ヴァンガライブ!   作:九戸政景

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どうも、なるかみで一番好きなのはドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオンの片倉政実です。
それでは、第2話を始めていきます。


第2話 聖騎士と真紅の皇帝

「始まりの音を奏でて、『ぐらいむ』!」

「一緒に輝こう、『スパークキッド・ドラグーン』!」

 

 千歌ちゃんと一緒にFV(ファーストヴァンガード)を表にすると、千歌ちゃんは私の『ぐらいむ』を見て、少し驚いた様子を見せた。

 

「梨子ちゃんのFVは犬みたいなユニットなんだね」

「ええ。小さい頃は犬が苦手だったけど、千歌ちゃんがしいたけちゃんと無理なくふれ合わせてくれた事で、今ではプレリュードを飼う事が出来るくらいには慣れたから、私はこのFVを選べたのよ。それに、この子は結構可愛いしね」

「ふふ、そうだね。梨子ちゃん、また時間があったら、一緒に散歩させに行こうね」

「うん。さてと……それじゃあ、私のターンからね。まずはドローステップに入って……ドロー」

 

 カードを1枚引き、それを手札に加えた後、私は手札を見ながらどうするかを考え始めた。

 

 さて……今私が出来るのは、この『ぐらいむ』に1個高いユニットをライドする事。そうなると、今はこのユニットをライドするのが良いのかもしれないわね。

 

「ライドフェイズに入って……私は『ぐらいむ』に『月桂の騎士 シシルス』をライド。この時、『ぐらいむ』のスキルを発動。このユニットがライドされた時、デッキからカードを1枚引く。もう1つスキルはあるけど……条件を満たしていないから、これは発動しないわね」

「あ、この『クイックシールド・チケット』を手に入れるスキルだよね? 鞠莉ちゃんが作ってくれたルールブックによると、相手からのアタックを防ぐ以外にも手札をコストにするスキルのコストとしても使えるんだって」

「そうみたいなのよね。だから、欲しいところだけど……まあ、仕方ないわ。さてと、それじゃあ続けて『月桂の騎士 シシルス』のスキルを発動。このユニットが(V)か(R)に手札から登場した時、山札を上から5枚見て、グレード3を1枚まで探して手札に加え、シャッフルし、加えたら、手札から1枚捨てる。それじゃあ確認するわね」

 

 そう言いながら、私は山札の上から5枚を確認し、その中にあった1枚のカードを千歌ちゃんに見せた。

 

「『ソウルセイバー・ドラゴン』があったから、私は手札に加えるわ。そして、シャッフルをして──千歌ちゃん、カットをお願い」

「うん! こうして──はい、出来たよ」

「ありがとう。それじゃあ、私は『竪琴の騎士 トリスタン』を捨てるわ。後、『ぽーんがる』を『月桂の騎士 シシルス』の後ろにコールして、『ぽーんがる』のスキルを発動。このユニットが(R)に登場した時、このユニットと同じ縦列にあなたのユニットがいるなら、SC(ソウルチャージ)1。SCされたカードがトリガーユニットなら、そのターン中、このユニットのパワーを+5000」

「でも、このターンはアタック出来ないから、パワーが上がっても無駄になるよ?」

「たしかにそうだけど、ノーマルユニットがSCされたら、その分、トリガーユニットが必要な時に出てくれる可能性が増えるから、賭けてみる価値はあるでしょ?」

「おおう……梨子ちゃんがギャンブラーの人みたいな事を言ってる……」

「ふふ。さて……私の運はどうかしら?」

 

 そして、山札の上のカードを捲った後、私は安堵しながらそれをソウルに置いた。

 

「出てきたのは、ノーマルユニットの『竪琴の騎士 トリスタン』だったから、そのままソウルに置くわね。さてと、出来る事はもう無いから、エンドフェイズに入ってターンエンドよ」

