☆天界
月光の神殿へと繋がる暗夜の森
『はぁああ~~~♪ ぁ~あ~あ・・・・・・・・・♪』
そこでは魚と鳥が融合したような姿の神人型デジモン・セイレーンモン達は陰鬱な曲を溜め息混じりに歌っていた
自分達の行く末に絶望し悲嘆にくれながら。
「・・・・・・・・・次は、誰、なんだろうな?」
「さぁな、もしかしたら
ここに居る全員なのかも」
「嫌だ、っていう権利すら私達にはないわ」
「いい加減、覚悟決めないとな」
「それが、神に仕える信者としての 」
『!!?』
「こ、この気配!、そんな!」
『まぁ~♪ さぁ~♪ かぁあ~~~♪♪』
メロディが変わる
闇の中に生まれた僅かな光明宿す
希望を信じるモノに。
「わぁーーー!
真っ暗だね!、ひかりちゃん!」
「ルナモン、夜の方が好きだから」
『!!?』
突如森の中に発生したゲートから現れた鰐型の大型機械の背中で歓声を上げる赤と青の人間【招かれざる異分子】
『だ!《第一曲!! 』
「や・め・ろ!、貴様らーーー!!」
『
でぃ
ディアナモン様ぁあああああ~~~♪♪♪』
「うおっ!?、すっげぇ!!」
「うんうん!、とっても綺麗なコーラス!
・・・・・・・・・あの子、元気かな?」
「ケッ」
の間から飛び出たウサギを見た途端
仕える主の再臨に歓喜し美声を響かせた。
「よ!、お前ら久しぶりジャン♪」
『・・・・・・・・・ん?』
「え?、アレ?、マルスモン様?」
「何か、雰囲気違くね?」
「い、いや!、でも気配は間違いなくッ」
「なら!、入場曲やらなくちゃ!
うかうかしてたら技を掛けられるぞ!!」
『Boma ye! Boma ye! Boma ye♪』
「あ、今そういうのいいから」
『ッッッ!!??!!』
「あ、あんた!、ねぇ・・・!?」
「く、クロちゃん!
ベアモンも悪気があって言ってるんじゃない
と、お、思うよ?」
「アッ☆ハッ☆ハァ☆
闘争チャンったら☆記憶取り戻してパワーアップ☆したカンジだねぇ☆・・・・・・・・・良くも悪くも」
あんまりな言い草に拳を震わせるクロディーヌを宥めるまひる。
「こ、ここどこーーー!?」
「し、神域!?、いつの間に!?」
「う、うん・・・おはようジュンナ・・・」
「あらまぁ、随分と早いお目覚めで
うちの時とは大違いどすなぁ
ブイはんもそう思いまへん?」
「・・・・・・・・・」
「ブイはん?」
その横から正気を取り戻した純那とフレイモンが割って入ってきた。
「ディアナモン様!
私共一同、貴方様の御帰還を心待ちに 」
「前置きは良い、デシテ
ワタクシの神殿に変わりはないか?」
「は、はい!
・・・・・・・・・ただ、その!、食料や資材の大半は酒豪様や鍛治様がッ」
「構わない、想定内デシテ
貴様らでは奴らの暴挙を止められる筈もないからな
ああ、後
ユピテルモンが元の力を取り戻した
これ以上【ロード】の必要はないだろう」
『!!?』
「ワタクシはこれより自分の神殿へ向かう
その間貴様らは、この情報を他の神の信者にも伝えておくがいい
恩を売るには良い機会デシテ」
『
御心の、ままにッッッ!!!』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「その顔はなんデシテ?、テンドー」
「いえ、なんでもありません ふふ♪」
「フン!」
〔「る、ルナモンや・・・
このまま真っ直ぐで、いいのかのぅ?」〕
「遠慮する必要はない、進路上の樹々ならばワタクシが近づけば勝手に避けるのデシテ」
〔「フォウンッ!?」〕
「おい、あいつ
さらっと、とんでもない事言ってんぞ!?」
「さ、流石は神の一柱で御座る!」
「専用のサーバーでならボクらだってこれぐらいは出来るよ、うん」
「おう!、ウチも出来るジャン!
観客席増やしたりとか!、檻出したりとか!
信者用のデッカイ奴!!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・そっか、すごいね』
舞台少女やパートナー達が悟りきった笑みを浮かべている間にもデッカードラモン号は進んでいき
やがて
荘厳な雰囲気漂う純白の神殿前まで到達。
「ここが、あなたの
月光の神が住まう地、ですか・・・?」
「そうデシテ
おい、アホ熊手を出せ」
「ん?」
パン! パン!
「データ連動完了デシテ
そのまま豊穣、ケレスモンの所へ行ってこい
貴様ならばここでも奴を探せるだろう?」
「おう!、余裕ジャン!
んじゃクロ公!、ウチ行ってくる!」
「Attends!、本当に大丈夫なのッ!?
あの子にお使いなんてさせて!!」
「く、クロちゃん!
心配になる気持ちはすっごくすっっごく!、わかるけど!!
自分のパートナーを信じないのはノンノン!、だよ!」
「か、華恋の言う通りで御座る!
ベアモンとてアレでも、えっと・・・一応は!
神の一柱なのだから!」
「ああ、奴がこの神域で迷う事等有り得ない
唯一の問題点は盗み食いの常習犯の不法侵入を豊穣が許すかどうかだけデシテ」
「う"ん!?、不味いだろソレ!!
あの空飛ぶ樹海の怒りを買いでもしたら!
最悪ボクら全滅するかもしれないのに!!」
『うんッ!!?』
「余計な情報で場を混乱させるなデシテ
奴はがたいこそ凶悪だが神々の中では比較的話がわかる奴デシテ
この状況で不用意に戦力を減らすような暴挙に出る訳がない
貴様らの所の竜帝とは違うのだからな!
本当に何なんデシテ!?、あいつ!!
成果と被害の釣り合いがまるで取れてなかったデシテ!!」
「そ、その件に関しては返す言葉も、ないッ
ボクらもまさか外来の不穏分子ごと山を2つ3つ一辺に消し飛ばすとは思わなくて、うん」
「ならまず大気圏外まで飛ぶのを止めろ!
奴が出張る度にワタクシがど・れ・だ・け!
