【完結】FGO VRMMO インスタント・ホムンクルス   作:292299

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Administrator / Ritsuka Fujimaru

 

#システムの上書きが完了しました

#管理者 藤丸立香

 

ーーー

ーー

 

そこは弱き人類に永久の幸福を約束された地、彼方より来たりし偉大なる神々の支配する楽園。揺り籠のごとき都市の天上に掲げられたるは、永遠の幸福を約束する崇高なる神々の祭壇。その大神殿へ汚れを落とす大罪は、神々の神罰をもって償われるであろう。しかし今、そこに完全無欠の神ならぬ、小さき生物の姿がある。

 

「空想樹の発芽から90日ーー3ヶ月もの時間が経過した。濾過異聞史現象ーー異聞帯の書き換えは無事終了した。まずが第一段階の終了を祝おう。これも諸君らに尽力によるものだ、と」

 

それは人であった。巨大な円卓の席に座し、影の掛かった宙を見つめている。この大神殿に満ちる神の威光で心を病んでしまったのかと思えば、そうでもない。大神殿の影に浮かび上がっているのは、ここより遠き地に在って七を数える同朋の写し身であった。神々の祝福を宿してもいない、もはや存在すら否定されるはずだった、浅ましい遺物である。

 

「うん? そいつは大げさだ、キリシュタリア。オレたちは、まだ誰も、労われるようなコトはしちゃあいない。失われた人類史のテクチャを書き換えたのは、『異星の神』さまの偉業だからな。オレたちがしたコトと言えば、異聞帯の王の御機嫌取りだけさ。本番は、ここからだろう?」

「分かっていないのね、ベリル。異聞帯の安定と『樹』の成長は同義よ。キリシュタリアは異聞帯のサーヴァントとの契約と、その継続に全力を注げと言っているのです」

 

軽快な男の言葉を、堅物の女が切り捨る。

 

「そうですね、オフェリアさん。『樹』を育て、焼却された人類史を復興する。それが異星の神によって、私達に与えられた使命です」

 

薄幸の女は同意した。

 

「さて、遠隔通信とはいえ、私が諸君らを招集したのは、異聞帯の成長具合を確かめるためではない。1時間ほど前、私のサーヴァントの一騎が、『霊基グラフ』と『召喚武装』の出現を予言した」

 

その場に等しく浮かび上がった感情は、災厄と化した古巣へ向けた敵意であった。それは失われた歴史に執着する、悪しき破壊の化身である。一切の容赦なく、あらゆる歴史の異物を排斥する、旧世界の遺物と成り果てた。擬似天体によって万物を見通す星見の城塞が、異聞帯を避けて通るなど有り得ない。

 

「霊基グラフはカルデアのもの。召喚サークルは、リッカ・フジマルの持つ円卓だろう。異世界へ漂流していた彼らが、いよいよ帰還するという事だ」

「ーーそれで、連中が何処に出るのかは判明しているのか」

 

真面目な男は、そう聞いた。

 

「そこまでは予言されていない。あと数時間でこちらに出現する、という事だけだ」

「なぁに、それ? じゃあ各自、自分の持ち場で警戒しようってーー」

 

性別不明の人物は、疑問を覚える。

 

「出現場所はギリシャだ。異聞帯の中に現れる」

 

そう告げたのは戦士のような男だった。

 

「ーーそれは、なぜ?」

 

可憐な少女は問いかける。

 

「? 何故もなにも道理だろう。この地で最も大きな異聞帯から叩く。レイシフトという距離を無視できる移動手段と、無数の神霊に匹敵する戦力を有する彼らからすれば、当然の帰結だ」

 

その時、同朋の側に控えていた神霊が武器を構えた。

 

「敵だぜ、マスター。この軌道大神殿オリュンピアドドーナによ!」

 

不可侵たる神々の領域へ、土足で踏み入る外敵があった。光輝なる神殿を外界と隔離する守護すら破り捨て、清純たる光の座へ汚濁のように湧き上がる。突如として出現した許されざる汚物は、支配者たる神々の領域を許しも得ずに占有した。その衝撃は激震となって大神殿を駆け抜け、高貴なる神々へ刃を向ける愚者の存在を広く知らせる事となる。

