だけど、この世界にもう半身と呼べる日は居ない
だから、星を代用してみたけど
このトップスタァ主張が強すぎる
☆天界
神々のコロッセオ
「ここは」
その闘技場の中心で兎獣人レキスモンが佇んでいると
「君はあまり来る機会がなかったとはいえ
やはり懐かしいかい?、月光のディアナモン」
「!、十二の神々の主神
雷霆のユピテルモン、デシテ?」
「フッ、衰えたとはいえ流石にこれだけ近づけばわかるか
だが、今はアイギオテュースモンなのだよ
そう、今の所は」
前方から下半身は有蹄類、腕と胴体は竜の鱗を思わせる外殻に包まれ、長い白髪の頭頂部から3本の角を生やした亜人・アイギオテュースモンが歩み出てきた。
「・・・・・・・・・テンドーをどこへやった?」
「フム、ワザワザこの私自ら神域に招いたというのにその言い草とは
随分とあのニンゲンに肩入れしているじゃないか
十二の神々の中で最も冷酷だった君らしくない
まぁ、それはあの無様な戦いを見れば一目瞭然か
戦場荒らしと遭遇した際は宿主諸共に即刻削除
それが困難な場合は優先順位の低いモンを囮にし撤退するのが最善じゃなかったか?
なのに、自分から矢面に立って手傷を負い
あまつ、宿主に下手な温情をかけて戦力を減らすなんて呆れて物も言えないのだよ・・・」
「ワタクシの失態を詰る為だけに無理矢理引っ張りこんだのデシテ?
不用意にゲートを開けばそこからレイド帝国の侵入を許しかねないというのにッ」
「勿論、本題は別にあるのだよ
ユノモン」
「はい!!!、ユピテルモン様ぁん!!!」
「!!?」
無人の闘技場に響き渡る甘ったるい声にレキスモンが肩を震わせながら振り向くと
「テン、ドー・・・!」
「・・・・・・・・・ッ」
「あらぁん、私には何の挨拶もないのぉん?
まぁん、イイケドねぇん
私だってあなたに興味はないものぉん
ユピテルモン様ぁん、お連れしましたぁん」
「ありがとう、愛しの君
すまないね、こんな雑事をさせてしまって
だが、万が一にもそのニンゲンに逃げられてしまっては私はとても困ってしまうんだ
そんな大事な事を任せられるのは君しか居ない」
「あっ!!!、はぁあああんっ!!!
勿体ないお言葉ですぅうううんんん!!!」
「うっ」
観客席では女性型の究極体デジモン・神の一柱、ユノモンが歓喜に打ち震えながら真矢の首筋を
手首に備わる刃でなぞっていた。
「ユピテルモン!!!、貴様ッッッ!!!」
「怒らないでくれ、知っているだろう?
ユノモンはいつでも私の為に全力を尽くしてくれる事を
だからこそ、この手の加減が難しいのだよ」
「ならばあの剣山をとっとと引っ込めろ!
貴様が用があるのはワタクシだろう!?
テンドーはなんの関係もない!!」
「それがあるのだよ、私がこのデジタルワールドに蔓延する歪みを正す
その為にも本来の力を早急に取り戻すのには君達がどちらも必要だ
だからこそ、多少のリスクを犯してでもこの神域へと招いたのだよ」
「!、まさか貴様!
テンドーを使って進化するつもりデシテ?」
「ああ、ユノモンに手伝って貰って信者を数百程
【ロード】したのだがね
どうやら、現在のデジタルワールドではその方法では今の姿までが限界らしいのだよ」
「ッ、止めるモンは居なかったのか!?」
「あらぁん?
止める必要がどこにありますのぉん?
ンフフ!、愛らしかったですわぁん!
私のぉん!!!、手ずからぁん!!!
信者達を【ロード】しているぅん!!!
ユピテルモン様の幼年期ぃん!!!」
「ぐ!、う!」
「疼くな!、悶えるな!
それが無理ならテンドーから離れろ!!」
「あらぁん、私だってユピテルモン様と離れてしまっているのは不本意なのよぉん?
はぁんっ!、このニンゲンが決して逃げられないようにさえなればー
例えばー、何をしても起きれないぐらいにー
深く眠ってくれさえすればー
どこかの誰かさんがそんな技を使ってくれたらー
今すぐにでもユピテルモン様のお側に行けるのにぃん!、残念だわぁん!!」
「!、・・・・・・・・・《ムーンナイト、ボム》」
「!?、レキスモン!、うぁ!!」
「邪魔デシテ、ニンゲン
この場はワタクシの舞台だ、貴様の出番は無い」
「る、なも・・・・・・・・・・・・んっ・・・」
グローブから放たれた泡が舞台少女の全身をすっぽりと包み込むと彼女の目は瞬く間に虚ろになり、瞼が閉じていく・・・。
「これで満足デシテ?」
「ああ、お陰で話し合いに集中出来るのだよ
おいで、愛しの君」
「はい!!!、ユピテルモン様ぁん!!!」
進化が解ける前に《ムーンナイトボム》を闘技場の祭壇へと移動させれば退化と同時に弾け
中に入っていた真矢の体は力なく落ちていった。
「テンドーだったか?
現在あのニンゲンと契約しているのは君
ならば、私が君を【ロード】すれば
契約そのものを引き継げるだろう?」
「ニンゲンとの契約には不明な点が多いデシテ、そう上手くいく保証はどこにも 」
「だとしてもぉん、一刻も早くゴミ共を殲滅しユピテルモン様との時間を育まなければいけませんものぉん
その為にやれる事は全てすべきではぁん?