「了解! それじゃあ……私のターン、ドロー! 私は『スパークキッド・ドラグーン』に『マイティボルト・ドラグーン』をライド! 『スパークキッド・ドラグーン』のスキルを発動して、デッキからカードを1枚引いて、相手のヴァンガードのグレードが1以上だから、『クイックシールド・チケット』を手に入れるよ。更に、『マイティボルト・ドラグーン』のスキルをここで発動! 私も山札の上から5枚を見て、その中からグレード3を1枚まで探して……と、『ブラットアロー・ドラゴン』があったから、手札に加えて、シャッフルをして──梨子ちゃん、カットをお願いします」

「うん──よし、出来たよ」

「ありがとう。それじゃあ私は、『クイックシールド・チケット』を捨てるよ。そして、『ドラゴンダンサー ライライ』を『マイティボルト・ドラグーン』の後ろにコール。さあ、お待ちかねのバトルフェイズだよ! パワー8000の『ドラゴンダンサー ライライ』のブーストを受けた合計パワー16000の『マイティボルト・ドラグーン』で『月桂の騎士 シシルス』にアタック!」

「……ノーガード」

「オッケー。それじゃあ……ドライブチェック──『スパークエッジ・ドラコキッド』、クリティカルトリガーゲットだよ!」

「クリティカルトリガー……!」

「ふっふっふ……与えるダメージを増やせるクリティカルトリガーをのっけから引けるなんて、私は運が良いね。パワー+10000とクリティカル+1を『マイティボルト・ドラグーン』に与えて、これで梨子ちゃんには2ダメージを受けてもらうよ!」

「くっ……ダメージチェック、1枚目──『孤高の騎士 ガンスロッド』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに。2枚目──『世界樹の巫女 エレイン』、ヒールトリガーゲット!」

「ええっ!?」

「ふふっ、パワー+10000を『月桂の騎士 シシルス』に与えて、ダメージを1枚回復。残念でした。これでクリティカルトリガーは無駄になったわ」

「むむむ……梨子ちゃんも中々のラッキーガールだったかぁ……。でも、ここで『ドラゴンダンサー ライライ』のスキルを発動するよ! (V)か(R)にいるこのユニットのアタックかブーストしたアタックがヴァンガードにヒットした時、山札を上から7枚見て、『サンダーブレイク・ドラゴン』を1枚まで探して、手札に加え、山札をシャッフルする」

 

 そう言いながら千歌ちゃんは山札の上から7枚を捲ると、とても嬉しそうな笑みを浮かべながらその内の1枚を私に見せてきた。

 

「『サンダーブレイク・ドラゴン』があったから、手札に加えるよ。そして、『サンダーブレイク・ドラゴン』を手札に加え、かつ『ドラゴンダンサー ライライ』が(R)にいるなら、『ドラゴンダンサー ライライ』をソウルに置く」

「……ヴァンガードにヒットした時でかつ『サンダーブレイク・ドラゴン』を探せた時だけとはいえ、結構無駄が無いわね……」

「えへへ、まあね。さてと、後は出来る事も無いから、これでターンエンドだよ」

「わかったわ。それじゃあ私のターン、ドロー。私は『月桂の騎士 シシルス』に『絶剣の騎士 リヴァーロ』をライド。『絶剣の騎士 リヴァーロ』のスキル。このユニットが(V)か(R)に手札から登場した時、CB(カウンターブラスト)1を支払う事で、山札からグレード2を1枚まで探し、ユニットのいない(R)にコールし、山札をシャッフルする」

「あ、グレード2だけなんだね」

「そうみたい。私はCB1を支払い、山札から『スターライト・ヴァイオリニスト』を後列の左側の(R)にコールして、山札をシャッフルするわ。千歌ちゃん、カットをお願い」

「うん──はい、出来たよ」

「ありがとう、千歌ちゃん。そして、私は『ディアコネクト・ドラゴン』を前列の左側の(R)にコールして、『ディアコネクト・ドラゴン』のスキルを発動するわ。このユニットの(R)登場時、このユニットと同じ縦列にあなたのユニットがいるなら、SC1。SCされたカードがトリガーユニットなら、そのターン中、このユニットのパワーを+10000」