事後処理に追われたと思っているッ!?」
「う、うん・・・ごめん・・・ごめんなさい・・・」
「はぁーーー、何や聖騎士って
チンピラ紛いの方が多過ぎとちゃいます?
なぁ?、ブイはん」
「・・・・・・・・・」
「ん?、どうしたブイモン?」
「まさか!、どこか手傷でも!?
すまない!、オレはまた足手纏いに!!」
「私もッ、覚悟してたつもりだったのに!
途中で意識を失うなんて!!」
「え?、純那、ちゃん?」
「まひるちゃん・・・そっとしてあげましょ?、ね?」
「コホンッ!、兎に角!
ここならば帝国の侵入をある程度は防げるし
よしんば攻め入られたとしても異変を察知すれば即座に防衛システムが作動するようにしてある
不意を突かれる心配はまずないのデシテ」
「へぇー、そいつは
安心
だねぇ・・・、天界に来てから色々あったんだ
ここいらで一旦休んでもバチは当たらないんじゃないかい?」
「ババモン様の言う通りじゃ!、始祖様に至っては未だ傷が治りきっていないというのにあんな無茶を!」
「ワー君☆それ☆オジサン的にはさぁ☆
出来ればナイショ☆にして欲しかったなぁ☆
・・・・・・・・・ジョーダンデース、マヒルサン
ダカラ、ボウブンブンハヤメテクダサーイ」
「ぴぃ!」
「リュウダモン、まひるに脅え過
・・・・・・・・・ッ・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・ひかり、ちゃん」
☆デッカードラモン号、中央通路
「本当に!、あんたの心配なんてするんじゃなかったわよ天堂真矢!!」
「すみません西條さん・・・
ですが、大変だったのは事実なんですよ?
問答無用でゲートに引き摺り込まれた挙げ句首に刃物を突き付けられて降伏を余儀無くされてしまって」
「その相手すらファンにしておいて良く言う!、この世界に来てヤな女に拍車がかかったんじゃないの?
あの子の為?」
「ふふっ、それを言うなら
異常な程に好戦的な自分を演じているのは
誰の為ですか?、西條クロディーヌ」
「Méchante va!・・・・・・・・・もう休むませて貰うわ
あんたも次の舞台に備えなさいよ」
「ええ、そうします」
通路を挟んで火花を散らした後、真矢とクロディーヌは互いの自室に入り
扉が閉じるのと同時に崩れ落ちる。
「ハァッ!、ハッ、ハァハァハァ・・・!!
涼しい顔!、しちゃって!
お陰で、こっちまでッ
ひっこみ、が」
「フーーー・・・・・・・・・
つかなく、なってしま・・・って・・・・・・・・・」
周りの目が無くなった瞬間に重くのし掛かってきた疲労感に身を委ねた主席と次席の意識が途絶えたのは
やはり、殆ど同時だった。
☆暗夜の森 森林地帯
「ケッ・・・」
「片目だけでは見回りも不自由ではないか?
拙者も同行しようぞ」
独り森の中をウロつく隻眼の仔獅子の背後から鎧蜥蜴がのっそり姿を現す。
「アァン?、何の話だァ?
オレサマは昼寝の場所を探してただけだァ」
「はっはっはっ!
まぁ、そういう事にしておくで御座るよ」
「ケッ、勝手にやってなァ」
「ならば、勝手ついでに言わせて貰おうか
レオルモン、いやバンチョーレオモン殿
御主、拙者と会う前
・・・・・・・・・いや、それ以上前から
かつての記憶があったのではないか?
だから、あのような場所を縄張りにしバコモン達を帝国の魔の手から守ろうと」
「アァン?、したり顔で語ってんじゃねぇ
大体なァ、オレサマが何処で何しようがァテメェには関係ねぇだろうがァ」
「いいや!、関係はあるで御座るよ!
拾ってくれたバコモン達の善意につけ込み!
あわよくば、打倒帝国の為の兵にしようと企んでいたトカゲ野郎にはな!
御主が、体を張って止めてくれなければッ
そのお陰で華恋やなな殿に出会わなければッ
拙者は!!」
「リュー君!!、すとっぷすとっぷー!!」
「!?、華恋!!
それに、なな殿とまひる殿まで」
リュウダモンが感情的になっているとパートナーと共に2人の舞台少女が登場。
「もーーー!、だからそれもうノンノンって
私言ったよ!、言ったよね!?」
「す、すまぬぅううう!!」
「そっか、そうだったんだ
あなたらしいねレオルモン」
「ア"ァ!?、トカゲ野郎のくだらねぇ妄想真に受けてんじゃねぇぞ!」
「はーい、わかってまーす」
「ケッ!、どいつもこいつも!」
「あはは・・・ストラビモンもそうだったけど
みんな私達と会う前から色々あったんだね」
「 フォン」
「あ!、お爺ちゃんだ!」
「はい!、爺ですじゃ!
・・・・・・・・・フォッ!?、しまったぞい!!」
「ぬ?、何がしまったので御座る?」
「大方あのオヤジがまァた艦から逃げ出したからそいつに見つからねぇ内に連れ戻そうってハラだったんじゃねぇかァ?」
「そうなの?、お爺ちゃん?」
「ま、マヒルさんッ
始祖様にもきっと恐らく何か考えがあって!
だから!、その!、お手柔らかにぃい!」
「ぴぃいいい!」
更に通りすがりの老人狼まで話の輪に加わってきた。
「フォゥン・・・」
「お爺さんどうしたの?、何だか元気がないみたいだけど、疲れちゃった?」
「ストラビモンなら私が探して叱っておくから!
お爺ちゃんは休んでていいよ」
「い、いやいや!
天界に来てから頑張り通しじゃった皆の衆!
特に一番大変じゃったナナさんを差し置いてそんな!
・・・・・・・・・ただ、その、のぅ
成長期達が頑張っとった時に完全体のワシは
ゴミに紛れてコソコソ隠れとったと思うと
自分が、情けなくなってしもうて・・・」
「アァ?、なァに言ってんだァ?
コソコソしてなきゃ帝国に狩られてただろうがァ」
「それは、そう、なんじゃが
フォゥーン・・・、ドルモンも言っておったが
やっぱりワシ、レジスタンスの長とか向いておらんのぅ
なのに、雲の上である天界の、しかも神域にまで来てしもうて・・・場違いにも程があるぞい」
「!、ワー爺様それは 」
「ノンノン!、だよ!」
「フォッ!?」
「言うと思ったで御座るよ、相棒」
「お爺ちゃん!!