何より、愛らしいユピテルモンも勿論素敵ですが
やはり、あの凛々しい御姿の方が私と
ンフフフフフフフフフフフフ!!!!!!」
「まぁ、そういう事なのだよ」
「・・・・・・・・・貴様らは相変わらずデシテ」
すり寄るユノモンのあちこちに触れるアイギオテュースモンにルナモンが向ける眼差しは酷く冷たい。
「何より、ニンゲンは有益だが危険な存在だ
君の手には余る、いや実際余っていたか?
もうあのような事が起こらないように私がこの手で管理しなければならないのだよ
全ては
このデジタルワールドの運行が円滑に行われ
その中で愛しい君と過ごす為にね」
「あああん!!!、あっはぁあああん!!!
そういう訳よぉん、ディアナモン!!」
「!?」
歓喜に震えていた貞節の神は供物たる小動物目掛けて刃を突き出す。
「くっ・・・!」
「あらぁん、なぁにぃ?、なんで避けるのぉん?
ユピテルモン様の一部になるなんてこの世界で最も光栄な事じゃなぁい?、信者達だって涙を流して歓声を上げていたっていうのにぃん!」
「だったら!
まずは貴様が【ロード】されろ!、デシテ!!」
「だって、それではユピテルモン様を癒してさしあげられないものぉん
アポロモンだってそうだったじゃなぁい?」
「!!!」
「あの土壇場でまさかあんな、ねぇん?
とっっっても情熱的で羨ましかったわぁん!
でも、世界樹の補佐を務める神々としては!
何より、ユピテルモン様に仕えるモンとしては!
愚かとしか言いようがないけれど!!!」
「ぐ、ぎぃ!」
必死に攻撃を掻い潜るルナモンだったが究極体のソレは掠めただけでも容赦なくデータを抉っていった。
「ああ、ユノモン
少し待って貰ってもいいかな?」
「はい!!!、ユピテルモン様ぁん!!!」
「ハァ・・・!、ハァ・・・!
なん、デシテ?、こんな脆弱なワタクシに情けでも?
ハッ!、非常なる神罰の代行者がッ、随分と!
優しくなったモン!、デシテ!」
「何せ今はアイギオテュースモンなのだよ
世界の調停も大事だが、かつての同胞が何故こんな無駄な足掻きをしているのか
気になってしょうがないのさ」
「無駄、デシテ?」
「ああ、成長期が究極体
それも神に勝てるワケがないというのに・・・
まさかとは思うが同情でも誘いたいのかな?
残念ながら私が君を【ロード】し、テンドーの全てを奪い尽くす事でかつての姿と権現を取り戻すのというのは確定事項 」
「アホめが」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」」
「マルスモンを探すなデシテ
奴は今頃、戦場荒らしのシェイドモンに勝って
ナナを、仲間を、取り戻すので忙しい」
「まさかとは思うけど
今のは私に言ったのかな?、ディアナモン」
「貴様ら両方に言ったつもりデシテ
何せどちらもテンドーを
『舞台少女・天堂真矢』を何も知らないッ」
「ン!、まぁああん!!!、不敬!!!」
「ユノモン、私は待って欲しいと言ったよ」
「はい!!!、ユピテルモン様ぁん!!!」
「舞台、少女、ねぇ
どちらの単語もありふれたモンだが
それこそがあんな路傍の石の如きモン達が究極体にまで進化出来た秘密なのかな?」
「逆に問おう、雷霆と貞節の神々よ
貴様らの言う進化とはなんデシテ?」
「「は?」」
狩られるだけの獲物からの思わぬ問いに思わず呆ける二柱。
「幼年期が成長期になる事か?
成長期が成熟期になる事か?
成熟期やアーマー体が完全体になる事か?
完全体が究極体になる事か?
究極体が究極体を掛け合わせる事で更なる領域に至る事か?」
「それ以外に何があるというのだよ?
ッ、まさかあるというのか!?
ニンゲンには!!」
「生憎、ワタクシが知っているのは
ニンゲンではなく舞台少女、デシテ
どいつもこいつもワタクシの枠など簡単にはみ出して好き勝手やってばかりの!
カレンにいたっては本当になんなんデシテ?
ダークエリアでスタァライトした?
というか!!、スタァライトするって!!
な・ん・な・んデシテーーーーーー!!?」
「・・・・・・・・・ディアナモン、あなた
転生してもそのよくわからない所でヒステリックになるのは治らなかったのねぇん」
「き・さ・ま・に・だ・け・はーーーーーー!
ヒステリック言われる筋合いはない!、デシテ!
兎に角!、デジモンの概念に囚われたまま奴らの進化を目の当たりにすれば奪われるのは貴様らの方、デシテ
その覚悟がないなら契約などしない方がいい」
「奪われる、ね・・・
なら、君は
テンドーに何を奪われたのだよ?」
「全て」
「はぁあん?」
「奴はワタクシの全てを根こそぎ奪っていった
ワタクシだけではない、舞台少女のパートナーになったデジモンは己の全てを奪われている
過去や現在はおろか未来すらも、デシテッ」
「・・・・・・・・・意味がわからないのだよ」
「ああ、貴様らはそれでいい!
それはとても幸福で不幸な事なのだから!」
「フム、わからないながらも俄然興味が出たのだよ
あのニンゲンを刻んで貰って【ロード】するのは
もう少しお互いの時間を育んでからでも良いのかもしれない」
「ゆ、ユピテルモン様ぁん!!??」
「やはり、貴様そのつもりデシテ・・・」
「勿論、それは最終手段さ
契約してすぐに私をユピテルモンに進化させてくれれば、まぁ
デジタマ造りの相手にさせてあげても構わないな
顔と体はとても好みなのだよ」
「 」
「貴様のその軽過ぎる口によって!!!
