ヒロアカ×Fate   作:トラッキング

2 / 12
02

 此方を煉獄とも言えるし、楽園とも言える。永久に不変であるというのは、それだけで完結した情報ではあった。上でも下でもあるし、そのどちらでもない。どちらであっても意味がない。無意味であること自体が意味である、とも言える。まあつまり、影の国とはそういう場所だ。

 と、スカサハは思っている。

 不滅の神話。あるいは、幻想の行き着く先。そんな風に言えば、聞こえはいいかもしれない。が、端的に退屈なだけだ。そうスカサハは思っていた。実際、千年単位でこんな所を治めていれば(まあ、治めるべき何かがあるわけでもないが)、他に言い様もなくなる。ああ暇だ暇だ。今日も今日とてやることもない。

 影の国は腐り落ち損ねた神代の枝葉だった。本来ならば、神話の終焉と共に終わるべき場所。しかし、終わることも許されず、終焉を迎え損ねた僻地。

 ここが砕ける事は世界にとって許されざる事態だが、無くなったところで何の影響もない、という矛盾を抱えている。この矛盾は、整然とされない事に意味がある。無価値であるという意味が。影の国――この表現をそのまま信じるならば、そこは世界の映写そのものだ。世界の動きに合わせて形を変える。しかし彩も光沢もない。影とは闇であり、そこは世界の墜ちたる先。形状の変化には鈍感であり、常闇には鋭敏だった。

 昔はよかった、などと言うつもりはない……さすがにそこまで老いてはいない。そうスカサハは自覚している。老人扱いされたらそいつをぶっ殺すつもりでもいる。まあとにかく、こんな場所でも過去に賑わっていた事はあるのだ。

 過去の栄華。これもまた意味はない。結局の所、世界ある限りどれだけ腐敗しても、影の国も在り続ける事には変わりないのだから。過去も今も、そして未来も姿は変えられず。

「故に、儂がここを守る理由というのは実のところないわけだ」

 うんうん、と彼女はしきりに頷いた。たまに「うんうん」だとか実際に口にしてみたり「間違いない」だとか独り言に独り言を返しながら。

 今彼女の目の前には、糸があった。細く、長い糸。

 ただの糸である。上は天の頂から、下は地の底まで。まるで影の国を貫くかのように、一筋の糸が垂れていた。

 それが影の国に何か影響を与えているかと問われれば、それは全くの否だ。

 影の国は世界の転じた姿。影の国単体を揺るがす事は、実のところかなり困難な事だった。自分の影を、自分は動かすに変えようとするようなものである。影の国を変えようとするなら、世界を滅ぼす方がいくらか簡単なくらいだ(そんなことをすれば世界の防衛機構が働くため、どのみち困難なことには変わりないが)。

 逆に言えば、無影響かつ無意であれば、この場所にも干渉できる。故に、影の国を通っている時点で、それが無害だと言うことは分かっていた。

 しかし、スカサハは呟いた。

「気に入らん」

 言葉に反して、スカサハはにやにやと笑っていた。

 糸から目を離し、足早に居城へと向かう。目指すは宝物庫だ。そこに槍やら何やら、装備一式が半ば忘れ去られている。もとい、置いてある。

「これは儂に対する挑戦だ」

 宝物庫の戸を叩くように蹴り開ける。そこは広い部屋だった。ただ広いというだけではなく、寒々しくも感じる。たいした物は置いていないせいで、実際の大きさ以上に広くも感じる。部屋の右側には、使ったこともない剣やら盾やらが、申し訳程度に並べてある。それでも神話の忘れ形見にふさわしい、宝具と言うにふさわしい一品ばかりなのだが。右側には、斃した魔獣の素材やらが乱雑に積み上げられている。一番慎重に置かれているのが正面にある槍を中心とした装備であり、スカサハの秘中と言えるものはそこにあるだけである。

 とりあえず普段使う槍やらをひっつかみ(選ぶのが面倒くさかったのだ)、来た道を戻る。

「なんと言えばいいのだ? 領空侵犯? 国境など引いた覚えはないが……まあとにかく不法侵入だ。許されざる行為である、たぶん」

 ふん、と鼻を鳴らしながら、槍を振った。拍子に手に持った装備から、からからと音を立てて何が落ちたが、気にしない。どうせ本当に重要なのはゲイ・ボルグだけだ。他はなくとも、まあせいぜい少し面倒になるだろう、というくらいか。

 久々に手にした槍は、やはりよく手になじんだ。最近(ここ数百年)は訓練用の槍ばかりを使い、手入れをする程度だった。それを悔いる。こんなことがあるなら、もうちょっと真剣に愛槍を振っていたものを。