「さっきの『ぽーんがる』のグレード2版だね」

「ふふ、そうね。まあ、グレードが上がった分、上がるパワーの数値も高いけどね」

 

 そう言ってから、私は山札の上のカードを確認した。

 

「SCされたのは、『ブラスター・ブレード』。ノーマルユニットだから、『ディアコネクト・ドラゴン』のパワーは上がらないわ」

「ほっ……」

「ただし、これでトリガーユニットをドライブチェックで引ける可能性も上がったけどね」

「う、そうでした……」

「それじゃあ、バトルフェイズに入るわね。まずは……『スターライト・ヴァイオリニスト』のブーストを受けた『ディアコネクト・ドラゴン』で『マイティボルト・ドラグーン』にアタック!」

「『スターライト・ヴァイオリニスト』のブースト……梨子ちゃん、『スターライト・ヴァイオリニスト』じゃあブーストは出来ないんじゃ……?」

「実は出来るの。『スターライト・ヴァイオリニスト』は、表のダメージゾーンが無い時、自分の(R)にいるグレード2のユニットに『ブースト』を与え、更に後列からでもインターセプトをさせられるの」

「ええ!? ズルい!」

「ズルくない。さあ、この合計パワー20000のアタックをどうする?」

「うぅ……ノーガード。ダメージチェック──『サンダーブレイク・ドラゴン』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに置くよ」

「それじゃあ次、パワー8000の『ぽーんがる』のブーストを受けたパワー18000の『絶剣の騎士 リヴァーロ』で『マイティボルト・ドラグーン』にアタック」

「それは守るよ。『ライジング・フェニックス』と『スパークエッジ・ドラコキッド』の合計シールド25000でガード!」

「合計パワーは33000。つまり……トリガーユニットを引いてもダメージは与えられないわね。ドライブチェック──『閃光の盾 イゾルデ』、ドロートリガーゲット。パワー+10000を『絶剣の騎士 リヴァーロ』に与えて、カードを1枚ドロー」

「うむむ……ダメージを1枚で抑えられたのは良いけど、その分、梨子ちゃんの手札は増えちゃったかぁ……」

「そういう事ね。それじゃあ私は、これでターンエンドよ」

「わかった。それじゃあ……私のターン、ドロー! 私は『妖剣の抹消者 チョウオウ』にライドして、スキルを発動するよ! このユニットの(V)か(R)登場時、CB1を支払う事で、縦列を1つ選び、その前列の相手のリアガードを1枚バインドし、後列のリアガードを1枚までその前列の(R)に移動させる」

「相手のリアガードをバインド……いざ使われると厄介なスキルね」

「あれ……って事は、梨子ちゃんも相手のリアガードをバインド出来るスキルが使えるユニットを持ってるの?」

「ええ。もっとも、この『ロイヤルパラディン』では無いけどね」

「そっか。さてと、それじゃあ私はCB1を支払って、私から見て右側の縦列を選んで、前列の『ディアコネクト・ドラゴン』をバインドするね。そして更にその後ろの『スターライト・ヴァイオリニスト』を前列に移動してもらうね」

「……ええ」

「さてと……それじゃあ、ここでドロップゾーンの『ライジング・フェニックス』のスキルを発動!」

「ドロップゾーンから発動するスキル……!?」

「ふっふっふ、実はそうなのだ。この『ライジング・フェニックス』がドロップゾーンにいて、自分のターンに相手のリアガードがバインドされた時、このカードを(R)にコールしてよく、コールしたら、そのターン中、このユニットのパワーを+3000するのだよ、梨子ちゃん」

「……なるほど。だから、さっきクリティカルトリガーと一緒にガードに使ってきたのね。『ライジング・フェニックス』をドロップゾーンに置くだけじゃなく、ダメージを多く受けないために……」