 

「ーーほう、あなた達か。悪魔に収穫された魂が解放された際、何者かに持ち去られていたのかな」

 

完全なる神々の空間を侵して現れたのは、存在すら許し難い異形の女神だ。汚れた身は生物として在らず、死すべき残骸でありながら地に足を立てる。歪み切った神としての在り様は、聖光に包まれた神殿へ陰を落とすほど濁り切っていた。その手に握られた槍は悪しき輝きを撒き散らし、おぞましい小人を配下として従える。

 

「異聞帯の周辺に発生する嵐の壁、海洋に派遣された軍艦、門番たるポセイドン。それら全てを無いものとして、ここへ直接やってきたかーー人理の盾、聖槍の女神、リッカ・フジマル」

 

その女神の左に立つ者は、鏡へ映したように同じ顔であった。視覚に映る姿だけを見れば、大きな差など無い。あるいは女神のように肉体を丸ごと入れ換えたわけでもない。しかし、同じ存在と思えぬほどに圧倒的な存在感が、神ならざる小さき人の身へ伸しかかった。それは英霊のごときカリスマだ。

 

「そしてーー異なる道を歩んだ私」

 

そこへ空間を押し潰すがごとき神威が走り、大いなる天空から神罰は降臨した。数知れない純白の雷光に空間は支配され、その威光に神殿の外壁は焼き尽くされる。そのまま悪辣なる異物へ矛先は向かい、輝かしき神の法は雷によって体現された。その雄大なる主こそ、絶対の支配者たる巨神である。

 

「地に臥せよ、咽び泣け。是なるは、我ら神の座であればーー小さきものの在るべき所ではないぞ」

「ここの主である貴方を排除すれば、この特異点は消えるのかな? それとも、あっちの『樹』?」

 

崇拝すべき最高神を前にしながら、悪しき女神は頭を垂れない。その周囲へ無数に湧き上がった不可視の領域で、慈悲深き神の施しを跳ね退けていた。あまりにも不敬な行いであり、この世すべての命ある者は非難の声を上げたに違いない。神とは絶対の正義なのだから、その行いに抗うなど絶対の悪である。

 

「そっちは手早くスキル解体しようね」

 

「エー、モッタイナイナー」

「ソザイガー、ソザイガー」

「トクシュコウカ ガー」

 

「それが終わったら、あとは好きにしていいよ」

 

「ヤッタネ!」

「ヒャッハー!」

「ジユウジカンダー!」

 

その時、誰しも目を疑ったであろう。悪しき小人が触れた瞬間、この世で最も貴い神体は失われた。大いなる巨神は数知れぬほどの破片となって、原型を留められぬほど崩れ去った。数千年を生きた完全な機神は、もはや永遠に動作しない。悪しき小人に撫でられた程度で、そのまま機能を終えてしまったのだ。

 

悪しき小人は大神殿を荒らして周り、あるいは地上に広がる都市へ降下する。生きていようと死んでいようと構わず、あらゆる資源を刈り取るのだ。その中でも喜びの声を上げて追い回されたのは、高貴なる神の血を与えられた住民だった。神の下僕として数千年を生きた人々は、その秘められた力を発揮する事も叶わない。世界の中核たる神の死に、絶望したまま収穫された。

 

「カイタイ! カイタイ!」

「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」

「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」「カイタイ! カイタイ!」

 

神の死に絶えた虚空へ開いた天眼は、聖槍の悪しき輝きに貫かれた。その終末を体現する地獄を、残された同朋は遠き地より覗いている。時空を越えて天空に現れた浮遊城から聖剣のごとき輝きが放たれ、永く続いた歴史を焼き払っていった。その浮遊城は同朋の古巣であり、かつて地下に埋没していた星見の城塞だ。しかし今、それは紛れもなく悪魔であった。

 

これが敵である。これから異聞帯を破壊するために襲来する悪魔の軍団である。よく目を凝らし、よく耳を澄まし、命よりも重い情報を取り逃してはならない。どうあっても戦って勝つ以外に生き残る道はないのだ。そのために8の同朋は、異星の神によって呼び戻された。そうして、もはや騒音しか聞こえなくなった残響の果てに届いたのは、今にも消えそうな遠い声だった。

