Chocological Corporation   作:ryanzi

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業務開始

カルヴィス・バンホーテンはある会社の内定をもらった。

ヒルデ学院中等部を卒業した彼だったが、就職を諦めかけていたところだった。

何しろ、ここ最近は不景気で、それに彼は孤児だったからである。

 

「やったぞ!僕はやったんだ!」

 

その会社の名はChocological Corporationという大企業。

謎の最新技術で板チョコの大量生産・大量販売をしているのだ。

最近はそうやって謎の最新技術を使って、生活レベルを引き上げる企業が増えている。

そういった企業は特異点と呼ばれる。

 

「よく入れたのう。バン兄貴みたいなのが」

 

「こらフーカ。いくらバン兄さんだからってそんなこと言っちゃダメじゃない!」

 

二人の妹分も祝ってくれた。

ちなみにリンネはベルネリッタブランドの総帥に見初められ、

もうすぐ彼の息子の養子となったので、来月には孤児院からいなくなる。

ベルネリッタも特異点ではないが、大企業である。

 

 

「さて、確かここだったかな?」

 

彼はChocological第13支部の前にやってきた。

Chocologicalは特異点にしては珍しくビルが小さい。

彼はビルの中に入っていく。

 

「すみません。貴社の内定をもらったカルヴィスですが・・・」

 

ロビーには誰もいなかった。ただ、巨大なモニターが置かれているだけ。

その時、モニターが金切り音を発した。

 

ようこそ、カルヴィス・バンホーテン管理人。私はAEのウィリーと申します

 

モニターに文字がそう表示された。

 

「か、管理人?」

 

「そうです。あなたは今日から第13支部の運営をしていただきます」

 

すると、いつの間にか見知らぬ部屋の中に転送されていた。

おそらく、特異点のDokodemo社の転送装置で連れてこられたのだろう。

 

「えっと、ここは・・・」

 

部屋はベルカ貴族的な内装で彩られていた。

重厚な机の上には板チョコが置かれており、何十もの空間モニターが展開されていた。

 

「ここは、僕の仕事部屋かい?」

 

やはり管理人に選ばれただけのことはありますね。いい状況把握能力です。

 

「あ、ありがとう。でも、僕は中等部を卒業したばかりで・・・」

 

能力に年齢は関係ありませんし、出自も関係ありません。

 

カルヴィスは次の質問をした。

 

「君はAIではないのかい?AEとかって言ってたけど」

 

良い質問ですね。確かに私は電子回路で作られました。

しかし、私はAIを越えたArtificial Existenceというものなのです。

人工実存は人工知能にはできない判断を下すことができるのです。

 

「へえ・・・。でも、聞いたことがないなあ」

 

それもそうでしょう。人工実存は特異点群が管理局にも極秘で開発した規格ですから。

 

「・・・どうして、管理局にも秘密なんだい?」

 

おや、管理局に逆らっているという質問はしないのですね?

 

「確かにそれもあるけど、特異点は管理局と仲がいいじゃん。

それなのに、どうして隠す必要があるのかなって?」

 

おや、面白いことをおっしゃいますね。あれは表向きです。

私達は管理局に叛逆しようとは思っていません。

しかし、管理局は私達を迫害する手はずを整えつつあります。

だからこそ、私達は自衛のために秘密裏にいくつかの機密技術を開発しました。

 

「そうだったの?・・・ということは、僕ってマズい立場にあるんじゃ?」

 

本当にいい状況把握能力ですね。しかし、今は気にしなくても大丈夫です。

ここは、安全な場所です。あなたが思っているよりもずっと。

さて、椅子に座ってください。

 

椅子に座ると、机の上に手袋が転送されてきた。

カルヴィスは手袋を着けた。

 

その手袋は板チョコに体温を伝えないための特別な手袋です。

まずは、その板チョコをタッチしてみてください。

 

カルヴィスは言われたとおりに、そのチョコに触れてみた。

すると、チョコが斜め、縦、横と切られていった。

驚くことに、チョコの破片が一つ増えた。

 

「えっと、もしかしてChocologicalがチョコを大量生産できるのって・・・」

 

そうです。私達はこの法則を発見したことで、特異点に昇格しました。

さらに、そのチョコには特別なエネルギーが含まれています。

それをうまく利用することで、工場の区画を拡大することもできるのです。

さて、次にモニターを見てください。

 

モニターには、たくさんの機械と人が映っていた。

 

彼らはOompa Loompaといい、わが社の勤勉な職員です。

 

「う、うんぱるんぱ?」

 

Oompa Loompa、彼らはある管理外世界から雇用されて、我が社に来ました。

少し、彼らの会話を聞いてみましょう。

 

「そういえば、お前どこから来たんだ?俺は平壌からだけど」

 

「黄海南道の田舎からだ。ここは本当に最高だな」

 

「ああ、まったくだ。あの豚たちを恐れなくてすむからな」

 

「俺は北京から。本当にこの会社はいいな。監視されずに済むから」

 

「「お前には聞いてない」」

 

「ひどいや」

 

我が社は彼らにとって最高の労働環境を提供しています。

おそらく、ここは彼らにとっては天国そのものでしょう。

 

「あっ、うん」

 

カルヴィスはこの件に関して深く追及しないことにした。

明らかに、嫌な予感がする。

 

さて、業務を開始しましょう。管理人

 

「・・・うん!」

 

なんか色々とあったが、カルヴィスは仕事を始めることにした。

これ以上は考えても仕方がないだろう。

 

Cutting Chocolate, Whether It Likes It Or Not.

 

「えっ?」

 

我が社の社訓ですよ。

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