99ADVENTURE   作:リカル

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ウラル大陸視点


下を向くのは今日限り・・・! ドルモン決意の契約

☆西方ウラル大陸・ゴミ捨て場入り口

 

 

ブロロロロローーー!!! キキィッッッ!

 

 

「ほらほら!、こっから先は歩きだよ!

良い子のみんなは起きた起きた☆」

『~~~~~~ッッッ!!!』

 

全速力から急停車するズタボロのジープ。

その車内は運転手以外死屍累々だった・・・。

 

「うううっ、まだグラグラする~」

「華恋ちゃん、しっかりぃ」

「・・・・・・・・・ストラビモン途中でわざと揺らしてたでしょ?」

「ソンナコトナイヨ?

だからその棒を降ろそうかマヒルチャン!」

「油と鉄クセェなァ・・・ウプッ!」

「ほ、本当にここが目的地で、ゴザるか?

オエェ!」

「坊や達エチケットタイムは物陰でやろうね☆

さて、どうしたモンか・・・前使った通路が生きてるといいんだけど」

「!、あれは!!」

「華恋ちゃん!?」

「急に離れたら危ないわ!」

「だって!、ほらこれ!、スタァライト!!」

「「!」」

「すたぁらいと、で御座るか?」

「なんだァ?、それ」

「お帰りスッキリーズ☆

って、それより・・・お、あったあった!」

 

華恋が見つけたのは聖翔音楽学園の者ならば誰でもわかるマーク。

それが刻まれた鉄板を持ち上げれば、通路が見えてくる。

 

「あ!、2人共見て!」

「この矢!、ばなな!」

「・・・・・・・・・やっぱり、この世界に来てたんだね

純那ちゃん」

「アァ?」

「親切に道標まで、随分几帳面な子だこって

まぁ、オジサン的には大助かりだけど☆」

「しかし、ここに来た目的は『明けの遠吠え』の長と会うのではなかったガッ?!」

「おっとっと☆、手滑っちったぁ!

・・・・・・・・・空気読もうか、そんなんじゃ帝国とやり合う前に斬り捨てられるよ?、物理的に」

「ぬ、ぬぅ」

 

所々に矢が刺さった通路を進む3人と3体。

 

その先に待ってたのは

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

 

帝国の雑兵トループモンが3体。

 

「!、レイド帝国!、御覚悟!!」

「「「!?」」」

「《リヒト・ナーゲル》」

「ぬあっ!?

御主!、さっきから何で御座るか!?」

「ハイハイ☆、ドゥドゥ☆

・・・・・・・・・明るくなったろ?、これでニンゲンの目でも見えんじゃね?」

「!、なな!!」

「華恋!、まひるも!」

「はぁーーー、なんやそれならこんなもん着たままにせんでも良かったやん・・・」

「純那ちゃん!、双葉ちゃんと香子ちゃんも!」

「じゅんじゅんだけじゃなくて2人も一緒だったの!?」

 

その正体は廃棄されたゴム兵のガワを着ていた純那、双葉、香子。

 

「香子ちゃんも無事でよかったぁ・・・!

帝国にお尋ね者にされたって聞いたから心配してたんだよ?」

「全然無事やない!、逃げても逃げても!

賞金稼ぎのデジモン達がワラワラワラワラと!

ほんまええ加減にして欲しいわ!」

「実際、委員長がコレ持ってきてくれなかったら危なかったしなー・・・」

「備えあれば憂いなし、よ

ここには色々な物が捨てられているから私達の匂いを誤魔化せたのもあるし」

「さっすが純那ちゃん♪」

「ケッ・・・」

「話の途中にすまない!

オレ達そろそろ出てもいいだろうか!?」

「せまいデスぅう!、くらいデスぅう!」

「ちょおっ!?、あんたはんどこ触ってん!?」

「ああ、悪かったなお前ら」

「わっ!、デジモンだ!

2人もけんやくしたの?」

「カレンチャン、契約ね☆

確かにこのご時世それやんないと生きていけないけどさ!」

 

ストラビモンが照らす光を頼りに舞台少女とそのパートナーとなったデジモン達は通路を進んでいく。

 

「純那ちゃん、それ持とうか?」

「これぐらい大した事ないわ

それにしてもあなたも華恋も随分暴れたみたいね

最初から露崎さんや花柳さんと同じぐらいの懸賞金がかけられるなんて」

「あはははっ、成り行きで、ね」

「あたしだってそうだよ、香子守ってたら

いつの間にかあたしもお尋ね者になって」

「そのせいで賞金稼ぎが余計に躍起になるし!