 

「ーー私の大令呪を、誰か知らないか?」

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 




SPECIAL THANKS

▼ヒノ嵐
ヒノ嵐さんのおかげで、エミヤを投入できました。
ただし、ベリルの召喚なので「答えを得ていない」エミヤさんです。
このエミヤさんは人理焼却の解決という勝率の低い可能性に賭けるよりも、北米特異点において確実に人を救うためカルデアを裏切りました。

▼夜闇
夜闇さんのおかげで、サーヴァントの死体も剥ぎ取れるようになりました。しかし、せっかく剥ぎ取った宝具を生かせなかったのは惜しかったですね。
プレイヤーがNPCの宝具を使っても良かったのかも知れません。

▼オーなー
オーなーさんの感想を受けて、最初は死んだままにする予定だったオルガマリーを生かしたのでしたね。ホム先輩に対抗するために、オルガマリーは役立ってくれました。
それと「ヒナコを完全に殺したら復活するのでは?」と心配していましたね。あれってレイシフトで生死不明の状態だからという説を見かけました。
それに後で気付いたけれど、見なかった事にしました。

▼ころに
ころにさんの、あの名言は作中で使えませんでしたね。
もっと広く知られて欲しいので、ここに書いておきましょう。
「敵を食い散らかして自己進化、放っておくと自己増殖、精神構造はラフム」「藤丸くんの魂が頑強すぎるというか黄金の輝きを放ち過ぎてて、辺り一帯の人間の目を焼き切るレベルの強靭さ」

▼卵掛けられたご飯
卵掛けられたご飯さんは「ヘッドホンくんちゃん」
という呼び名を生み出しましたね。最後まで使わせてもらいました。

▼二次創作大好き侍
二次創作大好き侍さんの感想を受けて、陳宮さんに登場してもらいましたね。生み出された陳宮砲も、防衛用に移動用と役立ってくれました。
死体を杖に加工する案も、陳宮砲の弾ストックに役立ちました。

▼ムロン
ムロンさんは、エミヤさんが食堂へ行くことに突っ込んでいましたね。よく考えると、エミヤを知らない人にとっては謎の行動です。
なのでムロンさんの代わりに、プレイヤーへ突っ込んでもらいました。
「そうか、アーチャーが料理。だってアーチャーだものな。なんだって?(混乱)」

▼リーク8901
リーク8901さんに、せっかく提供してもらった、藤丸くんとロリンチちゃんを合体させた「藤丸ロリンチ」は使えませんでした。
第一部が終わったら、日常へ帰るために移植される予定だったのですけれど。
でも、藤丸くんの帰る日常は無くなって、修羅と化してしまったのです。

▼ドクター
ドクターさんの提案した、芥ヒナコを素材畑にする計画は成功しましたね! 最後の方でヒナコも特異点の攻略へ参加するようになって、ホム先輩に止めを刺すことも出来ました。
あれって結局、コードを引っこ抜くのが1番早かったのです。

▼馬骨オービット
馬骨オービットさんのおかげで長距離移動砲を用意できました。
女神ブリタニアへ攻め込む際に、役立ちましたね。
もっと移動手段として活用できれば良かったですけれど。
もったいない事をしました。

▼Windowegg
Windoweggさんはフランス特異点の前で、幼生体について言及していましたね。ホム先輩は接着剤であり、本体は裏カルデアです。羽化とはカルデアから分離し、根源へ飛び立つことでした。
あと「人類悪を超える人類悪」という名言も生み出しましたね。
さらに「白紙化した歴史上に特異点を定着させて、その未来に到達するであろう過去を固定する」という案もありましたね。これを使えなかったのは、もったいなかったです。
ついでに「地球は群体として人間性、精神の意味でTYPE-EARTHを作り上げたのか?」。おまけに「独立した欲望と無自覚な悪意が無数に乱立しながら基本的価値観は同方向」。
うむ、名言が多すぎますね。

