ヴァンガライブ!   作:九戸政景

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どうも、片倉政実です。ここではAqours編の物語を書いていきます。よろしくお願いします。
それでは、早速プロローグを始めていきます。


Aqours編
プロローグ


 夏休みのある日の事、私は幼馴染みであり生徒会長であるダイヤに手伝ってもらいながらいつものように理事長室で理事長としての仕事をこなしていた。

 

 Hmm……仕事を始めてから時間もそこそこ経つし、流石にそろそろ休憩が必要ね。

 

「ねえ、ダイヤ? そろそろ──」

「休憩が欲しい、と言うのでしょう?」

「Yes! さっすがはダイヤね! それじゃあ、さっそ──」

「ダメですわよ?」

「ええ!? どうしてよ!」

「鞠莉さんの事ですから、始まってからそこそこ時間が経ったから、休憩が欲しいと言うのでしょうが、実際は始まってからまだ一時間くらいしか経っておりません。休憩が欲しいのなら、最低でも後一時間は頑張って下さいな」

「後一時間って……マリーはそんなの耐えられないわぁ……」

「……あなた、それでもこの浦の星女学院の理事長ですの? ほら、そんな事を言っていないでさっさと終わらせてしまいましょう? 早くしませんとAqours(アクア)の練習時間になってしまいますよ?」

「それはそうだけどぉ……」

 

 はあ……こういう時、()()()がマリーお気に入りのコーヒーを持ってここまで来てくれないかしらね……。

 

 そんな事を思っていたその時、理事長室のドアをノックする音が聞こえ、「はい、どうぞ」と私はドアの向こうにいる人に向かって声を掛けた。すると、「失礼します」と言いながら少し青みがかった黒の長いストレートヘアに雪のような白い肌をした一人の女子生徒がホカホカと湯気を立てる二つのティーカップと湯飲み茶碗を一つ載せたお盆を持って理事長室の中に入ってきた。

 

「あら、詩羽(うたう)じゃない! ちょうど、貴女が何か持ってきてくれたらと思っていたところだったのよ」

「ふふ、やっぱりそうだったんだね。他のみんなと部室で『スクールアイドルフェスティバル』の事について話していた時にそろそろ鞠莉ちゃんが休憩を欲しがる頃だと思ってたら、他のみんなもそうじゃないかって言い始めたから、給湯室を借りてコーヒーと緑茶と紅茶を入れてきたんだ。因みに、紅茶は私ので果南ちゃん達がどうせ行ったら鞠莉ちゃんの話し相手になる事になるから、何か自分用のを用意した方が良いよって言うから、用意してきたんだ」

「私の分まで……わざわざすみません、詩羽さん」

「ううん、気にしないで。みんなの幼馴染み兼Aqoursのマネージャーとして当然の事だから」

「ふふ……ほんと、詩羽は自慢の幼馴染み兼マネージャーだわ。二年前の東京でのイベントの時も梨子に連絡を取って作曲の手伝いを頼んでくれたり、しっかりとしたManagementで精いっぱいサポートをしてくれたから、マリー達はちゃんとステージでPerformanceが出来た」

「それに、果南さんと鞠莉さんがお互いの気持ちを見せ合おうとしなかった時も千歌さん達と一緒にそうするように言って下さったおかげで鞠莉さんは何も思い残す事無く留学をする事が出来た。まあ……春頃になっていきなり帰ってきたのには驚きましたけど」

「留学をした事に間違いは無いでしょ? それに、私にとってはこの浦の星女学院やAqoursの皆の事が大事だったから」

「鞠莉ちゃん……」

「さて、そんな自慢の幼馴染み兼マネージャーが持ってきてくれたCoffeeを飲んだら、もう少し頑張りましょうか。皆だって待ってくれているんでしょうから、これ以上待たせるわけにもいかない物ね」

「そうですわね。後もう一踏ん張りですわ、鞠莉さん」

「Yes! 理事長の仕事をがんばルビィ! デース!」

「ええ──って、それはルビィの台詞ですわ!」

「ふふ、Sorry」

「まったく……あっ、詩羽さんもよろしければ座っていて下さいな。すぐに終わらせてしまいますから」

「うん、わかった」

 

 そう言ってから詩羽が配ってくれたCoffeeを一口飲んだ後、私が再び仕事に取り掛かろうとしたその時、机の上に置いていた電話が鳴り出した。

 

 あら、どなたかしら?