大体!、なんでうちらがこないな目に合わなあかんの!?」

「それにひかりちゃんや天堂さん、クロちゃんの事も心配・・・」

「みんな!、弱音はノンノン、だよ!

天堂さんもクロちゃんも!、勿論ひかりちゃんだって絶対無事に決まってる!

きっと、私達と同じようにパートナーになったデジモンと一緒に帝国と戦ってるんだよ!

それがこの世界での私達の役なんだから!」

「ワォッ☆、頼もしいね! 

そうは思わないか?、炎の」

「光の!、まさか君が再び動くとは!」

「オジサンも成り行き成り行き☆

ま、こうなった以上は腹くくるさ・・・

腹一回吹っ飛んだけど!、アッハッハァ☆」

 

 

「流石に増えすぎじゃないかな、うん」

 

 

「これはその、ごめんなさい」

 

ドルモンの住処に着いた途端頭を下げる純那。

 

「手配書見てたからニンゲンが6人増えるのは予想してたけど、そこに更にデジモンまで加わるなんて

食料や水の蓄えにだって限りがあるんだから正直勘弁して欲しいんだけど、うん」

「私もこんな一気に集まるなんて思ってもいなかったわ

でも、大丈夫

こうなった以上は短期決戦であの要塞を攻略してみせるから!」

「じゅ、純那、ちゃん・・・!?

要塞って、どういうこと?」

「さっき華恋が言っていたけど、今の私達の役はこのデジタルワールドの救世主

その為に何を成し、どうすればいいのか私なりに色々考えて準備してみたの

このトループモンの脱け殻もその一つね」

 

純那は机の上にゴム製のスーツを並べ、その上に例の布を広げる。

 

「こ、これは!

マッハレオモンの要塞の内部構造か!?」

「フレイモン、誰だよそのマッハレオモンって」

「こ、この大陸で!

一番偉くて強いデジモンデスぅううう!」

「そ、そない相手と戦うつもりなん・・・?」

「花柳さんはこのまま逃亡生活を続けるつもり?

ここだっていつバレるかわからないのよ?」

「確かに、そう、だよね」

「なになに?、マヒルチャンびびってる?」

「怖がるのは当然だよ

でも、純那ちゃんが作戦を考えてくれてるならきっと大丈夫

ううん、絶対成功させてみせるわ

みんなを守る為にも」

「ケッ、またそれかァ?」

「ぬうううっ!、こんなにも早く決戦の時が訪れるとは!、腕が鳴るで御座る!」

「うんうん!、何だかクライマックスって感じだよね!」

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

盛り上がる舞台少女とそのパートナー。

するとドルモンは静かにその輪から離れ、住処を出て行った。

 

「作戦の概要は以上よ

後、注意すべきは・・・上掛けを落とされない事かしら?

この世界でもあのルールは適応されているのか自分で脱ぐ分には平気でも誰かに奪われると舞台少女はしばらく動けなくなるみたい

他に何か質問はある?」

「はい!、じゅんじゅんは神機持ってないの?」

「・・・・・・・・・シンキ?、何よそれ?」

「この腕時計みたいな機械だよ

デジモンと契約してパートナーにする事で進化が出来るようになるんだって

私は一応この子が・・・・・・・・・あれ?、ストラビモン?」

「オヤジなら外出たなァ」

「いつの間にやら星見はんと一緒にいた紫毛玉もどっか行ってはりますなぁ」

「あいつ委員長のパートナーじゃなかったんだな」

「まぁ、ある意味ではパートナーと言えなくはないけど・・・みんなとは多分、違うんだと思う

それより、進化ってまさかデジモンの成長の事?

