魔法少女リリカルなのはStrikerS~竜巻は翼を強くする~   作:超淑女

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第五話「星と雷と竜巻・前編」

 機動六課隊舎。

 ブリーフィングルームにて、部隊長であるはやてが居ない中での初戦闘。

 グリフィスが指揮を取るその場のモニターにはリニアレールが映っている。

 

「目標の貨物車両、速度70を維持。以前進行中です!」

 

 オペレーターのアルトが説明をした。

 

「重要貨物室の突破は、まだされてないようですが…」

 

「時間の問題か」

 

 目の前の課題に、グリフィスは祈ることしかできない。

 手を出せない自分に歯がゆくなる。

 突如アラートが鳴り響いた。

 シャリオが一番に反応する。

 

「アルト、ルキノ、広域スキャン……サーチャー空へ!」

 

 勢いよくパネルをたたいていくオペレーターの三人。

 同時に展開された映像。

 モニターに映るのは大量の赤い斑点。

 

「ガジェット反応、空から!?」

 

 アルトの叫び声。

 

「航空型、現地部隊を観測。なに、この数!?」

 

『こちらフェイト。グリフィス、こっちは今パーキングに到着、車止めて現場に向かうから、飛行許可をお願い』

 

 いいタイミングでフェイトの通信が入った。

 

「了解。市街地個人飛行、承認します!」

 

 その声と同時に、グリフィスはメガネの奥の瞳を細める。

 

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

 

 

 ヴァイスの操縦するヘリのコックピットになのはが顔を出す。

 

「ヴァイス君、私も出るよ!フェイト隊長とミナト副隊長で空を押さえる」

 

 振り返り親指を立てるヴァイス。

 

「うっす、なのはさん、お願いします」

 

 近場のボタンを押すと、モニターが現れる。

 

『Main hatch open』

 

 デバイス「ストームレイダー」の声と同時に開くハッチ。

 なのは戻ってハッチに立つ。

 出口付近で、振り返るとそこに座るフォワード総勢六名をしっかりと視界に入れた。

 

「じゃ、ちょっと出てくるけど…みんなもがんばって、ズバッとやっつけちゃおう!」

 

[はい!]

 

「はい!」

 

 勢いよく返事するのはスバル、ティアナ、エリオ、クリス。

 いつも通りの勢いのない口調はミコト。

 そして少し遅れて返事をしたのはキャロ。

 アサギはそれに気づいてかキャロを見る。

 ミナトは少し眉をひそめて笑うだけだ。

 

「キャロ……大丈夫。そんなに緊張しなくても」

 

 ゆっくりとキャロに近づいていくなのは。

 両手をキャロの顔に添えた。

 安心させる母親のように、笑みを浮かべてそっと言う。

 

「離れてても、通信でつながってる。一人じゃないから、ピンチの時は助けあえるし、キャロの魔法はみんなを守ってあげられる優しくて強い力なんだから、ね?」

 

 そして、振り返ると走り、ハッチから飛び出した。

 

「なのはちゃんったらイケメンなんだから♪」

 

 アサギのつぶやきをかき消す風切り音。

 飛び出したなのはの紅い宝石が光る。

 

『Standby, ready』

 

「レイジングハート、セーットアップ!」

 

 腕が振られた。

 それと同時になのはを包む桜色の魔力。

 輝くそれが、ガラス細工のように割れた瞬間、なのはが飛び出す。

 

『Accel Fin』

 

 なのはの足についている翼が羽ばたく。

 

「スターズ1高町なのは、いきます!」

 

 飛び出すなのはを見て、アサギが一言。

 

「管理局の白い悪魔。見せてもらおうか、管理局のエースオブエースの性能とやらを……」

 

 変な仮面をかぶってアサギが言う。

 そっと、その仮面を外すミナト。

 

「お前は出ないのか?」

 

「そろそろ出ますよ」

 

 リインフォースがフォワードたちに何かを言っているようだった。

 

「ですから、スターズ分隊とライトニング分隊は2人づつでガジェットを破壊しながら車両中央に向かうです。スターズかライトニング、先に到達した方がレリックを確保するですよ」

 

 そう言うと返事をするスターズとライトニング。

 恐る恐ると言った感じで手を上げるクリス。

 

「あの、トルネードは?」

 

「15列のリニアレールの1列目にスターズ分隊、12列目にライトニング分隊。二つの分隊に中央に向かってもらうのですが、その背後の13列目。ガジェットが密集した場所を二人には叩いてほしいのです」