「舐められてはいかん。まずは犯人をしばき倒すのだ。こう、後頭部をいいかんじにがつんと……」

 ぶつぶつと呟きながら、だんだん立場を忘れてチンピラじみた物言いになっていく。それは分かっていたが、気にしなかった。わりかしいつもの事である。

 戻ってくると、糸は変わらぬ様子でそこに垂れていた。

 スカサハは改めてそれを観察する。糸は、どうやら力そのものであるらしかった。それ自体が何かするのではなく、どこかから世界に――あるいはその逆で(これはかなり難易度が高い事だが)世界からどこかに力を伝達し、引っ張る。恐らくそういった機能のものだ。釣り糸というのが一番近い表現かも知れない。

 触れるべきか触れるまいか、一瞬悩みそうになってすぐにやめた。つまらない思案など自分らしくないというのもあったが、それ以上に、これを逃すことが惜しかった。

 意を決して、スカサハはひったくるように糸を掴んだ。

 瞬間、彼女は氾濫した大河に流されるように、為す術なく引っ張られた。可能性の低い方、そして彼女が予想した通りに、世界の彼方へと。

 勢いは一瞬でスカサハを影の国の外へと追いやり、脱出させる。国境を超えるのとほぼ同時に、頭に鈍痛が走った。

 正体は情報の奔流だった。まるで、頭に山のような段ボールを詰め込まれているようだった。一度に入る情報にはきりがあり、それを超えて書き込もうとするものだから渋滞が起きる。渋滞がおきても無理に詰め込もうとして、玉突き事故が起きる。頭痛の正体はそれだった。詰まった情報ごと後ろから無理矢理押し込まれ、だから悲鳴を上げる。

 激流が頭と体、両方を責め立てる。耐えられない苦痛でもないが、鬱陶しい事には違いない。

 少しばかり強く奥歯を噛みながら、流れてくる情報から重要そうな部分を抜き出した。聖杯、サーヴァント、時代、言語、日本……頭痛の中、選び出すのは、ちょっとした苦労だった。

 情報の流れはすぐに落ち着き、それからいくらかして、体の流れも穏やかになり、終着を感じさせた。

 程なく世界に放り出される。

 すっと、スカサハは音もなく着地した。元よりそう過激に投げられたわけでもないので、苦もなかった。

 現れた場所は、情報通りの場所ではあった。自分が知る建築物とは違う。どこもかしこも角張っており、合理性と生産性の塊。その甲斐あってか、内装はそれなりに自由度が高いようではあった。情報によれば、ここは「借家」の「一軒家」なるものであるらしい。

 と。

 スカサハはぽかんとした。自分と同じように、恐らく呼び出されたであろう者達も呆けて、同じ方向を見ていた。

 時は二十一世紀。場所は日本。世界は個性とやらが台頭し、浸透し終え、一応の平穏を取り戻した頃。

 恐らく個性とやらでスカサハ達を呼び出した子供――というか幼児――は、いきなり現れた英霊達を見上げて、ちょうど彼女らと同じようにぽかんと口を開けていた。

 

 

 

   ▲▽▲▽▲▽

 

 

 

 街中をパトロールがてら、ふらりと歩く。それ自体には特に意味はない。というよりも、今は特に意味のある行動というものが難しくはあった。

 どん、とおしゃべりしながら歩く学生とぶつかる。「ごめんなさい」という謝罪に、軽く手を振って答えた。ずきずきと痛む左脇腹はおくびにも出さずに。

(くぅ……! やはり厳しいな)

 スーツの下に右手を潜り込ませ、何かを探っているようなふりをして、脇腹を掴む。まだ癒着していない傷口にじくじくと響くが、内蔵の痛みはそれ以上なので止めようもない。

 呼吸器官半壊、胃袋全摘。怪我と故障はヒーローの常とはいえ、実際にそれと遭遇してしまえば、正直にきついと言うよりほかない。浅く深呼吸をして――素早く深呼吸ができないのだ。肺は片方完全に取り払われたし、気道にもダメージがある――なんとか体内を落ち着かせる。傷が治ってなければそれが響き、重要器官が無くなれば、それを補おうと他の内臓にまで負担がかかる。怪我を負った直後より大分良くなったとはいえ、まだ楽観してよくも、ましてやパトロールをしてもいい調子ではない。それは分かっているが、辞められなかった。人が今もヴィランの脅威に晒されてるのではと気をもむよりは、痛みに耐えてでもパトロールをしている方が、ベッドで寝ているよりよほど気が紛れる。自分でも病的だとは思うが、仕方がなかった。