あれってそう簡単には出来ないって聞いてるんだけど?」

「(純那ちゃん・・・)」

 

あからさまに話題を変えようとする純那をななが心配そうに見つめていた頃

 

 

「やっ☆、おひさ! 孤高の隠士殿」

「・・・・・・・・・」

 

 

ゴミ溜めの中、ストラビモンとドルモンが対峙。

 

「最速殿の事完全スルーするなんて友達甲斐がないね☆、それとも白騎士殿以外はどうでもよかったりする?」

「要件は?」

「んもぅ!、もうちょい余裕持とうよ☆

ま、それがあったらとっくの昔にジュンナチャンと契約してたんだろうけど」

「あいつの事は今は関係ないだろ、うん」

「本当にそう思ってるのか?

惹かれたんだろ?、だから 」

「あっちが勝手に居座って好き勝手やってるだけでボクは関係ないよ、うん」

「やれやれ、相変わらず強情だこって

ま、オジサンもわからないでもないからここは見逃してあげよう!、ありがたく思いたまえよ?

とりま、ワー君につなぎ入れてくんない?

このウラル大陸の明けは近い、ってさ☆」

「うん、それぐらいならやるけど・・・

随分とニンゲン達の事買ってるんだね」

「チャウチャウ!、ニンゲンじゃなくて

マヒルチャンとその仲間、舞台少女を、だよ☆

そこんとこヨロシク☆」

「舞台、少女・・・」

 

 

 

 

 

 

☆西方ウラル大陸・要塞

 

「まだ見つからんのか!?」

「モ、申シ訳アリマセン!」

 

レイド帝国の侵略拠点である要塞。

指令室では2本の短刀を腰に差した獅子の獣人・マッハレオモンがトループモンに八つ当たりしていた。

 

「一刻も早くニンゲンを捕らえよと本国からの要請が入ってどれだけ経ったと思っている!?

これでは我の立場が危ういではないか!」

「タ、大陸全土二兵ヲ派遣シテイマスガ・・・

各地ノ反乱ノ鎮圧ニモ手コズッテイギ!?」

「負け犬共が!、調子に乗りおって!」

「伝令!、伝令!

ニンゲン、廃棄場二出現!」

「何ぃ!?」

「映像、出マス」

「・・・・・・・・・!、ククク!!

漸く我にもツキが回ってきたか!

航空戦力を総動員してニンゲンを捕らえろ!

全ては我々レイド帝国の為に!」

『レイド帝国ノ為ニ!』

 

マッハレオモンの号令により要塞の各所からプテラノモンが出撃。

 

「来たで御座るよ!」

「リュー君!、お願い!」

「任されよ!」

 

迫る戦闘機の群れを前に華恋を乗せたギンリュウモンはゴミ捨て場へと舞い戻る。

 

「目標、降下」

「地上戦力、応援求ム」

〔「了解」〕

 

更に要塞からトループモンや牡牛やサイなどのデジモン達が続々と溢れ出てきた。

 

「わわわっ!?、すっごい大群!」

「否が応にも華恋殿を捕らえたいのであろう

がそうはいかんぞレイド帝国!」

『・・・・・・・・・』

 

帝国の兵をひきつけたギンリュウモンは指定のポイントを通過。

 

 

「そこ!!」

 

 

すると、鉄屑に紛れていた純那が矢を放ち

 

ゴミの中の不発弾を貫ぬき、爆破。

 

すると、予め配置していた他の爆発物が誘爆し

更にはゴミから垂れ流しになっていた油に引火

 

 

辺りは火の海と化す。

 

 

『!?!?』

『ぎゃぁあぁあ"ぁ!!?』

「!?、メーデー!、メーデー!」

「徹甲刃!」「やぁあああっ!」

 

地上戦力が一網打尽にされた事にプテラノモン達が混乱していると、ギンリュウモンと華恋の刃に次々と斬り裂かれた。

 

「捕獲部隊消耗率、60%・・・

イエ、80%ヲ越エマシタ」

「雑魚共が!、もういい!、我が出る!」

 

手下の不甲斐なさに痺れを切らしたマッハレオモンが荒々しい足取りで出撃。

 

「《クリティカルストライク!》」

「《リヒト・ズィーガー☆》」

「「えいっ!」」

 

直後、獅子の牙が光の刃が日本刀がメイスが襲いかかる。

 

「!、!、ニンゲン!?

いつの間にここまで潜り込んでいた!?」

「ワオッ☆、流石ボスキャラ!

