そして帰り道。
「気にすんな。いつもの事だろう。」
「そう、そう。」
ニヤニヤ笑いながらのび太の肩にぽんと手を置くジャイアンとスネ夫。
「・・・・・・・・・。」
そしてそんな三人の後ろを無言で歩く静香。
「う〜、う〜、」
ジャイアンとスネ夫と別れ、のび太は落ち込みながら静香と共に道を歩いていた。あの後、宿題を忘れたせいで先生に叱られ、居眠りをしたせいでまたもや怒られた。いつものことながら気分が落ち込んでしまう。
「元気出して、のび太さん。」
すると落ち込んでいるのび太に静香は手を差し伸べた。
「人間の値うちは、 テストの点数だけできまるものじゃないのよ!」
のび太の手を握りながら、そんな事を言う静香。褒められているのか、遠回しに貶されているのか、よくわからない名言である。
「静香ちゃん・・・・・・」
だが今ののび太には、そんな言葉でも嬉しかった。頬を赤くしながら、静香の手を握り返す。
「っ!?」
「痛っ!?」
突然物凄い殺気が二人を襲う。そして粗同時に静香が自身の足に痛みを感じる。
「大丈夫!?」
足を抑えて蹲る静香を、のび太は心配そうな顔で見つめる。
「だ、大丈夫よ。」
そしてのび太は辺りを見渡すが、誰もいない。
「おかしいな・・・・・」
今のは一体?のび太は首を傾げる。
その夜。
「のび太、早く寝なさい!!」
のび太は急いでパジャマに着替えると、部屋に布団を敷いた。そしてメガネを外し、眠りついた。昼寝好きののび太にとってこの時間が一番心が安らぐ。
「えーーーー!?」
目を覚ますと、そこはいつもの学校の廊下だった。現実の世界では母親に叱られ、先生に叱られ、同級生には虐められ、犬には追いかけられる。だからせめて夢の中では、自分の思い通り生きたいというのに。何故夢の中でも同じ目に合わないといけないのだろう?
「仕方ない・・・・・」
そう言いながらのび太は歩き出す。どうせ夢の中だ、学校を抜け出しても特に問題ないだろう。こういうムシャクシャした時には彼処に行こう。裏山にある自分だけが知る秘密の場所。
「・・・・・・・あれ?」
秘密の場所に着いたのび太は、声を上げる。先客がいたからだ。
「あ、あの・・・・・・・・・」
後ろから先客に声をかける。
「綺麗な場所・・・・・・こんな場所がまだあるんですね。」
「君は・・・・・・?」
のび太の言葉に少女はゆっくりと振り返り、優しく微笑む。
「私の名前はカグヤ。」
「ぼ、僕は、野比のび太。」
その日、のび太は不思議な夢を見るのだった。そしてこの出会がのび太の運命を大きく変えるのであった。
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