 

 その言葉に、クリスの喉が鳴る。

 純粋な戦いだけが待っているが、それも四人を支える大事な仕事だ。

 クリスの表情を見て、リインフォースは頷いた。

 

「で!」

 

 その場で一回転するリインフォース。

 むっとなるアサギ、一回転したリインはバリアジャケットを装備していた。

 

「私も現場に降りて管制を担当するです!」

 

 それに頷く面々。

 アサギはミナトを見る。

 それに気づいてフォワードの面々もミナトを見た。

 

「あらあら、行かざるをえませんね」

 

「まぁ任務だからな」

 

 素に戻ったアサギが笑って言う。

 頷いたミナトが、ゆっくりとハッチに立つ。

 

「では、フォワードには決して弾一発かすらせませんので」

 

 そう言うと上品にお辞儀をして、ハッチから飛び降りた。

 頭を地面に向けて落ちていくミナトがポケットから何かを取り出す。

 それは、銃弾型のペンダント。

 

「パンドラ……」

 

 輝くデバイス。

 

「セットアップ」

 

 その言葉と同時に、ミナトは黒い魔力の球に包まれる。

 禍々しいまでの漆黒。

 それらはミナトの黒髪を彷彿すらさせる。

 弾けた球。そこから出てきたミナトは大和撫子とは正反対。

 黒いロングストレートはポニーテールに結ばれ、インナーは黒いタイツ。ぴっちりとしたそれがミナトの肉感を引き出している。

 インナーである黒いタイツは胸の下ほどまでしか無い。下は非常に短い短パンで、胸下から腰部までがほぼ見えている。

 膝ほどまであるロングコートを着ていて、オープンフィンガーの手袋。

 

「トルネード2ミナト・ミルフォード。出させていただきます!」

 

 飛び立つミナト。

 なのはの向かった方向とは反対方向からくるガジェットたちをすべて黙示すると、双銃を敵に向けた。

 その唇に浮かぶ笑み。

 

『同じ空は久しぶりだね、フェイトちゃん』

 

『うん、なのは』

 

 自分を完全に無視しきった会話だが、ミナトは笑っている。

 

「なるほど」

 

 向かってくるガジェットに拳銃を構えると、二挺同時にトリガーを引いた。

 放たれる二発の魔力弾。一発がガジェットⅡ型に直撃し、中央に一つの大穴を開ける。

 致命傷、というよりあとは落ちるのを待つだけ。

 だが、それだけにも関わらず、さらにⅡ型に放たれる魔力弾。

 穴だらけになったガジェットが爆散。

 跳んでいるミナトの周りに浮かぶ何十もの魔力弾。

 

「―――ッ♪」

 

 口元に浮かぶ僅かな笑み。

 その瞬間、放たれた魔力弾。

 散開するⅡ型たちだったが、魔力弾を回避しきれずに数々のⅡ型が散った。

 その瞬間、一体のⅡ型の上に膝立ちで乗る女性。

 髪が風でなびいた一瞬、見えた眼は狂気を宿していた。

 

「Blast!(ぶっとびな!)」

 

 トリガーは何度も引かれて、Ⅱ型を蜂の巣に変える。

 爆発する前にミナトは飛んでほかのⅡ型を撃ちぬく。

 空中という中、重力というものを無視して至る体勢で攻撃を避けて、撃ち落とす。

 

「ヒャーハハハハッ! Are you ready?」

 

 放たれる魔力弾が、ガジェットたちを撃ち落としていく。

 その姿は普段の彼女と違う方向で、美しい。

 狂気じみた笑みを浮かべながら空という舞台で華麗に踊る。

 彼女の銃口が向けられた。

 

「ヒャァッハッハッハッハ!!」

 

 トリガーが引かれ、魔力弾が放たれる。

 漆黒のそれは回転しながら敵を貫いた。

 彼女こそが厄介者ぞろいのトルネード分隊副隊長。

 -――ミナト・ミルフォードなのだ。

 

 

 

 

 

 

―――アニメ・第五話「星と雷」―――




あとがき

みなさま長らくお待たせしました。
待っていてくれたみんなも、待ってないよ! っていうみんなも読んでくれてありがとう!
今回はミナト大暴れな巻きでした。次回はとうとうフォワード、クリスとミコトの出番です。
ミナトとミコト、名前を間違えやすいけど気にしないでね!

次回もお楽しみに♪
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