今までどれだけの生命が消されたのだろうなぁ?
デシテーーーーーー!!!」
「ん?、居たのかい?、そんなモンが?
おや?、ユノモンの様子が変だね・・・どうしたのだろうか?」
「~ー~ー~ー~ー~ー~ー!!!!!!」
アイギオテュースモンの発言に
ユノモンは白目を剥いてフリーズし
ルナモンが激しく地団駄していると
「 」
「フム、これは暫く時間がかかりそうだ
仕方がない《チャージングストライク》」
「!?」
「久方ぶりに体を動かすとするのだよ
《ボルトブレイクノックダウン》」
「ぐ!、ぎ!」
突撃する角が、雷を纏う拳によるラッシュが襲ってきた。
「《ルナ、クロー!》」
「それは抵抗のつもりかい?
まぁ、いいのだよ《ウィングカッター》」
「!?、きさッ、その姿 」
「面白いだろう?《ライトニングシャワー》」
「ぐぎゃあ!」
「《ブランブルバイト》」
「!、ぐう!!、ぅああああああ!!!」
アイギオテュースモンは腕と胴体部分を竜から
サイボーグ、天使、植物と次々に切り替え
闇を纏う爪を腰に搭載した機械の翼で弾き返し
地面に叩きつけられたルナモンに聖なる短剣の雨を浴びせた挙げ句、魔物化させた植物を召喚し
食らいつかせた。
「すまないね、ユノモンならば痛みを感じる間もなく電脳核を抉り取ってくれたのだが」
「よく、いう、デシテッ
やはり、貴様、変わったな!
以前、ならば、こんな無駄な、こと、は!
ぐうぅぅぅ・・・!」
「無駄ではないさ、自分の能力を試すのは今後の為にも必要なのだよ
それに変わったのは、無駄な事をしているのは
君の方じゃないか」
「ーーー!、ッーーー!!」
必死に頭や四肢に力を入れ、口が閉じられるのを全力で阻止するウサギ。
「無駄、か・・・
貴様からすれば、そうかもしれない、デシテ
日輪に、アポロモンに、庇われたのに結局消され
デジタマが流れついた、下界では
お山の大将の庇護の元、農奴の真似事をして
へらへら、笑って、ペコペコ、頭を下げて!
日々を、くいつないで、いた・・・
ワタクシの、せい は!」
「ーーーーーー!!!、聞くに堪えないッ
よくそんな無様を晒しながら生きていられたな!
ユノモンがあの時頑張ってくれなければ
私がそうなっていたかと思うと寒気すらする!
もういい、そろそろ私の糧に
神への供物として、その身を捧げるがいい
《デスディナー!》」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それを狙い悪魔の如き姿になったアイギオテュースモンが大口を開く。
グチャァッ!!!
「!!?、グェ!、ゲブゥ!」
「《ロップイヤーリップル》の苦味はお子様舌な貴様の口には合わなかったか?」
「でぃ、あな、もんッ!!!
いや!、最早君をその名で呼ぶ事自体が!
私達神々に対する冒涜に他ならないのだよ!
ルナモンよ!、世界調停の為の供物よ!
何故そこまで生き恥を晒す!?
まさかとは思うがマルスモンの転生体の助けでも待っているのか?
残念ながら、あいつにはこの神域へのゲートを開く事等到底不可能なのだよ!
何故なら 」
「あんなアホ熊お呼びじゃない、デシテ」
魔物達の顎から逃れ、フラつきながら地面へと降り立ったルナモンは
「言った筈デシテ、ここはワタクシの舞台だと
他のモンなど邪魔でしょうがない
だから精々
貴様はそこで、ふんぞり反って観ていろッ」
「
ええ、鑑賞させて貰いますよ
共演者【パートナー】の舞台を」
闘技場で最も高くに位置する祭壇の上
口の端を上げながら足を組み
手にしたOdette the Marvericksを弄びながら
神々をも見下ろす
天堂真矢【パートナー】を 睨み付けた。
「は?、な・・・・・・・・・なぁっ!?
なんだ、なんなんだあのニンゲンは!!?」
「どうした?、神々の主神よ
奴はあの通り貴様好みの顔と体を惜し気もなく見せつけているというのに」
「それが問題なのだよ!!
さっきの技は間違いなく君の全力だった!
完全体の私でもあんな無防備に直撃すれば即座に倒れ、暫くは目覚められない程に強力な!
大体!、あの剣が何故ここにある!?
没収して念入りに封じていた筈なのだよ!」
「ソウルとキラめきを用いた健常な状態のデータの再構築、再生産
西條クロディーヌ【次席】に出来た事が
天堂真矢【主席】に出来ぬ道理はないデシテ
最も、ワタクシの舞台が終わるまではあのやたらと迫真な狸寝入りを続けて欲しかったのだが?」
「すみません
あの体勢ではよく見えなかったので、つい」
「フン!、だと思ったのデシテ
・・・・・・・・・貴様ならば百も承知だと思うが
観客が舞台に上がるのもモノを投げ入れるのも」
「マナー違反、わかっていますとも」
「ならば、いい《ティアーシュート!》」
「ブハ!?」
「ああも目立つ観客に見られて落ち着かないのはわかるが集中しろ、色ボケめ」
「こ、の!《プラズマッドネス!!》」
顔を濡らした悪魔が怒りの形相で両手に赤い電撃を収束させ、己の供物に目掛けて放出。
「《ルナクロー》」
「!?、と!《トライアングラーーー!》」
「返す、デシテ」
「グァウ!、グァア!」
しかし、ウイルス入りの闇のエネルギーは短い爪に容易く絡め取られ、急接近して振るった両手や尾に備わる鎌を押し返すのに使われる。
「夜を司るワタクシに闇で挑むとは」
「なら、ば!《プラントゾーンクレイドル》
電脳核以外、八つ裂きにしてくれる!!」
「はぁーーー・・・」
ルナモンは心底うんざりした表情をすると魔物と化した植物に埋め尽くされた闘技場【ステージ】で
飛び跳ねる、まるで踊るかのように。
「ステップは先程よりは上達していますが
まだまだ表情が固いですね」
「フン!」
「ブフ!?」
「こんなモンか?」
「クスッ!、よく出来ました」
そして、アイギオテュースモンの顔面に着地。
種族的な愛らしさを何処かに捨て去った
不遜な笑みを浮かべてみせた。
「調子にぃ!、乗るなーーーーーー!!!」
「今度は機械?