今の全部捌いたよ!、ヤベーイ!」

「あんなんでもレオモン族だからなァ、んな簡単にいくかァ」

「確かに、剣の扱いは凄いけど・・・

頭の方は大したことないね」

 

ななが笑顔で言い放つのと同時に

 

 

爆発、炎上する要塞。

 

 

「うっふっふっふっ♪、よくもまぁ今までさーんざん追っかけ回してくれましたなぁ?」

「ブイの事!、こき使ってくれたお返しデスぅううう!

《ブイブレスアロー!、アロー!、アロー!

アロォオオ!!!》」

「おーい、お前らーあんまやり過ぎんなよー」

「《ファイアダーツ!》

と、言いつつも!

フタバも2人に負けない暴れっぷりだな!」

「ま、ムカついてんのは

あたしも同じだから、な!」

 

 

原因は隠し通路とトループモンのガワを使い

内部への侵入を果たしていた幼馴染みコンビとそのパートナー2体。

 

「我の、我々の要塞を!、よくも!」

「ここまでは純那ちゃんの作戦通り!」

「気ぃ抜くなァ!

ここでこいつを狩らなきゃ全部パァだァ!」

「後、問題なのはあっちかな?」

「華恋ちゃんなら大丈夫!」

「いや、オジサンあの子の心配はしないよ?

なんたって、マヒルチャンのラブい

って!、ジョーダンジョーダン☆

だから真横で素振りすんのやめて、マジで」

 

 

 

 

 

☆西方ウラル大陸・ゴミ捨て場

 

「・・・・・・・・・どうやら、あの方と

ワシら獣の始祖様の魂持つ方とニンゲン達が動き出したようじゃのう」

「長!、では!」

「うむ

皆の衆、遠吠えを上げろ!

 

 

ワシらの明けを取り戻すのじゃ!!!」

 

 

『『『『アォォォオオオン!!!』』』』

 

 

『明けの遠吠え』の長である年老いたワーガルルモン・・・ワー爺の号令により獣型デジモンの集団が一斉に動き出す。

 

「はーーー・・・まさかワシが生きてる内に事がこうも大きく動くとは思ワンだー」

「・・・・・・・・・」

「元々はお前さんが立ち上がった時に動き易くする為の組織だったんじゃがのぅ、世の中ままならんわい」

「ままなってたらこうなってないよ、うん」

「フォッフォッフォッ!、確かにのぅ!

で、お前さんは

 

 

いや、あなた様はこれからどうしますか?

世界樹を守護せし聖騎士にしてその抑止力

孤高の隠士、アルファモン様」

 

 

「・・・・・・・・・ッ」

「あの戦いの折、手傷を負ったオメガモン様よりあなた様のデジタマを託されたワシはこの大陸まで逃げ延びてきました

故郷を、多くの仲間を見捨てて」

「ボクは!、あいつにそんな事頼んでない!

なのに、あいつは勝手に!、くそっ!!

あのニンゲン達だってそうだ!、今更現れて好き勝手に状況を引っ掻き回して!

 

 

だからボクも好きにやらせて貰うよ、うん!

 

 

その為にもワー爺、アレを返して欲しい」

「!?、では、やはり!」

「勘違いしないでよ

ボクは元聖騎士として帝国と戦うんじゃない

あのニンゲンの

ううん、舞台少女ジュンナの共犯として戦う!

それだけだよ、うん」

「・・・・・・・・・フォッフォッフォッ!

そういう事なら、ほれ!」

 

ワー爺が投げたのは神機の元となる虹色の鉱石。

 

 

今まで

 

色々ありがとう、ワー爺」

 

それを受け取ったドルモンは一目散に駆け出し

 

燃え盛るゴミを、散乱するデジタマを跨いで急ぐ

 

パートナー【共犯者】の元へ。

 

「ニンゲンの皆さん!、ギンリュウモンさん!

後は私達にお任せを!」

「どうか、マッハレオモンを!

帝国を討ち倒して下さい!」

「!、あなた達が例の『明けの遠吠え』?」

「じゅんじゅん乗って!」

「え、ええ・・・」

 

ギンリュウモンに乗った華恋が伸ばす手を前に躊躇う純那。

 

「(私は私なりに出来る事を全部やりきった

だから、絶対に大丈夫ッ!

