99ADVENTURE   作:リカル

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辺り一面真っ青な砂漠



「ウーーー!、ウーーー!、ウーーー!」



そこでハリネズミがヒビ割れた爪を使い

何かを堀り当てようとしている

掘って・・・掘って・・・また掘って・・・


「あったーーーーーー!!!

ウー!、ウーーー!!、ヴァアーーー!!」


砂の中から摘み取ったのは青い星

自分の体よりも大きなソレを

担いで・・・担いで・・・ひとつひとつ積んでいく


「はぁーはー・・・・・・・・・もーちょっとー?」


これを何度も繰り返す内に

青い砂漠には青い星で出来た青い搭が出来た

その天辺でハリネズミが見上げる

赤い空の真ん中にあるのはやっぱり、青い



「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」


「ヴゥウーーー!?、メー!、メー!」




後少しでそこに届く、そう思っていたのに


どこからともなく九尾の妖獣が現れて・・・


手首のブレードを回転させながら搭に近づくと



「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「ヴァーーー!!?」



たった一撃で木っ端微塵に砕いてしまう


「ヴゥーーー・・・・・・もーいっかいーーー!!


ウーーー!、ウーーー!、ウーーー!


あったーーーーーー!!!」


搭の残骸と一緒に吹き飛ばされたハリネズミは

青い砂漠をコロコロ転がった後

また砂を掘って星を摘み取り始めた



「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!
ーーーーーーーーー!!!!!!!!!
ーーーーーーーーー・・・・・・・・・!」



眼下の光景に九尾の妖獣は大声で吠え立て

三対の眼に激昂の色を宿して睨み付ける

塔を何度も何度も崩しても


諦めないで   逃げ出さないで


約束の場所を目指し続ける


自分自身を






私とあなたの第二幕『螺旋、まわるとき』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デッカードラモン号 操縦室

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

そこで神楽ひかりは『光』から返された

 

古びた袋に入ったデジタマを抱えていた。

 

「皆の衆、準備はいいかのぅ?」

「見ての通り、デシテ」

「急げジッチャン!」

「フタバに何かあったらカオルコに八つ当たりされるデスぅううう!!」

「ケッ、どっかの甘ったれもうるせぇだろうなァー」

 

操縦席からの問いに答えるパートナーデジモンの体には各々の舞台少女の武器が紐でくくりつけられている。

 

「「華恋・・・!、今行く!」」

 

唯一、Possibility of Pubertyだけはリュウダモンではなくひかりの腰に収められていた。

 

〔「長」〕

「ファングモン」

〔「俺らもいつでもいいぜ!」〕

〔「全力出してやるっての!」〕

〔「なんだなー!」〕

「グルルモン、ガルルモン、シーサモン」

〔「さぁ!、今こそ遠吠えを 」〕

「ドーベルモン

ワシが選んだ、子供達よ

 

 

すまん!!!」

 

 

〔「「「「「え   え?

 

 

ま!、まって・・・!!

 

 

とぉちゃあああん!!!」」」」」〕

 

 

「!、爺さんテメェ何やってんだァ!?」

「電脳核からのエネルギーに問題は無しッ

どうか、最期の力を貸して下され守り神よ」

 

 

〔アア、イコウ 愛の為に

 

 

グォオオオォォォーーーーーーン!!〕

 

 

「「「「「「ッッッ!!??」」」」」」

 

ワー爺の行動に驚く暇もなく

デッカードラモン号全体が震え出した

 

 

デッカードラモン自身の咆哮によって。

 

 

「?、???、??????

!、デッカードラモン号生きてんジャン!

何でだルナモン!?」

「ワ・タ・ク・シ・に!、訊くなーーー!

だが、大方の予想はつくッ

ワーガルルモン貴様、この艦の真の動力に

デッカードラモン自身の電脳核を・・・

デジモンの生命の源を使っていたというのデシテ?」

「な!!

そん、なの!、それじゃ同じじゃねぇか!?

レイド帝国と!!、何も変わらねぇ!!」

「ええ、その通りですじゃ

アルフォースブイドラモン様

 

デジモンの生命を、デジタマから育てたモンを

 

自分の都合で利用して!、使い潰してきた!

 

・・・・・・・・・フォフォ

 

本当にワシ、レイド帝国と同じじゃのぅ」

 

「「ノンノン」」

 

「フォ・・・?」

 

「で!!、御座るよワー爺様!!

同じなどではないッ

荒らされた故郷を目にして涙を流し・・・!」

「大切な相手との再会を心の底から喜んだ!

そんなあなたと帝国が同じな筈がない!」

〔ソウ、ダ

オマエ、ノ・・・・・・オカゲ・・・

 

 

こんなにも素晴らしい愛に巡り会えた

 

 

ダカラ、コソ!

 

 

グァアアアァァァーーーーーーッ!!〕

 

 

「皆の衆!!、しっかり掴まっとくれ!!」

「「「「「「~~~ーーー!!」」」」」」

 

1人と5体が操縦席の椅子や壁、床にしがみつくのと同時に襲ってきたのは凄まじい振動と息苦しさ

 

 

そして

 

 

〔グ!、グァアアアァァァーーー・・・!!〕

 

 

浮遊感。

 

 

「《カイザーネイル!!》ガルァ!!」

 

 

直後、操縦席のガラスが機械爪によって粉砕

老人狼は呆ける舞台少女や成長期達を纏めて抱くと空中戦艦へと飛び移った。

 

 

炎に包まれたデッカードラモンを置き去りにして。

 

 

「ま、待てよジッチャン!

デッカードラモン号が!!、デッカードラモンが!!」

「振り返るな闘争!!」

「テメェのやる事間違えんなァ!!」

「ふぐっ!、ぅあああ"あ"あ"あ!!」

「・・・・・・・・・!!」

「立ち止まるでないひかり殿ぉーーー!!」

 

 

〔ヤット イエル

 

 

イッテ・・・・・・・・・シャ・・・・・・・・・イ   〕

 

 

 

はいッ   はい!! いってきます!!

