オリ主side
「なぁ和也、お前本当に麻美ちゃんと別れたのか?」
『本当だよ…あー!もしかしてもうその好きだって言ってた男と……!』
「あーはいはい。お前のことだからもう数日ぐらい引き摺るんだろうけど早めに立ち直れよ?頑張ってまた新しい彼女作るときに協力してやるから。」
『そうそう切り替えられるかよ!!』
そう言って悶えてるのは俺の友人である木ノ下和也(きのしたかずや)だ。最近彼女だった子と一ヶ月で別れたのを引き摺っている。優柔不断な奴だが、根は優しく良い奴だ。
『そういうお前はどうなんだよ。どうせ俺達に内緒で彼女もう作れてんだろ!?』
「俺の事は良いだろ別に…あー、もう2時だし切るぞ」
『あ!おいt』
和也が何か言っていたが問答無用で切る。このまま通話していたら夜が明けるまで通話だろうしな。しかし、和也の奴は麻美と何があったんだろうか、今度両方に聞いてみるか。
そう決めてからもう寝ようとすると、電話がかかってくる。俺は和也がまたかけてきたのかと思い、
「和也しつこいぞ。お前の相談は何度もしただろ?」
『和也?誰と間違えてんのよ』
聞きなれた声が聞こえ、通話相手を確認するとそこには、一ノ瀬ちづると表示されていた。
「ちづるか、あー気にしないでくれ。」
『まぁ良いけど…ちょっといい?聞きたい事があるんだけど』
「ん?別に構わないが…」
俺と一ノ瀬ちづるは一般に言う幼馴染という関係になる。最近は新しく始めたバイトで女優の演技力の練習を兼ねているというが、そんな職業は想像ができない。
聞いても教えてくれない為それ以上の詮索はしないが、まぁ舞台の裏方仕事でもしているんじゃないかと思っている。
『もしなんだけどさ、柊の【理想の彼女】ってどういう感じか参考にでも聞きたいんだけど』
「演技で彼女役でもやるのか?中々にいい役じゃないか。」
『え、ええ。オーディションがあるから…』
【理想の彼女】か。それは俺がアドバイスなんてしていいものなのだろうか。
「これは一意見として聞いてほしいんだが、俺は【理想の彼女】って人によって違うと思ってる。ある人にとっては自分を引っ張ってくれる彼女が理想だろうし、自分を立ててくれる控えめな性格の彼女が理想って人もいる。それに合わせるより自分が好きな人に対してしたいことを考えて演じてみたらどうだ?」
『そうね……』
「ちなみに俺は別れ際にまたねって言ってくれるのが好きだな。あー、それプラスで手でも握ってくれたらサイコーだね。」
自分で言って恥ずかしくなってきた…深夜テンションって怖い。
『……分かった、私なりに頑張ってみる。ありがと、柊』
「ああ、おやすみ」
――――――――――――――
和也side
俺の名前は木ノ下和也。誰に自己紹介してんだって話だけど、最近付き合ってたマミちゃんと別れちまった。
俺はマミちゃんと距離を縮めるために色々やってみたけど全部空振り、終いにはSNSまでブロックされてて完全にメールもシャットアウト…初めての彼女だったし引き摺るなって言われても無理に決まってる。
『なぁ和也、お前本当に麻美ちゃんと別れたのか?』
今電話してる奴は俺の友人の一人の黒木 柊(くろきしゅう)。表情が出にくいから怖がられる事が多いけど、顔が良いから絶対モテているだろって思ってるけど彼女の話は全く聞かない。
その上友好範囲が広くて、マミちゃんとのデートを計画してくれたのも柊だからホントに頭が上がんねぇ。けど、
『本当だよ… あー!もしかしてもうその好きだって言ってた男と……!』
俺がマミちゃんとマミちゃんが好きだって言った男との情事を想像して悶々としていると、
『あーはいはい。お前のことだからもう数日ぐらい引き摺るんだろうけど早めに立ち直れよ?頑張ってまた新しい彼女作るときに協力してやるから。』
そう言ってくれる柊だが、マミちゃんに対する思いで寝れない程の俺は、
「そうそう切り替えられるかよ!!」
と勿論反論するが、けどそれを聞いても柊は動じずにいる。その態度はまるで彼女がいるように感じて思わず、
「そういうお前はどうなんだよ。どうせ俺達に内緒で彼女もう作れてんだろ!?」と聞くが、
『俺の事は良いだろ別に…あー、もう2時だし切るぞ』
「あ!おいちょっと待てよ!」
俺がいい切る前に通話が切れる。柊の奴…明日会ったら絶対シバいてやると心に決めて、気晴らしに動画でも見ようとするとある広告を見つける。
「レンタル……彼女…?」
これが俺の新たな出会いの始まりだった。
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