私達のこの舞台での役!、何!?」
「え、えっと・・・救世主、ですじゃ」
「なら!、救われる人・・・・・・・・・じゃなくって!
デジモンが居なくちゃダメだよ!、絶対に!
お爺ちゃんはその代表なんだから!
場違いなんかじゃない!!
だって、私達と一緒に居るってお爺ちゃんの大切な場所で約束したんだから
ね?」
「カレンさん・・・・・・・・・ォゥンッ!」
華恋の言葉に感極まったのか、ワー爺は毛むくじゃらな手に握った布で涙を
「フォオオオ!?、危ない危ない!
濡らす所じゃった!!」
「「「「?」」」」
「なんだァ?、ソレ?」
「コレは、のぅ
ワシが使っておったデジタマ袋なんじゃ」
拭く寸前だった動きを急停止させ、3人と2体の前に差し出したのは色あせた肩掛けの袋。
「もしかしてドルモンを育てていた時のなの?」
「古いけどあんまり傷んでない、ずっと大事にしてたんだね」
「じゃが、もう使う事もあるまいて
なんでヒカリさんにと思ったんじゃが
どちらとも会えず仕舞いで・・・」
「アァー、この森
仔ウサギ臭くて鼻が効かねぇからなァ」
「よーし!、なら私達も探すの手伝うよ!
ひかりちゃん!、きっと喜ぶと思うから!」
「任されよ!」
「い、いやしかし!
やはり皆の衆は休んだ方が 」
「大丈夫よ、お爺さん
それに、今は、ちょっと体を動かしたくて
(・・・・・・・・・シェイドモンが言ってたのは
真矢ちゃんとルナモンの事じゃなかった
なら、『2人』って誰なの?
ただの嫌がらせなのかもしれないけどッ
やっぱり、気になる・・・)」
歩きながら思案に耽るなな
「(ん?、アレ?
ストラビモンと、ひかりちゃん?
一緒に居るの?)」
そのすぐ隣でまひるは探し人達の所在を漠然とだが把握していた
入った者の感覚を狂わせる幻惑の力が満ちる
この森、月光の神の領域で。
☆暗夜の森・神域の境界線
〔「そちらは上手くやっているようで何より
お陰で此方はてんてこ舞いなんだが!?」〕
「カッカッカッ!
四天王の一角に加えて神の二柱まで消されちゃあねぇ!、そうなるだろうよ!
ま、大変だろうが頑張んなムーさん」
〔「チィッ!、他人事だからと軽く言って!
後!、ムーさん呼びは辞めぇい!」〕
「で?、準備の方はどうだい?、ムーさん」
〔「万事万端整っているとも、お前がお尋ねモン共を生け捕りにしてここまで連れてくればいつでも儀式を始められる
が!、ムーさん言うな!」〕
「そいつは御機嫌だねぇ、ムーさん
だけど、もうちょいと様子見させておくれ」
〔「ムーさんではないと!、何度言えばッ!
・・・・・・・・・私は構わないが
問題はお前自身だろう?、間に合うか?」〕
「勿論、間に合わせるさ
それがアタシの おっと!
悪いが今日はここまでにしとくよ
近い内に直接会おうねぇ ダルクモン」
〔「
ああ、文句は直接言わせて貰う・・・!」〕
「やれやれ、どいつもこいつも血の気が多くてやんなるっての」
「あ!、バッチャン!
帰ったら丁度バッチャン居た!
やっぱりウチすっげぇー!
ん?、今誰かと話してたジャン?」
「あーーー、そうだねーーー
年取るとねーたまーに見えない何かとお喋りしたくなるのさーーー」
「そっか!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、ところで!
アタシに何の用だい?、そんな泥だらけになってさぁ」
「おう!、ケレスモン所行って
ついでにあいつに勝ってきたジャン!!
これ!、戦利品!、すごいだろ!?」
「・・・・・・・・・うん、すごいねぇー」
得意気に神々しい実を掲げるベアモンにババモンはツッコミを放棄。
「まさかとは想うけど、それ神実かい?
そんな貴重なモンをなんでアタシなんかに」
「だって、怪我は治した方が良いジャン?」
「それはそうだけどねぇ、今更そんな事しても無駄だって事はあんた達の方がよーくわかってんだろ?」
「・・・・・・・・・なぁ、バッチャン」
「なんだい?」
「バッチャンはさぁ
もうすぐ消えるのに怖くねぇの?」
「なぁに言ってんだい
怖いに決まってんだろ」
「なら、どうしてウチらに頼まないジャン?
ジッチャンもだけどさ
消えたくない、消さないでくれって
みんなそう言うジャン?」
「頼んだら何とかしてくれんのかい?」
「無理ジャン」
「だろ?」
「でも、でもさ!
ウチは、前のウチはッ
レイド帝国に、頼んだ、ジャン・・・」
「その癖自分の負けは認めたくなかったってんだからたちが悪いねぇ」
「うん!、ウチもそう思う!」
「自分で言ってんじゃないっての!
はぁー、クロの苦労が骨身に染みるよ・・・」
「なら!、バッチャンこれ食うジャン!」
「・・・・・・・・・そうした方が良さそうだねぇ」
老婆が諦めた顔で地べたにゆっくり腰を降ろせば小熊はその横に並んで座り、神実を豪快に割って渡す。
「あぁー美味い、流石豊穣神の力の結晶体
嫌味なぐらいにすんごい美味い」
「だろ!?、でも採るとあいつすっげぇ怒るから!
バッチャンだけの特別ジャン!」
「・・・・・・・・・うっまいねぇー、後先の事とかどうでもなるぐらいにー」
「?」
「なんでもないよー
ま、あんたは余計な事考えずに
どーーーん!、とやってればいいのさ
じゃないと、クロに、あんたのパートナーに
筋金入りの舞台少女に勝つなんて絶対無理だ
それこそ永遠に、ねぇ・・・」
「!、ヤダ!!
ウチ絶対の絶対に絶対勝つジャン!!!」
「だろ?
なら、アタシの事構うのはこれで終わりにしときなっての」
「うん!、そうする!