 

ォォォーーーゥゥゥーーーゥ・・・!」

 

 

途切れがちに聞こえる最期の言葉に、後ろ髪を引かれながらも全員無事に艦内への侵入を果たす。

 

「ふっふっふ!、待ちかねたでアリマスよ!

レイド帝国に逆らうお尋ねモン共!」

『・・・・・・・・・』

「ア"ァッ!?」

 

通路を進むひかり達の前に立ち塞がるのは、ゴム兵隊トループモンの集団と歩兵のような装備をした竜型サイボーグ。

 

「この先!

 

右に曲がって真っ直ぐ行った先にある祭壇!

 

その防衛を任されたモンとして!

これ以上キサマらの進行を許す訳にはいかないでアリマス!」

「そこにクロ公達居るんだな!?

教えてくれてありがとな!、ジャ!」

「え?

 

 

・・・・・・・・・ハッ!!

ま、またやってしまったでアリマス!!」

 

 

「こいつアホデシテ」「こいつアホデスぅ」

「これまた立派なトカゲ野郎で御座るなー」

「だ、だまらっしゃい!

知った所で消してしまえばいいだけの話!!

総員一斉掃射!、でアリマス!」

『!』

 

 

「《円月蹴り・・・!》ガルルルゥ・・・!」

 

 

「あだーーー!!」『ーーーーーー!?』

「お爺さん!?」

「こいつらはワシに任せて皆の衆は先へ行くんじゃ!

フォフォ♪、始祖様も言うとったがのぅ!

コレいっぺん言ってみたかったんじゃ!」

「あいだだ・・・!

お、おのれー!

邪魔立てするのならば容赦しないでアリマスよ《M16アサシン!》」

『・・・・・・・・・!!』

「フオッ!!」

 

機関銃の銃口が幾つも向けられ、弾丸の雨が吐き出されるのと同時にツナギが弾け飛び

 

 

そこに隠されていた鉄の牙・・・

デッカードラモンの形見が露になる。

 

 

「《スモーキーファング》じゃあああ!!」

 

 

『!?!?!!』

「と、トループモン!

何故同士討ちをしているのでアリマスか!?

!、もしやこの煙幕・・・

おのれ!、チャフとは小癪な真似をッ」

「あれだけワシらの住処にガワを捨ててくれたんじゃ

対策ぐらいいくらでも取れるわい!

さぁ!、ヒカリさんや!

カレンさん達を頼んだぞい!!」

「う、うん・・・!

お爺さんも、無理しないで!」

「拙者達が戻るまで持ちこたえるで御座るよ!」

 

通路に満ちた濃い白煙越しにワー爺と言葉を交わした後、デジモン達と共に華恋達の囚われた祭壇を目指すひかり。

 

「それは

 

 

約束   できん、かも、しれんの・・・ぅ」

 

 

彼女は知らない。

 

白いモノが混じった黒い胸毛に

 

一発の弾痕が刻まれた事を・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆空中戦艦 祭壇

 

 

 

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

 

 

 

魔方陣を囲うように立てられた5つの十字架

 

そこに磔にされながら眠る舞台少女達。

 

 

「華恋ッッッ!!!」

「・・・・・・か・・・ぃ・・・・・・・・・ん?」

 

 

祭壇に固い声が響けば華恋の瞼が僅かに動き

 

ワイヤーが伸びる短剣が天井に突き立てられ

 

青い上掛けが翻り、サーベルが振るわれる。

 

「オラァアアア!」

「ぶえ!?」

「デ!、シテぇーーー・・・!」

「ジャン!!」

「ひかり殿!、華恋は!?」

「大丈夫!、やっぱり寝てるだけ!

怪我とかはしてない!」

 

リュウダモン以外が戒めから解き放たれたパートナーを受け止める中、ひかりは運命の相手を抱いた状態で着地。

 

「と、兎に角、起・き・ろテンドー!」

「カオルコ!、フタバが!、フタバがぁ!」

「飲めーーー!、飲むジャン!、クロ公!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「レオルモン、なな殿は拙者が飲ませようぞ」

「ありがとなァ、リュウダモン」

「!、はははっ!

やっと名を呼んでくれたで御座るな!!」

「ケッ」

「華恋、起きて」

 

真矢、香子、クロディーヌ、なな、華恋の口に豊穣神が造った薬が注ぎ込まれると・・・

 

 

「「「「「!!!!!」」」」」

 

 

あまりの美味さに5人共意識を取り戻した。

 

「ルナモンおかわりはありますか?」

「あるかーーー!!」

「いって!、あれ?、痛くねぇ?

あ!、やっぱいてぇ!、いてて!!」

「もう起きてるのに馬鹿みたいに押し込んでんじゃないわよ!、Nounours!」

「ちょま、ブイはん!?、引き摺るんやめぇ!」

「だったら!、自分で!、歩け!

急がないと!、フタバが!、マヒルも!

ジュンナだって!、危ない!」

「それどういうこと!!?」

「青瓢箪テメェ先走んなァ!!」

「ひかりちゃん?、リュー君?」

「・・・・・・・・・説明するからみんな落ち着いて

特に大場さん」

「実は、皆がロゼモンに拐かされた後

純那殿がワー爺様を正気に戻したは良いのだがその分ソウルを消耗していて・・・

そんな状態にも関わらず今アルファモンと魔将めの相手をしているので御座る」

「純那ちゃん!!!