「まあね。さてと、それじゃあ蘇った『ライジング・フェニックス』には、後列の右側の(R)に来てもらって……正直、その『スターライト・ヴァイオリニスト』も厄介だから、そろそろ退場願おうかな。前列の右側の(R)に『ドラゴニック・デスサイズ』をコール。この時、『ドラゴニック・デスサイズ』のスキルを発動。このユニットの(R)登場時、SB(ソウルブラスト)2を支払う事で、相手の前列にいるリアガードを1枚選び、バインドし、そのターン中、このユニットのパワーを+3000。という事で、SB2を支払って、さっき前列に移動してもらった『スターライト・ヴァイオリニスト』をバインドして、『ドラゴニック・デスサイズ』のパワーを+3000するよ!」

「くっ……!」

「ふっふっふ……これでヴァンガードを守るリアガードはいなくなった。だけど、まだまだ私達の進撃は止まらないよ! 『マイティボルト・ドラグーン』を『妖剣の抹消者 チョウオウ』の後ろにコール。手札から登場したから、『マイティボルト・ドラグーン』のスキルを発動。それじゃあ……確認ターイム!」

 

 楽しそうにそう言うと、千歌ちゃんは山札を上から5枚見たが、小さくため息をついたかと思うと、それらをデッキに戻した。

 

「残念ながら、グレード3は無かったから、そのままシャッフルして──りーこちゃん」

「はいはい、カットね──はい、終わったわよ」

「えへへ、ありがとう。さてと、『マイティボルト・ドラグーン』のもう1つのスキルがここで発動するよ。あなたのターン中、いずれかのカードがバインドされているなら、このユニットのパワーを+5000」

「さっき、『ディアコネクト・ドラゴン』と『スターライト・ヴァイオリニスト』がバインドされているからね」

「そういう事。さて……それでは、バトルフェイズだよ! パワー13000の『マイティボルト・ドラグーン』がブーストしてパワーが17000になった『妖剣の抹消者 チョウオウ』で『絶剣の騎士 リヴァーロ』にアタック!」

「……ノーガード」

「それじゃあ……ドライブチェック──『風伯童子(ふうはくどうじ) ハヤテ』、フロントトリガーゲットだよ!」

「フロント……トリガー……?」

 

 聞きなれない言葉に私が首を傾げていると、千歌ちゃんは自慢げな様子で口を開いた。

 

「フロントトリガーは他のトリガー効果みたいに特殊な効果は無いけど、前列のユニット全員にパワーを+10000出来ちゃうのだ!」

「なっ……!」

「という事で、前列のユニット全員のパワーを+10000! さあ、ダメージを受けてもらうよ!」

「ダメージ……チェック──『ソウルセイバー・ドラゴン』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに」

「じゃあ、次。バワーが11000になった『ライジング・フェニックス』がブーストした『ドラゴニック・デスサイズ』で『絶剣の騎士 リヴァーロ』にアタック! そしてこの時、『ドラゴニック・デスサイズ』のスキルを発動。(R)にいるこのユニットがヴァンガードにアタックしたバトル中、このユニットと同じ縦列に相手のリアガードがいないなら、このユニットのパワーを+5000。よって、合計パワーは38000だよ!」

「38000……それもノーガード! ダメージチェック──『竪琴の騎士 トリスタン』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに置くわ」

「これで私はターンエンドだよ」

「……わかった。それじゃあ私のターン、スタンド&ドロー!」

 

 勢いよくカードを引いた後、私は手札の内の1枚を手に取り、それを『絶剣の騎士 リヴァーロ』に重ねた。

 

「優しき聖域の守護竜よ、その光を以て私達に救済を! ライド、『ソウルセイバー・ドラゴン』!」

「『ソウルセイバー・ドラゴン』……なんだか本当に優しそうな見た目のドラゴンだね」

「ええ、そうね。さてと、『フォース』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っている『ソウルセイバー・ドラゴン』にライドした事で、私は『フォースⅠ』の『ギフトマーカー』を獲得し、それを前列の右側の(R)に置くわ」

