突発短編集:アリス・ギア・アイギス 作:Ente
「せいやっ!」
掛け声と共に、俺の目の前で拳が寸止めされた。
「…そこまでィ!」
審判を務めている師範代の声と共に、お互いに構えを解く。
「…う~ん、やっぱり勝てないですね」
「ふふ、そう簡単には負けませんっ」
そう言いながら目の前の少女、椎奈さんは微笑んだ。
俺がこの道場で空手を習い始めたのが数年前。
昔の俺は身体も気も小さくておどおどした性格だったから、いわゆるガキ大将って奴からイジメを受けてた。
俺の親が学校に相談しても、ガキ大将の親がPTAの会長だったんで学校もガキ大将側。
むしろ相談したことがバレてイジメが酷くなった。
で、困った親が多少交流があった州天頃家に相談したら、州天頃家の父親―師範代から道場に通う事を勧められた。
ただし、その時に二つ、条件を出された。
第一に、空手で人を傷つけない事。
次に、身体だけでなく心も鍛える事。
「はい、タオルと飲み物ですよ」
「…あ、ありがとうございます」
そんな物思いにふけっていると、椎奈さんがタオルとスポドリを渡してくれた。
が、俺の返事を聞いた椎奈さんが何故か顔を覗き込んでくる。
「ど、どうかしました…?」
「お返事が遅かったのでまた体調悪いのかと思ったんです。あなたは前科持ちですからねっ」
「いやその節はホントに申し訳ないです」
以前、殆ど休憩せずに数日間ぶっ続けで自主練ばかりしていたら体調を崩して、練習中にぶっ倒れた事がある。
目が覚めたら病院のベッドの上で、2~3日くらい経ってた。
…椎奈さんが座ったまま寝てて、可愛い寝顔だなとか呑気に思ってたら直後に目を覚まして思いっきり説教されたけど。
ちなみに診察結果は過度の疲労と栄養失調。
「さて、午前中の練習はここまで。お昼休憩です」
そう言うと、椎奈さんは可愛らしい弁当包みに包まれた弁当を2つ取り出した。
「はい、貴方の分ですよっ。少し多めにしておきました」
「何から何まですいません…」
そう言いつつ2つのお弁当の片方、差し出された少し大きめの弁当を受け取る。
俺がぶっ倒れて以来、休日に練習する時には椎奈さんが弁当を作ってくれるようになった。
ついでに監視として目の前で食べる事になった。
曰く、また食べないかもしれないからとの事。
…ただ、この弁当が滅茶苦茶旨い。
そこそこ量もあるのだが、あっという間に平らげてしまう。
「ご馳走様でした」
「ふふふ、相変わらず良い食べっぷりですね」
…常々可愛らしいとは思うけど、その笑顔は反則だと思う。
うーむ、書きたい事が多すぎて1000文字に抑えるのが厳しいな…。
早くも1000文字縛りが終わりそうな雰囲気である。
今回も結構削った部分多め。
地衛理さん同様、続きを書くかもしれない。
反響次第ってとこですかね。
あ、次は多分しばらく感覚空きます。
誰を書くか決め損ねてるのです…。
順当にいけばアマ女から怜ちゃんか綾香さまか。