え?、あれ?、体が、動かない?、なんで?」

「ケッ、やっぱりテメェも

いや、ジュンナよりもよっぽどスッカラカンかァ?」

「どうやら、この大仰な舞台装置が

貴様らのソウルをあのデカブツに配給していたようデシテ」

「ケレスモンの神実ってソウルは元に戻んないから、今のお前ら体を動かす分も残ってないジャン」

「そんな事より双葉はんに何があったん?」

「・・・・・・・・・マグ、ナ、モンの時にカオルコも見た姿のまま戻れなくなった、デス」

「は?」

「まさか!、まひるちゃんも!?」

「うん、狼になってた

そのせいでストラビモンやフレイモンが進化出来なくて」

「おおよその事情は把握出来ましたが・・・

この状態の私達が向かっても」

「足手纏いにしかならないわね」

「真矢ちゃん!、クロちゃん!

でも!、純那ちゃんが!、みんながッ」

「無理矢理動くなァ!!

ったく、これなら寝かせてた方がマシだったかァ?」

 

現状を知ったななはソウル・・・つまりは生命エネルギーの大半をオニスモンに奪われた状態で這い回る。

 

「後、お爺さんも   !!」

「なん、で、御座る、か?

この、中身が無いというのに

気を抜けばあっという間に飲み込まれかねん

闘気はッッッ!!!」

 

 

 

ガギ・・・ン   ギギッ   ギギギギギギ

 

 

 

ひかり達が侵入した通路とは逆の通路

そこから、重く擦れた足音と共に

祭壇へと踏み込んできたのは

 

全身が赤錆と化した装甲で覆い尽くされ

 

身の丈程の大きさを誇る電磁砲を背負う

 

深緋の鋼竜、レイド帝国四天王最後の1体

 

デジタマすらも純帝国産の殺戮兵器

 

 

機将・ラストティラノモン。

 

 

『あ』

 

 

その詳細は知らずとも

放たれるプレッシャーだけで6人と5体は

 

 

このデジモンは危険だと本能で悟った。

 

 

「華恋」

「ひかり、ちゃん?」

 

預かっていたPossibility of Pubertyを返し

 

 

「おねがいね」

 

 

肩にかけていた袋を、パートナーを

 

華恋に託す時ひかりは笑っていた

 

 

悲劇のレヴューと同じように。

 

 

「強く掲げた掌すり抜け

 

奈落に落としたあの日の誓い

 

再び登る運命の舞台

 

例え、悲劇で終わるとしても

 

99期生 神楽ひかり・・・!」

 

 

「ガァアッ」

 

 

名乗りの途中にも関わらず

ラストティラノモンは背中の砲台を展開。

 

 

「全ては!

 

すべてはッ スタァライトのために!!!」

 

 

「《テラーズクラスター》」

 

 

魔方陣を挟んで

 

撃ち出される電磁砲   疾るワイヤー。

 

「ガガ」

「くっ!」

 

相手の必殺技を躱しながら接近し、すれ違い様にBlossomBrightで錆ついた装甲を斬りつける

 

 

まるで刃が立たない。

 

「《テラーズクラスター》」

「ーーーーーー!!

(だいじょうぶ、大丈夫!!

ちゃんと、しっかり私は狙われてる!!)」

 

頭上を旋回するひかりを補足しラストティラノモンは電磁砲を

 

 

「《テラーズクラスター》」

「!?」

 

 

「ひかりちゃん!!、ひかりちゃん!!」

「待たれよ華恋!!

満足に動けぬ御主では無理で御座る!!」

「動けなくても無理でも私行かなくちゃ!

だって、ひかりちゃんが!!」

 

貯めなく何発も連射する光景に華恋は必死に手を伸ばすのだが、本人の意思とは裏腹に

彼女の動きはどこまでも緩慢であった・・・。

 

「レオルモン私はいいか 」

「うるせぇナナァ!!、黙ってなァ!!」

「今飛び込んでってもウチらヒカリの邪魔になるだけジャン!」

「アルフォースでの進化もやめておけ最速

アレはそれが通じる相手ではないデシテ」

「う、ううぅ・・・!

結局、ブイ、見てるだけ、デス?

フタバだって!、あんなになっても!

戦ってるのに!、なんでだよぉ!?」

「ッ、泣いてる暇あるならせめて頭使い!

何としてでも神楽はんにあの小汚ないの追い払って貰わんと!」

「その為に今の私達が出来る事を考えなければいけませんね・・・」

「!?、ひかり!!」

 

舞台少女やパートナーデジモンが見守る中

ラストティラノモンの滅多矢鱈な砲撃によって

 

 

遂に天井が崩壊する ひかりの狙い通りに。

 

 

「ここッッ!!!」

 

 

ラストティラノモンの頭上より迫る瓦礫

 

そこへワイヤーで移動し、逆さまの状態で

 

BlossomBrightを構え

 

ソウルとキラめきを切っ先に全集中。

 

 

 

「あああぁぁぁーーーーーーー!!!!!」

「ガガ!?」

 

 

 

落下の勢いを利用して突き立てられた

 

乾坤一擲の青き輝きが赤錆を穿つ

 

 

 

「ガ」

 

 

 

すると、小さなキラめきは

 

 

根元から

 

 

へし折れて

 

 

「ガハッ!?」

 

 

瓦礫ごと鉄の腕により凪ぎ払われる

 

 

 

「《ラストブレス》」

 

 

 

直後、舞台少女達に残されていた希望の光は

 

深緋の鋼竜の口から放たれる

 

同色の炎に真正面から飲み込まれた。

 

 

「ひかりちゃん?」

 

 

ソレに触れた途端

 

剣の柄が、ワイヤーが、衣装が、装飾が

 

Mr.ホワイトが

 

 

 

「ひかりちゃん   ひかりちゃん」

 

 

 

運命を交換した証が

 

 

彼女自身が

 

 

錆と化して朽ちていく。

 

 

「え、やだ

 

 

やだやだ やだやだやだ

 

 

やだやだやだやだやだやだやだやだ

やだ

やだやだやだやだ

 

やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ

 

 

わたしやだよ?ひかりちゃん」

 

 

「華恋!!!、華恋!!!