「『フォースⅠ』……自分のターン中、これが置かれたサークルにいるユニットのパワーを10000アップさせる物、だよね?」

「そうみたい。さて……私は『ブラスター・ブレード』を前列の右側の(R)にコールするわ。そして、『ブラスター・ブレード』のスキルを発動。このユニットの(V)か(R)登場時、CB1とSB1を支払う事で、相手の前列のリアガードを1枚選び、退却させる。私はCB1とSB1を支払って、『ドラゴニック・デスサイズ』を退却させるわ」

「うぅ……お疲れ様、『ドラゴニック・デスサイズ』……」

「さあ、バトルフェイズに入りましょうか。パワー20000の『ブラスター・ブレード』で『妖剣の抹消者 チョウオウ』にアタック!」

「それはノーガード! ダメージチェック──『風伯童子 ハヤテ』、フロントトリガーゲット! 前列のユニット全員のパワーを+10000!」

「次、『ぽーんがる』のブーストを受けたパワー21000の『ソウルセイバー・ドラゴン』で『妖剣の抹消者 チョウオウ』にアタック! アタック時、『ソウルセイバー・ドラゴン』のスキルを発動! (V)にいるこのユニットがアタックした時、SC1してよい」

「それによるパワーアップとかはある?」

「無いわね──と、SCされたのは、『ソウルセイバー・ドラゴン』だったわね。それで、このアタックはどうする?」

「それもノーガード!」

「『ツインドライブ!!』、1枚目──『夢の運び手 ベレヌス』、クリティカルトリガーゲット! パワー+10000とクリティカル+1を『ソウルセイバー・ドラゴン』に与えるわ。続けて2枚目──『夢の運び手 ベレヌス』、クリティカルトリガーゲット!」

「に、2枚ともクリティカルトリガー!?」

「ふふ、ノーマルユニット達をコールしたり、ソウルにいれたりした甲斐があったわね。パワー+10000とクリティカル+1は全て『ソウルセイバー・ドラゴン』に!」

「って事は……」

「ええ、3ダメージ受けてもらうわ」

「うぅ……一気に逆転されちゃった……」

「そうね。さあ、ダメージチェックをしてもらうわね」

「ダメージチェック、1枚目──『蠱毒の抹消者 セイオウボ』、ヒールトリガーだけど、欲しいのは今じゃないよー!!」

「あら、残念でした」

「うむむ……パワー+10000は『妖剣の抹消者 チョウオウ』に与えるよ。2枚目──『マイティボルト・ドラグーン』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに置くよ。3枚目──『ドラゴンダンサー ライライ』、ノーマルユニットだから、そのままダメージゾーンに置くよ……」

「それでダメージは3対5、千歌ちゃんも大分辛くなってきたんじゃない?」

「まあね。でも、そう簡単には負けないよ。だって、私にはカイ君達がついてるからね!」

「カイ君……」

 

 そういえば、まだそれらしいユニットは出てきていないのよね。もしかしたら、次のターンになったら出てくるのかしら……?

 

「……まあ、いいか。これで私のターンは終わりよ」

「わかった。それじゃあ……私のターン、スタンド&ドロー!」

 

 千歌ちゃんは引いたカードを手札に加えると、手札の内の1枚を手に取り、それに対して微笑みかけてから静かに目を瞑った。

 

「行くよ、カイ君! 雄々しき姿の皇竜、その真紅の雷で全てをなぎ払え! ライド、『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』!」

「これが……カイ君──って、どう見ても君付けするような見た目じゃないわよ!」

「え、そうかな?」

「そうよ……」

「うーん……まあ、いいや。カイ君はカイ君だからね。そして、『アクセル』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っている『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』にライドした事で、私は『アクセルⅡ』の『ギフトマーカー』を獲得し、前列の左側の(R)に隣に置くよ」