自信を持つのよ星見純那・・・!)」

「純那殿!、急ぐで御座るよ!」

「!、待ってリュー君!」

 

 

「はぁっ、はぁっ・・・!、う、ううん・・・!」

 

 

「やっぱり、来てくれるって信じてたわ

ドルモン」

 

そんな彼女に紫の獣が息を荒げながら駆け寄る。

 

「か、勘違い、するなよ!、うん!

言ったろ?、ボクが君を見捨てるのはダメだってわかったらだって!

今はその時じゃない!、それだけだ!」

「!?」

 

ドルモンが吠えたてながら純那に虹色の鉱石を投げつければ

ソレは光となって弾け

水色を基調に、装飾が翡翠のようにキラめく神機となって彼女の手首に収まった。

 

「ボクと君はもう契約済みだ!

今更文句なんて言わせないよ!、うん!」

「本当に、素直じゃないんだからッ

でも、いいわ

改めてよろしくね、ドルモン!」

 

炎の中で交わされた契約。

そこに秘められた両者の想いに反応してか純那の神機から水色の粒子が迸り、0と1で構成された幕となってドルモンを包み込む。

 

 

「掴み損ねた、取り戻せなかった

 

だからもう、過ぎた時間は戻らない」

 

 

水色の幕の下、一回りも二回りも大きくなり

暗い色合いに変わる体。

 

 

「後悔に限りはなくても後悔するのは

 

下を向くのは・・・!、今日限り・・・!」

 

 

背を突き破り広がる翼も四肢から伸びる赤い爪も

それに負けない迫力がある。

 

 

「ドルモン進化、ドルガモン

 

運命なんてまだ定まっちゃいないよ、うん」

 

 

幕を吹き飛ばし忌々しげに吐き捨てるのは

獰猛な獣竜・ドルガモン。

 

「これが、進化?」

「・・・・・・・・・うん

わかってたよ、こうなるってことぐらい」

「え?」

「ううん、なんでもない

それより急ぐんでしょ?、ほら」

「ちょっ!?、何この運び方!?」

「じゅんじゅんが子猫みたいになってる!?

すっごくかわいい!、カメラカメラ!」

「こんな時にふざけないで!、バッ華恋!」

「問答はそこまでで御座る!

いざ!、戦場へ行かん!」

「え?、え?、ええっ!?

ほんとにこのままで行くの!?、ねぇ!?」

 

燃え盛るゴミ捨て場から飛び立つ2体。

舞台少女はその背に乗り・・・あるいは咥えられながら要塞を目指した。

 

「《ソニックスラスト!!!》」

「《ツヴァイ・ズィーガー・・・!》」

「くっ!、あっ!、ッッッ!!」

 

彼女らの目的地にて繰り広げられる

短刀2本VS光の2刃+大太刀、小太刀による激しい剣撃。

 

「下がってなァニンゲン!」

「ばななちゃん!、選手交代!」

 

押され気味だったななの横からライアモンとまひるが飛び出し、マッハレオモンの膝を深々と抉る。

 

しかし

 

「フン!」

「ガァッ!?」「あうぅ!?」

 

そのダメージは瞬時に回復し、反撃とばかりに蹴り飛ばされてしまった。

 

「まひるちゃん!、大丈夫!?」

「へ、平気・・・!

地面にぶつかる前にこの子がクッションになってくれたから」

「え?」

「ケッ、たまたまだァ」

「ハイハイ!、ツンデレ!

とりま!、早く!、誰か!、ヘルプ!、オジサン!、独り!、じゃ!、マジ!、無理!

・・・・・・・・・なんつって☆、目からビーム!」

「づあっう?!!、小賢しい真似を!」

 

単独でマッハレオモンの猛攻を抑えていたヴォルフモンによる不意討ち。

それにより穿たれた顔面も瞬く間に回復されてしまう。

 

「成熟期とは思えない戦闘能力と異常な再生力

帝国産チートコード増し増しでステータスカンストどころか上限突破してんじゃん、ヤダー!」

「これこそ我々帝国の力!

生まれながらにして従来のデジモンを凌駕し

平穏にして静寂なる新たな世界を作り上げる!

