河童が実力至上主義の学校で色々やらかす話   作:河童はきゅうり好き

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この調子で頑張っていこうと思います。


5月1日~全ての発端の日~

 坂上から情報を得たことねはある場所に向かっていた。そう、この学校で出たゴミを集めている場所にである。

 

〈ここでの交渉次第でもう一つのことも出来るようになるからね。にとりだってお金は欲しいでしょう? 〉

 

(もちろんだよ盟友。やっぱり何かを作ろうと思ったらお金がかかるんだよ。だから、幻想郷にいた時はぼったくりな値段で商品を売ったり、落とし物に心辺りがあるかもと言って、お金を払わせた後にネタ晴らしをしたり、ただの乾かした流木をお香として売り出したり……色々工夫していたのさ)

 

〈……やっぱりにとりに商売は向いてない気がする……。商売ってのは信頼を失うのが一番危険なことなんだよ、にとり? 私の目がある限りはそんな詐欺まがいの商売は絶対にさせないからね。……まあ、売れるか売れないかのギリギリのラインで売って見せるから商売の方は私に任せて〉

 

(盟友がそこまで言うなら……でも、ちゃんとお金は稼いでよね。開発には本当にお金が必要なんだから)

 

〈大丈夫だよ。私の予測が正しければ最終的ににとりの発明品がないと、駄目になる状況にこの学校の全員がなると思うから〉

 

 彼女たちは様々な機械が捨てられている場所に着いた。そして、ことねはそこで働いている人間に声をかけた。

 

「すみません。少しいいですか?」

 

「こんなところに生徒が来るとは珍しいな。何か用かな? お嬢ちゃん」

 

「はい、少し聞きたいことがありまして……ここにある機械を引き取ることは出来ませんか? 条例などで禁止されていなければ、原則としては持って帰ってもいいとは思うのですが、私はまだ昨日入学してきたばかりでして……そこらのルールには少し疎い所がありますから、聞いた方が早いと思いまして」

 

「こんな物を欲しがるなんてお嬢ちゃん変わってるね~。自由に持って行って構わないよ。ここにある物は全部処分されてしまう物だからむしろ、こちらとしてもコストがかからなくて済むからね。大助かりだよ」

 

「無料で貰ってもいいんですか! ありがとうございます。それで……その……無料で貰えるなら今後もここに通ってもいいですか?」

 

「お嬢ちゃん……本当に変わってるね。いいよ。真夜中とかでなければいつでも来たまえ」

 

「はい! 是非とも行かせてもらいます。今後ともよろしくお願いいたしますね」

 

(盟友! やったね! 機械弄りし放題じゃないか!)

 

〈にとり、私はあなたの要望を叶えたよね? なら、私の要望にも当然応えてくれるよね? 等価交換……だよ〉

 

(もちろん! 自衛手段の確保だろう? 盟友がアイデア出しに協力してくれるならすぐに取り掛かるよ)

 

 ことねによってにとりが機械を弄るための環境は整った。これより、彼女たちの真の意味での物語が幕を開けるのだった。

 

 

 

 

 

 4月の間、彼女たちはそこまで目立った行動をそれ以降取ることはなかった。強いていうならば、部屋の中で火事にならないように色々と買って対策したことでポイントをまあまあ消費したぐらいだろうか。彼女の手元には約3万プライベートポイントしか残っていなかった。

 

 坂上はこのことから安心していた。彼女がすぐに何か大変な物を作り上げて、学校に波乱を引き起こすものと思っていたからだ。しかし、予想とは裏腹に彼女は大人しかった。授業中はきちんと真面目に授業を受けていたし、抜き打ちで行った小テストも最後の3問のいずれも正答出来ていないなど、安心できる要素はいくらでもあった。

 

 だが、同時に不安もあった。それも彼女がホームセンターに何回も通っていたのが、監視カメラに写っていたからだ。さらに、彼女が毎日下校後にどこかから機械を部屋に持って帰ってきているのである。持ってきている機械は多岐に渡り、電子レンジ・テレビ・炊飯器・パソコンなど様々な物を持ち帰っているのだ。生徒たちがコミュニケーションを取れる場所の1つであるネット掲示板にもその姿が有名になっているのか、よく話題に上がるほどである。

 

 もしかして、自分が知らないだけで何か恐ろしい計画が彼女によって進行中なのではないか……。坂上はそう思わずにはいられなかった。実のところその考えははずれである。しかし、この話題性が後々にとりとことねにとっての追い風となった。

 

 彼女が動いていなかったのは自衛手段を用意するのに意外と時間がかかったから……つまり、動きたくても動けなかったというのが正しいのである。

 

 5月1日……この日から全てが始まった。正史とは戦いの環境が大きくかけ離れることとなった発端の日である。

 

 

 

 

 

