン?
やっぱ祭りはみんなでやんないと!
タイタモンの時とかめっちゃワクワク・・・・・・・・・タイタモンって誰ジャン!?」
「誰、なのでしょう?」
☆レギオン群島・廃墟エリア
停泊中デッカードラモン号付近
レイド帝国による総攻撃まで残り10分
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
「(さーて、勢いで連れて来たのはいいけど
正直なんて声かけたらわかんないんだよなぁ!
だって、結局こういうのって当人同士で話し合わないとダメな奴じゃね?
オレとマヒルがそうだったみたいにさ
他人が口出すとか無粋にも程があるっしょ?
なのに、この子達外出てから一言も話さないし!
トカゲチャンはもうしょうがないとしてカレンチャンまで結構激おこだったのはマジ想定外!
でもなぁ、何もしないまま帰るのはオジサンの面目が立たないんだよなぁ・・・
なんて、考えてる間に制限時間は近づいてる)
のに、これだモンなぁ!!
アォゥン! アォーーーゥン!!」
「わわっ!、何何なにぃ!?」
「何事で御座るか!?」
突然吠え出したストラビモンに華恋とリュウダモンが戸惑っていると
「あらあら、うふふ♪
流石は創造神の一部、ね」
頭上に黒に包まれた薔薇が出現。
「!、もしや御主は!!」
「エーちゃんを騙した麗将・ロゼモン!?」
「騙したとは人聞きの悪い事
舞台少女達がいずれ人間界に帰るのも
神楽ひかりがあの子より貴女とのスタァライトを優先しているのも事実ではなくて?」
「そ、それは・・・」
「惑わされるな華恋殿ッ!
こやつさえ討てば万事解決で御座る!!」
「!、そうだね!!」
舞台少女は促されるまま赤い幕を展開し鎧竜にまたがって紫空へと飛び上がる。
「レイド帝国四天王が1体!、麗将・ロゼモン御覚悟!!」
「エーちゃんから奪ったモノ!、返して!」
「うふふふっ、鬼さんこちらでしたっけ?」
「待てギンリュウモン!、カレンチャン!
君らだけじゃ!
チィイイイッ!、完っ全に裏目に出た!!」
「ストラビモン!」
「マヒル、みんなも・・・」
「おいオヤジ!、何があったァ!?」
「華恋ちゃんとリュウダモンは!?」
「例のロゼモンがちょっかいかけてきたんだよ!、2人共それにまんまと乗せられて 」
「!」
「ひかりちゃん!?、待って!!」
「ヒー!?、ヴゥーーーーーー!」
取り残されたストラビモンの説明を遮ったのは廃墟の壁に投擲されたBlossomBright。
まひるの制止も聞かず、ひかりはエリスモンにしがみつかれたままワイヤー移動で華恋とギンリュウモンを追った。
「もう!、あの2人は!
相変わらず団体行動が取れないんだから!」
「・・・・・・・・・それに比べて
あっちはしっかり統率が取れてるね、うん」
『オオオオオオオオオオオオオオ・・・!!』
「キタキタキタキターーー!
デッカイ祭りの始まりジャン♪」
「こんなお祭り!、うちはごめんどす!」
「ブイだってお断りデスぅうううううう!」
「お前らなー、今更何言ってんだよ・・・」
「カオルコ!、ブイモン!
大丈夫だ!、オレ達みんなが力を合わせれば!
きっと乗り越えられる!」
「ワ・タ・ク・シ・のぉ!、パートナーはぁ!
合わせる気がないのデシテーーーーーー!」
「ッ、抜け駆けは許さないわよ!!
天堂真矢!!」
アウン! ゥォーーーン!!
ケフッ! カフカフ!
「!、オオオゥーーーンウォン!!」
「お爺ちゃん、なんだって?」
「自分達も出ましょうか?、だって
大人しく引っ込んでろって言っておいたよ」
「うん、戦うのは
守るのは!、私達の役だから・・・!」
「ケッ!、いっちょ前の啖呵
切れるようになったモンだなァ、ナナァ!」
定刻通りに動き出した大軍勢と
7人の舞台少女、7体のデジモンによる
乱戦の火蓋が切って落とされる。
ふたりでひとつの運命と
それに翻弄される蜥蜴と鼠を置き去りにして。
☆レギオン群島・廃墟エリア中心部
はじまりの街、跡地
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ」
朽ちかけた玩具や揺籠の残骸が未だ多く転がり
色褪せた建物には爆撃や斬撃、熔解の痕跡
かつて、デジタマから孵ったばかりの幼子達や
世話役達の様々な声で溢れていたこの場所に
麗将・ロゼモンは降り立った。
「《棒刃破ぁ!!》」「たぁあああ!!」
「・・・・・・・・・ハァ」
ため息まじりに振るった棘の鞭で絡め取るのは
空中から突進してきた鎧龍と振りかざされたサーベルとそれを握り締める右手。
「思ったよりも早いお着きです事・・・」
「ぬううん!、こんなモン!」
「痛いッ、けど!
