突発短編集:アリス・ギア・アイギス   作:Ente

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Vol1はナデちゃんだったので、Vol2は地衛理さんにて。


Vol2.傭兵×紺藤地衛理

  (戦場)

この世界に神様なんていない。

 

敵か味方か。ただそれだけでしかない。

 

 

 

鼻を突くのは血と硝煙の匂い。

 

目に映るのは味方の死体と、圧倒的な物量で迫りくる敵兵。

 

味方が必死に撃ち返すが、その僅かな抵抗には数十、或いは数百倍の銃弾が報復として返される。

 

 

 

やがて、ライフルの弾が尽きる。

 

見回せば仲間は一人もいない。俺以外全滅したようだ。

 

手元に残っているのは、拳銃弾が1マガジン分。

 

倒れた仲間の銃を拾い上げて牽制するも、返礼は大量の銃弾によって成された。

 

咄嗟に地面の隆起に隠れて凌いだが、長くは持たないだろう。

 

撃たなければその間に敵兵が近づき、やがて近距離で撃ち殺される。

しかし、牽制する為に撃とうにも顔を出せば撃たれて死ぬ。

 

 

 

と、目の前に何かが転がってきたのが見えた。

 

鈍色の球形であるそれは、破片手榴弾――!

 

投げ捨てようと掴んだ直後、手榴弾は内側から破裂した。

 

破片が幾つか身体に食い込み、加えて右手の感覚が無くなる。

 

破片が深々と突き刺さりズタズタにされた右手は、速やかに処置しない限り二度と動くことはないだろう。

 

これは終わったな、と思いつつ左手で拳銃を構える。

 

傭兵である以上、死ぬ覚悟はできている。

 

そんな中脳裏に浮かぶのは、この戦いで戦死した仲間たちと過ごした思い出。

 

(来るなら来い。せめて一人でも道連れにしてやる)

 

そう考え、敵が寄って来るのを待つ。

 

 

 

 

 

…だが、敵が来ない。

 

(警戒してるのか?こんな死にかけの俺を?)

 

ふと地面に目を向けた時、一瞬影が通り過ぎて行った。

 

(…鳥でも迷い込んだか?)

 

疑問に思い、敵がやけに静かなのをいいことに隆起から顔を出す。

 

 

 

 

 

俺はそこに、女神を見た。

 

 

 

 

 

長い銀髪を風に靡かせながら優雅に空を舞い、的確な射撃、あるいは苛烈な槍裁きで敵を無力化していく。

 

見れば、彼女の攻撃はただの一人の敵兵も殺していない。

 

射撃で銃器を破壊するか、或いは槍を振るって吹き飛ばす。

 

反撃として敵兵が放つ銃弾は、銃弾自体が彼女を避けるかの如く虚空を貫く。

 

「コンドッティエーレだぁぁぁ!」

 

戦線が崩壊しつつある敵兵の叫びが聞こえる。

 

 

 

噂程度なら聞いた事があった。

 

どの勢力にも属さず、傭兵として戦場を渡り歩くアクトレスがいると。

 

特徴として語られるのが、敵を一人として殺さない不殺のスタンス。

 

そして、今まさに目の前で風に煽られている長い銀髪――!

 

 

 

気づけば、戦闘は終わっていた。

 

生き残ったという実感も無く、俺は目の前の少女を見上げ続けていた。




1000文字に収めるのに苦労しました。

最初調子に乗って長めに書いてたら収まりきらなくて大分削った。
具体的には仲間多少生き残ってる描写だったけど削って傭兵一人しか生き残らなかった。

若干不完全燃焼気味だから続き書くかもしれない。


少しばかりガンダムOOに寄せてます。
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