 

 

!?、こ、これは・・・!!!」

 

 

変わり果てた姿でひかりが墜ちていく最中

 

リュウダモンは見た

 

華恋から垂れ流される

 

怒りや嘆き、絶望に彩られた赤黒いソウルが

 

手元にあるモノに流れていくのを。

 

 

 

ドッッッグッッッン!!!!!!!!!

ドグンドグンドグンドグンドグンドグン!!!!!!!!!

 

 

 

神楽ひかりを奪われた愛城華恋から溢れ出た

マイナスの感情。

 

「い、いや!、まって、待って!!、ダメ!

 

待って!!!、ったら!!!」

 

その全てを取り込みながら

彼女が抑えようとしたモノは徐々に膨張

古びた袋を突き破って飛び出すと・・・

 

 

 

「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

 

巨大化したデジタマの殻を粉砕しながら

 

 

ラセンモン・激昂モード 再 生 誕。

 

 

 

「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「ガア!!、ガ?」

 

 

 

生まれ変わるや否や

九尾の異形は姿勢を低くしながら走り出し

 

 

落下寸前の舞台少女に食らいついた。

 

 

「ひ、かりちゃん?

いやぁあああぁぁぁーーーーーーー!!!」

「落ち着けナナァ!!!」

「うち、もう、やぁ」

「カオルコ!!、カオルコーーー!!

うっうう!、フタバァ!!

やっぱり、ブイじゃ、ムリ、デスぅうう!」

「わけがわからない・・・なにもわからない・・・

テンドー」

「私だってどうしたらいいのかなんてわからない!!」

 

 

 

「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「ガオオオオオォォォ!!!」

 

 

 

ラセンモン・激昂モードはそのままの勢いで突っ込み、ラストティラノモンを魔方陣の上に組み伏せる。

 

 

エリスモン、お前   やっぱすげぇよ」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・Quoi?」

『え?』

「あんなになってもヒカリ守って戦っててさ

でも、それ

 

 

ダメだって

 

 

そんなのやったらお前ほんとに消えるから

 

 

な?、もういいから、やめるジャン・・・

 

 

やめろって!!!、エリスモン!!!」

 

 

 

「・・・・・・・・・ベー  ガトー・・・・・・・・・」

 

 

 

『!!?』

「エーちゃん?、エーちゃん!!」

「御主!!、自我を取り戻していたのか!?

ならば!、ひかり殿も無事で御座るな!?

いや、無事だな!、絶対に!!」

「・・・・・・・・・ヒー」

「ガ!、ガァ!」

 

電脳核を食らう為にある筈の口の中に妖獣は錆ついた輝きをしまっていた

 

自分の下で暴れている鋼竜から守る為に。

 

「ゴ、メー・・・・・・・・・マッテ ニー

デモー、エー、コ ナダカラー

ヒー、ミンナー、 ットー

 

 

エー   きらいー   こわいー

 

 

・・・・・・・・・デモー

 

 

イーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

 

「ガオォ!!?」

「きらわれてもー!、こわがられてもー!

エー!、ヒー!、ミンナー!、まも

 

 

ルーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

「嫌うモンか!

今のお前こぇえよ!!、メチャクチャこぇえよ!!

でも、それでもお前はウチらの仲間だろ!?

だから!、消えんなぁあああ!!」

 

 

「きちゃ・・・メー・・・《スパイラルヘルー》」

 

 

「ぅああああああ!!?」

「ベアモン!!

エリスモン、あなた・・・ッ」

 

手首のブレードから放たれた鋭利さが一切無い竜巻によりベアモンがクロディーヌの隣まで転がる。

 

「ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「ガオオオオオ!!!」

 

 

 

ピシッ   ビシビシィ!!!

 

 

 

「!、崩壊が始まった!!

こんな短いスパンで生と死を繰り返せば

貴様のデータは完全にイカれるぞ!?」

「そうなったらもう本当に二度とッ

ヒカリに会えなくなるデスぅううう!!」

「・・・・・・・・・ルナー、ブイー」

 

 

恐れ

 

 

「テメェ!!!、いい加減にしなァ!!!」

「・・・・・・・・・レオー」

 

 

怒り

 

 

「う、ぅぅううう!!」

「・・・・・・・・・ベー」

 

 

悔しさ

 

 

「また、か?

また、せっしゃは

おぬしに!!、なにもできぬのかッ!?」

「リュー」

 

 

悲しみ

 

 

「くっ!、こんな時にッ、私は!!」

「やめなさいよ・・・もう・・・やめて・・・」

「わたしがまもるッ、まもるからぁ!!」

「あんたはんが居なくなったら!

神楽はんどうなってもうち知らんよ!?」

「テドー、クー、ナー、ルコー」

 

 

絶望

 

 

「エーちゃんお願い

おねがい!!、だから!!

ひかりちゃんを、これいじょういじめないでよぉ・・・!」

「カー」

 

 

別れ。

 

 

ラセンモン・激昂モードに

 

止めどなく流れ込むマイナスの感情の濁流。

 

 

「ミンナー、ドロドロー、グチャグチャー」

 

 

どれも前の時は拒んでしまったモノばかり。

 

 

「・・・・・・・・・エー、ヒー、にげたー

 

 

だからー、エー 」

「ガアァ!!」

「ーーーーーーーーー!!!!!???」

 

 

マウントポジションを取られていたラストティラノモンはラセンモン・激昂モードの肩に牙を立てながら強引に起き上がり

 

 

ヒビだらけの体を食いちぎってみせる。

 

 

「!・・・ー!ーーー!!!・・・ーーーー!!

