河童が実力至上主義の学校で色々やらかす話   作:河童はきゅうり好き

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・・・日間にまさか載るとは・・・。本当にありがとうございます。

主人公のちょっとした裏設定をあとがきに書いときます。

あと、その裏設定が原因でステータスを書き直すことにしました。知りたい方は第三話を読んでください。


カフェ~不幸~

 あの事件の後、ことねの存在はとても有名になった。人は噂話というものが好きらしく、ことねが龍園との喧嘩に勝利したという事実はすぐに学校全体に広がった。

 

 その結果、にとりが知己の人物と会うことになるのは明白であった。

 

 

 

〈全く教師たちが急に面倒臭くなったよね。どこか私のことばかり見てくるし……粗探しでもされている気分だよ……。別にいいじゃん。龍園と合意を取ってからあの結果なんだから龍園としても私に文句は言えないでしょ。〉

 

(ふふ~ん。やっと私の発明の偉大さに人間どもも気付いたのかな? 幻想郷では日の目を浴びることなく、椛に没収された発明品もあったからなぁ。実に嬉しい限りだよ。これも盟友のおかげさ! ありがとう)

 

〈きゅ……急に何を言い出すかと思えば……。……こちらこそありがとう、にとり。これからも心身共々よろしくね。〉

 

(うん。私たちは盟友だもん! 当然だよ)

 

 ことねとにとりが固い友情を確認し合っていたその時、Cクラスの扉が開く音がした。

 

「えっと……にとりはどこにいるのかしら。このクラスに河城にとりという子がいるはずなんだけど……どこにいるのか教えてくれない?」

 

 その発言を聞いた時、ことねは新しい客かと思った。あの事件の後、ことねの株は上がりっぱなしなのだ。特に学校全体でかなり有名な龍園にただの少女が喧嘩で勝ったというのだ。ただ、技で倒したというのは体格の違いから説明がつかないため、生徒たちがにとりの発明がそれほど凄いものだと気づくのにそう時間はかからなかったからだ。

 

 彼女の元に来た客の中で最もビックネームと言えるのは2年生生徒会副会長の南雲だろう。彼は生徒会長堀北学に勝つことを目標としていて、にとりの発明がその目標を達成するには必要な物だと早く見抜いたのだ。

 

 なお、この時南雲はにとりとことねに愛人になれと体を触りながら言ったのだが、明らかに利用する気満々の不愉快な告白をされたことに腹を立てたことねによって、龍園たち以上に怪我を負うことになった。自業自得である。にとりとことねの部屋にはサーモグラフィー付き監視カメラが大量に設置されているため、南雲が訴えたとしても痛み分けで終了である。

 

「は~い、お値段以上にとりに何か用かな? お客さん……」

 

 そこにいたのはことねにとっては見覚えのない人物……だが、にとりにとっては知己の人物であった。

 

「えっと……雛? なんでこんなところにいるんだい?」

 

 にとりは思わずそう言ってしまう。確かに射命丸と会った時点で可能性としては考えていた。だが、幻想郷の住人とはそれっきり会っていなかったため、諦めかけていたことが再び起こったのだ。

 

「にとり……にとりね。うわぁぁぁ! 良かったわ。本当に!」

 

 今2人はこの学校で再開した。

 

 

 

 

 この学校の敷地内にあるとあるカフェ。にとりと雛は久しぶりに話をしていた。ことねは話についていけてないため、素直に黙っておくことにしたようだ。

 

「それで、何故この学校にいるのさ? もしかして、雛も人間に憑依しちゃったわけ?」

 

「そうなのよ。人里の厄を集め終わって神々に献上した後に寝たんだけど……気がついたらこの世界に来てて……そして、ある人間に憑依していたのよ。そして、そう言うってことはにとりも誰かに憑依しちゃってたわけ?」

 

「うん! 私にとって最高の盟友さ。心身共によろしくするぐらい仲がいいよ。雛はどうなの? どんな人間に憑依したのか興味あるなぁ」

 