ですが
折角多くの衣装を取り扱っているというのに
どれも、まるで着こなせていないようですが」
「ッッッ!!??」
「言ってやるなテンドー」
ルナモンを乗せたまま急上昇したアイギオテュースモンだったが、真矢の指摘に表情が固まる。
「転生してからずっと、番の神に甘やかされて
与えられたモンの全てを自分の実力と勘違いして
調子に乗っていた色ボケのガキには
貴様の言葉は重すぎるのデシテ」
「ああ、そうでしたか
それは失礼しました、アイギオテュースモン
どうか、これからも頑張って下さい
応援しています」
「!!!、!!!、!!!
テン、ドォーーーーーー・・・!!!
きみはッ、一体、何様だぁーーー!!??
《パワード!!、イグニッション!!》」
白髪を逆立て
文字通り怒髪天となり左手のパワードアーム
その掌にエネルギーを集中。
「This is 天堂真矢 だそうデシテ」
そのまま祭壇へと突撃する直前
頭部に張り付いていた供物だと思っていたモンに
3本同時に角をへし折られた。
「ガァアアア!!?、ァァァアアア!!!」
「《ルナクロー》からの・・・
《ロップイヤーリップル》そして
《ティアー!、シュートッッッ!!!》」
激痛に悶絶するアイギオテュースモンをシャボンの渦に巻き込み、零距離から水球を浴びせて
地上へと叩き落とす。
「ハァーーー!!、ハァーーー!!
言った筈、デシテッ
ワタクシとの舞台に集中しろ!、と!」
「・・・・・・・・・ああ、そうだね
でも、本当にいいのかい?
最早、君には
この技から逃れる余力はないというのに」
疲労とダメージにより体を震わせているルナモンの前で浮遊し、聖なる短刀の群れを稲妻で繋ぎ合わせた蛇腹剣を構えるのは
アイギオテュースモン・ホーリー
最もユピテルモンに近しい姿。
「フン、ちゃんと一張羅があった 」
「《サンダースラッシュ》」
「ぐぎ!?、ぎゃん!!」
「本当に、聞くに堪えないよ今の君の言葉はッ
かつての君はもっと従順だったじゃないか!
それこそ世界樹からの指令に従い
レイド帝国を完全削除すべく
日輪のアポロモンとのジョグレス体
銀河のグレイスノヴァモンとなり
このデジタルワールドの為にその身を捧げる事も
受け入れていたというのに!!
何故今更そうも無様に汚ならしく抗う!?」
「・・・・・・・・・受け入れてなど!、いなかった!
怖かった!!!
自分が自分でいられなくなるなんて!!!
消えてしまうなんて、絶対に嫌だった!!!
でも、それでもッ
世界樹に!、神々の全員からそう求められたら!
ワタクシは!、従うしかないだろう!!?」
「残念ながら全員ではなかった・・・!
あの愚かな日輪アポロモン!、君の半身だけは!
それをよしとしなかったのだよ!!」
「ぐぎぃいいい!!
てを、だすなと、い"っだだろぉ!?」
「ーーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
闘技場の中心で行われる鞭打ちの刑罰。
アイギオテュースモンが蛇腹剣を振るう度に
ルナモンの小さな体の至るところに刃が、稲妻が叩きつけられる。
「下らない意地など捨てて
テンドーに助けを求めたらどうだ?
そうすれば纏めて罰を与えてくれる!」
「あぐぅ!
生憎ッ、奴からのソレはいつでも大歓迎だが!
まだ、一度も、言われた事が、ない、デシテ」
「だから自分からは言えないと?
フハハハ!、すっかり変わったと思ったが
そのプライドの高さは変わらなかったか!?
愚かモンめッッッ!!!」
「
どっちがだ
デシテーーーーーー!!!!!!」
その最中で突き出されたのは闇の爪。
稲光をも飲み込み、連なる短刀を奪い尽くすと
短い手でひたすら投げまくった。
「《サークレットディフェンス》」
「な!、んデシ 」
「返すぞ
いや、元々これは私のモンか」
「ぐぎゃぁああああああ"あ"あ"!!!」
するとアイギオテュースモンは両手の盾を使い攻撃を反射。
更なる電撃を加えられ跳ね返された短刀が凄まじい勢いで殺到し、ルナモンは絶叫を上げながら闘技場を転がっていく。
「訂正しよう
かつてはディアナモンと呼ばれたルナモンよ
例えちっぽけで取るに足りないような下らない誇りだとしても、君は最期までソレを貫き通し
成長期の身でありながら、完全体の私に脅威をも感じさせたのだよ
故に、敬意を表して【ロード】させて貰う」
「ガ、ハッ・・・ぅぅ・・・あああ!!」
「助けには入らないのかい、テンドー?