《デスペレイトー!・・・ボルテックスー!》」

「ガ!?、ォ"オッ!!」

「ーーーー・・・ー!!、ーーーー・・・・・・」

 

 

自分の一部を咀嚼していた口目掛け

螺旋状の尻尾を伸縮させながら串刺しにした

ラセンモン・激昂モードだったが・・・

 

その無茶によりデータの崩壊が一気に加速。

 

肩からぶら下がっていた腕が落ちて砕け散り

 

 

足先から消滅が始まった。

 

 

「エー、モー、きえ・・・・・・・・・

 

 

エー、きえる?

 

 

やー

 

 

やーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

 

 

・・・・・・・・・だというのに、このデジモン

 

絶望【完全削除】の一歩手前で盛り返す。

 

 

「きえたくなー!   きえられーーー!!

 

 

なーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 

 

ーーーーーーーーー!!!!!!!!!

ーーーーーーーーー!!!!!!!!!

ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「ガ、ガオォ・・・」

 

 

「え、エリスモン・・・おぬしなにを・・・?」

「エーちゃんの周りで、色んな色が、グルグルしてる?」

 

足元の魔方陣を、周囲の空間を削りながら

 

超高速で廻り、渦を巻く螺旋。

 

その勢いには、目標の殲滅以外は思考に無い筈のラストティラノモンすらたじろいだ。

 

「?、???、??????

あれ?、え?、は?、えええ???」

「・・・・・・・・・どうしたの?」

「え、エリスモンの寿命さっきから

0になったり∞になったりしてる、デス」

「はいぃいいい!?」

「それは、良い事なの?

それとも、悪い事なの?」

「あえて云うならワケわかんねぇ事だなァ」

「ワケがわからないなんてモンじゃない!、デシテ!!

エリスモン貴様!、デジタルワールド中のあらゆる感情を・・・

いや!、それだけでなく!、次元を!、空間を削って!

その身に取り込んでいるのデシテ!?

そんなモン一個体が制御出来るワケがない!

兎に角やめろ!!!、今すぐやめろ!!!

そんな無謀を続ければ・・・!」

「どう、なるのでしょうか?」

 

 

「この戦艦はおろか、天界そのものが

消し飛ばされかねない、デシテーーー!!」

 

 

『!!??』

 

 

「やーーーーーーーーー!!!!!!!!!

 

 

エー!、もー・・・にげなーー!!

 

 

ヒーのドロドローグチャグチャー!

 

みんなのドロドローグチャグチャー!

 

キラキラもー!、ピカピカもー!

 

ぜんぶぜんぶー!、いっぱいいっぱいー!

 

 

ちょー

だーーーーーーーーーい!!!!!!!!!

 

 

 

ルナモンの制止を無視してラセンモン・激昂モードはヒビだらけの体にありとあらゆるエネルギーを

 

無秩序に無作為に無茶苦茶に無尽蔵に吸収。

 

 

「どう・・・・・・・・・して?」

 

 

「!、ひかりちゃん!!」

 

色とりどりに激しく廻る渦の中心

妖獣の口の中で錆ついた光が今目覚める。

 

「どうして、あなたはそんなにがんばるの?

わたし、あなたを食べようとしたんだよ?」

「ヒー、たべてるのエーだよー?

ヒー、たべて、ずっといっしょにいたいのも

エー、だよー」

「・・・・・・・・・なのに、食べてない

私を助けてくれた、守ってくれてる!

あなたは、いつもそう

 

 

だけど、私!   あなたに、何も

 

 

してあげられない・・・!!」

 

 

「してくれたよ、してくれてるよ」

 

 

「え?」

 

 

「ヒーと一緒に居てくれるだけでエーはとっても嬉しい!

ヒーと離れるのを考えるだけでエーはとっても苦しい・・・

だから離れ離れになっても

絶対また会えるようにエーはスタァになるんだ

 

 

ヒーの中のカーに、ヒーの中のスタァライト

 

 

ヒーの全てに負けないスタァになるんだ

 

 

だって、ヒーはエーの全て・・・

 

 

エーの世界のたった一つの   光だから」

 

 

それが、生誕と共にキラめきを刷り込まれた

 

 

獣の唯一無二【0と1のイチ】の存在理由。

 

 

 

 

うん、いいよエリスモン

 

 

私の全て   奪ってみせて」

 

 

神楽ひかりが

 

 

ラセンモン・激昂モードのナカへと落ちれば

 

 

 

 

ギュインギュインギュインギュイーーーン!

 

 

 

 

万物全てを削って唸る金属音が世界を穿ち

 

激しく渦巻くエネルギーの奔流が・・・

 

青く輝く0と1の粒子、ソウルとキラめきに

 

 

再生産。

 

 

「強く掲げた掌で!」

 

 

折り重なった光が華ひらくとき

 

その中から衣装、装飾、武器、運命の証・・・

 

全てを生まれ変わらせた舞台少女の手首より

 

星形の画面に9つの赤い棘が突き刺さった

 

青と金の神機が煌めく。

 

 

「悲劇も奈落も突き抜けて!

 

光の舞台に標をたてる!」

 

 

彼女の側で同じように

 

ブレードが備わる腕で天を衝くのは

 

全身の至るところに小さな棘を生やし

 

捻れた9つの大きな棘を背負った

 

凛々しい風貌の獣人。

 

 

「例え別れで終わるとしても・・・!」

「ふたりの夢が、約束が

 

螺旋となって・・・再び交わる道を造る!!

 

 

真なる覚醒!!!!、ラセンモン!!!!!

 

 

全ては」「スタァライト」

 

 

 

「《テラーズクラスター》」

 

 

 

「ひ、ひかりちゃーーーーーーん!!!」

 

 

ラストティラノモンはまた名乗りの途中にも関わらず電磁砲を撃ち出してきた。

 

 

「「する為に!!!!!!!!!!」」

 

 

「ガ!?」

 

《テラーズクラスター》を穿つのは腕のブレードを回転させながら、パートナーと一緒に突き出した拳《ジャイロスマッシュ》。

 

「ガ!、ガァアアア!!