でも、今は、もうちょっとだけ・・・
こうしてて、いい?、ジャン?」
「カッカッカッ!
なんだい?、なんだい?
本能以外を取り戻してやる事がそれって!
おっどろいたー!!」
「わ、笑うなよー!」
「カッカッカッカッカッカァ!!
所でさぁ、後どれくらいだい?
アタシの寿命」
「あ、えーっと
今、ピッタリ
60時間になった、ジャン」
「へぇー、思ったより残ってたねぇ
これなら、見たいモンが見れそうだ」
「嘘」
「あの、アホ・・・!」
その様子を偶々散策に出ていた純那とドルモンが目撃していた。
「し、ってたの?、あなたも?」
「・・・・・・・・・うん
ボクもあいつらと同じでデジタルワールドの管理に関わる存在だから、ね」
「どう、して?、なんで!?」
「言わなかったのかって?、言う必要がないだろ?
ババモンの寿命と君達が人間界に帰るかのどっちが早いかなんてわからないんだしさ」
「でも!、だって!、ねぇ!!
ッ、お爺さんは!!?」
「わからなくても多分気づいてる
その上で残された時間をどう過ごすかババモン自身に委ねているんだ
だからジュンナ、難しいかもしれないけど
黙って、見てて欲しい
この世界には
君達舞台少女でも、救世主でも
神々でも、聖騎士でも、番長でも
どうにもならない事はあるんだから、うん」
「そ、ん、な!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ
ダメね 私
こんな時に、何も、言えない
自分の言葉すらも!!」
「無理に気の効いた台詞捻り出さなくていい
大体、ボクらデジモンは消えても
デジタマに還るだけだ
それに、運が良ければボク達みたいに記憶が残ってるかもしれないんだし
君が気にする必要なんてないんだよ
うん、うん」
「ドルモン・・・ッ
(そう、この子達にとっての死は
デジタマに戻る、だけ
だけ・・・、だけど!
でも!、だからって!
このまま黙って見てていいの!?
他に、何かお婆さんの為に出来る事が!
・・・・・・・・・ううん、こんなのただの私のエゴ
でも、せめて)
見るのは、お婆さんの方よ
私達の舞台をッ
この世界が救われるのを!!」
「・・・・・・・・・うん」
眼鏡の下に新たな決意を燃やすパートナーを
元聖騎士は眩しいモノを眺めるように
見上げるのであった。
☆月光の神殿 祭壇の間
「アホ熊は戻ったが
案の定豊穣に喧嘩を売ったようデシテ」
「はぁあああ!?」「ちょおおお!?」
「・・・・・・・・・」
サイズが合わない玉座に腰掛けたルナモンが
虚空にこの世界の文字を大量に浮かべながらの呟きに双葉と香子ドン引き。
「治療薬の手配はワタクシからしたというのにあのアホやはり内容を確認していなかったな」
「お、おいソレって大丈夫なのかよ・・・?」
「隠士の戯言を鵜呑みにするなデシテ
少なくとも、貴様ら舞台少女は無事だろう
奴とて色ボケ共の二の舞は御免だろうからな
干物にされるとすれば貴様らだ、青瓢箪」
「・・・・・・・・・」
「ん?」
「あー、ウサギはん
何やブイはん、こっち来てからずっとこの調子なんどす
気にせんといてや」
「気になるとすれば貴様ら2人だ
わざわざこんな所まで来て、ワタクシに何の用デシテ?」
「えっと、あのさ
天堂から聞いたよ、お前の昔の話
あんな事があったんなら暗黒進化なんて知って冷静でいるなんて無理なのに、あたし」
「・・・・・・・・・ナナにも言ったが謝罪は不要デシテ
寧ろ、謝るべきはワタクシの方だろう?
八つ当たりをしていたのは事実なのだからな
この作業が一段落した後、改めて貴様の相棒と話をさせて貰うのデシテ」
「あれ?、そういえばあいつどこ行った?」
「というか、あんたはん何してはるの?」
「神殿からシステムにアクセスし
現在のデジタルワールドがどれだけレイド帝国に汚染されているのかを調べたのだが
正直、後悔しているのデシテ」
「「!?」」
「・・・・・・・・・ッ」
短い手の動きに合わせ、2人と1体の眼前に映し出されたスクリーンにあったのは
全体の大半が濁った紫に染まった1本の樹。
「ワタクシ達が居た以外の下界は
他のサーバーは既に陥落済み
天界も時間の問題と言った所デシテ」
「急がないと、間に合わなくなる前に」
「ブイはん?」
それを睨む青い小竜の拳は固く握られており
普段の弱気を感じられない程に
強張った表情をしていた。
☆月光の神殿 裏手
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
人気の無い場所に潜み、物思いにふける
舞台少女・神楽ひかり。
「おい!!、光の!!、今何て言った!?」
「!?、フレイモン?」
彼女の耳が捉えた怒声は烈火の如く激しいモノだった。
「どういう事だ!?、降りるって!!」
「言葉通りの意味だ、炎の
神々の助力を得られるようになった今
オレみたいな口だけで中途半端なデジモンが無理に着いていく必要はないだろ?」
「ッ!、お前!!
やけに明るくしてると思ったら!!
またそうやって開き直ってたからか!?
大体!、お前どうやってウラル大陸に戻るつもりだ!?」
「次の目的地は恐らく聖騎士達に守られた重要エリアだ
そこからアクセスすれば下界へのゲートを開けるなんてワケないさぁ☆
ま☆後は☆ヨロシク☆頼ん 」
「ストラビモンッッッ!!!」
「・・・・・・・・・なんだよ、フレイモン」
「!!、くっ!!!」
フレイモンに顔面を殴り飛ばされたストラビモンが無表情で問い掛ける
「待って2人共」
そのタイミングでひかりが割って入った。
「!?、ヒカリ!
こ、これは違う!!、違うんだ!!
その!、光のの、何時もの冗談だから!!
だから! 」
「うん、まひるにも誰にも言わない
その代わり、お願いがあるの
」
「!!?、ヒカリッッッ!!!
君まで何を言っているんだ!?
そんな!、そんなの、あまりにも!!!」
「・・・・・・・・・『光』だけに考える事は一緒だったってか?」
「そう、かも」
「アハハ、わかった
君の願い、オレが必ず成し遂げる
だから、さ」
「うん、あなたの分もまひるは私が」
「お、おい!、おい!!