まぁ、入った所で最早手遅れなのだよ」
「ええ、あなたの言う通り今更私が何をしても意味はありません
だって、その必要はないのだから」
「・・・・・・・・・な・・・・・・・・・にぃ?」
「ふっ、ふふ!、ははは!!
本当にッ、気づいてないのですか?
それで良く私を求められましたね?
レイド帝国に為す術もなくやられただけの事はあります」
「テン、ドー!
その言葉は!、ワタクシや他の奴らにとってもッ
耳が痛い!、デシテ!」
「なら、後で慰めてあげますよ」
「お・こ・と・わ・り!、デシテ!」
「・・・・・・・・・テンドー、君は見た目はいいが
頭はかなり残念なようなのだよ
この死に体の小さなウサギ一羽に、私の供物になる以外何が出来 」
「もう、終わっています神々の主神様
いえ、これから始まるというべきでしょうね」
「?、!、!!?、アガァアーーーッ!?」
「ルナモンがあなたに届けてくれた
この私のキラめきが魅せる時が」
超然とした態度の真矢が見下ろす先では
アイギオテュースモンの各所を純白の0と1の粒子
彼女自身のソウルとキラめきが蹂躙していった。
「ば、かな!
この姿はいわばワクチンそのもの!
あらゆる害悪の侵入を遮断し、例え入り込んでも
即座に解毒出来る、のにぃいいい!!」
「ソレにつけるワクチンがあるのなら
今すぐにでも、ワタクシに打ち込んで欲しかったデシテ・・・」
「なぁあ!、にぃい?」
「同じ事ばかり言わせるなデシテ、ワタクシの全てはテンドーに奪われたと言っただろう
契約した時・・・・・・・・・いいや、戸を開いたあの瞬間から
ワタクシのデータの全てにテンドーが
トップスタァのキラめきが刻み込まれてしまった
今、貴様を犯しているのは
ワタクシの、この爪の先程の量でしかないが
それでも
そこまで見事に広がったのは何故だと思う?
貴様自身が奴を求めていたからデシテ」
「ーーーーーーッッッ!!!、でぃ、あなも!
きみは!、さいしょからぁ!、アヒン!?」
「かつてのワタクシが!、ど・れ・だ・け!
貴様らの尻拭いをしてきたと思っている!?
迂闊な発言でユノモンがああなる事も、そうなった後にテンドーに負けず劣らず目立ちたがり屋で自惚れ屋の貴様が自ら出張る事も
全て想定済みに決まっているだろう?
故に、貴様の敗北は
戦う前からの確定事項、デシテ」
「! ! ! ! 」
「レイド帝国のデジモンならば
それだけキラめきに犯されれば削除は免れないが
貴様ならば、まぁ恐らくは大丈夫デシテ
・・・・・・・・・色ボケのガキでも数少ない有効戦力
今のデジタルワールドには必要なのだからな」
未だ消えぬキラめきによりビビックンビビックン痙攣しながら仰向けにぶっ倒れたかつての上司に向ける眼差しは、やはりどこまでも冷たい。
「くっ」
「!!!、・・・・・・・・・・・・ッ」
「ぉぅ、デシテ、それで、いい
はぁーーーーーー・・・!
まったく!、本当に!、どうかしている!
どこぞのアホ熊ではあるまいし!」
全身余す所なく傷だらけで、疲労困憊。
「主神に、弓を引くなどという無謀過ぎる行為!
考えた事すら、なかったというのに!
全て貴様のせいデシテ!!、テンドー!!」
しかし、ルナモンは
光源【日輪】を無くし、地に堕ちた月は
例えどれだけ鈍くても、みっともなくても
意地で登っていく。
「貴様さえ!、貴様さえあの山に現れなければ!
貴様と出会いさえしなければ、ワタクシは!
ユピテルモンはおろか
レイド帝国にもッ、コンゴウ親分にもッ
逆らわず!、かつてと何も変わらない!
せこせこ働き、飼い殺され、隅で縮こまる生を
甘受出来たというのになぁ!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
闘技場の祭壇・・・頂きでキラめく星を目指して。
「ハァー!、ハァー!、ハァー・・・!!
どう、した?、ぶたいのうえであくびなど
きさまらしく、ない・・・
まだ、ねむい、デシテ?
フン!、べつにねていても、かまわな・・・った
いう、のに」
「今の私はただの観客、ですから
だから、こそ
見逃すわけには、いかない、でしょう?
自分のパートナーが誇りをかけて戦う姿を」
「・・・・・・・・・らしくないかお、するな、デシテ
あと、みみは、やめろー」
真横に崩れるように倒れたウサギを撫でる手。
一世一代の大舞台が終わり
自分達以外は誰も居ない観客席に座る今の彼女は
演劇界のサラブレッドでも
聖翔音楽学園99期生主席でも
ましてや、デジタルワールドの救世主でもない
ただの年相応な少女だった。
「テン、ドー・・・」
「はい」
「ワタクシは、しばらくうごけない、デシテ
だから・・・」
「ええ、これから先は私の 」
「ゆ ピ て ル モン
さ ぁ ア ま ァ?