《テラーズクラスター》《テラーズクラスター》《テラーズクラスター》《テラーズクラス 》」

 

 

「《クオリアライズブラストーーー!!》」

 

 

「ガガ!!」

 

更にブレードを超高速回転させれば、そこから発生した小型の竜巻が滅多矢鱈な砲撃に風穴を空けて

 

赤錆の装甲すらも容易く削ってみせる。

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

見てるか?、マグ

 

 

こいつらまた奇跡を起こしやがったよ」

 

 

 

 

 

 

 

「(・・・・・・・・・うん、見てるよ アル

 

今ならわかる、やっとわかったよ 僕)」

 

 

 

 

 

 

「ふーーーん、ほーーーぅ、へぇーーー?」

「な、なんデスぅ?

ただでさえだらしない顔がもっとだらイヒャイイヒャイイヒャイ!」

「あ、アレほどのエネルギーを制御、した、だと?

あ・り・え・な・いーーー!!

・・・・・・・・・いや、それは最早今更デシテ」

「クスッ!、ルナモンも変わりましたね」

「うおおおおおお!!!

エリスモン!、いや!、ラセンモン!

お前ってばやっぱすげぇジャン!!

すげぇけどさ!、ウチお前にも勝つかんな!

絶対の絶対の絶対に絶対絶対に!!」

「馬鹿みたいに一々言わないでくれる?

そんな、当たり前の事を!!」

「クロちゃん・・・

うん!、私も!、ひかりちゃん達に負けてられないッ」

「ケッ!、オレサマはハナっからそのつもりだァ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「華恋?、ぬ!?」

 

ラセンモンの独擅場に誰もが心踊る中で

 

華恋だけは泣いていた。

 

 

「ひかりちゃん、あんなにキラめいてる・・・

 

 

スタァライト!!、してるのに!!

 

 

なんで、わたし、ここにいるの・・・?

 

 

なんで、わたし、あそこにいけないのッ?」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

震えながら悔し涙を流すパートナーにリュウダモンはただ黙って寄り添うのであった・・・。

 

「ガァーーーーーー!!」

「ヴァーーーーーーーーー!!!」

 

その間にも舞台上では

鋼竜と獣人の格闘戦が繰り広げられている。

 

「ガ・・・ガァ・・・?」

 

純然な兵器である機将は不思議でならない。

殲滅対象の大きさは先程までと違い

隣の人間より一回り大きい程度なのに・・・

 

どうしてあの拳はこんなにも鋭く、重く

 

四天王最高の硬度を誇る装甲を

 

ヒビだらけにしているのだろう?

 

と。

 

「ヒー、あいつはエーと一緒なんだ」

「え?」

「産まれた時から知ったモノ

・・・・・・・・・ううん、産まれる前から知ってるモノの為に自分の全てを賭けてる」

「そう

でも、あなたとあのデジモンは違う」

「うん!、違うよ!

だから、見せてあげたいんだ   世界を」

「うん、見せてあげよう   一緒に」

「ガ?、ガガ?」

 

産まれて始めて疑問を抱く自分自身に戸惑うラストティラノモンの前でひかりが投擲したBlossomBrightが天へと登れば。

 

 

「激昂! 情熱! 呪縛! 信仰!

 

逃避! 勇気! 嫉妬! 愛情!

 

絶望! 希望! 傲慢! 誇り!」

 

 

味方も敵も関係なくあらゆる感情を取り込んでラセンモンは全身から螺旋棘が射出。

 

 

「みんなの罪も夢も全て纏って!!!」

「私達はこの舞台に標をたてる!!!」

 

 

ソレらは全てワイヤーへと絡み付き

 

ふたりで一緒に造り上げたのは・・・

 

天辺に青い光【クレール】を幽閉した

 

搭が如き

 

 

 

巨   大   ド   リ   ル。

 

 

 

『                  』

「おい、テンドー

あいつら、またスタァライトしてるぞ?」

「これは本当に負けられないわね」

「Exactement. Ma Claudine」

 

その圧巻の様相に

観客達の大半は言葉が見つからなかった。

 

「ガ ガァアアアーーーーーー!!!!!

 

 

《ラストブレスッッッ!!!!!》」

 

 

「「《スパイラルーーーーー!!!!!」」

 

 

「ガアアア!!?、ガァアアアーーー!!」

 

機将・ラストティラノモンは必死に吐き出す

 

触れたモノ全てを錆つかせる深緋の炎を。

 

・・・・・・・・・なのに、自分へと迫るドリルは

 

それすら巻き込みながら

 

勢いを!、輝きを増している!?。

 

 

 

「「

 

 

ヴァニッシューーーーー!!!!!》

 

 

」」

 

 

「ガガガガガガガガガガガガァッ!!!!」

 

 

舞台少女とパートナーの捻って交わる螺旋を阻まんとする純帝国産の殺戮兵器。

穴だらけな口が削れているにも関わらず

天辺で廻るBlossomBrightへと牙を立てる

 

 

レイド帝国に仇なすモンの殲滅という

唯一無二【0と1のイチ】の存在理由の為に。

 

 

「やっぱり、お前の中は空っぽだ・・・」

「ガ、ガァ?」

「でも、きっとその中にはこれから先!

いっぱいいっぱい色んなモンが入ると思う!

 

 

だから、今は!」「さよなら・・・!」

 

 

 

         !     ?   

