突発短編集:アリス・ギア・アイギス 作:Ente
反響があればVol2以降も書きます。
Vol1.整備士×仁紀藤奏
ピピピピ、という音と共に腕時計のアラームが時間が来た事を告げた。
それと全く同時に、入り口の扉が勢いよく開け放たれる。
「ごきげんよう!私のバイクの
そう言いながら整備場に入ってきたのは、幼馴染と呼ぶかは少し迷う小さい頃からの知り合い。
「あぁうん、言われてた異音は直しといたぜ。後ブレーキなんかも調整しといた。
整備の詳しい内容と料金はこの書類な」
そう言いつつ目の前の少女、仁紀藤奏にいくつかの書類を渡す。
ふむふむ、と漏らしつつ書類を読んでいる奏の横顔を盗み見て、美人だよなぁと改めて思う。
確かアクトレスとしてヴァイスと戦う一方、彼女の通う聖アマルテア女学院で風紀委員長を務めていた筈だ。
加えて夜や休日に趣味のバイクに乗っており、肌の手入れをする時間など殆どないだろうに顔にはシミやそばかすなど1つも見つからない。
「ん?どうかしました?私の顔に何かついてます?」
「い、いや何でもない」
と、盗み見ていたのがバレたぽくて声を掛けられたから咄嗟にごまかす。
そもそも、彼女とは家族ぐるみの付き合いだ。
父親がプロレーサー、母親もレースクイーンという家庭で育った奏は当然バイク好きになったんだけど、奏の父親、雄矢おじさんが乗るバイクを整備してたのが俺の親父。
その頃から子供同士って事で話が合って、なんやかんやで奏のバイク整備を任されるようになったんだよな。
勿論奏本人も日常整備だけじゃなくて分解整備も出来るんだけど、部品の調達とかはまとめて発注を掛けた方が安上がりだから俺が任されてるって訳。
…と、ここで邪な考えが浮かんだ。
以前、奏から彼女の母親、裕子おばさんのレースクイーン衣装の写真を見せてもらった事がある。
その衣装を脳内でイメージし、目の前で書類に目を通している奏に着せてみる。
………これ以上詳しくイメージしたらヤバそうだからやめといた。
具体的には整備場と奏のバイクが血で汚れる。俺の鼻血で。
「…うん、わかった!料金はいつもの支払い方だよね?」
「あ、あぁいいぞ。定額の範囲内だからいつも通り口座から月末に引き落とす」
必死になって妄想を消してたところに声かけられて一瞬キョドったけどなんとか平静を装って返事をする。
「ありがと!それじゃ、また何かあったら頼るね!」
そう言うと、奏はたった今整備し終わったバイクにまたがって走り去る。
それを見送って、俺は整備場のドアを閉めた。
※実際に自動車を整備に出した際の料金は現金ですぐに払いましょう。
店側にとって負担が増えるのであまり喜ばしくないです。
二次創作なので家族ぐるみの付き合いって設定でOK扱いさせてます。