99ADVENTURE   作:リカル

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世界の終末を前に抗えるモンなんて


実際問題ほんの一握りでしかなく大抵は


逃げて   隠れて   見ないフリをして


その時が来ることに内心怯えているだけだった。


これは、そんなありふれたデジモンの1体


とある自宅警備員


元・電脳世界最高セキュリティの一幕。





番外編・転生したら世界\(^o^)/なので使命破棄してスローライフしてます!!

 

 

★■■の■■■プライバシーエリア

 

 

 

『エメラルドの宮』

 

 

 

「いやぁ!、よかった!、よかった!

 

 

たすかったぁあーーー!!」

 

 

大異変が収まった後、外観は立派な家の中ではどんちゃん騒ぎが行われていた。

 

「しっかしアレだ、アレ!、黄金も黄金だけど最速も最速だよ、あんなことすればああなるに決まってるって」

 

家主はトレードマークのとんがり帽子と杖を放り捨て『土』と『木』と『水』のエレメントによる豊かな土壌、更には『火』と『氷』と『風』のエレメントによる温度調節で育てられた肉や野菜、果物を食らい自家製の酒を呷る。

 

「隠士は・・・・・・・・・あいつ昔から何考えてんだかよくわかんなかったけど正直あそこまでとは思わなかったなー」

 

愚痴をぶつける相手は『鋼』のエレメントから精製し『光』のエレメントによる情報取得と『闇』のエレメントによる隠密性能を付与させた鏡。

コレを使ってこのデジモンは天界に訪れた救世主達の活躍を安全圏から盗み見た挙げ句

 

 

録画して現在絶賛リプレイ観賞中なのである。

 

 

「はぐ!、あむっ」

 

 

今まで綿密に計算して消費してきた蓄えをひっくり返して作った豪勢な食事

 

 

「ごっくごっく・・・・・・・・・ぷはぁーーー!」

 

 

目先の不安を少しでも和らげる為にしか飲めなかった酒

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

まいったなー   あんまり楽しくないや」

 

 

ソレら全てを持ってしても

 

 

家主の心は晴れなかった。

 

 

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

 

上空に浮かぶデジタル時計は規則正しく時を刻む音だけが『エメラルドの宮』を流れていると

 

 

「・・・・・・・・・ーーー、ッーーーーーー!!!

 

 

《サン、ダークラウドぉおーーー!!!》」

 

 

家の中で『雷』のエレメントが炸裂した。

 

 

「はぁあーーーっ!!、はぁあーーーっ!!

 

 

仕方ないだろう?!

 

 

大体私が行った所で何も変わらなかった!!

 

 

そうだろう?!、ええ?!!」

 

 

デジタル時計を消滅させた家主は肩で息をしながらがなり立てる

 

 

責めるモンなど何処にも居ないのに。

 

 

「・・・・・・・・・何をやってるんだろうな

 

 

なにを、やってたんだろうな わたしは」

 

 

床に落ちてたとんがり帽子を目深く被り

 

 

戸棚の上で埃をかぶる

 

 

大1つ、少4つに割られ

 

 

輝きを無くした虹色の鉱石

 

 

デジタルワールドの、世界樹から託された信義

 

 

その残骸から目を反らす。

 

 

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

カチッ カチッ カチッ カチッ カチッ

 

 

 

「・・・・・・・・・ッ゙・・・・・・・・・く!」

 

 

反らした所で自分がやったことは消えないし

 

 

時計を壊した所で時は止まらない、戻らない

 

 

ゆっくり流れていくだけだ。

 

 

「うつくしくない

 

 

今の私は美しくないなー!

 

 

そうは思わないか?、友よ・・・・・・・・・」

 

 

ソレがわかっているからこそ、この家主は

 

 

         魔法使いは

 

 

『エメラルドの宮』を己だけでは出られない。

 

 

 

 

 

 

ここから飛び立つ意思を

 

 

 

 

 

 

運命の相手に与えられる、その日まで・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




片や、魔法を使ってのんびり農業

片や、手作業でハイペースな武器造り

片や、肉も野菜も食べて透明な水を飲んでいた

片や、味のしないパサパサした塊をベトベトしていて工場用の油臭い謎の液体で流し込んでいた

片や、いつ訪れるかわからない終末に脅えながら酒飲んで寝てた

片や、すぐ側にある脅威に震えながら眠るしかなかった






・・・・・・・・・この差って何デスか?




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