 これはもう性なのだ、と八木俊典は思っている。オールマイトと名乗り、人々の平温のために立った者の。

 ふぅ……と深く吸った息を、ゆっくりと吐き出す。あくまで呼吸器官には負担を掛けないように。その甲斐あってか、いくらか痛みは引いていた。

 が、苦痛が平静まで戻るまもなく、叫び声が空を劈いた。

「ヴィランだ!」

 声は遠かった。それだけに、必死さが感じられた。

 どれほど間も置かず、前方から人の波がわっと押し寄せる。押し合い、圧し合い、半ばパニックを起こして逃げ惑う市民達。

「全く、容赦ないなあヴィラン!」

 俊典は叫びながら、近場の路地裏に潜り込んだ。

 幸運と言うべきかそうでないのか、人影はなかった。下手したら袋小路に陥る場所に、避難中、積極的に入ってくる者は少ない。無論、全くいないわけではないのだが。パニックを起こす人間が理性的に逃げ道を探すわけがないのだから。

 表通りから視線が切れたところで、俊典はぶかぶかのビジネススーツを脱いた。その下から、ヒーロースーツが顔を出す。

 ぐっと腹筋に力を入れると、全身がバンプアップしたのを感じる。さらに、意識をも切り替えた。八木俊典という、職業秘書、ただの一般人から、オールマイトというヒーローへ。

 脚に力を込め、軽く跳ねる。それだけで、ビルを軽々と乗り越えた。屋上に降り立つと、声が方向へと飛び跳ねる。

 現場へは、ほんの一跳ねで着くことが出来た。人影はほんの四つだけ。三つは倒れ伏しており、立っているのは一人だけだ。周囲に別のヒーローの姿もない。

 状況を鑑みるに、どうやらヴィラン同志の争いのようだった。周囲には破壊跡があり、その様子から、少なくとも三つ以上の個性が振るわれたことが分かる。最初の悲鳴はその三つの個性の持ち主であり、その後残りの一人に鎮圧された、という所だろうか。

(ううむ……これは)

 鎮圧した人間をヴィラン扱いというのは、少し可哀想ではあった。状況がこれなら、前科にもならず多少の説教だけで済むし、元より個性の無断使用が法律違反だ。可哀想だが、少々お小言を貰って貰うしかない。

 考えながら、オールマイトは着地した。その前に、男は振り返っていた。

(ぬ?)

 当たり前に、オールマイトの動きは速い。ヒーローですら彼の動きを目で追える者は僅かだ。それを、まさか背後から迫られて気がついた?

 あり得ない事ではない。が、極めて希なことであるのも確かだった。

 オールマイトは着地と同時に、男を観察した。真っ白な肌に、肌と同じく白い髪の色。顔の造形も日本人離れしており、目元には真っ赤なアイラインを引いている。観光客か何かにも見えるが、黒いボディースーツの開いた胸元を見れば、鎖骨の合流点あたりに宝石のようなものが埋まっている。異形型故の容姿という線も否定できない。マントのようにも見える、背中で赤くはためくものは、個性に関するものだろうか。なんにしろ、総合して見るとヒーロースーツのようにも見えた。

「ふむ、新手、という様子でもないが」

 男は呟くと、右手を振るった。次の瞬間には、妙な装飾のある槍を手に収めていた。

「おいおいおい……」

 オールマイトは思わずうめいた。取り出した槍は、個性という風でもない。であればサポートアイテムだが、これの扱いにはヒーロー免許か、それに準ずるものが必要になる。つまり未登録の、闇に流れたサポートアイテムという事であり、明確に法を犯している。これを少々の説教で済ますのは難しい。最低でも、出所は詰問する必要がある

 おとなしく言うことを聞いてくれればいいが、と思いながら、オールマイトは指をぴっと男に向ける。

「キミ、こんなところで暴れては――」

「成る程、正義に焼かれようともその身を捧げた者か。矮小でありながら、受け継いだ個性に呪われ、腹を貫かれながらもなお殉ずるか。辞めるがいい、人々の英雄たらんとする愚者よ。それは遠からずお前自身を滅ぼし、お前が守らんとする者達にとっても闇をもたらす。今や全てがお前の身に余る」

「……なんと?」

 オールマイトは、すっと目を細めた。

 言葉そのものは、挑発のような、忠告のような、いまいち判断が難しいものだったが。その中には、決して無視できない台詞が混ざっていた。

 受け継いだ個性、そして腹を貫かれる――これらの情報は、極めて限られた人間しか知らない。同時に、知っている者が軽々しく外に漏らすとも思っていなかった。漏らす可能性がある者と言えば、ただ一人しかいない。

 オール・フォー・ワン。オールマイトの大敵であり、つい先日倒したばかりの巨悪だ。

 もし彼から直接、そうでなくとも何か繋がりがあって知っているとしたら? 彼の残党と言える存在と何か縁があるとしたら?

