99ADVENTURE   作:リカル

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泣き虫弱虫ブイモン進化!

☆西方ウラル大陸・武器工場

 

 

その日、花柳香子はスタァになった

 

 

「(ふふん♪、流石うちどすなぁ

 

こんな風に

 

世界を照らしながら空を舞うやなん )

 

 

って!、ちゃうやろぉおおおお!!?」

 

 

ただし、物理的な意味で!。

 

 

「いややぁあああ~~~~~~!!!

 

ふたばはぁあああああんっ!!!」

 

 

彼女は桃色の粒子に包まれながら紫色の曇天を切り裂き突き進む!、涙目で!。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぇ?」

 

 

その声に気づいたのは、物々しい建物の屋上で独り佇む青い生き物

 

 

「あああああああああ!!?」

 

 

「えええええええええ!!?」

 

 

を目指して桃色の光を纏う香子が突っ込んでいく

 

彼女の意思とは関係なしに。

 

 

「「ぐぇっ!?!?」」

 

 

結果、表面衝突を果たした1人と1体は折り重なった状態で屋上を転がるはめに・・・。

 

「いっっったぁあ!

んもう!、なんなん!?」

「ふえええ~~~・・・」

「って!、あんたはん誰ぇ!?」

「ぶ、ブイはブイモン、デスぅ!

あの、早く降りて欲しい、デスぅ!

お、重い、デスぅ!」

「はぁあ!?、この羽毛よりも軽いって評判なうちのどこが重いん?」

「ふぇええええええん!?」

 

下敷きにされたまま理不尽に晒されるブイモンだったが

 

「あ、あれ?、ない!?、ないデスぅ!

ブイの、ブイの宝物がないデスぅ!!」

「!?、急に耳元で叫わひゃあ!?」

 

唯一の心の支えをなくした事に気づくや否や香子を突き飛ばし屋上中を探し回った。

 

「あ!、あったデスぅ・・・!

よかったデす、ぅ?」

 

 

「ほんまええ加減にせえよ・・・!、こんの青瓢箪!」

 

 

「ふええええええ!!?

ご、ごめんなさいデスぅううう!!!

痛いのやデスぅううう!!!」

 

突きだされる刃を涙と鼻水を垂れ流しながら必死に掻い潜り、それでも取り戻した宝物は絶対に手放さない。

 

「はぁー!、はぁー!、しゃ、しゃーないなぁー・・・!

こんぐらいで、勘弁したるっ

うちの心の広さに感謝してもええんよ・・・?」

「な、なんでそんなバテバテなクセして偉そうなんデスぅ?」

「・・・・・・・・・」

「ふえっ!?

な、なんでもないデスぅ!

感謝!、感謝デスぅ!

そ、それであの!、きみ何モン、デスぅ?」

「なんや、うちの事知らんの?

この立てば芍薬、座れば牡丹

踊る姿は月下美人で有名な花柳香子を?」

「はいデス」

「そこ知らんくても即答するとこちゃう!」

「ふえっ!?」

 

 

ガコン!

 

 

「ッッッ!、しまっ!!」

「?、なんなんあんたはんら」

『・・・・・・・・・』

〔「ガガ、st-112

コンナトコロデナニヲシテイル?」〕

「こう、じょうちょう・・・

こ、これはその、何もして、ませんデスぅ」

 

突如開かれた扉から雪崩れこんできたのはゴムの兵隊達と黄色い重機のような姿をしたロボット。

 

〔「ガガ、ナラソレハナンダ?

ソレニ、ソノニンゲンハ?」〕

「ニン、ゲン?、カオルコが、デスぅ?」

〔「ガガ、トニカク、ヨコセ、ゼンブ」〕

「ぜ、全部ってまさか

ブイの宝物も、デスぅ?」

『・・・・・・・・・』

「ふえ・・・!

わ、わかりました・・・デスぅっ」

 

迫る工場長とゴムの兵隊達の前にブイモンは宝物を差し出す。

 

 

「うち無視して勝手に話進めんといて」

 

 

「え?」

 

 

その手を遮るのは薙刀を構えた舞台少女。

 

「工場長かなんか知らんけど、この花柳香子をのけ者にするなんてええ度胸どすなぁ?」

〔「ガガ!

ワレワレニサカラウキカ?、ニンゲン!」〕

「そんな当たり前の事聞きます?、見た目通りでおつむがないみたいで

あんたはんみたいなのがトップならこの青瓢箪がこない情けないのも無理ないわぁ」

『・・・・・・・・・!』

「ふえ!?」

 

挑発に誘発され一斉に襲いかかるゴム兵隊達。

 

「はっ!」

『!!?』

 

だが、それらは旋回する水仙花により屠られる。

 

〔「ガガ!、テイコウヲカクニン!

コレヨリ、ムリョクカヲカイシスル!」〕

「ふん、やれるもんならやってみい!」

 

工場長が左手のショベルを振り回せば、香子はその上に軽々と跳び移り黄色い装甲に刃を走らせる

 

「~~~~~~!、かっ、たぁ!」

〔「ガガ!《クレイジークレーン!》」〕

「うげ!?」

「か、カオルコ・・・!」

 

が、背中のクレーンからワイヤーが伸ばされ水仙花ごと絡め取られてしまった。

 

「あ、あんたはんは、逃げ!、ぇ」

「な、なんでデス!?