ンふフフっ、お戯れガ過ギますワ~ッん」
「 へ?」
だからだろう、闘技場の真ん中でユラユラ揺れ
仮面の奥でギリギリ・・・ギリギリ・・・と歯ぎしりし
その隙間から血走った眼光を覗かせ
長槍と化した両腕同士を研ぎ合わせ
ホラー映画よりホラーなオーラを出しながら
自分を見てる マントの怪物が超怖い。
「ヒステリック、モード・・・
フン、案の定デシテ」
「る、ルナモン?、ルナモンッッッ!!?」
「安心しろ、テンドー
あれは暗黒進化等ではなく
あいつにデフォルトで備わってる機能デシテ」
「ぇ」
「ユピテルモンとの時間を邪魔するモンに対する
嫉妬やら何やらが最高潮に達した際に現れ排除する特殊形態デシテ
そして、今の奴のターゲットは
貴様だ
精々、その均整の取れた体を
穴だらけか細切れにされないように気をつけろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
真矢は思った
どうしてこの子、普段あんなに臆病なのに
アレを見ても平気なんだろう?
だが、すぐに先程のアイギオテュースモンとの会話を思い出し合点がいった。
「慣れとは、恐ろしいモノ、です、ね」
「テンドー?」
「ふーーー・・・!!、はーーー・・・!!!
大丈夫、今の私は救世主救世主救世主!
あのエリスモンや巨人に比べればこわ 」
「あ ア" アぁああアァあ"!!!
に ンゲ、ン!!??"?
ニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲンニンゲぇああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!
ゆ ルさ ナ ぃ」
「こわい・・・・・・・・・」
「テンドー!?」
「ルナモンッ疲れている所、本当に!
ほんっとに申し訳ありません!
でも、アレ、ちょっと、ひとりじゃムリ
助けて、くれませんか?」
「は?、なんだって?」
「!」
「うーーーん?、きこえないデシテーーー
ワタクシーミミがーよくなくてーーー」
「!!」
「もう一度、ちゃんとお・ね・が・いしてみせろ
そのどこまでも高く、よく通る声でなぁ!」
「!!!、~ー~ー~ー~ッッッ
たすけてぇ」
せめてもの抵抗か紡がれた声はめっちゃか細い。
「死! 刺! シ刑ぃンッ!!!!!!」
祭壇に長槍が神速で突き立てられたのは
その直後である。
「感謝する、ユノモン」
「ぁハーー~?」
「貴様のお陰でこの高慢ちきの最高に笑える顔が見られたデシテ!!、プギャーーーーーー♪」
「・・・・・・・・・意地悪」
仮面越しにユノモンが見たのは白い幕の残滓纏い
膨れっ面の■■■■を抱いて高く高く跳躍する
月光魔人クレシェモン。
「などと言ってる場合ではない
言っておくがワタクシ神々同士の一対一での直接戦闘では最弱だったデシテ」
「えええ!?」
「ユピテルモンに勝てたのは奴のあの姿での経験不足とワタクシを見下しまくっての驕り
そして」
「私ですね」
「フン!、わかっているなら
震えてないでいつも通りキラめいて魅せろ
トップスタァ!!」
「言われるまでもありませんッ」
未だ若干震える手でOdette the Marvericksを握り直し、地上で自分を睨むユノモンを
「刺ネ」
「!!?」
「《アイスアーチェリー!》」
見ようとしたら、眼前にまで接近していた。
「《ルナティック!、ダンス!》」
「くぅっ!、はぁあああ!!」
「死!、シ!!!、しッ、刺!!!!!」
闘技場の上空にて始まる神秘の舞踏を足場にして
冷や汗をかきながら真矢は凍える刃を振るう。
「あ!!ァ!ァあ"ぁ!!!」
「ぐぎっ!」「がはぁ!」
しかし、荒ぶる神が神速で繰り出す刺突は彼女の想像を遥かに上回って凄まじくパートナー諸共吹き飛ばされてしまう。
「《ダーク、アーチェリー・・・!》」
「ッ!!」
咄嗟にクレシェモンが放った闇に全身から白い0と1の粒子を放ちながら突っ込めば、実体を伴い受け止めてくれた。
「にィいいンッげえエエん!!!!!!」
斑模様の天にぽつんと浮かぶ闇夜へと両の長槍を突き立てるユノモン・ヒステリックモード。
「あぁッ?、アは~ー?」
「・・・・・・・・・!!、・・・・・・・・・!!」
真矢の身を遥かに越える凶器を防いだ得物は
三日月の形状をした鎌と盾ノワ・ルーナ
では、彼女自身のキラめきはというと・・・。
「ユノモン、本っ当に貴様は相変わらずデシテ!
ワタクシが何度も忠告してやったというのに
すぐそうやって周りが見えなくなる」
「!!??、でアぁおおおゥンンン!!!」
「飛べ黒鳥!、白鳥【貴様】の元へ!」
地に落ちた月の手により氷によって形造られた闇色の翼を与えられる。
「神々の中で最弱、ですか・・・
つまり、西條さんのパートナーよりも」
「ア~ぁーハ?」
「これは、確かに
震えている場合ではありません、ね!」
「バ!?」
すると、真矢はユノモンの仮面に盾を投げつけることで僅かながらのヒビを入れて怯ませると
両手に持った鎌にソウルとキラめきを纏わせながら闇夜の中に突き立て、細長い柄に恵まれた体躯を絡ませた。
「パぁーンッ?」
仮面越しの全てが害悪に見える世界で
ユノモン・ヒステリックモードが間近で見たのは
重力から解放されたような軽やかさで回りながら
その手に黒鳥を留まらせたかと思うと
一瞬で白鳥に変えてしまう
今、最も憎い最優先排除対象のニンゲン
の、筈、なのに・・・。
「クレシェモン」
「こんな時になんデシテ?」
「大場さんが
いえ、シェイドモンが言っていましたね
星の近くに月があるのは邪魔だと
あなたはどう思います?」
「ずっと重なり合っていればそうデシテ
だからこそ、ワタクシ達はああもらしくない事をしてしまったのかもしれない」
「そうですね
でも、月がない夜空というのはやはり
寂しいでしょう?」
「・・・・・・・・・星がないのも寂しいデシテ」
「 ン、な
わタしの愛は、ゆピテ あん ェニ」
その間に天と地で
星と月のダイヤローグが行われる。
「だから、星は、スタァは、貴様ら舞台少女は
存分にキラめいて真っ暗な夜空を賑やかせろ
月は、ワタクシは
それを一番よく見える特等席で拝んでやるデシテ
共演者【パートナー】としてな」
「ええ、魅せてみせますとも最後まで
・・・・・・・・・途中退場なんて絶対に許しませんからね」
「フン!、出来るかそんな勿体ない事ッ」
「クスッ、ふふふ!」
コォォーーー・・・! コォォーーー・・・!