「これは、ちょっとばかり注意するってだけじゃすまなくなってしまったな。キミには聞きたいことができた」

「ふむ……」

 男は小さく首をかしげた。が、それを振り払うように槍をひと凪ぎする。

「行き違いに至るまで、委細承知した。オレを倒し、何でも聞き出すがいい」

 男から強烈なプレッシャーが湧き上がる。それは不可視の圧というだけではなく、吹き出た炎から、実際に熱風となって押し寄せた。

 オールマイトが、潜り込むように跳躍した。狙うは男の背後、首筋だ。可能な限り加減し、叩いて意識を奪う。

 が、男の反応はオールマイトの予想以上だった。オールマイトが詰めた距離の分だけ、男も引いてきた。飛んだ勢いを利用して、槍を一閃。なぎ払いこそ射程の外であるものの、代わりに纏った紅蓮を飛ばしてきた。

「ムゥッ!」

 炎は濃く、力強い。躱せないと見るや、オールマイトは反射的に陽光を殴りつけた。火の膜は超新星となり、辺りに散る。吹き飛び威力を減じたはずのそれらは、アスファルトやコンクリートをたやすく焼き溶かした。

 打撃に一瞬遅れて、手に熱が伝わってきた。気がつけば、コスチュームの腕部分がなくなっていた。並大抵の事ではほつれもせず、当然耐火性能も付与されている最新鋭の鎧がだ。

「これは……っ! 洒落にならないな!」

 ぐぅっ、と歯を噛みしめる。

 と、はっとしてオールマイトは振り返った。まだ、地面に転がっていたヴィランがいたはずだ。

 倒れ伏した三人は無事だった。焼かれた様子もない。ひとまず安心する。

 息を深く吸い込む。呼吸器が悲鳴を上げたが、今はそれを気にしている余裕もない。

CAROLINA(カロライナ)

 腕を体の前で十字に組み、咆吼と共に解き放つ。

SMASH(スマッシュ)!!」

 男はこれも軽く避けたが、どのみち当てるのが目的ではなかった。戦場を変えられればいい。誰にも被害が及ばない場所に。

 男がビルを伝い、上に跳ぶ。オールマイトも後を追い、屋上で待っている男の前に着地した。

「ここならば憂いなく戦えるだろう」

「私としてはおとなしく捕まって欲しいんだが、ねッ!」

 どうやら、彼には倒れたヴィランを人質にするつもりはないようだった。そのことに安心し、安堵の息を吐く。オール・フォー・ワンの薫陶を受けたのならば、それくらいはするだろうと予測していた。関係者ではあっても仲間ではないかも知れない、と脳内のメモ帳に追記をする。もっとも、引くつもりはないらしく、油断も出来ないが。

 今度は男が仕掛けてくる番だった。

 槍が小さく揺らめいたと思った瞬間、神速の三連撃。全てをぎりぎりで躱すが、熱波まではどうにもならなかった。槍捌きがあまりにも鋭く、反応しきれなかったのである。超高熱に煽られたスーツが小さな音を立てて破れる。

 連続攻撃はそれだけで終わらなかった。男はさらに力を込め、今度は薙ぎ払い、振り下ろしまで交える。猛火はさらに荒々しく猛り、余波だけであっという間にビル一つを解体してしまう。

 炎熱がまき散らされ、周囲のビルまで燃え始める。最初のヴィラン騒ぎで無人なのが救いだった。これで人がいたら、逃げ遅れる者がいただろう。

 戦いはしばらく、男の槍と業火の波状攻撃、それを避け、もしくは迎撃するオールマイトの構図だった。槍の間合いが厄介だというのもあるが、それ以上に、ただ単に男が強すぎた。

 時間にして、まだ一分かそこらだが。周囲は地獄の様相だった。さして大きくないとはいえ、ビル群、そして大通りの一部が、もはや原型もない。

 たやすい相手ではない。少なくとも被害を気にせず勝てる相手では。

 オールマイトは覚悟を決めて、わざと隙を作った。たいした隙ではないが、しかし分かっていても突く事が良策となる程度の。

 男の大上段からなる大振りが、死に神の鎌のように襲ってくる。

 隙を突く。それはある種のギャンブルだ。突く側もまた、同じだけの隙を作る。

 オールマイトは踏み込むと同時に、手刀で槍を払った。左に逸れた槍は、悲鳴を上げる体の中心、左脇腹に少なくない負担を与える。それでも、動けないほどではない。仮に動けなくとも、オールマイトはそれを超える。そのためのヒーローであり、それがオールマイトという存在だ。

 アッパー気味の右が、男のみぞおちに突き刺さる。それは、間違いなく必殺の威力をもっていたのだが……手から伝わる感触のおかしさに、即座に後ろへ跳んだ。勘は正しく、攻撃などお構いなしのカウンターが、ほんの一瞬前までいた場所に突き刺さった。