「『アクセル』……たしか、鞠莉さんのルールブックによれば、(R)を増やす『イマジナリーギフト』だったわね」

「うん。『アクセルⅠ』は置かれた(R)にコールされたユニットにパワー+10000を与えるけど、この『アクセルⅡ』は与えるパワーが5000の代わりにサークルが追加される度にカードを1枚引く事が出来るの」

「……つまり、守りも固くなるわけね」

「そういう事。それじゃあ、カードを1枚ドローして……『ドラゴニック・デスサイズ』を前列の右側の(R)にコール。登場時のスキルでSB2して、『ブラスター・ブレード』をバインド、パワー+3000。そして、自分のターン中にカードがバインドされたから、『マイティボルト・ドラグーン』のパワーを+5000」

「またバインド……本当に厄介ね」

「ふふ、使われる側はそうかもだけど、使う側はスッゴク楽しいよ。さてと、『ブラットアロー・ドラゴン』を前列の左側、『妖剣の抹消者 チョウオウ』を追加した(R)にコールして……ここで『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』のスキルを発動! CB2を支払う事で、そのターン中、このユニットのパワーを+5000/クリティカル+1する。相手の前列のリアガードが2枚以上ならクリティカル+1の代わりに、このユニットがアタックする時、相手の前列にいるユニット全員にアタックするんだけど、今回は前列に誰もいないから、その効果は無しだね」

「けど、今の私にとっては、今の効果の方が厄介なんだけどね」

「ふふ、そうだろうね。さあ行こう、みんな! まずは『アクセルⅡ』で追加したサークルの効果でパワー14000になった『妖剣の抹消者 チョウオウ』で『ソウルセイバー・ドラゴン』にアタック!」

「それは『幸運の運び手 エポナ』でガード!」

「じゃあ、次。パワーが13000になった『マイティボルト・ドラグーン』のブーストを受けた合計パワー30000の『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』で『ソウルセイバー・ドラゴン』にアタック!」

「そんなの受けるわけないでしょ! 『閃光の盾 イゾルデ』で完全ガード! コストとして『ブラスター・ブレード』をドロップゾーンに置くわ」

「ちぇっ……まあ、いいや。『ツインドライブ!!』、1枚目──『風伯童子 ハヤテ』、フロントトリガーゲットだよ! 前列のユニット全員にパワー+10000! 続けて2枚目──『スパークエッジ・ドラコキッド』、クリティカルトリガーゲットだよ!」

「フロントトリガーに続いてクリティカルトリガーまで!?」

「ふふっ、運が良いのは梨子ちゃんだけじゃないんだよ。パワー+10000とクリティカル+1はー……『妖剣の抹消者 チョウオウ』にプレゼント!」

「……え?」

 

 千歌ちゃんの発言を聞いて、私が疑問の声を上げていると、千歌ちゃんは『妖剣の抹消者 チョウオウ』に手を掛けながらニヤリと笑った。

 

「これは決してミスなんかじゃないよ、梨子ちゃん。何故なら、今から『妖剣の抹消者 チョウオウ』はもう一度立ち上がるから! 『妖剣の抹消者 チョウオウ』のスキルを発動! このユニットが(R)にいて、あなたのヴァンガードがアタックしたバトル終了時、相手の前列にリアガードがいないなら、CB1をする事で、このユニットをスタンドする。CB1を支払って……と、もう一度お願い、『妖剣の抹消者 チョウオウ』!」

「そ、そんな……」

「パワーが34000になった『妖剣の抹消者 チョウオウ』で『ソウルセイバー・ドラゴン』にアタック!」

「くっ……『夢の運び手 ベレヌス』でガード!」

「あーあ、防がれちゃった。まあ、いいや。次、パワー8000の『ライジング・フェニックス』がブーストした『ドラゴニック・デスサイズ』で『ソウルセイバー・ドラゴン』にアタック! この時、同じ縦列前列にの相手のリアガードがいないから、パワー+5000されて、合計パワーは25000だよ!」

