ヴァンガライブ!   作:九戸政景

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どうも、星輝兵のスタンダード環境参戦を待ち望んでいる片倉政実です。
それでは、第3話を始めていきます。


第3話 第4の聖騎士

『スターゲート』の領土から飛ぶ事数十分、『ドラゴニック・オーバーロード』達は『ユナイテッド・サンクチュアリ』に所属する医療部隊である『エンジェルフェザー』のユニット達が日夜働く病棟へと到着した。

 

「着いたぞ、『ブラスター・ブレード』」

「あ、ありがとうございます……」

「礼などいらん。さて……まずは『エンジェルフェザー』のユニットの誰かに会わないといけないな……」

 

 そう言いながら『ドラゴニック・オーバーロード』が辺りを見回していたその時、「おや、そこにいるのは『ドラゴニック・オーバーロード』か?」という声が空から聞こえ、『ドラゴニック・オーバーロード』達が空を見上げると、そこには『エンジェルフェザー』のユニットである『特装天機(アークエイダー) マルクトメレク』の姿があった。

 

「『特装天機 マルクトメレク』か、ちょうど良いところにいたな」

「ちょうど良いところ……ああ、なるほどな。しかし、『ブラスター・ブレード』達は平行世界の私を含めた他のユニット達と共に姿を消したと聞いたが……戻ってきていたのか?」

「いや、この『ブラスター・ブレード』はどうやらまた別の世界から来た『ブラスター・ブレード』のようなのだ」

「なるほど……さて、まずはその傷を癒すとしよう」

「は、はい……よろしくお願いいたします」

「なに、患者を治すのが私達の使命だ」

 

『特装天機 マルクトメレク』は優しい声で『ブラスター・ブレード』に言うと、近くにいた『エンジェルフェザー』のユニットに声をかけた。

 

「『手当の守護天使(ファーストエイド・セレスティアル) ペヌエル』、患者を診察室まで連れていってくれ」

「はい、わかりました! それでは『ブラスター・ブレード』さん、失礼しますね」

「は、はい……」

 

 そして、『手当の守護天使 ペヌエル』に肩を貸してもらいながら『ブラスター・ブレード』が病棟の中へ入っていくと、『特装天機 マルクトメレク』は少し不安げな表情を浮かべた。

 

「しかし……平行世界の私達のどこへ行ったのだろうな。話によれば、『地球』に転送されたらしいが……」

「正確なところはわからん。だが、残された俺達にもやらなければならない事はある」

「そうだな。平行世界の『惑星クレイ』と合わさってしまった理由探しにこの状況の解決策探しに、とやることだらけだ」

「ああ」

「そういえば、『リンクジョーカー』のユニット達はどうしてる? 特に『星輝兵(スターベイダー)』達だが……」

「……言われてみれば、まだ姿を見ていないな……。後で『ハーモニクス・メサイア』達に話を聞いてみるか」

「それが良いだろう。彼らにも手伝ってもらえれば、この異変も解決へと近付くだろうからな」

「そうだな」

 

『ドラゴニック・オーバーロード』と『特装天機 マルクトメレク』が頷き合っていたその時、「探したぞ、『ドラゴニック・オーバーロード』」とその背後から大鎌を持った禍々しい雰囲気を纏った竜の姿をしたユニットが声を掛けると、『ドラゴニック・オーバーロード』は背後を振り返り、その姿に驚いた様子を見せた。

 

「『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』……!」

「ちょうど良かった。今、お前達の話をしていたところだ」

「私達の話……ああ、平行世界と1つになってから、一度も姿を見せていなかったからな」

「そうだな。それで、今回の件についてお前達はどう考えている?」

「ふむ、そうだな……まず、平行世界の『惑星クレイ』と私達の知る『惑星クレイ』を1つにしたのは、また別の平行世界の私達、または私達の力を得た何者かだと考えている」

「やはり、か……」

「まあ、どうやってやったかはまだわからんがな。そして、やった理由だが間違いなく侵略のためだ」

「侵略……だが、どうして私達の世界を含めた3つの世界を1つにしたのだ?」

「そうだな……あくまで予想にすぎないが、効率を考えた結果だろう」

「効率……だと?」

「ああ。1つ質問をするが、バラバラになっている物を早く集めたい時、お前達ならどうする?」

「バラバラになっている物をか……」

「それなら、どうにかして1つの場所まで集め……」

 

 そこまで言った時、『ドラゴニック・オーバーロード』がハッとした様子で『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』の顔を見ると、『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』は静かに頷いた。

 