全てはレイド帝国の為に!」

「声は大きいけど、なんだか台詞をただ読み上げてるだけみたい・・・」

「このデジモンだけじゃないよ、私と華恋ちゃんが戦ったヌイグルミもそうだったわ」

「ケッ!、帝国の奴らはみんなそうだァ!」

「種族的なパーソナリティはあるけどこいつらに感情なんてないからね

・・・・・・・・・んで、レイド帝国の最終目的が全てのデジモンをこんな風にする事だってんだからオジサンマジサブイボ止まんない」

「我々の崇高な目的を否定するか!?

ならば削除した後、貴様のデジタマに帝国への忠誠を刻み込むまでよ!」

「お断りだァ!《サンダーオブキング!》」

「右に同じ☆《リヒト・クーゲル!》」

「効かぬ!、効かぬぞ!」

 

 

「ならばこれはどうだ!?《徹甲刃!》」

 

 

電撃と光線に紛れて、上空から放たれたのは槍。

 

「!?、チィッ!」

「なぬ!?」

「リュー君が空けた穴があっという間に塞がっちゃったーーー!?」

「これはあなたの情報にもなかったわね」

「遠くから見てただけなんだから知る訳がないよ

でも、それで諦める君じゃないだろ?」

「当然でしょ

・・・・・・・・・とにかく、まずは

 

 

この体勢をなんとかして!!!」

 

 

「じゅ、じゅんなちゃんッ!!?

え、えっと!、あの!

その子とパートナーになれたんだね・・・!」

「なな!、変に気を使うのやめて!」

 

ゴミ捨て場から合流した2人と2体もマッハレオモンの回復能力には驚愕するばかり。

 

「雑魚共が!、群がった所で我の前では意味がないと知れッ」

「それは」

「どうかな?《キャノンボール・・・!》」

「突いて駄目ならば押し潰そうという腹か?

浅はかな!」

 

純那を背中に移動させるや否や急降下しながら鉄球を吐き出すドルガモン。

その攻撃は軽々と躱されてしまい

荒野を穿ち、土煙を起こすに終わり

 

 

次いで放たれた矢の雨を覆い隠すのに使われる。

 

 

「ククク!、痒い痒い!

こんな非力な攻撃など避けるまでもない!」

「・・・・・・・・・」

 

マッハレオモンは体のあちこちに矢が突き刺さったまま嘲笑うが、純那は意に介さない。

再び宙へと舞い上がったドルガモンの背の上で淡々と矢を射続ける。

 

「鬱陶しい!、無駄だと言っている!」

「させない!、よ!」

「《棒刃破ぁ!》」

 

空に向かって飛ばされた剣圧を阻むのは華恋のPossibility of Pubertyとギンリュウモンの鎧。

 

 

「・・・・・・・・・ふふふっ!、わかっちゃいました♪」

 

 

純那の地道でひたむきな努力を見たななは

 

満面の笑みを浮かべると

 

二刀を翼のように構えながら突っ込んだ。

 

「!?《ソニックスラスト!!》」

「・・・・・・・・・さっきと動きが同じ」

「互角!、だとぉ!?

受けるだけで手一杯だったニンゲンが!?」

「反復練習は得意ですから♪

それよりいいの?、私ばっかり見てて」

 

 

「オヤジ!、抜かるなァ!」

「ハイハイっと☆」

 

 

高速の剣舞に合わせ振るわれる輪と舞。

その間隙を縫って獅子の爪と光の剣が掠る。

 

「フン、この程度

ッ!、ば、か、な・・・!?

回復しない!、だと!?、何故だ!?」

「あなたの中にあるからだよ」

 

 

ガッッッ!  ギィィィイイインッ!!!

 

 

「純那ちゃんの、キラめきが!」

 

狼狽するマッハレオモンの胴元にLove Judgementがクリーンヒット。

すると、全身に撃ち込まれた矢から水色のキラめきが溢れ出しヒビのように広がった。

 

「ぁ"っ!、がぁあぁあ"!!」

「好機!、御覚ごむぅ!?」

「リュー君すとっぷすとっぷ!

フィナーレを飾るのはあなたじゃないよ!」

「もかがももがうがもうもがうが!?」

 

 

「そうね、ここはあなたが決めなくちゃ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

純那が見守る先にあるのはドルガモンの口。

そこに限界寸前まで収束されるエネルギーだ。

 

 

「(うん、これが今のボクが出せる全力だ)

 

 

《パワーメタルッッッ!!!》」

 

 

放たれた巨大な鉄球はまるで隕石のような勢いで

 

 

地上の水色の輝きに吸い込まれていく。

 

 

そして・・・

 

 

 

 

 

 

 

☆??????