なんで!、なんでだよ・・・!?
くっそぉおおお!、オレはオレはぁ!!
どうしたら、いいんだよぉ・・・ッ」
☆月光の神殿 祭壇の間
数時間後・・・。
「さて、そろそろ豊穣が現れる時間デシテ」
「いよいよ、新たな神との対面ですか
・・・・・・・・・ユピテルモンやユノモンのようなデジモンでない事を祈りましょう」
「
ちょっといい?、天堂真矢
なんであんたそこに座ってるの!?」
「それは勿論パートナーですから」
「ソーデシテー」
「くっ!!、見下ろしてくれちゃって!!」
「落ち着けってクロ子」
「「・・・・・・・・・」」
「増えとるー!?
もぉ!、フレイはんまでなんなん!?」
ルナモンと並んで玉座に腰掛ける真矢にクロディーヌがいきり立っていると
「ディアナモン様!
豊穣、ケレスモン様おなりなされました!」
「通せ、デシテ」
「もう通っています」
「ぐぇええええええ!!?」
「な!?」
『!!?』
パートナーが足元から発生した様々な植物に襲われ、天井に叩きつけられた。
「そして、これは先程のお返しですよ
神々の中で最も野蛮で一番品性がなく
下劣の頂点に立つ闘争の神・マルスモン
よくも私の森を荒らしてくれましたね?」
「お、おいメディウム!
不意打ちしながらほめるなよ!
ウチ怒っていいのか照れていいのかわからなくなるジャン!!」
「ならば、その必要がないように
その余りに余っているエネルギー
その全てを奪い尽くしても構いませんか?」
「構う!!!」
「《ファミス》」
「うおおおおお!?
ま、負けねぇジャアアアン!!
あ!、絡まった!?、動けねーーー!!」
「馬鹿ですか貴方?
すみません、馬鹿でしたね貴方
貴方のような馬鹿のパートナーとなったクロディーヌというニンゲンが不憫でなりません」
「ぁぁぁああぁあ"あ"・・・!!」
『 』
「やはりこうなったデシテ」
・・・・・・・・・しばらくお待ち下さい・・・・・・・・・。
「ぐぇっ ぐぇっ ぐぇっ ぐぇっ」
「見苦しい所を見せましたね皆さん
しかし、こんな醜態を見せてしまった原因は自分で私の元へ来なかったそこの見た目も中身も小動物のせいなので
私は一切の責任を負いません」
「ぐぇぃ!?」
「貴様も変わりはないようデシテ、メディウム」
「・・・・・・・・・あの、ルナモン
今、質問してもよろしいでしょうか?」
「壁に張り付いてるアホのミイラなら
お湯でもかければ恐らく元に戻るのデシテ」
「み、皆の衆!!、お湯じゃーーー!!」
「「「「「ワン!!」」」」」
「いえ、そうではなくて、ですね」
「う、うん・・・誰だよ・・・?、そいつ・・・!」
ドルモンがビクビクしながら指を指すのは
顔の上半分と両手足に重厚な装甲をつけ
桃色の髪から花を咲かせ、蔓を伸ばす
ユノモン以上に露出の激しい女型デジモン。
「アルファモン、その転生体よ
空白は会議の席だけにして下さい
私と貴方は何度か会っている筈ですが?
ああ、そうでした
頭クロンデジゾイドと会話なんてとても耐えられなかったのでカルポスヒューレの最奥に身を潜めていましたね私
すみませんでした、一瞬でレイド帝国にやられたデジタルワールドの抑止力殿」
「こいつはメディウム
豊穣の神、ケレスモンの本体デシテ」
「その本体に直々の召集を掛けるとか
私が余人にこの姿を晒すのがどれだけ嫌か理解した上で呼び出すとか
しかもその伝令役がよりにもよってアレとか
宣戦布告と取ろうかどうか散々迷いましたが
私は神々の中で最も温厚で最も聡明なので
今が緊急事態だという判断だってちゃんと出来ますとも
だから全身全霊で我慢しますとも、ええ」
『(め、滅茶苦茶怒ってるぅううう!!)』
「安心しろ貴様ら、こいつはこういうひねくれた物言いでしか会話が出来ないだけデシテ
植物型デジモンにはよくある特徴デシテ」
「・・・・・・・・・とんだ風評被害だよッッッ!」
「よし!、ウチ!、復活ジャぐぇえええ!!?」
「「「「「「ベアモン!!?」」」」」」
「騒がしくしてごめんなさいねメディウム、どうか話を続けて」
「わざわざ申し訳ありません、クロディーヌ
貴方とは節度ある関係を保ちたいモノです」
色々トラブルはあったが・・・これで漸く舞台少女達は天界の現状について知るに至る。
「端的に言えば今の状況はまさしく災厄級に最悪ですね
最早私達デジモンの滅びは避けられません」
「メディウムさん!!
諦めるのはノンノン!、だよ!」
「そうで御座る!、拙者達はその滅びを打ち砕くべくこの天界へとやってきたのだから!」
「ハイ☆ハイ☆、2人共☆
豊穣チャンもその辺りはわかってるって☆、でしょ?」
「ええ、ディアナモンのメモリーの一部を拝見し
私も慈愛の神たるウェヌスモンも貴方達にはこの現状を変えうる確かな力を感じられました
なので、私達二柱は出来うる限りの協力はさせて貰います
・・・・・・・・・あの堕神三柱共は貴方達に全てを捧げる気満々でしたけど」
「あ、は、あはははっ」
「?」
メディウムに顔を向けられた真矢は口の端をひくつかせ、ひかりはやっぱりよくわかってない。
「えーっと?、これで神様の中でうちらの助けになるんは7人って事になるけど・・・」
「あの魚を除いたら残りは4人か
そいつらはどうなんだ?