「嗚呼! アッは~~~ぁ!!!
うつ く 刺イぃぃいン!!!???」
手に留まり、戯れていた白鳥が鳴くと
その近くに収まる神機に
星形の画面には重ならない三日月の意匠が
加わった。
「地より登る月」「天に居座る星」
「ぱパぱぱバ?、ばァ!」
闘技場に舞い降りるのは星と月が描かれた白い幕
が、2つ。
「2つの誇り」「各々に今宵」
「み、えな、ぃ! 見たいいい!!!」
仕立ての良いフレンジすらも純白のソレの下
ウサギはかつての姿を取り戻し
少女は羽のように舞台へと降り立った。
「遍く夜空へ届けましょう!」
「映えある月光ディアナモンと!」
「トップスタァ!、天堂真矢が!」
レイピアと化した孤高の白鳥構える共演者
そのどこまで高く、大きな存在と
つかず離れずの距離に浮かぶ月光
白と青を基調とするアーマーが細身の体躯を覆い
手には両端が弧を描く刃が備わる鎌を持つ
十二の神々の一柱ディアナモン。
「あ、はぁんっ、はぁう~~~ん!!!」
「「ん?」」
すると、どういう訳か
ユノモンのヒステリックモードは勝手に解除され
・・・・・・・・・赤面しながらプルンプルンしている。
カァン! カァン! カァン! カァン!
「って、この音は!?」
「!!」
「ゆぴ、てる、モン様ぁん?」
「!、!、!、!、!!!」
カァン! カァン! カァン! カァン!
カァアアアン!!!
戸惑う暇なく、更なる異常事態到来。
忘れ去られていたアイギオテュースモンが
羽毛のマントをつけた黄金鎧の神人
天空の最高神ユピテルモンに進化していた。
「ディアナモン、あれは一体?」
「え、えっと《パニッシュジャッジ》デシテ」
「両手に備わる戦鎚で罪人にその証を刻む
でも、それを何故自分自身にぃん?」
「決まっているだろう愛しの君
私は許されざる罪を犯したのだよ」
「「「ッ!!?」」」
穏やかな声が聞こえた次の瞬間
自らの雷撃により処罰される雷霆。
「・・・・・・・・・やはり、意味はない、か
だが、それでもせざるを得なかったのだよッ
ああ!、先程までの私は!!
何という愚かモンだったのだろうか!?
今までの非礼をどうか許してくれディアナモン!
そして、テンドー、いや!!!
愛するマーヤ」
「「 」」
「ゆ、ユピテルモン様ぁん!!!???」
「マーヤ!、おおマーヤ!、マーヤッ!!!
君こそ私達デジモンの光!、世界樹が!
デジタルワールドが与えてくれた福音なのだよ!
それを全て奪う?、極一部だけでも無様を越えた無様だったというのに?
ディアナモン!、ああ!、本当に申し訳ない!
君の下界での生、その苦行は全て
マーヤと出会う為の試練だったのだよ!!!
無駄?、どこが無駄だと?、無駄ではない!
寒気?、そんな事を言う口に寒気がする!
そして、やっとわかった!!!
君の言葉の意味がこれ以上ないぐらいに!!
マーヤは奪っていった!、私の全てを!
何て幸福なのだよ!、そして何て不幸なのだよ!
もうマーヤを知らなかった私には戻れない!
とにもかくにも私は!
デジタマが欲しい!!!
私は!!!、君の仔が欲しいのだよ!!!
愛するマーヤぁあああ!!!」
「 は?」
「聞き返すなッ、流せ!、デシテ!」
「そ、ん、な
ゆ、ゆ る サ・・・・・・・・・!!!!!!」
「んぎゃあーーーーーー!!?
また、ヒステってるデシテーーーーーー!」
「や、やめ、もう、わたし、もうっ」
「ゆ、ゆぅうううん!!!
されるのっ!!!、ですかぁん!!??
この世界で最も目映いユピテルモン様ぁんと
あんなにも燦然と輝くマーヤ様ぁんを
一緒に、なんてぇええええん!!!!!」
「そうなのだよ愛しの君ユノモン!!!
君達と一緒ならば必ずや私は!!!
この世界に新しい生命を造り出せる!!!」
「あ、あっっっはぁああああああん!!!
そんな創造!!!、想像しただけで!!!
私ぃん!!!、わたしぃんんんぅん!!!」
「ふぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」
「テンドォオオオーーーーーー!!!!!!
やめろー!、意識だけは失うなデシテー!!
今、ワタクシがルナモンになったら貴様ッ
本当に!!!、ほ・ん・と・う・に!!!
マズい事になるからーーーーーー!!!」
「天を、気象を司る私をあんなにも見下したのは君が始めてだった
だからこそ、私は君のは 」
「《アロー!、オブ!、アルテミス!》」
「ンフフフフフフ!!!