「私の憑依した人は何というか不器用な人なのよね。いじめられていた子を助けるために自分をいじめの対象になるように仕向けたり、友達から告白されたくないからどうにかして欲しいと言われた時も自分を犠牲にして解決してたし……憑依して迷惑をかけている立場からすれば言いにくいけど、彼女のことが時々心配になるわ。せめて、事情を理解してくれている友達だっていたんだから、協力を求めれば良かったのに……他人を頼らないのよ。根が優しいのは分かっているつもりなんだけど……そこら辺の考え方がどこか捻くれてるのよね」

 

「……何というか変わってるね、その人間は。雛としてはやっぱり心配なのかな? 何というか話を聞く感じだと似たもの同士だし」

 

「私なんかよりも彼女の方が大変よ。私に出来るのは心配ぐらいよ。彼女同じクラスの人と関わろうとしないもの。よく同じクラスの人が関わろうと試みてはくれているんだけど……彼女は拒絶しちゃってるのよね。やっぱり、もう人と関わること自体が懲り懲りになっちゃったのかしら……。私が憑依しちゃったせいで彼女の容姿も私のものになってしまったから、中学校の友達からも別人だと思われて交友が失われちゃったみたいで……本当に申し訳ないわ」

 

「う~ん。そこまで雛が悲観的になる必要はないんじゃない? 私たちだって自分から望んでこんなことになったわけじゃないんだし。というか、今の話を聞いている限りその人間は私と会う事なんて嫌がると思うんだけど……どうやって説得したの?」

 

「……にとりがいるかもしれないということに気が動転してて忘れてたわ。基本的には彼女に体の支配権は譲っていたのだけど……少し待ってて」

 

(盟友、随分と黙っているけどどうしたんだい?)

 

〈いや、話についていけないから黙ってたんだけど……何か反応を示した方が良かった?〉

 

(いやー盟友との体の支配権で揉めたことなんてなかったなと思ってね。今頃だけど盟友としてはそこら辺どう思っているの? ちょっと興味が湧いたからね。無理矢理体を乗っ取られた時の感想を教えて欲しいなと思って)

 

〈割とびっくりする。急に体から力が抜けるような感覚が襲って来るからね。だから、私も急ににとりが出てくるようなことはやめて欲しいかな。せめて、体の主導権を交代するなら一言欲しい〉

 

(……そうだ! 雛が憑依したっていう人間と話せるようにしてみようかな。ちょっと興味あるからね)

 

〈おい、聞けよ。あの監視カメラのことを聞いた時だって割とびっくりしたんだからね。私は中学生の時に散々やられて慣れてたから倒れることはなかったけど、その……雛さんの話を聞く限りその子は初めてっぽいし、その子は今怒っていても仕方ないんじゃないかな?〉

 

「えっと……あなたは彼女の知り合いなんですか? 随分と仲が良いようですね。その交友を悪く言うつもりはありませんが、あまり近づかないでもらえますか? もう、ごめんなんですよ。親しい人から忘れ去られてしまうぐらいなら、もう友達なんて作りたくないんです。そう言う訳で今日はもう帰ります。さようなら」

 

 彼女にはかなりのトラウマがあるらしく、席を立ちそそくさと立ち去っていった。ちなみに支払いはきちんと済ませている。常識がちゃんとあることはそのことから理解出来る。

 

〈……あんな子と雛さん……だっけ? そんなに似てるの、にとり? はっきりといって雛さんの方はあんな根暗とは違うと思うんだけど……〉

 

(盟友、私が似ていると言ったのはそこではないよ。盟友には前説明したことがあると思うんだけど、私たち幻想郷の住人は”~する程度の能力”という能力を各自持っているんだけど、雛の能力は”厄を溜め込む程度の能力”なんだよ)

 

〈……よく理解できない。それが雛さんと彼女が似ているという理由にどう結びつくの?〉

 