 

 

 

 

ラストティラノモンに大きな風穴が空くと

 

穿たれた二重螺旋が次元すらも突き破る

 

 

 

 

空中戦艦の背部にある動力炉すらも穿って。

 

 

 

 

 

 

「はっ・・・はっ・・・は、ぁ」

「ヒーーー!」

「ひぃいいかぁりぢゃあああん!!!」

「ぴ!?」

 

機将を撃破するのと同時に

ラセンモンはエリスモンに退化

ひかりは肩で息をしながら膝をつき

・・・・・・・・・華恋は這いずって彼女の元へ。

 

「ひかりちゃん!、ひかりちゃん!、ひかりちゃん!、ひかりちゃん!!、ひかりちゃぁん!!!」

「か、かれん・・・だいじょうぶ・・・だから」

「カー!、メー!」

「だ"あっでぇえぇえええん"!!!」

「やれやれ、舞台の締めも終わっていないというのに飛び入りとは・・・」

 

 

「      あ!!      」

 

 

「今か!?、今気づいたので御座るか!?

はぁーーー、御主本当にひかり殿が関わると

バッ華恋で御座るなー」

 

 

「・・・・・・・・・エリスモン、わたし」

「ヒー?」

 

 

「あいたかったよ」

 

 

「!、エヘヘー!

ヒー、いたーーい!、へへー」

 

贖罪の舞台少女はハリネズミを力いっぱい抱き締める

背中の針毛が衣装を突き破って肌に刺さるのもお構い無しに。

 

「いやはや、これにて一件落着!

めでたしめでたし!

 

 

・・・・・・・・・な、ワケ、あ・る・かーーー!!

 

 

加減しろーーー!、馬鹿共ーーー!」

「ふぇえええええん!!!

この艦落ちてるデスぅうううううう!!!」

『!?』

 

感動の再会もそこそこにウサギと小竜泣き喚く。

 

「よし!、とりあえず飛び降りるジャン!」

 

 

ボン!!

 

 

「ぐぇええええええ"ぃ!!?」

「あいつアホかァ?」

「Exactement」

「レオルモンまでそんな・・・」

「ばななはん!、クマはんの事はこの際置いといてぇん!

今はうちらが脱出する方法考えな

コレほんまにあかんって!!」

 

《スパイラルヴァニッシュ》によって吹き抜け状態になっているが、あちこちで火花や小規模な爆発が起きていて近づけない。

 

 

 

万事休す

 

 

「でぇえええええいッッッ!!!」

「たぁああああああーーー!!!」

 

 

かと、思いきや。

そこから紫炎の翼を広げた双葉と

緑光と化したまひるが各々の武器を振るい

障害を取り除きながら飛び込んできた。

 

「華恋ちゃん!!、ひかりちゃん!!」

「無事か香子!!?」

「・・・・・・・・・ふたば、はん?」

「まひる、元に戻ったの?」

「マー!、フバー!」

「あ、えっと、一応!

!?、エリスモン産まれたの!!?」

「良かったじゃんか!、神楽!」

 

 

 

「マグーーー!!!、見てるかマグーーー!!?

奇跡起きた!!、それもすっごいの!!」

 

 

 

 

 

 

「(・・・・・・・・・うん、知ってたよ アル

 

だけど、出来れば

 

僕 そいつの事は認めたくないな!!!)」

 

 

 

 

 

「おおおおおお!、間に合った!」

「サンキュッ☆、炎の☆

隠士殿、ジュンナチャンも大丈夫?」

「う、うん・・・!」

「なんとか、ね」

「純那ちゃん!!」

「なな!、みんなも!

ほんっっっとうに、よかったぁ」

「ケッ、どいつもこいつも・・・

ちったァテメェの事を先に考えろってのッ」

 

直後、竜の始祖が吹き抜けから滑り込み

背中に乗せた仲間達共に艦内へ侵入するのと同時に退化。

 

「「あれ?」」

 

パートナー達の進化が解けると

まひるの狼耳と尻尾、双葉の角と翼

更には上掛けの変化も綺麗に消えて・・・

 

2人揃って倒れてしまう。

 

「双葉はん!!?」

「「まひる/ちゃん!!?」」

「あ、あはは・・・なんかすっごく・・・」

「つっかれたーーー・・・

かおるこー、あしもんでくれー」

「うちも今動けんから無理

って!、どさくさに紛れて何言うてんの!?」

「どうやら、あの衣装もまた消耗が激しいようですね」

「そーゆーマヤチャン達もソウルがすっかり枯渇してんねぇ

まぁ、あんな使われ方すれば無理もないか」

「光の!、この状況はマズいぞ!

早くここから脱出して地上の聖騎士や神々と合流しないとみんなが危ない!」

「ま、まって!、お爺さんがまだ!」

「え」

「ヒー、ワーどうしたのー?」

「あーーーーーー!!

そうジャン!、ジッチャン忘れてたー!」

「わ・す・れ・る・なーーー!、アホめッ

そして隠士!、呆けるなデシテ!

奴とて完全体、何より『明けの遠吠え』の長

そう易々やられはしない筈だろう!?」

「う、うん!

そうさ、そうだよ!、そうに決まってる!」

「すぐにでもお爺さんの所へ行かないと!

 

 

・・・・・・・・・だから、今は見逃して欲しいの

 

 

お婆さん」

 

 

『ッッッ!!?』

 

9人共動く事さえ困難。

 

そんな状況で破壊された祭壇に舞い降りる

 

 

 

「カッカッカッカァ!

 

よーく気づいたねぇ!、ジュンナ」

 

 

 

レイド帝国四天王 その生き残りたる麗将

 

黒に包まれた真っ赤な薔薇・ロゼモンが。

 

「まさか、デジモン達すら気づいてなかったのに私なんかがあなたの気配がわかるわけないじゃない」

「あらあらー、じゃあカマかけただけかい?