 

 

侵略域ウラル大陸エリア管理用特殊個体

 

種族名称マッハレオモン

 

損傷率100%超過を確認

 

削除完了まで残り0.5秒

 

異常事態と判断

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

侵略域ウラル大陸の放棄を可決

 

レイドプラグラム・緊急コード送信

 

全ては我々レイド帝国の為に

 

 

 

 

 

 

☆東方士武大陸・朔ノ山コンゴウ一家アジト

 

「ん、んんっ・・・?」

「あ!、クロ公起きグエッ!?」

「迂闊な奴デシテ」

「ふふふっ♪、羨ましいのならあなたも抱いてあげましょうか?」

「!、天堂真矢!!」

「いででで!、で、でも!

ギブアップなんて!、ぜったい!、しない!

ジャン!」

「え?、あなたなんで私の布団で寝てるの?

というより、ここはどこ?」

 

真矢の声に反応して跳ね起きるクロディーヌ。

 

「その説明をする前に西條さんはどこまで覚えていますか?」

「え、ええっと・・・

橋からこの子を落とした所まではハッキリしてるけど、そこから先は所々曖昧ね」

「だと思ったのデシテ」

「ただ、これだけは覚えているわ

私はあなたに助けられてなんかないって!」

「・・・・・・・・・ダトオモッタノデシテー」

「ルナモンも西條さんの事がわかってきたようで何よりです」

「よ、よっし脱出成功!

どうだクロ公!、お前の絞め技なんてウチには通じないジャン!」

「ねぇ、天堂真矢

あなたにはわかるの?、この妙な世界やそこの喋る動物達の事」

「大まかな説明はこちらのルナモンや外のコンゴウ親分さん達から 」

「てぇへんだぁ!、姉御!

姉御とそっちのクロさんが帝国のお尋ねモンにされとるんじゃあ!」

「とりあえず手配書は出来るだけ回収しときやした!」

「流石姉御!、写真でもベッピンだべ!」

「でも懸賞金はクロさんの方が上 」

 

 

「ちょっと貸して!

 

 

ふーーーん、へぇーーー、そうーーー・・・

 

 

うふっ!、ふふふっ!

なんの帝国かは知らないけど、見る目があるじゃない♪」

 

 

「何故高額の懸賞金がかけられた事をそんなに喜べるのデシテ!?」

「・・・・・・・・・」

「待てテンドー!、貴様は貴様で剣を持って何処へ行く気デシテ!?」

「なんでこいつらだけなんだよ!?、こうなったらウチ鬼ヶ城に行ってくるジャン!」

「座ってろ!、そして黙れアホ熊!」

「ベアモン、鬼ヶ城とは何処に 」

「興味を持つなデシテーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

☆東方士武大陸・湖畔

 

「(私には夢がある、約束がある

だから、こんな所で倒れるわけにはいかない

その為にも)」

 

 

グゥゥゥウウウ・・・!

 

 

「食べなくちゃ」

「プスリー?」

 

腹の虫を鳴らしながらBlossomBrightを構えるひかりに謎の生物は無垢な眼差しを向ける。

 

「とにかく、火さえ通せば・・・きっと、必ず!」

「プス!、プスリー!」

 

短剣を振り上げるとそこから伸びるワイヤーが揺れた。

 

「・・・・・・・・・」

 

 

ヒョイ

 

 

「プスリー!」

 

 

ヒョイヒョイ

 

 

「プスリー!、プスリー!」

 

 

ヒュヒュヒュン!

 

 

「プスプスリーーー!」

 

 

「楽しい・・・!」

 

 

グゥゥゥウウウ!

 

 

「ハッ!、しまった、つい」

「ヒー、おなかすいたー?」

「うん、すごく」

「じゃー!、エーとってくるー!

まっててーヒー!」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハリネズミ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




※翡翠弓の矢
一定時間が経つと元々使用出来る本数が再び使用可能となります。
しかも、使った矢は完全に破壊されない限りはいつまでも残り続けます。

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