(そうだな……簡単に言うと雛は幻想郷では嫌われ者だったってことだよ。彼女に近づいてしまえば彼女に集まった厄がそいつに降りかかるのさ。ようするに不幸になるってことだね。だから、彼女は人間にとても嫌われているんだ。でも、彼女は人間のことが好きなんだよね)

 

〈そんな仕打ちを受けていれば人間のことなんて嫌いそうなもんだけど……どうしてなの?〉

 

(何で彼女が人間のことが好きなのか……それは私自身分からないんだよね。ただ、雛は厄を溜め込むことで強くなる厄神だから、人間たちの里から厄を集めることでその力は増していくんだよね。普通の神様ってのは信仰がなかったら弱まっていくものだけど、彼女にとっては集めた厄がそのまま力になるだけで、信仰とかを特に必要としない神なんだよね)

 

〈……結局何が言いたいの? 分かるように説明して〉

 

(彼女たちは在り方が同じだってことだよ。それが生まれた時からか後からそうなったかの違いだけで。雛は必ずしも人里から厄を集める必要はない。人間たちに蔑み嫌われながらも人里から厄を集めてやる義理はないのに、人里から集めている。無論、簡単に厄を集めやすいからという理由もあるかもしれないけど、雛のことだから、自分は嫌われていたとしても彼女は人間のことが好き。だから、その憑依先の人間に迷惑をかけたことに罪悪感を感じているんじゃないかな?)

 

〈……つまり、にとりはあの根暗も自己犠牲によって大切な物を守っている点で雛さんと似ているって言いたい訳? ……分からないな。雛さんが人間のことが好きな理由も、あの根暗が自分のことを犠牲にした理由も。私はいつだって自分が大切だった。友情なんて物もにとりと会うまでは感じたこともなかったから……。そして、にとりとも一心同体みたいな状況だからわざわざ自分の身を犠牲にして他人を守る人間の気持ちなんて分からないよ……〉

 

(……この話は終わりにしよう。悪かったよ、盟友。嫌なことを思い出させて)

 

〈……いいよ。修理の依頼が2件、改造の依頼が3件来てたんだ。早めに片づけないといけないし、帰ろうか、にとり。〉

 

 ことねもまた嫌な記憶を思い出したため、部屋に戻ってからそのことを早く忘れたいのか、新たな金稼ぎの方法をにとりが機械を弄っている間に考え始めたのだった。

 

 能力を失った雛にはことねの不幸を防ぐことは出来なかった。……いや、雛も憑依先の人物との関係性が悪くなったという不幸に巻き込まれた。今回はただ溜め込まれた厄が暴発しただけ……。しかし、今回の集まりは4人全員に何かしらの傷を植え付けることになってしまったのだった。

 

 

 




オリ主裏設定

ことねの両親はとある事故でことねをかばって死亡。ことねが小学生の時点で他界済み。その時にことねは何故両親が自分のことをかばったのかを理解出来なかったのと同時に両親が目の前で死んだことで死への恐怖心を植え付けられる。

ことねがオタクになったのは死への恐怖を少しでも和らげたいと思ったから。友情をにとりが憑依してくるまで全く感じてなかったのは友達がいなかったため。

友達がいなかった理由としては、周りよりも遥かに精神の成熟が早かったため、ことねにとって周りのガキどもと遊ぶよりは身を守るため、死なない為に知識を蓄えること、そして金を稼ぐ方法を模索することの方が大事で専念していたからである。

この時に蓄えられた知識と恐怖を和らげるために手を出したオタ知識がにとりの技術と噛み合ったことによってオーバーテクノロジーが作成され、商売について知識があるのは金稼ぎを模索した時の名残。結果としてヤバい天災が生まれた。

本来の彼女であれば龍園に支配されることを選んだだろう。全ての歯車が狂った原因はにとりの存在・・・ただそれだけである。
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