「ダメージ軽減……複合個性持ち、それも発動型と異形型かい!」

 冗談じゃない――オールマイトは内心で悲鳴を上げた。

 炎の精密操作こそエンデヴァーに遠く及ばないが、威力だけなら同等かそれ以上の業火だ。それを、見た限りほぼ無制限に放てる。加えて増強系個性並の身体能力と、衝撃の軽減か無効か……とにかくそういった力を両立する異形型。それ以上に厄介なのが、それを持つ当人が個性の力に溺れていないという点だ。武術の達人とはこういう存在なのだろう。技量という一点において、間違いなく男はオールマイトの上を行っている。

 極まった発動型個性。鍛え上げた異形型の身体能力と防御力。達人と評することができる武術。

 どれか一点であれば、いないことはないだろう。だが、全てを併せ持つとなれば、過去に覚えがない。

 過去にまみえた相手の中でも最強クラスの敵だと言わざるを得なかった。唯一の救いと言えば、積極的に周囲の人間を巻き込む人格ではなかったという点だが……。それが此度の戦いで、何か有利にしてくれる物ではない。

 男の攻撃が激しくなる。オールマイトは、連撃に晒されながら、ただじっと機会を待った。狙いは――

 薙ぎ払いが来た瞬間、彼は体を線上に潜り込ませた。斬撃だけは、どうしたって耐えようがない。だが、打撃ならば、分かっていれば耐えられる。

 攻撃を受けた左肩が、みしりと悲鳴を上げる。それを無視して、右腕に貯めた力を解き放つ。

IOWA SMASH(アイオワ スマッシュ)!!」

 打ち下ろしの右ストレートが、男の顔面を捉えた。

 先ほどまでの、威力を小さく調整したものではない。殺さぬように破壊力を散るようにはしているが、ほぼ全力で男を地面にたたき落とした。

 一撃は、周囲の余熱を吹き飛ばした。衝撃波が荒れ狂い、硬質な地面にクレーターを作る。弾けた男が、クレーターの中心で、さらに深くにめり込み、沈んだ。

「なんとかなった……か?」

 無くなった足場から半ば落ちるようにして、オールマイトはクレーターの縁に降り立つ。よろめく体をなんとか支え、男を拘束すべく中心地に向かっていて。

 次の瞬間、紅炎が爆心地を薙ぎ払った。周囲がどろどろに溶けた溶岩に変じる様は、まるで太陽が降臨したかの様だった。

 太陽核と化した男は、そのうっすらとした表情に笑みを浮かべ、槍を杖のようにして体を支えている。そんな姿でも、どこか力強さを感じた。

「非礼を詫びよう」

 いっそ厳かとも言える声が、揺らめく大気にも負けず響く。

「怪我人だと思い、お前の身を案じていた。どこか侮る甘さがオレにあった。最も新しき強敵よ、現代の英雄よ。オレの弱さは是正しよう。どうか全力を受け取れ」

 男の目は静かに、しかし強く燃えていた。

(厄介な……)

 オールマイトは、口の端からこぼれる血を拭いながら呻いた。

 男の本質がやっと分かった。彼は戦闘狂の類いで、それに誇りを持っている。善悪ではない。力の誇示すら根幹ではない。ただただ戦う者。それがこの男だ。

 そして何より、せめて怪我が治っていればともかく、現状ではオールマイトより確実に強い。限界を超える力を発揮したと仮定してもなおだ。

 男が太陽の落ちた地点から、槍に支えられつつも這い上がってくる。

 オールマイトも備えるべく構えた。が、先ほど受けた攻撃がかなり尾を引いている。左腕が上手く上がらず、腰だめ程度だ。笑みも浮かべるが、こんなものは強がり以上の何者でもなかった。

(一撃だ)

 仕方なしに左腕から力を抜き、右半身を引いて力む。既に左半身は苦痛を超えて感覚がなかった。正直、力が入っているかどうかも分からない。

(次の一撃に全てを込めて決める。もうそれしかない)

 いっそ悲壮とも言える覚悟を胸に刻んで、握った拳の調子を確かめた。確かに握れている。右腕は、まだ動く。ならば戦える。終わりではない。まだ、終わらせるつもりはない。

 男が這い上がり、槍を構えようとして……

 ふと、それを解いて明後日の方を見た。つられてオールマイトもそちらを見る。

「オレはよく空気が読めないと言われるのだが」

 ぽつぽつと、どこか気落ちした調子で男が呟いた。

 何の話だか分からず、オールマイトは男の方を見る。男は既に、戦闘態勢にはないようだった。持っていた槍はいつの間にか消えており、空気すら歪ませる熱量は、既に余波を残すのみとなっていた。

「だが、これは避けたら駄目なやつだという事くらいは分かる」

 言葉に前後して、たたたたた……という小さな音が響いた。足音だ。

 思わずぞっとして、オールマイトは音の方向を見た。近づいてくるのは、一人の青年だった。止めようとして、思わず体がつんのめる。あまりのことに、左半身が動かない事を忘れていた。