「その通りだ。この場合、バラバラになっているのは、私達の世界を含めた3つの世界だ。だが、それを1つづつ征服して回るのは、明らかに効率が悪い。それなら、複数ある世界を1つにまとめ、そのまま征服してしまった方が明らかに楽だ。もちろん、1つにまとめてしまった分、得られる領土も減るが、恐らく欲しいのは領土ではなく、征服したという事実とこの先の戦力となる民草だ。よって、此度の主犯はそこまで考えた末にこのような状況を作り上げたのだろう」

「なるほどな……」

「つまり、この状況を作り上げた主犯は、3つの世界のユニット達をまとめて相手できる程の力を有しているという事か……」

「恐らくな。そして、これまでまったく出来なかったのに、急に『地球』とのコンタクトが出来るようになった理由、それは『惑星クレイ』自体が危機を感じ、『地球』にいる先導者に助けを求めたからなのだろう」

「ふむ……」

「しかし、ならばどうして『ブラスター・ブレード』だけは3人ともいなくなったのだ? 『ロイヤルパラディン』には『ブラスター・ブレード』以外にも強力な力を持ったユニットがいるはずだ」

「それなのだが……これも私の予測に過ぎないが、これは『ブラスター・ブレード』自身に眠る力と『ブラスター兵装』に何か鍵があると見ている」

「アイツ自身に眠る力と『ブラスター兵装』……」

「まあ、こればかりは私にもわからん。しかし、私と同じ考えに至っているユニットも少なからずいるはずだ」

「そうだろうな。ところで、先程俺を探していたような事を言っていたが、一体何の用だったんだ?」

「ああ、その事か。正確にはお前がここへ連れてきた第4の『ブラスター・ブレード』について知りたくてな」

「アイツについてか……そういえば、そろそろ治療が終わる頃だと思うが……」

 

 そう言いながら『ドラゴニック・オーバーロード』が病棟へ視線を向けたその時、病棟のドアが静かに開き、中から『ブラスター・ブレード』がゆっくりと出てくると、『ドラゴニック・オーバーロード』は安心した様子で『ブラスター・ブレード』に声を掛けた。

 

「『ブラスター・ブレード』、怪我はもう良いのか?」

「はい。『エンジェルフェザー』の皆さんに治して頂いたのでもう平気です。ところで、そちらは……?」

「コイツか。コイツは『リンクジョーカー』のユニットで、『星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン』という。なんでもお前から話を聞きたいとの事だ」

「私から話を……もちろん構いませんが、私はどうやら記憶を失っているようなので、あなたが求めているような情報を提供出来ないかもしれませんよ?」

「最悪それでも構わない。話している間に記憶を取り戻す事もあるからな」

「……わかりました」

「よし、なら早速行くぞ。『特装天機 マルクトメレク』、『ブラスター・ブレード』の診察代は……」

「あ……それなら、払わなくても良いと言われました。なんでも、今は緊急事態なのでそういった事をせずに診察をしているそうなのです」

「そうか。それなら、行くぞ。『ドラゴニック・オーバーロード』、お前はどうする?」

「そうだな……俺も『ブラスター・ブレード』の話を聞くとしよう。ところで、どこで話を聞くつもりだ?」

「『スターゲート』にある『リンクジョーカー』の領地だ。そこに『ハーモニクス・メサイア』達もいるからな」

「わかった。それなら、また俺の背に乗れ、『ブラスター・ブレード』」

「わかりました。それでは、失礼します」

「ああ」

 

 そして、『ブラスター・ブレード』が『ドラゴニック・オーバーロード』の背に乗ると、『ドラゴニック・オーバーロード』は『特装天機 マルクトメレク』の方へ顔を向けた。

 

「世話になったな、『特装天機 マルクトメレク』」

「このご恩はいつか必ずお返しします」

「ああ、期待している。皆、この先何が起きるかはまったくわからん。共に気をつけていこう」

「そうだな。ではな」

「ああ」

 

『特装天機 マルクトメレク』が返事をした後、『ドラゴニック・オーバーロード』達は飛び立っていき、『特装天機 マルクトメレク』はそれを見送ってから、ポツリと呟いた。

 

「……突然現れた第4の『ブラスター・ブレード』……まさかとは思うが、あの『ブラスター・ブレード』が私の考えている通りだとしたら、少し手を打っておいた方が良いだろうな」

 

『特装天機 マルクトメレク』は一人で頷くと、どこかへ向けて静かに飛び去っていった。




第3話、いかがでしたでしょうか。星輝兵 カオスブレイカー・ドラゴン以外の星輝兵達もこの惑星クレイ編では出していくつもりなのでお楽しみに。
そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので書いていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
それでは、また次回。
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