「それも『夢の運び手 ベレヌス』でガード!」

「最後! パワー13000の『ブラットアロー・ドラゴン』でアタック!」

「それもノーガード! ダメージチェック──『閃光の イゾルデ』、ドロートリガーゲット! パワー+10000を『ソウルセイバー・ドラゴン』に与えて、カードを1枚ドロー」

「あーあ、倒しきれなかったかぁ。これでターンエンドだよ」

「……うん」

 

 千歌ちゃんの言葉に返事をした後、私はデッキの上のカードに手を掛けながらここからどうするべきかを考えた。相手の場にはグレード2が2枚いて、さっきフロントトリガーとクリティカルトリガーを引かれているから、下手にアタックをしてもダメージは与えられない。

 

 ……つまり、このドローに全てが掛かっているという事に……。

 

 緊張をしながらカードを引こうとしたその時だった。

 

「先導者よ」

 

 突然、『ブラスター・ブレード』さんが話しかけてきたので、私は少し驚きながらも小声でそれに答えた。

 

「どうしたんですか?」

「梨子殿さえ良ければなのですが、このターンは私の言う通りにファイトをしていただけないでしょうか」

「『ブラスター・ブレード』さんの言う通りに……」

「はい。手札には『あのカード』がありますから、後はこのドローで彼を引き当てられれば問題はありません」

「あのカード……」

 

 それを聞いて手札に目を向け、ある1枚のカードが目に入った瞬間、『ブラスター・ブレード』さんの考えが理解出来た。

 

「……わかりました。それじゃあ、お願いします」

「畏まりました。それでは……」

「はい」

「「スタンド&ドロー!」」

 

 そして、引いたカードを確認した後、私は聞こえてくる『ブラスター・ブレード』さんの声に従い始めた。

 

「天駆ける聖騎士、戦友と共に戦場を駆け抜けて! ライド! 『孤高の騎士 ガンスロッド』!」

「また強そうなユニットが……」

「ふふ、このユニットは実際強いわよ? まずは『フォース』の『イマジナリーギフトアイコン』を持っている『孤高の騎士 ガンスロッド』にライドした事で、私は『フォースⅠ』の『ギフトマーカー』を獲得し、これを前列の右側の(R)に置くわ。そして、『絶剣の騎士 リヴァーロ』を前列の左側の(R)にコールして、『絶剣の騎士 リヴァーロ』のスキルで山札から『ブラスター・ブレード』を前列の右側の(R)にコールしてシャッフルもして……と、千歌ちゃん、カットをお願い」

「はいはーい──はい、出来たよ」

「うん、ありがとう。さて、『ブラスター・ブレード』のスキルを発動して、『妖剣の抹消者 チョウオウ』を退却させるわ」

「う……これは結構困るかも……」

「困るのはそれだけじゃないわ。『孤高の騎士 ガンスロッド』のスキル。あなたのターン中、相手のヴァンガードがグレード3以上なら、『ブラスター・ブレード』がいるあなたの前列のサークルは(V)になる。更にあなたの(V)か(R)の『ブラスター・ブレード』全てのパワーを+10000する」

「って事は……3回ドライブチェックが出来るの!?」

「そういう事。続けて、『スターライト・ヴァイオリニスト』を後列の右側、『ディアコネクト・ドラゴン』を後列の左側の(R)にコール。『ディアコネクト・ドラゴン』のスキルでSC1──『世界樹の巫女 エレイン』、トリガーユニットだから、『ディアコネクト・ドラゴン』のパワーは+10000される」

「あ、あれ……梨子ちゃんのダメージゾーンに表のカードが無いし、これって結構ピンチ……?」

「さあ、行くわ。まずはパワー20000の『ディアコネクト・ドラゴン』のブーストを受けたパワー30000の『絶剣の騎士 リヴァーロ』で『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』にアタック!」