「ダメだ! 来るんじゃない!」

 叫ぶが、青年は無視して全力疾走を続けた。まっすぐ男に向かっている。

 そして、青年は勢いのまま男に飛びかかり。

「何やってんだテメエエェェェ!」

「すまな゛っ!」

 その横っ面に、全体重をかけたドロップキックを決めた。男は抵抗するでもなく、おとなしくそれを食らってもんどりうっていた。

 オールマイトはその光景を、ただただぽかんと見ていた。

 

 

 

「本っ当にごめんなさい!」

 勢いよく頭が下がる。ついでに、隣に立っている白髪男の頭を掴み、思い切り下げさせて。

「ああ、分かったようん。構わない、とは言えないけど二度としないでくれれば」

 既に個性の発動を解いたオールマイト、もとい八木俊典が、二人にそう声を掛ける。既に彼はトゥルーフォームに戻っていた。どこまでかは知らないが、既に彼の詳細は白髪の男に漏れているのだ。隠し通せなかったという事情もあるが、どのみち、今更一つ明かしたところで大差ない。

 彼らが悔いているというのはよく分かっていた。この場所に来るまでも恐縮しっぱなしであったし、それからもとにかく申し訳なさそうな様子だったのだから。今まで暴れていた白髪の男も、今ではおとなしくなっており、されるがままになっている。

 オールマイトと白髪のヴィランとの戦い後、彼らは第三者の乱入で一応の和解となった。

 当たり前に警察が呼ばれ、事情徴収その他も行われ、一応事件(後に桑我町炎上事件などと呼ばれる)は解決したものとされた。事件そのものは初犯である事と、その他面倒な問題で情状酌量の余地ありとされ、また面倒くさい要素がいくつか重なって、真実は闇に葬られる事となった。その中には、多分にオールマイト級のヴィランを排出しないという事情もあったが。

 ともあれ、今は青年……もとい少年(彼は身長170センチを超えており、顔からもあどけなさは少なかったためそう誤認した。年齢はなんと9歳程度。同年代でも異形型ならそれくらいの身長は少なくないが、完全な人型で170センチ超は中々いない)の家で、八木俊典、少年、白髪の男、そしてオールマイト専属と化している塚内直正刑事がいた。

「とりあえず座ってくれ」

「はい……」

 塚内に促されて、少年と白髪の男がソファーに座った。重厚な、いかにも高いテーブルを境に、ちょうど向き合うような形だ。

(しかしまあ)

 俊典は部屋を見回す。はっきり言って、室内は貴族趣味だった。どこかしこも豪華で煌びやかに設えられている。それでいて嫌みを感じないのは、全体の調和が取れているからだろう。ここ一室だけでどれだけ金がかかっているか分からない。

「とりあえず自己紹介を。私は八木俊典です――オールマイトと言った方が通りはいいかな」

「塚内直正刑事です」

魂魄現輪(こんぱく げんり)です」

「カルナだ」

 やはり、白髪の男は日本人ではないらしい。

「で、聞きたいのだが、彼は間違いなく君の個性だという事で間違いないね?」

「はい。厳密には違いますが、自分が原因だと言われたら間違いなくそうです」

 少年はしょんぼりしながら答えた。

 ふむ、と塚内が小さく頷いた。そして、持っていた大きなビジネスバッグから紙を取り出した。

「魂魄現輪、年齢は9歳、両親はアメリカに出張中。個性届には魂魄具現化とあるが、両親の個性はそれぞれ重力倍加とマーキング。典型的突然変異だ。ここまでは間違いないね?」

「はい」

「それがなんで神野町を破壊したのか、いきさつを聞かせて貰いたい。これは当たり前の話だが、未成年で初犯だからと言って、事と次第によっては「はいそうですか」で終わらせられないよ。今は執行猶予だとでも思った方がいい」

「ですよね……」

 魂魄は体を小さくしながら、しょんぼりとうつむいた。

 そこに俊典が声を掛けようとして、塚内の肘鉄が脇に刺さった。

 思わず小さく呻き、ひっそり視線を飛ばすと、彼は厳しい表情で俊典を見ている。目には明確に強い光があり、こう言っていた。甘やかすような事を言おうとするんじゃない。

「これについては、おれの個性詳細から話さないといけないんですが……」

 魂魄が唸りながら、頭を抱える。言うべき事を隠そうとしている、というよりは、どう順序立てて言えばいい物か悩んでいるという風だ。

「おれの個性は、うちの連中に曰く魂魄具現化ではなく『聖杯戦場』とやららしいんです」

「個性を偽っている?」

 俊典が目を細めて聞いた。可哀想だとは思っているが、さすがに個性の隠蔽となればそうも言っていられない。

 そんな視線に少年は気づかず、変わらぬ調子のまま続けた。

「いえ、そういう事ではなく、聖杯戦場をわかりやすく変換したら魂魄具現化になるらしいんです。実際、端的で迂闊な訳ではありますが、要所を押さえててわかりやすくはあるんですよ」

