河童が実力至上主義の学校で色々やらかす話 作:河童はきゅうり好き
まあ、少ないのは間違いなく合わせにくい世界観だからってのが一番あるのでしょうが・・・。
すでに存在しているありきたりなアプローチをする小説とか書いてもあまり需要が少ないだろうと思って書いてみました。
とある実力至上主義の学校内の施設の1つであるカラオケルームの一室に男が3人、女が2人いた。そのうちの1人は何やら機械を持っていて、1人の男にその機械について自慢げに話していた。
「やあ、盟友。新しい発明品が出来たんだけど……どう? 気になるかい!?」
「クククッ、今度はどんなもんを開発しやがったんだ、河童? ……役に立ちそうなもんだったら買ってやってもいいぜ?」
「フフッ、やっぱり君はそうでなくちゃね! 今回紹介する発明品はね……これだよ!」
女はそう言って、不良のように見える男の目の前に機械を見せつけるようにして教室の机の上に置いた。その機械はどこかオーバーテクノロジー染みた見た目をしていた。少なくとも何十年は先の技術を先取りして作ったのではないかと思わせるほど、この時代では想像もつかないような……そんな見た目をしていた。
「それで……こいつはどんなことに使えるんだ?」
「よくぞ聞いてくれた! この機械はね取り付けることでその物体を極限まで小さくすることが出来るんだ! そうだな……例えば、ここにスパナがある。これにこの機械を取り付けると……」
女がそう言いながらその機械を取り付けると、スパナはみるみるうちに小さくなっていき、その大きさはもはや、米粒ほどと言っていいほど小さくなってしまった。まず、間違いなくこの時代には作れるはずのない代物である。
「すげぇ!」 「Oh、My God」
男の付き人であろう俗に言う不良に見える男と黒人の男が反応する。しかし、驚いているだけで腰を抜かしたりはしていない。そう、彼らにとってもこれは日常茶飯事なのだ。それだけ、この異常な機械のようなものを見せられてきたということだ。
「なるほど……確かに使えそうだ。おい、これは取り付ければ何でも小さくすることが出来るのか?」
「いや、人間は小さくならないようにしているよ。うっかり小さくなった盟友を踏みつぶしたりしたら大変だからねぇ~。私は安全にも配慮できる素晴らしい発明家なのさ!」
「お……おう、そうだな。あと、この機械はその対象の小ささを調整出来るのか?」
ほんの一瞬だが、その6人の中でリーダーだと思われる生徒から覇気が失われた。彼女の発明品にどこかトラウマを抱えているのだろうか?
「勿論だとも! 大きさを調整出来なきゃ意味ないじゃないか! この機械を付けた対象の変化に下限はないから、小さくし過ぎたら普通に見失うから使う時には注意が必要だからね!」
「いいだろう。それで今回は何ポイントだ?」
男がそう言った瞬間、青髪のウェーブがかかった外ハネが特徴的な女の纏っていた雰囲気が一気に変わった。
「そうだね~。レンタルなら月10万、購入なら150万だよ。今回の発明品はかなり自信あるからね~」
「高すぎる。それに今回の発明品もお前のことだ。量産の目途があるんじゃねえのか?」
「確かに量産の目途はすでに立っているよ。でもね……君たちすぐに私の発明品を壊しちゃうじゃんか! 特に光学迷彩スーツ! あれは確かに在庫はあったけど、作るのも修理するのも面倒くさいんだ! それにも関わらず君たちは繊細に扱わないもんだから使用できるものが少なくなってきているんだよ。修理をするのにも当然ポイントはかかるんだから他の道具のレンタル料が上がるのも当然ってわけさ」
彼女は当たり前のように言った。それはそうだ。実は彼女が言っていた通りに光学迷彩スーツは10着ほどあった。いずれも彼女が予備に作っておいた物だ。しかし、とある事情によりこのリーダーの男にポイントと引き換えで貸し出すことになった結果、10着あった光学迷彩スーツは8着が無残にも壊れてしまったのだ。
だが、これでもかなり優しい方だ。これが本来の彼女だけであったならば、このリーダー格の男はポイントを限界まで払うことになっていただろうことは軽く想像がつくからだ。そうならなかったのは彼女に異質な物が混ざり合ったからである。
「さて、何のことだろうな? 俺には全然心当たりがないなぁ?」