どうして、偉そうで自分大好きなきみが

ブイの、為になんで?」

「あ、と、で!、覚えときぃ

それに、あんたはんの為やないわー

 

うちの事突き飛ばしてまで取り戻したかった

 

宝物を、あんな簡単に渡すのがっ

 

癪に触っただけ、どす・・・!」

 

「え」

〔「ガガ、テイコウゾッコウカクニン」〕

「く!、うううううう!!」

「・・・・・・・・・!

 

癪に、癪に触るのは!ブイだって、同じ、デスぅ!

 

 

《ブンブンパンチ!!!》」

 

 

コンコンコンコン

 

 

〔「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガガ?」〕

「元はと言えば!、こうなったの!

きみのせいデスぅ!、いつもは!

ちゃんと!、隠してたん!、デスぅ!

なのに!、勝手に庇った気になるな!

 

 

デスぅううう!!!」

 

 

決死の想いを込めて工場長に拳を何度も叩きつけるブイモンだが、まるで効いていない。

 

〔「st-112ハンコウカクニン

 

デリート、カイシ」〕

 

「ふえ!、ふえええええん!!」

 

頭上にシャベルが振り上げられてもブイモンは

 

 

宝物・・・虹色の鉱石を握ったまま殴り続け

 

 

装甲よりも、自分の拳よりも先に砕いた。

 

 

〔「ガガ!?」〕「ぁ」

 

 

直後、溢れ出た虹光が拘束を撃ち破って香子の手首に収まり桃色を主体に桜色の装飾がなされた神機となる。

 

「いっ、た・・・ぁ~~~!

けほっ、こほっ!

次から次に、ほんま忙しない事で・・・!」

「まったくデスぅ!」

 

並び立つ1人と1体の想いは1つになる

 

 

さっさと終わらせてこいつに文句を言う!

 

 

こんな一心でも神機は応え

0と1で構成された桃色の粒子を大量に放出。

 

〔「ガガ!?、コレハマサカ!」〕

 

幕のように降りてきたソレの下で急速に書き換えられるブイモンの肉体《データ》。

 

 

「俯き脅え、立ち止まってたブイの道」

 

 

細く華奢な体は太く逞しくなり

 

 

「例え小さな一歩でも

 

踏み出せば必ず勝利へと繋がる!、デス!」

 

 

角が、爪が、牙が大きく成長する

 

 

「ブイモン進化、ブイドラモン!

 

ブイの初陣、付き合って貰う!、デス!」

 

 

桃色の幕が開いた場所に立つのは

 

蒼き幻竜ブイドラモン。

 

〔「ガガ!、st-112シンカカクニン!!

サイユウセンデリートタイショウ!《ハイパーブルドーザー!!》」〕

「工場長

 

ブイ、その呼ばれ方

 

大ッ嫌いデス!《ハンマーパンチ!!》」

 

〔「ガガ!?」〕

 

真っ向から突っ込んできた工場長。

そのシャッター部分に先程とは比べモノにならない威力の拳をメリ込ませ

 

「《ブイブレスアロー!!!》」

 

零距離から超高熱線を浴びせた。

 

〔「ガガ・・・!、ソンショウ、ジンダイ!

ガ、セントウゾッコウ、カノウ!《クレイジークレーン!》」〕

「!?」

 

だが、完全に倒すには至らない

 

 

そう、ブイドラモンだけでは。

 

 

「ほんまおつむがないんや、なぁッ!」

 

 

〔「ガ?!、ガガガーーーン!!!」〕

 

 

溶解した装甲を貫いたのは

 

香子が投擲した激しくも流麗なキラめき。

 

「・・・・・・・・・!?、たまご?、卵!?

な、なんで機械が卵になってん!!?」

「デジモンは削除されれば皆デジタマに戻るデス

カオルコはそんな事も知らなイヒャヒャ!?

ホッヘヒハッハハイヒャイエフゥ!!」

「そんなん知るわけないやろ?

大体、でじもんってなんなん?」

「フエ!?、ヒョヒョヒャラエフゥ!?」

 

 

カシャッ カシャカシャ

 

 

「・・・・・・・・・!!?、ブェッ!!!」

「汚ッ!、ツバ飛んだぁ!、しかもあっつぅ?!」

「そんな事より早く逃げるデスぅうう!」

「はぁ?、あーんなひとつ目のコウモリに脅えるなんて図体ばっか大きくなっても中身は青瓢箪のまんまや

 

なぁあああーーーーーー!!?」

 

戦闘終了後、図上を飛び交う飛行体に気づいたブイドラモンは香子と屋上に転がっていた水仙花を引っ掴み建物から建物へ跳び移っていく。

 

 

「ふええ"え"~~~ーーーーーー!!!!!

 

やっちゃったデス!、完全に撮られたデス!

 

もうこれでブイは、ブイは・・・!

 

 

お尋ね者確定デスぅううう!!!」

 

 

 

 

 




※進化用BGMは再生産です
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