突発短編集:アリス・ギア・アイギス 作:Ente
あ、美里江ちゃんの各種エピソードに関するネタバレが含まれます。
調べれば出てくる程度のネタバレですが気になる方は回れ右。
あ、あと作者は星4美里江ちゃん持ってません。
なので美里江ちゃんに関する情報が間違っていたりした場合はご指摘よろしくお願いします。
てか書く上での情報もアリスギアwiki頼り。
加えて絆エピも読めてないので博士の口調が分からないのでセリフ無しです。
それでも構わない方はどうぞお先へ。
本機はアンドロイドである。
開発番号はFri-12。
開発目的は、御茶ノ水寅二博士によって本機より先に開発されたAlc-003の運用における不自然さの緩和。
具体的には、人間であるように振る舞う上で友人としての存在がいると好都合であるという理由で開発されたアンドロイドだ。
性能や完成度では明確に劣るので博士の身の回りの世話については本機より高性能なAlc-003が専ら担当している。
「博士、お茶を入れました」
本機の目の前で、Alc-003―――御茶ノ水美里江が博士にお茶を入れている。
そのお茶を受け取って飲み干すと、博士はやや上機嫌な様子でふらつきながら自室へと戻っていく。
ここ数週間、博士は体調が優れていないようで最低限の水分補給などを済ませると日中寝ていることが多い。
少しして、博士が寝息を立て始めたのを確認すると本機――俺は演技を辞めた。
同時に、美里江もアンドロイドとしての演技を辞める。
「ふぅ、毎回毎回疲れる…」
「ごめんね、苦し紛れに名前出しちゃったせいで…」
「いや、俺が好きでやってる苦労だから気にしなくていいよ」
そう、俺はFri-12ではなくただの人間だ。
同時に、美里江もAlc-003なんていう存在ではなく人間のアクトレスだ。
こんな演技をしているそもそもの発端は、美里江から聞いた限り凡そ9年前。
美里江がまだ6歳だった頃、アンドロイドに関連する事故が発生して美里江の両親が死亡してしまい、博士も重傷を負ったらしいのだ。
その後、辛うじて博士は一命を取り留めたのだが息子夫婦――すなわち美里江の両親が死亡した事を受け入れられず、心が少し壊れてしまったらしい。
それ以来、美里江はAlc-003という存在もしないアンドロイドを演じるようになったのだが、ふとした事で俺の名前を出してしまい、以来俺も友人型アンドロイド、Fri-12として振る舞っているのである。
ちなみにFri-12というのは、Fri部分でフレンと読ませ、12を少し崩して書くとDになるので、合わせてフレンドと読める…という洒落らしい。
…ただ、時々こう考える事がある。
果たして、博士はどうなるのが良いのだろうか。
孫娘を存在しない自らの作品として扱う、今の状態が良いのか。
それとも、何かの拍子で心が元に戻ったほうが良いのか。
しかし、仮に心が戻ったとして息子夫婦を失った事実に向き合えるのか。
その答えは、只の凡人に過ぎない俺には出せないのだ。
うーむ、前もって考えてたネタだけあって書きやすかった。
ただし、ネタの引き出しがそろそろすっからかん。