まさか、全員やられたとかは」
「いえ、約1体を除いては存命している筈
まず、蛇姫のミネルヴァモンですが
レイド帝国との戦いにより己の力不足を感じたのか、弟のイグニートモンと共に修行の旅に出たっきり
消息不明になりました」
『え!?』
「そ、それはワタクシの想定外デシテ!」
「酒豪のバッカスモンと鍛冶のウルカヌスモンはユピテルモンが転生してからというものの
すっかり自分達の神殿に引きこもってしまい
趣味に没頭しています」
「あ、それはワタクシの想定内デシテ」
『えええ!!?』
「最後に日輪のアポロモンについてですが
私の説明は、必要ですか?」
「!、要らない、デシテ
半身の行方がわからぬ程
落ちぶれてはいない、デシテッ」
「ルナモン・・・
ああ、そういえば、メディウムさん
そのアポロモンが行ったという情熱的な告白とはどんなモノでしたか?」
「確か、世界よりも己の使命よりも
ディアナモンを愛してしまったとか直球で言っていましたっけ?
最も、直後にレイド帝国に削除されたのでムードも何もありませんでしたが
・・・・・・・・・まぁ、お陰で私達は助かったので一応は感謝しないでもありませんが」
「「「「「「「「
」」」」」」」」
「アァン?」
「め、めでぃうむっ、きききさまなにを?」
「そうジャン!、クロ公達にウソ言うな!」
「お、おおデシテ!、言ってやれアホ熊!」
「あいつはディアナモンが泣くのも消えるのもイヤだって言ってたジャン!
それに、残飯処理とか言いながら出してくれる料理また食べたいって!
ちゃんと笑った顔の方が好きだって!
ほら!、愛したなんて言ってねぇジャン!」
「ぐぎぃぃぃいいいいいいぃぃぃ!!!?」
「!、そうジャン!
ごめんなルナモン!、ウチだって怖じけづいたのに・・・お前が隅っこに隠れて消えたくないって泣いてたの馬鹿にしてた!!」
「私も、いくら世界樹の決定だからといって
いくらそれしか手段がないからと突き放すような態度をとって、すみませんでした」
「あ・や・ま・る所そこじゃなーーーい!!、デシテ!!
おい、テンドーなんだそのニヤけ面は!?」
「ねぇ、ベアモン
そのアポロモンについてもっと詳しく教えてくれない?」
「「「「「うんうん!!!」」」」」
「おう!、あいつは 」
「訊くな貴様ら!、そして黙れアホ熊!」
「カッカッカッ!
いやぁ、おっどろいたー!
いくら女型多いからって乱れ過ぎだねぇ神々って連中は!
後!、あんたら食いつき過ぎだっての!」
「お婆、さん・・・」
豪胆に笑う包帯の取れたババモンに純那が向ける視線はどこか悲哀に満ちていて・・・。
「ゴホン!、ゲフン!、エフン!
は、話を進めるのデシテッ
メディウム、例のモンは?」
「ちゃんと持ってきていますとも
ただ、現在私の森で保護しているか弱きデジモンや傷ついたデジモンの為の分もあるので
あまり数を用意出来ませんでしたが・・・」
「うん!?、ちょっと待て豊穣!!
じゃ、じゃあ!
あの時の!、被害は!?」
『!』
「レイド帝国側だけです
それでも、アレは決して褒められた行為とは思いませんが
まぁ、武将による天界の損失と比較すれば情状酌量の余地はあるとも思いますので
私からとやかく言うつもりはありません」
「・・・・・・・・・!
ありがとう、ございますメディウムさんッ」
「感謝の言葉ならばテンドーとクロディーヌに言いなさい
貴方の行いに一番文句をつけるであろう神々を籠絡してくれたのですからね」
「おう!、前のウチならヒカリ消してた!」
「「ベアモン、ちょっといい?」」
「ん?、なん・・・・・・・・・」
「ぴっ!」
「華恋、まひる落ち着いて
そう言われても仕方ないから・・・」
「止める必要は無いデシテ
あのアホ、本能以外を取り戻してから口が軽くなり過ぎているからな
セイレーンモン達よ、豊穣から託されたモンをここに」
『はぁあああ~~~い♪♪♪』
歓喜に満ちた合唱と共に舞い降りる信者達。
その手により運ばれてきたのは小瓶が30本程入った木箱だ。
「?、ジュース?」
「ジュースではないデシテ、ナナ
豊穣の神の森たるカルポスヒューレで採れる神実から造らせた最上級の回復薬デシテ!
大抵の傷ならばたちどころに治る上!
どんな状態異常に陥っていても本能的に飲み干してしまう程の甘美な味わい!
勿論!、しっかり完全回復!
これさえあれば・・・
ロゼモンの魅了も催眠も恐れる必要はない!
デシテ!!!」
「ふーーーん?、へぇーーー?、ほーーー?
そりゃあーーー、すごいねーーー」
「ついでに言えば!、奴のけったいな小技等!
本来の力を取り戻したワタクシの前では無意味だと思い知らせてやるのデシテッ!」
「ええ、例え役柄を棘姫に書き換えられても
あの戯曲さえあれば、その上から更に上書き出来ますものね
私達を侮った事、後悔させましょう」
「「ふっふっふっ・・・!」」
「
かっふん!!?」
「バ、ババモン様ぁあああ!?」
「お婆さん!!、大丈夫!?」
「な、なんでもないっての!
ちょぉぅ、ちょっと!・・・・・・・・・そう!
ツバが、ねぇ!、変な所、入って!!
(
うっそだろぉ!!?
アタシ!、アレ編み出すのに!
何十年掛かったと思ってんだい!?
それを話聞いただけでやってのけるってぇ!
ああ"ー!、やだやだ!、やだねぇ!!
これだから上位個体ってのはさぁ!!)」
ワー爺と純那に背中を摩られながらババモンは何故か、玉座で踏ん反り返っている月と星コンビに恨めしそうな視線を向ける。
「アッ☆ハッ☆ハァ☆、流石は月光チャン☆
ずーっと奴の対策を考えてたってワケかぁ☆
あ☆そうそう☆豊穣チャン☆
聖騎士は今何体生き残っている?」
「ッ」
「スト、ラビモン?」「ひかりちゃん?」
「ぐぇぇぇぃッ・・・!!」
パートナーと運命の相手の雰囲気が変わった事を察し、まひると華恋は教育的指導を中断。
「先の総攻撃の際に先陣を切った13の聖騎士達
あ、いえ、それよりも前に出ていた無謀で無法者な猛獣と害虫がいましたっけ?
しかも、あっさり返り討ちにされてましたっけ
ねぇ?」
「ア"ァン!