「これから朝のホームルームを始めようと思うのだが……その前に何か質問がある生徒はいるかね? あるのならば、今のうちに聞いておくことをお薦めしますよ」

 

「先生、毎月10万払われると先生は言ったと思うんですが……6万ポイントしか振り込まれてません。4万ポイント足りないんですよ。どういうことですか?」

 

 とある生徒がそう言った。坂上はあらかじめそういうことを言う生徒がいるのは分かっていたため、説明に入った。ことねともう1人の問題児である龍園翔も特に口を挟むつもりはないらしく、説明は順調に進んだ。

 

「まずはこれを見たまえ。これを見ればある程度の人間は理解出来るはずだ」

 

 Aクラス:940

 Bクラス:650

 Cクラス:600

 Dクラス:0

 

「まず、このポイントはcpというものだ。入学したタイミングで各クラスに1000ポイント配布されていたものだ。このポイントはクラスとしての実力が反映されたものと思っていい。そして、このポイントは減点方式で君たちの授業態度などから採点を行い、正当に評価された分のポイントが支払われる……そういうシステムなのだ」

 

「おい、坂上。そのポイントが減らされた詳細を教えろよ。俺やひより、河城のように真面目に授業を受けていた人間には何も無いのか?」

 

「この学校は連帯責任の形式を取っている。個人がしっかりしていたからと言って、この評価が変わることはない。あと、ポイントの件は人事考課、詳しい査定内容を教えないという方針であるため、残念ながら教えることは出来ない。だが、私からのアドバイスとしては出来て当たり前のことを行わなかった生徒がいたからだと言っておくよ」

 

(うへぇ~全体に責任が来るのか。私が住んでいた幻想郷じゃそんなことは無かったんだけどなぁ~。何をやっても個人の責任。各自が責任を持つ。そういう感じだったんだけどね。盟友! お金がこれから必要だっていうのに……どうする?)

 

〈安心して、にとり。稼ぎ方はもう考えてある。まあ、にとりの協力が必要不可欠なんだけど……協力してくれない? にとりの技術力が必要なんだ!〉

 

(任せてよ。盟友の頼みだし、私の技術力が必要な物が何かという方が気になるからね! 腕がなるなー)

 

「さて、君たちには言っておかなければならないことがある。この学校は進学率、就職率共に100%と謳ってはいるが、その恩恵を受けられるのはAクラスの生徒だけなのだ」

 

 坂上がそう言うと、かなりの生徒が騒ぎ出した。ことねも声には出してはいないが、かなり驚いていた。楽して大企業に受かりたかったからこそ、この学校に来たのに詐欺まがいのことをされたからだ。

 

〈え~マジで~。まさか学校側に詐欺られるとは。流石にそれは予想してなかったな~。〉

 

(盟友、世の中そんなに甘くないんだよ。私たち河童も幻想郷では立場が上の天狗や鬼に下克上するために準備を着々と進めていたことがあるんだけど……そんな努力が一瞬で無に返ることだってあるんだ。自分で勝利を勝ち取らないと明日は来ないよ)

 

「だが、当然ポイントがこのようになったことから分かると思うが、君たちがcpをあと51ポイント手に入れれば、晴れて君たちがBクラスとなる。簡単に言うと下克上制度を取り入れている。君たちの努力次第でいくらでもAクラスに上がれる可能性はあるということだ。……以上で説明は終了するが、質問がある者はいるかね?」

 

〈なるほど……じゃあ、これを聞いておくかな。はっきりと言ってクラスで上がろうと思うよりは、私とにとりでAクラスに行く方が楽だろうし。〉

 

 後々伝えられる情報であったのは間違いない。坂上に言われたからこそ、龍園はこの方法でAクラスにクラス皆で行こうとしたのだから。だが、この方法があるという事実はいきなり坂上にチェスで言う所のチェックメイトに陥れる羽目になった。

 

「先生、なら質問いいですか?」

 

「……川城さんか。何だね? 出来れば早くしてくれませんか? 他にも説明することはあるのですが……」

 

「いえ、プライベートポイントで教師を買収することも可能ならば、プライベートポイントを使うことで、Aクラスに個人であがる方法も何かあるのではないかと思いまして、あるのか無いのかを教えてください。また、方法があるのならば、教えられる範囲でいいので、詳細に教えてください」

 

 坂上は胃を痛めた。こちらがいずれ教える予定である情報を先取りして教えろと迫ってくる彼女のことが嫌いになりそうだった。後々教えるつもりであった情報であったため、坂上は渋々情報を渡した。

 

 だが、坂上は知らない。この情報を提供したことで坂上が本来恐れていたことが本来よりも早く実現してしまうということに。ことねによってペースを崩されてしまった坂上がそのことを考えつくことは無く、そのことに気付くのは後日であった。

 

 

 

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