「いや、嘘つけよ。君たちは知らず知らずのうちに私に迷惑をかけているということに早く気付くべきだよ。私の部屋から何個か試作品が消えていて、同じクラスの女の子が盗んだことは知っているんだからね? 訴えていない現状に感謝して欲しいぐらいだよ、龍園君」
そう、この男 勝つためならば手段を選ばない。龍園翔はこの少女にとって、盟友であり、商売相手であり、発明品を勝手に奪っていく邪魔者である。
「そういう河城……お前こそ俺に謝罪するべきことがあるんじゃないか? お前が俺に与えた屈辱の数々を忘れたわけではないだろうな」
「さて、何のことやら。でも、信頼できる駒が増えて良かったじゃないか。今の君とクラスがあるのは私のおかげだぜ? まあ、私は君の部下を将棋の駒で表したとしたら、歩にもなるつもりはないけどね」
そして、彼女の名前は河城にとり……かの有名な作品のキャラクターの河童である。
「ハッ! お前と俺の関係は部下という関係ではなく、ビジネスパートナーがいいところだろう」
「流石、よく分かってるじゃないか盟友。金の切れ目が縁の切れ目だよ。発明には当然お金が必要だから、お金を多く払ってくれる方に付くのは自明の理だろう? 私にとって発明が出来ればそれでいいからね。ちゃんと払ってくれないと坂柳さんの方に私は遠慮なくついちゃうからね。それに、あっちに付けば助手がもれなくついて来るしね」
「坂柳のパシリか。あいつもとことん不運だよなぁ……坂柳だけでなく、河童にまで目を付けられたんだからよぉ」
そんな雑談をしていると、カラオケルームの扉が開く音がした。
「にとり──! 一緒に帰りましょう!」
「ほら、彼女のお出迎えだぜ? ククッ、行ってやれよ」
「だから、私たちはそんな関係じゃないって何回言えば分かるんだか……。分かった、今行くよ雛」
何故厄神である彼女がここにいるのか。それは彼女たちが本来住んでいる幻想郷……そこで異変が起こったからだ。
「じゃあ、盟友。また明日にでも、この話はしようじゃないか」
そう言ってにとりは雛と一緒に帰宅した。
「あの異変が起こってからもう、3年。月日が経つのは早いわね。人間と関わることが出来るから尚更早く感じるわ。……それににとりと過ごす時間もたくさん増えたことだしね」
「雛と私にとって今回の異変はいい方向に働いてるね。私は唯一無二のパートナーを手に入れて、雛は厄を集めることなく過ごすことが出来るんだから。でも、霊夢がいつ解決するか分からないし、今のうちに楽しまないと損だよ!」
「だからといって、人に迷惑をかけすぎないようにね? にとりったらこの前また、機械を爆発させてたでしょう? いくらあなたが部屋を改造して他の部屋に影響が及ばないようにしているとしても、危ないことには変わりないんだから。今の私たちの状態を理解していないはずはないわよね?」
そう、今現在。彼女たちは幻想郷で過ごしていた時とはかなり状況が違うのだ。まず、能力の使用不可。雛が厄を集めることが出来ていないのはこのためである。勿論、これはにとりも同じであり、水を自由に操ることが出来なくなっている。
次に人間になっていること。にとりも雛も異変の影響により、幻想郷とは違う世界……すなわち外の世界と呼ばれる所に住んでいる人間に憑依してしまっていた。何故、そのようなことになってしまったのか……それは、彼女たちですら理解していない。いや、理解するつもりがないのだろう。
にとりと雛、二人にとっては今の環境の方が幻想郷で過ごしていた時よりもずっと好ましいのだ。雛は厄を集めるという使命があるが、にとり的にはずっとこの世界にいたいと思っている。しかし、そんな幸せはいつかは終わりを迎えることは確定しているのだ。だからこそ、彼女たちは今を楽しんでいる。
「雛、今日のご飯なーに?」
「今日はねーにとりの大好きな河童巻きだよー」
「やったー! 雛、大好き!」
まあ、そんな背景はどうでもいいだろう。この物語は外の世界に出た河童が発明品を使ってよう実のキャラクターたちを時に驚かせ、時に弄り、時に危機に陥らせる。そんな小説である。
先に言っておくと、作者は間違いなく東方にわか側の人間だと思います。
書く段階で出来るだけ食い違わないように調べてから書くようにはしていますが、ちょっとおかしい所とかあるかもしれません。
あまりにも解釈違いの所とかがあったら教えてくれると嬉しいです。