喧嘩売ってんのかァ!?、デカ物がァ!!」
「やめて!、レオルモン!
メディウムさん、ごめんなさい・・・」
「貴方が頭を下げてもそのケダモノは何とも思わないでしょうから気にしないで下さい
そして、番長という集団は大体がこうなので協力の要請はするだけ無駄だと思いなさい
まぁ、そこに転がっている馬鹿と同じくらい私の森を荒らす害虫が居ないだけ・・・・・・・・・話が逸れましたね
現在存在が確認出来ている聖騎士は
軍師ドゥフトモン、矛盾クレニアムモン
神威ガンクゥモン、そして
黄金マグナモン、以下の4体です」
「!、・・・・・・・・・」
「少なッ!、神様の半分以下やん!!」
「や、やはり、オメガモン様はあの後・・・」
「うん、わかってたよ、うん うん」
「ドル、モン・・・
ッ!、もうこれ以上あなたの仲間を減らす訳にはいかない!、この世界を救う為にも!!」
「わかっているのデシテ
故に、ワタクシ達が次に目指すのは 」
「デジタルワールドのシステムの最奥
世界樹のコアに敷かれた最終防衛ライン」
「え?、ブイ、はん?」
「圧倒的な物量と兵力を持つレイド帝国の本隊を相手にたった4体で絶望的な防衛戦を繰り広げてる
武将があんな所に居たのも、そのせいで」
「ええ、矛盾の聖騎士を餌に
武将をあの場所まで誘い込んだ所に
更に陽動部隊を展開し、数少ない有効戦力が撤退するだけの時間を稼ぐという
単なるその場凌ぎの消耗戦ですね
軍師の手札も既に尽きていると見て間違いありません
次に武将に匹敵する戦力がぶつけられれば
防衛ラインの崩壊は免れないでしょう、そうなれば・・・」
「!、全部終わりジャン!!
世界樹の核が帝国のモンになったら!
デジタルワールドもデジモンも!
みんなみんな!、あん時のウチになる!!」
『!?』
ベアモンの、かつて敵の手に堕ちた経験者の実感のこもった言葉が舞台少女達の心に重くのし掛かる。
「ですが、ユピテルモンが力を取り戻した今ならば 」
「テンドー、それ無理ジャン
あいつはお前に言われたら絶対の絶対に従うけど、聖騎士達の方が絶対の絶対に突っ返すから」
「な、なんでなんでぇーーー!?」
「何故!、この窮地に神々の助けを拒むで御座る!?」
「それは
神々にはかつての外来種・・・
七大魔王の侵略に加担した疑惑があるからだ
万全の状態でボクらの方が数的にも優位
しかも創世神の目がある中でなら共闘もやむなしだったけど
この状況で軍師が神々の協力を受け入れるのはまず有り得ないよ、うん」
「そんな!!、そんな大昔の疑惑だけで 」
「残念ながら疑惑ではないのデシテ、ジュンナ」
「ええ、頭がタコで中身もタコな先代の鍛治神が
暴食の魔王に惚れ込んで自分の造った力作を
武器を、横流ししたのは
紛れもない事実なのですから」
「ウチら何も言えねー!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
まさかの理由に一同絶句。
「という訳なので、ワタクシ達はこれより
あの頭クロンデジゾイド共の説得を試みる
貴様ら舞台少女のキラめきならば可能だろう
奴等の凝り固まった思考データ等
丸っと吹っ飛ばしてしまえデシテ!!!」
「げ、月光チャン☆
それさぁ☆、下手すると☆
マヒル達を奪われるってリスクがあるの忘れるなよ?
本当に大丈夫か?、特に貞節の奴
あいつ、マヤチャンが人間界に帰る時妨害してくるかもしれないだろ?」
「先の事など一々気にしていられないデシテ
それに、もしそうなったとしても
テンドーの髪一本でも放れば奴は確実にそれに気を取られる
その隙に帰らせればいいだけの話デシテ」
「いい訳ないでしょッッッ!!?」
「ルナモン、今の内に渡しておきますね」
「いや、直前に抜いた物の方が効果が高い筈デシテ」
「わかりました」
「あんたはあんたで!!、わかってんじゃないわよッッッ!!!」
「お、落ち着けってばクロ子!
お前は何にキレてんだよ!?」
「メディウムさん、色々ありがとうございます
お陰で私達がやるべき事がわかりました
後は、行動あるのみッ
みんな!、早く行きましょう!」
「アァン?」
「じゅ、純那ちゃん・・・?」
明らかに様子がおかしい純那にレオルモンとななが困惑する。
「ねぇ、ひかりちゃん
どうかしたの?」
「どうって何が?
それより星見さんの言う通り急がないと」
「だね☆だね☆駆け足☆駆け足☆
ワッフル☆ワッフル☆」
「ま、待ってよストラビモン!」
「ぬぅん?」
彼女達の近くでは華恋やまひるもまた2つの『光』から違和感を覚えていた。
そして
「・・・・・・・・・」
「ブイはん!、なぁ!?
なぁにさっきからうちの事無視してん!?」
「カオルコ」
「!、話する気あるんなら!
顔ぐらいちゃんと合わせ 」
「ありがとう」
「・・・・・・・・・は?」
「ーーーーーー!!!」
「はぁあああ!?、ちょお!?
なんでそないな事言い逃げしてん!?」
「どうした?、香子?」
「ッ、別に、なーんもありまへんえ!」
「(なん、なんだ?
なんで、みんな心がバラバラで・・・!?
怖い、コワイコワイコワイコワイコワイ!!
何か、おそろしいことがおきそうで こわい
!、いや!!
弱気になるなッ!!!、オレッ!!!
フタバの相棒として!
成すべき事を!、やるべき事を!
全力でやり遂げるんだ!!
そうすれば、きっと・・・!)」
青の小竜は、かつて最速の聖騎士だった存在は
「あ、ああ!
もうすぐ!、もうすぐそこに行くからッ
だからもう少しだけ、待って、て、欲しい!
マグ・・・ナ、モン・・・!