 言いながら、魂魄は額に手を当てる。そのまましばらく悩んでいると、やがて手を戻した。どうやらそこで考えが纏まったらしい。

「『聖杯』関係については俺も分かってないんですが……」

 ちらり、と魂魄は隣を見た。

 カルナは表情の分からない顔で、きっぱりと言った。

「オレに求められても困る。人に話を理解させるという点において、オレほどの不適格はいない」

「なぜそんな事をはっきり言えるんだかいまいち分かんないが……」

 理解に苦しむと、魂魄は頭を抱えた。が、すぐに頭を振って取り直す。ついでに言葉も丁寧に直して。

「個性って枠で説明するなら、内容は簡単です。つまりおれの個性は、他者の魂と繋がり、それに実体を与える個性なんです」

「まあ、それは個性届けにあるままだね」

 塚内が相づちを打つ。少年も小さく頷いて、続けた。

「特徴的と言えるのは、個性がおれだけのもの()()()()という点なんです。魂を具現化・霊体化するには、相手の同意が必要なんだと思ってください。おれと相手、それぞれ五割ずつの権利があるんです。おれが引っ張り出そうとした場合、相手が拒絶しない限りは具現化できます。それは相手も同様で、おれが拒否しない限り、相手が出てこようと思ったら阻止できません。おれは個性を全て掌握できない。常に半分だけ、権能を持ち得るんです。例えば先ほど、オールマイトさんの場合だと……」

「さんはいらないよ。ヒーローネームとはそういうものだからね。ああ、出来れば今の姿の時は八木俊典の名で読んでくれると助かる」

 少年は小さく頷き了承を告げて、続けた。

「では八木さんで。先ほどの戦いの場合だと、おれがカルナを引っ込めようとしても、彼は強く居続ける意思が存在しました。この場合、即座に霊体化させられません。他者と交代させるのも、現在出ている者が拒絶している場合、難しい事ではあるんです。肯定も否定もない時ですら、そう即効性がある行動ではありませんし」

「他者?」

 言葉に引っかかりを覚えて、俊典が呟いた。それはどちらかと言えば独り言のようなものだったが、魂魄には聞こえていたのか、即座に拾った。

「ええ、まあ。これもどうやら『聖杯』とやらに関わることらしくて、非情に厄介な特性なんですが……」

「ならば、そこだけはオレが語ろう」

 変わって進み出たのは、今まで口をつぐんでいたカルナだった。

「聖杯戦争というものがある。これは七組十四名の戦いなのだが……この点については、現輪に権能は存在しない。無視してもいいだろう。注視すべきは、七組という点だ。七つのクラスという椅子があり、そこに座ることで我々は初めて出現できる。クラスにはそれぞれ特性があり、座れる席は限られている。オレはランサーという席に座って、こうして現世に現れている訳だ」

「ちょ……ちょっと待った!」

 塚内が、悲鳴を上げるように手を伸ばし、ストップをかけた。

 俊典も気持は同じだった。今、ぞっとするような情報があった。

「それは、つまり、なんだ……。まるでオールマイトに匹敵する君のような存在が、同時に七人現れることができる、と言っているように聞こえるぞ!」

「そう言ったつもりだ。しかし、よかった。ちゃんと伝わっているようだ」

「おれとしては考え方が逆だと思ってますけどね。オールマイトに匹敵する存在が居るんではなく、オールマイトが歴代の英雄と呼ばれる存在に届く力を持っている」

 カルナは一人満足感に浸っていたが、二人にとってはそれどころではなかった。

 オールマイト級というのは、つまり日本トップクラスという事だ。いや、と俊典は思案する。自惚れて自分がトップだと言うことが許されるなら、それはオールマイト以外誰も止めようがない存在が七人出現すると言っている。当然、七人同時になど止められず、せいぜい一人が限界だ。先ほどの戦闘を鑑みるに、それすら怪しいと言わざるを得ないが。好き勝手に暴れるとは言わずとも、今回のようにほんの少し掛け違えれば、壊滅的な被害となるだろう。

「ちなみに、カルナくん。君に匹敵する人間というのはどれだけ居る?」

 俊典が探るような気持で問いかけると、彼は(どうしてだか)きっぱりと頷いた。

「お前の危惧は正しく、また間違えている。残りのクラス全てに、俺に互する存在も、相対する存在もいる」

 あぁ……と俊典は額に手を当てながら天を仰いだ。横では、塚内が藻掻くように体を丸めている。

 唯一の救いは、魂魄現輪という少年が善良である点と、責任感が強いという点だろう。今もどう気遣ったらいいものかと逡巡している様子だ。

 性根が悪徳であれば、その力がどう振るわれていたか分からない。責任感がなければ、今回のような事件はもっと早くに起きていただろう。個性届が正しいならば、3歳の頃に発現して以降、6年もの間、問題を起こさないように抑え続けていた事になる。