そんなのに引っ掛かるとはアタシも老いたモンだよ・・・」

「機将が倒されるのも観てたんでしょ?」

「ああ、予想の斜め上どころか真上にブッ飛んだとんでもない舞台だったさ

流石はクレール

 

 

アイツと

 

 

アタシのパートナーと

 

 

同じ役を勤めるだけの事はあったよ」

 

 

「「!、クレール!?」」

「・・・・・・・・・やっぱり、そういう事だったのね」

 

彼女の口から出た役名に華恋とひかりが過剰反応するが、純那にとっては想定内。

 

「じゅ、純那ちゃん!?

それって、つまりどういうこと?

ロゼモンは、お婆さんは

私達の敵なの?、味方なの?」

「敵でも味方でもないのよ

強いて言うなら、このデジタルワールドでの

 

 

舞台の主催者、かしら?」

 

 

「アタシはそんな大層なモンじゃないっての

・・・・・・・・・まぁ、いいさ

ここまで舞台を盛り上げてくれたんだ

出演料代わりに

 

 

色々と語らせて貰おうかねぇ、カカカッ!」

 

 

 

 

 

 

 








独白劇『老いぼれ狼の走馬灯』




〔『いってきまーーーす!』〕
〔「ああ、いってらっしゃい」〕
〔「道中気をつけるんじゃぞ!」〕
〔「やれやれ、お前さんまた年下達に先を越されたのぅ・・・」〕
〔「フォッフォッフォッ!、ワシもうこの街を出るのは諦めておりますゆえに」〕
〔「だからとて、ワシばかりと話しているから
そんな年寄り臭い話し方になって・・・」〕
〔「いえいえ、この後はアンドロモンさん達4人の手伝いが


フォ?、なんじゃ?   空が」〕



・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



〔「ワーガルルモン!!
子供達を!、ババモンを!、お前の愛を!


グォオオオォォォーーーーーーン!!〕」〕


〔「ま、守り神!
デッカードラモン様ーーー!!


ゴホッ!、ゴホッ!


みんな!、ババモン様!


!!、あ、ああ・・・!!」〕


〔「「まだ、生き残りが居てくれたか」」〕


〔「あなた、さまは?
もしや!、かの聖騎士オメガモン様!?
も、申し訳ありませんが・・・!
ここには子供達が、ババモン様が居た筈
どこに避難したのか、わかりま 」〕


〔「「すまない、本当にすまない
私達の、力が足りなかったばかりに


誰も、守れなかったんだ」」〕


〔「ッッッ!!、ォォーーーウ!!」〕


〔「「・・・・・・・・・泣いている暇は無いぞ
再び帝国の軍勢が押し寄せる前に早くここから逃げるんだ」」〕


〔「にげ、られるモンかぁーーー!!
住処を!、仲間を!、こんなにされて!
せめて、せめて1人でも多く道連れに 」〕


〔「「それは困る、な
君には、こいつを頼みたいんだよ」」〕


〔「フォ?」〕


そうじゃったなぁ・・・この時じゃった・・・


アルファモン様


いいや


意地っ張りで気難しいワシの、自慢の子と


始めて出会ったのは、のぅ。



〔「かつての少年よ!
その胸に抱いた命を守れるのは君だけだ!


トォオオオーーーーーー!!!」〕


〔「じゃ、ジャスティモンさんッ
!、アンドロモンさん達まで何を!?」〕


〔「フシュー、決まってるだろ?」〕
〔「最後の大仕事、だ」〕
〔「門出の祝い代わりに取っておけ」〕
〔「達者でな、プニ坊よ」〕


〔「「「「フッシューーー!!!」」」」〕



〔「!、ォゥンッ!!


ォォォーーーゥゥゥーーーゥ・・・!!!」〕



みんな、この後


帝国に削除され、改造されたのだろうな。


でも、舞台少女の皆さんが解き放ってくれた


本当に、皆さんにはいくら感謝しても足らん


だから、のぅ


ちゃんと、恩返しせんといかんのじゃ


先生達の分、子供達の分


・・・・・・・・・足りるかどうかは自信はないが


それでも、ワシは



「フハハハハハハ!!
隊長より左遷を言い渡されて幾星霜!
ようやく訪れた特進の好機!
キサマさえ消せば原隊復帰間違いなし!
いや、それどころか隊長の右腕として認められるのも夢ではないでアリマスなぁ!
クゥーーーッ!、待ってて下さーーーい!


ドルルモン隊長ーーー!!」


「・・・・・・・・・あ、あのぅ~~~」


「ム!?、なんでアリマスか?
キサマは最早死に体なのだから、黙ってジブンに消されるのを待っているでアリマスよ」
「そ、そのつもりなんじゃが・・・
流石に、ちょっと長いかなと思うて、のぅ
や、やるなら、早くして欲しいんじゃ
いつまでも、傷口を銃でグリグリされるのは
お、落ち着かん、し」
「だまらっしゃい!
今丁度やる所だったのでアリマス!」
「・・・・・・・・・そうは思えんかったんじゃが」

トループモンの残骸がいくつも転がる中
大の字になって倒れるワー爺を踏みつけ銃を突きつけているのは
あの竜型サイボーグ・コマンドラモン。

「ワシもあんまり他のモンの事は言えんが
お前さん、こうゆうの向いておらんと思うぞい?」
「!!、隊長みたいな顔をして
隊長みたいな台詞を吐くなでアリマス!!」
「フォッフォッフォッ・・・
その、隊長とやらも
そう、思ったから
自分から離したのかもしれん、なぁ」
「だ、だまれと言っているでアリマスよ!
じ、ジブンはやれる!、絶対にやれる!


でないと!、消されるのはこっちなんだ!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フォウン」


「なんだよ、なんなんだよ?、その目!
消される側の癖に馬鹿にしてッ


ジブンを憐れんでんじゃない!!!


《M16!! アサシン!!》


ウアアアァァァーーーーーーン!!!!」



情けない絶叫と共に老人狼の胸の傷に刺さったアサルトライフルの銃口から


弾丸が放たれるのであった・・・。




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