(だいじょうぶ
きっと、だいじょうぶ、デスぅ
ブイみたいな
泣き虫で弱虫でみっともない青瓢箪
居なくなってもカオルコは
全然気にしない、デス)」
道を分かつ覚悟を固めていた。
独白劇『■■の汚点』
僕と『アル』のデジタマが孵ったのはほぼ同時だったらしい。
それから、僕らはずっと一緒だった。
チビモンになるのも、ブイモンになるのも
そして、聖騎士に至るのも一緒。
だからこそ『アル』は僕にとっての
光だった。
その光がある日突然穢された
戦場荒しのシェイドモン
この世界に存在してはいけないバグ
ニンゲン共の悪意の集合体によって。
「あ!、アル!、マグ!
おかえり!、早かったな!」
「
おまえッ、何やってん!・・・だ・・・?」
「ああ、これか?
へへっ!、すごいだろ?
これでもう
ガキ達が勝手にどっか行く心配はないぜ!」
「いたい!!!、いたいよぉおおお!!!」
「たすけ!、てぇ!」
「あるぅ!、ま、ぐぅ!」
「はず、し、てッぉ」
「良いアイディアだと思ったのに他の連中は怒ってさ!
しょうがないから
暇潰しで遊んでたんだ! ぎひっ♪」
奴は、嗤ってた、ブイドラモンの
僕らの同胞の顔で
チコモンやチビモン、ブイモンを【繋げて】
50体ものブイドラモンを無残な姿にして
嗤ってたんだ
だけど、奴が一番楽しそうだったのは・・・
「うぁ"!!ぁぁ"あぁあああ!!!!
ちがうっ!、ちがうぅう!!!
ある、まぐ、コレ!!!
俺が、やったんじゃなァアいッッッ!!!
え?、【俺】だろ?
笑顔で近づいてきたガキ達を踏みにじったのは【俺】の足で
それに怒った仲間達を壊したのも【俺】の口と手だ
ちゃんと感覚、繋げてたんだからわかってるだろ【俺】?
ぎひっ!
ぎゃはははははははははははは!!!!!
流石は温室育ちの坊っちゃんドラゴン!
有頂天からドン底に叩き落とされた時の絶望
結構イケるぜぇ?」
守るべき幼子を、共にあるべき仲間を
害してしまった事に深く絶望する
宿主の泣き叫ぶ姿だ。
「お、まえ
お前はッ!、どうして!
なんで!、こんな事!!?」
「え?、特に理由はないぜ?
あ、強いて言うなら趣味と実益?
うーん・・・、ちょっと違うな
コレが楽しいからに決まってんだろ?
バーーーーーーカ!!」
「!!」
信じられなかった
今まで僕らが任務の中で戦ってきたデジモン達にあったモンが、こいつにはまるでない。
まるで、それこそ悪意そのもので・・・。
「よーし!、いっちょやったるか!
覚悟しろ!、アルフォースブイドラモン!」
「・・・・・・・・・!」
「!、アル!!」
呆ける僕の目の前で奴は『アル』に襲いかかる
同時に、『アル』の振るった光の剣が
宿主を、僕らの同胞の体を斬り捨てた。
「・・・・・・・・・ア、ル?」
「
こうするしか、なかったんだ!!!
そうだろ!?、マグ!!
だから!、俺は!
俺はッ!!
うわぁぁぁああああぁぁあ!!!!!!!」
「・・・ッ・・・・・・」
『アル』はやっぱりすごかった
迷う僕なんて置き去りにして
正しい選択を即座に決断し実行したのだから
例え、ソレがどれだけ辛いモノだとしても!
なのに、あいつは・・・!
〔「ヤッホー♪、元気?
黄金の聖騎士様~~~♪」〕
「!!、シェイドモン!!?
何故だ!?、お前はあの時!!
アルが消した筈だろ!!?」
〔「チガウヨー、ニゲタンダヨー
最速の聖騎士様カラネ!
ドウ?、スゴイ?、スゴイデショ!」〕
「くっ!、ここは僕の精神世界か!!
今度は僕に取り憑くつもりだな!?
そうは 」
〔「エ?、チガウケド」〕
「・・・・・・・・・は?」
〔「タダハナシニキタダケダヨ?
アルフォースブイドラモンッテサ~
カ ワ イ イ ヨ ネ ェ ?」〕
最初、何を言っているのかわからなかった
〔「フダンハアンナイバリクサッテルクセニ
ミットモナクナイチャッテサ!
ホント!、カ~ワ~イ~イ~♪♪♪」〕
「!!?
うる、さい、うるさいッッッ!!!
アルを、馬鹿にするなぁあああ!!!」
〔「ギャーッハッハッハッハッハッハァ!!
ムダムダムダムダムダムダムダダヨ~♪
精神世界デ、コノシェイドモンヲドウニカデキルワケナイダロ?
ソレグライチャントカンガエロヨ、マグ」〕
いくら技を放っても、耳を塞いでも
〔「ギャハギャハギャハギャハギャハ♪
マーグナモン!、マーグナモン!
アーマーターイ!
聖騎士ユイイツノアーマーターイ!
ソトハキンピカ御立派ダケド!
ナカハお子ちゃまバーブバブ♪
守りの要?、ウン!、ソウダネ!
マモレルノハジブンダケダケドネー!!
ギャハハハハハハハハハ!!!!!」〕
奴の声が聞こえる、聞こえるんだよ!!!
今でも!!!
〔「ネェネェ、今ドンナキモチ?
ドンナキモチ?
憎い?、憎いデショ、トッテモ憎いヨネー
ナラ
コノシェイドモンヲ産み出したッ
ニンゲンヲ 憎め!!、怨め!!」〕
「 ニン、ゲン 」
〔「
サテサテ、アトハカッテニ燃え広がるのを
マテバイインダケド・・・
ソレハ、ツマラナイナー
ア!、ソウダ!
ソレマデ、バンチョータチトアーソボ♪
ギヒッ!」〕
奴の言葉通りだった
僕は、守れなかった
『アル』を
レイド帝国なんてワケわかんない連中から
だから、うん、わかってるよ『アル』
僕はちゃんとわかってるから安心して!
どうして、天界に来てすぐ
僕の所に来なかったのか
その理由はわかってるから!
あの薄汚いニンゲン共が居るからなんだよね
だから、今度こそ僕が君を守る、助けるよ
そして
後悔させてやるよ、ニンゲン
僕から友を奪った事を
お前の
トモヲ、ウバウコトデナァアアアッ!!!
くくく、ははハ・・・
ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!