▼パントリー
パントリーさんはルールブレイカーについて考えていましたね。「バラバラになった魔神柱は再結合できるのか?」という疑問は役立ちました。
解体スキルで倒せると思っていたら、普通に無効化されて困りましたよ。
まるでFGOに関係ないけれど、TSロワイヤルも思い付きました。
もったいないのでパロロワのネタを、ここに書いておきましょう。
~君の名はロワイヤル~

▼笹カマ
笹カマさんの感想を受けて、宝具の再製作という名案が思い浮かびました。でも、プレイヤーが小人なので、サイズが合わなかったのですよね。

▼アマデウス
アマデウスさんはフランス特異点の時点で、ホム先輩=悪魔について言及していましたね。あまりにも早すぎたので、口を塞いであげました。

▼誤字誤字プリン
藤丸くんが封印指定になる可能性を、誤字誤字プリンさんは教えてくれましたね。
せっかく教えてくれたけれど、魔術協会は無くなってしまったのです。魔術協会と戦争できないのは残念でした。
あと真名看破スキルを実装したのも誤字誤字プリンさんのおかげでしたね。真名看破スキルは、とても役立ちました。これってRTAにあると便利でしょう。

▼椎名真白
カドックくんをヒロインにする案を、椎名真白さんは提供してくれましたね。ところが皇女のいないカドックくんは、早々に退場してしまいました。
おかしいですね。
たぶんカドックくんにアリスをプレゼントしたのは失敗だったのでしょう。

▼Y_Y
Y_Yさんは能力のデメリットについて考えさせてくれましたね。
回復魔術は効かず、逆に負傷する設定は、最後まで使えました。
まあ、盾のおかげで傷すら負わなくなってしまったのですけども。

▼白河童小鼠(人間)
白河童小鼠(人間)さんは陳宮さんにバカンスを提案してくれましたね。
うん、ごめん。陳宮さんを外に出してあげる事はできませんでした。
あれ? 今になって気付いたけど、現実世界なら出しても良かったのではーーあっ。

▼混沌のうっかり
混沌のうっかりさんの提案したイアソンは迎えに行けませんでしたね。
実力不明で無駄に有能そうなデイビットを厄介払いする手段でしたからね。聖杯の回収に失敗するわ、特異点ごと焼かれるわで、聖杯が足りませんでした。

▼ぐにょり
ぐにょりさんの提案した人間発電機、
じゃなくて魔神柱発電機は、上手く運営できませんでした。
うーん、もったいなかったですね。

▼イーヴル
イーヴルさんの提案で、ロンドン特異点でフランの設計図を回収しに行ったのでしたね。
ガイノイドという提案もあったけれど、うん、ごめん。
ヒナコから採れた精霊素材は人工サーヴァントへ使うことになりました。
藤丸くんをアンドロイドに加工するルートもあったのかも知れませんね。

▼kuzuryuu
kuzuryuuさんは素材生成プラントを提案してくれましたね。
おかげで素材牧場の完成形へ至れました。
定期的に素材を生産してくれる夢のような施設です。
ちょうど邪馬台国をやってた頃でしたね。

▼缶詰のフタ
缶詰のフタさんのおかげで、良いセリフを取れました。
「ティアマトは進化したんだ!」「いいや、退化したんだ!」
という感じの書き込みを本文に加えておきました。

▼番外通行
番外通行さんはキリ様が「黄金律」スキルを取っている事に突っ込んでくれましたね。そこで (カリスマと黄金律はいらなくない?) と本文に追加しておきました。
お気に入りのセリフです。

▼水素の音の精霊
水素の音の精霊さんも名言を残してくれましたね。
やはり字数を揃えてある文章は、気持ちのいい物です。
「片や世界総ての生命を胎内へ回帰させる地母神」
「片や世界の異物にして無限に成長を続ける悪魔」

▼えのがわ千介
えのがわ千介さんは魔神柱を根絶したのでしたね。
1.5部をスキップするなんて、恐るべきRTA走者です。
そう、あれは、えのがわ千介さんの一言から始まりました。



最後に誤字報告の御礼を申し上げます(後半)
水素の音の精霊 さん
藤丸ぐだ男 さん
GREENver52.3 さん
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