ユピテルモン様ぁんの雄大な稲光と
そこにマーヤ様ぁんの優雅な極光がま 」
「《グッドナイトムゥーーーン!!!》
寝てろ色ボケ共ーーーーーーッッッ!!!」
「何を言っているんだディアナモン」
「そうですわぁん」
「「今の私達、体のあっちこっちがも 」」
「《くれっせんとはーけーーん!!!》
テンドー!、しっかりしろ!、デシテ!」
「
ディアナモン
私のこのデジタルワールドでの配役は救世主
ですよね?」
「え、あ、うん、そうだけど
今その話必要デシテ?」
「ならば、レイド帝国より先にあの2人を何とかしましょう」
「な、なんとか、デシテ?」
「何とかは何とかです、何とかするんです
大丈夫出来ますとも、私は99期生主席天堂真矢
トップスタァ、頂きにキラめく星はただひとつ
そしてあなたはそのパートナーにして月光の神
神には神をぶつければいいんです」
「テンドー?、おいテンドー、さん???」
「お呼びですか?、天堂真ッ矢です!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁーーーーーー
ならば貴様ここで進化してみせろデシテ」
「「「え?」」」
この予想外過ぎる言葉には、乱心状態だった1人と二柱も思わず正気を取り戻す。
「この世界の誰よりもキラめいて魅せるがいい
あの時のカレンよりもな」
「!?、ふふっ♪、そうきますか・・・」
「演出その他諸々はワタクシがやってやる
あの色ボケ共のデータ
一片残らず『天堂真矢』で染め上げてやれ!
《クレセントハーケン・・・!」
ディアナモンは先程乱雑に振るったソレを足元に
波紋と共に沈ませ
石造りの闘技場を
闇夜の湖に一変させた。
「「!!??」」
その上に浮かぶ雷霆と貞節は知っていた
これは月光の神秘が魅せる幻覚だと。
だからこそ、動揺を隠せない。
水の匂いも肌を刺す冷気も
吸い込まれそうになる程に深い闇も
本物にしか思えないのだから。
〔「 戯曲 」〕
何故ならこれは舞台装置。
確かに存在する現実であり幻覚【夢】である。
〔「Odette the Moonlit》」〕
そして、始まる
水面に映る月をスポットライトにして
この闇夜の中、唯一キラめく白鳥の舞台が。
「「マーヤ/様ぁん?」」
電脳世界の神前で
生まれながらの舞台少女が己の全てを込め
優雅に羽ばたき、湖を滑っていく白鳥を演じる。
だからこそ、水面下の月も必死だ。
舞台全体を所狭しと踊る主役を追い回すのだが
その奮闘を無視し、まるで弄んでいるかのように
この白鳥はすぐに闇へと消えてしまうのだから。
「あ、あ!、ああぁ!!」「あっぁあん!」
プリマドンナの軌跡はキラめく純白の羽毛と化し
周囲一帯に舞い上がる
「「ぁ」」
ユピテルモンとユノモンの浮かぶ空間を中心に。
「さぁ、フィナーレです」
「良い幻覚【夢】は魅られたか?、デシテ」
気がつけば
足元には月が、ディアナモンが居て
頭上には星が、天堂真矢が居た。
「「
はッぁぁあ"ぁああ"ん!!!!!!!
ああぅうううう!!!!!!!
っっっんんんぅん"!!!!!!!
」」
幻覚【夢】の終幕と共に二柱は自分達の心と体
ありとあらゆるデータの全てが純白のキラめきに
貫かれ、踏みにじられていく未体験の感覚に
疼き 震え 悶え 啼き
夢うつつとなりながら果てていく・・・・・・・・・。
「あの、ディアナモン、大丈夫なんですか?
コレ?」
「安心しろテンドー
こいつらが使いモンにならなくても問題はない
むしろ、これで
ワタクシ達が神域で行動するにあたっての障害は全てなくなったのデシテ!!!」
「そ、そうです 」
ド! ォ! ゥ! ン!!!
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・、!?」」
真っ白になって動かなくなったユピテルモンとユノモンの前で顔を見合わせる真矢とディアナモン。
ドォン! ドォン! ドォンドォンドォン!
ドォォォオオオンッッッ!!!!!!
彼女らに届いた衝撃は闘技場どころか神域全体が揺れる程に凄まじい。
それにより、斑模様の空が破れたかと思うと
「
見つけたわよッ
天堂真矢ぁあああーーーーーー!!!!!」
「!!、西條クロディイイイヌ!!!!!」
目を爛々とさせながら飛び込んできた次席が
喜色満面の笑みを浮かべる主席へと斬り掛かって
「ジャ!!、ジャ!!、ジャ!!」
「へ?、え、ま!!」
「ジャーーーーーーン!!!!!!」
「ぐぎゃあ"あ"あ"あ"あ"あああ!!?」
同時に闘争の神が月光の神の顔面を
思いきり殴り飛ばすのであった。
※《クレセントハーケン 戯曲・Odette the Moonlit》
月光神ディアナモンの必殺技クレセントハーケンを
主演・天堂真矢による
天堂真矢の舞台を天堂真矢の為だけに
月の神秘が見せる幻や水や氷を司る能力等
己の全てを捧げて舞台装置へと発展させたモノ。
周囲一帯の空間データを水面に月【自分】が映る闇夜の湖畔に塗り替え、そこに浮かぶ共演者【パートナー】が最高にキラめける環境を造り上げることで
天堂真矢無しではいられないレベルで相手を魅了するという
攻撃性は皆無だが、ある意味とても恐ろしい特殊技。