「だったら、『ドラゴニック・デスサイズ』のインターセプトと手札の『風伯童子 ハヤテ』でガード!」

「次。パワー8000の『ぽーんがる』がブーストしたパワー21000の『孤高の騎士 ガンスロッド』でアタック!」

「それは手札の『ボルテージホーン・ドラゴン』と『スパークエッジ・ドラコキッド』でガード!」

「『ツインドライブ!!』、1枚目──『ぽーんがる』、ノーマルユニットだから、そのまま手札に、2枚目──『月桂の騎士 シシルス』、これもノーマルユニットだから、そのまま手札に」

「…………」

「最後。パワー10000の『スターライト・ヴァイオリニスト』のブーストを受けた合計パワー50000の『ブラスター・ブレード』で『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』にアタック! この時、『ブラスター・ブレード』は『孤高の騎士 ガンスロッド』のスキルで(V)になっているから、『ブラスター・ブレード』のもう1つのスキルも発動。あなたのリアガードが4枚以上なら、このユニットのクリティカルを+1!」

「パワー50000のクリティカル2……そんなの受けきれないから、ノーガードするよ!」

「……わかったわ。ドライブチェック──『幸運の運び手 エポナ』、クリティカルトリガーゲット。パワー+10000とクリティカル+1は全て『ブラスター・ブレード』に」

「つまり、3点だね。ダメージチェック──」

 

 千歌ちゃんは落ち着いた様子でデッキの上のカードを捲ると、小さくため息をついてからそれを私に見せた。

 

「『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』、ノーマルユニットだよ。おめでとう、梨子ちゃん」

「……うん、ありがとう、千歌ちゃ──」

 

 微笑みながらお礼を言っていたその時、千歌ちゃんの肩の上にカイ君こと『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』がいるのが見え、私は思わず「ひっ!」と声を上げてしまった。

 

「梨子ちゃん、どうしたの?」

「どうしたもこうしたも……千歌ちゃんの肩の上、『ドラゴニック・カイザー・ヴァーミリオン』が乗っかっているじゃない!」

「そうだけど……あれ、梨子ちゃんにも見え──あっ、梨子ちゃんの肩の上に『ブラスター・ブレード』がいる!」

「……もしかして、『ブラスター・ブレード』さんの姿、千歌ちゃんにも見えるの?」

「うん。でも、さっきまでは見えなかったのにどうしてなんだろう……?」

 

『ブラスター・ブレード』さんの姿が見える事に関して千歌ちゃんが不思議そうに首を傾げていたその時、「ヨーソロー! 私の勝ちであります!」という曜ちゃんの嬉しそうな声が聞こえ、私達はそちらに視線を向けると、嬉しそうに敬礼をする曜ちゃんと少し悔しそうな表情を浮かべる詩羽ちゃんの姿があった。

 

「曜ちゃん達も今終わったところ?」

「うん! 梨子ちゃん達の方はどっちが勝ったの?」

「私よ。と言っても、結構危なかったけど」

「ふふ、そうだったんだ」

「ところで、次はどうする? 勝った方と負けた方で分かれる?」

「それは──」

 

 その時、スカートのポケットに入れていた携帯電話が震え出し、私は何事かと思いながら携帯電話を取り出して画面を確認した。そして、確認を終えた後、私はみんなを見回しながら声をかけた。

 

「ダイヤさんからで、一度部室に戻ってきて欲しいって」

「なにか連絡事項でもあるのかな?」

「そこまではわからないけど……とりあえず戻ってみようか」

「そうだね」

 

 全員で頷きあった後、私達は協力しながら片付けを行った。そして、デッキなどをケースにしまい終えた後、私達は話をしながら部室に向かって歩き始めた。




第2話、いかがでしたでしょうか。次回はどうするかまだ未定ですが、もしも曜VS詩羽のファイトが読みたいというご要望があれば、投稿していきたいと思っていますので、感想欄や作者のTwitterの方に書いていただけるとありがたいです。
そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
それでは、また次回。
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