エーちゃんのに比べたら!!」
「なら、これはどうかしら?
《ソーンウィップ》」
「「!!?、うわああああああ!!!」」
ロゼモンの呟きと同時に凄まじい電流が華恋とギンリュウモンを襲う。
「あうう!、う、ぁ」
「あらあら、さっきまでの威勢はどこへやら
ねぇ、あなた達
何の為にあたくしと戦っているの?」
「(え?、たた、かう?)」
「(なぜ?、そんなことを?)」
それだけでも強力だが
この技の真価は肉体へのダメージに留まらない。
あれほどまでに戦意に溢れていた瞳から徐々に
輝きが失われ・・・
「華恋!!!!」
「ッ!!、ひかりちゃん!!!!」
「ヴゥウーーーーーー!!
《ライトニングスティンガー!!》」
己を忘れかける寸前、呼び起こされる華恋。
「・・・・・・・・・だから、早いってのッ」
ロゼモンは棘を解き、青くキラめく短剣とエネルギーを纏った毛針をバックステップで避けた。
「華恋!、大丈夫!?」
「う、うんっ
まだ、ちょっと、フワフワしてるけど!
ひかりちゃんが来てくれたから気合いじゅーぶん
だ、よぉ!?」
「ヴァーーーーーー!」
「フィルモン・・・」
「ヴゥウーーーーーー!!」
ひかりがヨロめく華恋の元へ駆け寄ろうすればフィルモンが威嚇しながら割って入る。
「あらあら、そんな状態でよくこの場に立てますわね?」
「ロゼモン!
もうこれ以上、あなたの好きにはさせない」
「やろう、ひかりちゃん!
リュー君とエーちゃんも!」
「何故拙者が
ロゼモン殿と戦わねばならぬのだ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
「エーもやー!」
「フィルモン!?」
「自分達だけじゃなくてちゃんと周り見なっての
バカタレ共がッ」
パートナーの異変に困惑する舞台少女2人をロゼモンは小声で叱責していた。
「りゅ、リュー君しっかりして!!
レイド帝国を倒してデジタルワールドを救うのがリュー君の夢でしょ!?」
「それは結局、力ずくで自分のやりたいようにしているだけではないか?
夢だのなんだのと綺麗事を言っても所詮はレイド帝国と同じ事をしているだけで御座る」
「!」
「それに気づかせてくれたロゼモン殿にその刃を向けるつもりならば拙者が御相手しようぞ」
「りゅ、う、くん?
ねぇ、じょーだん、だよね?」
「御覚悟、愛城華恋」
「!?」
Possibility of Pubertyが咄嗟に受け止めたのはギンリュウモンの必殺技《徹甲刃》。
「華恋!、うぐ!!?
フィルモン!、離して!!」
「やーーーーーー!、エー、ヒー、はなさなー!
はなれたく、なーーーーーー!!」
「ッッッ!!!」
助太刀に入ろうとするひかりをフィルモンが全力で抱き止める。
鋭いトゲが爪が衣装を突き破って刺さるのも意に介さずに。
「ひかりちゃん!!」
「《棒刃破ぁ!》」
「あう!?」
「この期に及んで、拙者から目を離すとはッ」
華恋もまたギンリュウモンに押し倒され身動きを封じられてしまった。
「あらあら、呆気ない事
じゃあ、そろそろ仕上げといきましょうか」
「リュー君!、お願いだから離して!
このままじゃみんなやられちゃうよぉ!」
「フィルモン!、後でちゃんと話すから!
こんな事しちゃダメ!」
「貴方達しっかり押さえてくださる?」
「任されよ」
「ウー、ヒー、いじめなー?」
「勿論、苛めたりなんてしませんわ
だから安心して、ね?」
「わかったー!」
「どうして!?、なんでリュー君もエーちゃんもあなたの言う事聞いちゃうの!?」
「それはあたくしの方が貴女達よりこの舞台で
キラめいているからではなくて?」
勝ち誇る言葉と共に放たれるのは薔薇の芳香。
「そんな訳!・・・・・・・・・ある、かも?」
「うん、うん、そうだねー
ロゼモンのほうがわたしたちよりもずっと
!?、ひかりちゃんダメ!!」
「ッ、かれん!!
うぐ!、あたま、が」
「抵抗するだけ苦しむだけでしてよ?
ホラ、たっぷりと堪能して楽になりなさいな
そして、貴女達もあたくしの虜になるの
パートナーと同じように、ねぇ」
「華恋殿が拙者と同じに・・・?
なれば、もう目を離される事はないで御座る」
「ヒー、エー、ずっといっしょー」
「「!、・・・・・・・・・っ・・・」」
パートナーに取り押さえられた状態でソレに包まれた華恋とひかりは危機感を抱きながらも自我が溶けていくのを止められない。
「・・・・・・・・・ったく」
自身が造り出した光景を前に麗将ロゼモンは
「(あんたらの新約スタァライトは
アイツが認めた舞台はこんなモンじゃないだろ?
ええ? フローラ、クレール)」
黒い布の下に隠したモノを握り締めるのであった。