 全てが全て正しいという訳ではないだろうが、しかし間違いもいう事もないだろう。

「八木さん、どうします?」

「どうしますって言われても……こんなのもう、いっそ上に話を通して大々的に公開するしかないと思うよ」

 ぶつぶつと、二人して相談する。

 特に声を潜めてはいないので、話は聞かれていただろう。が、全てが聞こえていた訳ではないのか、魂魄の表情は少々青かった。

 と、カルナが唐突に口を開いた。

「ところで、オールマイト。お前との戦のひととき、新鮮で楽しかった。また戦いたいのだが、どうだろうか?」

 俊典と塚内は、そろってぽかんと口を開いた。何かを言うより早く(というか何をするより早く)魂魄が実にいい音を立てて、カルナの頭をひっぱたいていた。ついでとばかりに流れるように、座ったまま腕関節を極める。

「いきなり何言ってんだこのコミュ障ぼっちが!」

「やめてくれ、その言葉はオレに効く」

「効くから言ってんだよ!」

「あと関節が痛い。すごく痛い」

「痛くしてんだ! 今日やらかしたばかりでそれか!? ちょっとは反省しろや!」

 ぎりぎりぎりぎり……と音を立てながら、関節が曲がってはいけない方向に曲がっていく。

 カルナの表情がやや歪む。出会ってまだほんの数時間程度でしかないが、これが希なことだというのは分かった。

 腕関節を極めたまま、魂魄がこちらを向いた。器用にそのまま頭を下げてくる。

「すみません、普段は可能な限り当たり障りのないサーヴァントに表に出て貰ってるんですが……。正直言って、カルナのことも一応信頼してました。ただ戦闘方面に貪欲というか、物欲に乏しいからそれを破壊したらどう思うかをいまいち理解してないというか……。ああ、今更言い訳ですね。重ね重ねごめんなさい」

「オレも悪かったと思っている。本当だ。どうか信じて欲しい」

「黙れ。折るぞお前ほんと」

 魂魄が関節に体重を乗せる。カルナの表情はさらにしかめられ、とうとうテーブルに突っ伏すような姿勢になった。というかもういっそ、間接の悲鳴が聞こえそうな勢いだった。

 その様子に、思わず俊典はくすりと笑った。なんだかんだ、遠慮がいらない仲の良さなのだ。

 少年は一瞬きょとんとして、関節を極める手を離した。カルナは身を起こして、まだ痛そうに肩を押さえている。

 おほん、と塚内が一息ついて、質問を飛ばす。

「ちなみにサーヴァントとは?」

「聖杯戦争だと、彼らみたいな存在は皆サーヴァントって言われるらしいです。召使い(サーヴァント)って言い方にはおれも違和感ありますけど……まあそういう固有名詞だとでも思ってください」

「言うこと聞いてないもんねえ彼」

「誠に面目ない」

 その後もいくらか話し合い、その内容のほとんどが驚愕の事実で埋められていた(カルナというのが、伝説のマハーバーラタの英雄そのものだというのもそうだ)。

 まあともあれ。

 かくして、魂魄具現化(もとい聖杯戦場)という個性が、世に知られることとなる。

 それに伴い、俊典もオールマイトとして警察と魂魄の間に入って対話と折衷を何度もした。彼の個性と、その余録である過去の偉人の復活が大々的に公開されたのは、その数ヶ月後になる。魂魄はこれで、個性を曖昧に濁す必要が無くなったと喜んでいた。

 この件と、その後の警察関連で、俊典は魂魄家(と言っていいかは分からないが)とそれなりに深い付き合いが出来るようになった。オールマイトの真実を隠さなくていい相手は貴重であり、それ故にというのもある。

 俊典は魂魄と関わるに当たって、幾度となく言い聞かせたことがある。それは、彼にヒーロー免許を取らせるという事だ。彼の個性が広域に自立してしまう以上、ヒーロー免許を取るのは必須だった。というよりも、現時点だと厳密に言えば彼は法律違反であり。あと一度の犯罪でヴィランとして指名手配されかねない、危うい状態だというのが真実なのだが。

 とにかく俊典は、彼にヒーローへの道を強く推していた。雄英高校への教師着任が決まってからは、進学先を雄英高校へと誘ってもいた――言い方は悪いが、近くで管理するのが一番安全なのだから。

 二人の間に致命的な意識差があると分かったのは、実に6年近く先の話である。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。