 

 そんな事を思いながら受話器を取り、私は電話に出た。

 

「はい、浦の星女学院です」

『あ、もしもし。私、ラブライブの運営委員会の者なのですが、お時間よろしかったでしょうか?』

「はい、大丈夫ですが……」

 

 そう答えて、運営委員会の人の話を聞き始めた。すると、それはとてもExcitingでWonderfulな内容だったため、聞いている内に私は次第にその話に引き込まれていった。

 

「……わかりました。それでは、Aqoursのメンバーにも話し、全員が了承をしたその時、こちらからご連絡差し上げますね」

『はい。それでは、失礼します』

「失礼します」

 

 そう言いながら電話を切った後、ダイヤと詩羽は顔を見合わせてから私に話し掛けてきた。

 

「鞠莉さん、どなたからでした?」

「なんだか楽しそうに話をしてたけれど……」

「……ダイヤ、詩羽。とっても楽しそうなイベントの情報が入ったわよ!」

「イベント……ですか?」

「Yes! 二人は『カードファイト!! ヴァンガード』っていうカードゲームを知っているかしら?」

「『カードファイト!! ヴァンガード』……ああ、やってはいないけど、名前くらいは知ってるよ」

「私は初耳ですわね……それで、そのカードゲームがどうしたのです?」

「なんと! その『カードファイト!! ヴァンガード』とラブライブが今度コラボイベントとして全スクールアイドルを対象にした『カードファイト!! ヴァンガード』の大会を開催するらしいの!」

「カードゲームの大会……もしかして、Aqoursにも参加しませんかっていう話が来たの?」

「That's right! これはまだチカッチ達にもオフレコでお願いしたいんだけど、この大会に出て優勝出来たら、その優勝チームの名前が大々的に紹介されるだけではなく、次の『カードファイト!! ヴァンガード』のアニメのキャラクターの声優の特別枠として選ばれたり、イベントへの出演の依頼をされたり、と『カードファイト!! ヴァンガード』に関連したPlayerをファンとして取り込む事も出来るのよ。どう? とてもExcitingでWonderfulな話でしょう?」

「それはそうですが……それは優勝出来たら、の話でしょう? それに、使うカードはどうやって集めるのです?」

「そんなのマリーにお任せデース!」

「……そう言うと思っていましたわ。ですが、本当に優勝が出来る望みなど……」

「それに……Aqoursの皆もやりたいと言うだろうし、μ's《ミューズ》とニジガクの皆にもこの話は伝わっていて、同じようにやりたいと言うに決まっている。それだけ魅力的なイベントなのに変わりないからね。それなのに、やる前から負けを認めても良いのかしら?」

「くっ……」

「さあ、ダイヤ。Let me know your answer(貴女の答えを聞かせて)

 

 私のその言葉にダイヤはしばらく難しい顔をしていたけれど、すぐに小さく溜息をつくと、諦めたような顔で静かに口を開いた。

 

「……わかりましたわ。やる前から無理だと言うわけにはいきませんし、そんなのは性に合いませんから」

「さっすがはダイヤ! 因みに……詩羽はどう?」

「うん、私も賛成。せっかくのイベント事だし、Aqoursや浦の星女学院の知名度を上げられるきっかけになるなら、私も精いっぱい頑張るよ」

「Great! それじゃあ、後は他の皆に訊くだけだけど……それは来週になるわね」

「どうしてですの?」

「なんでもそのイベントがラブライブのホームページで公開されるのが来週になるみたいで、公開されるまでその情報は極力漏らさないで欲しいと言われたのよ。それに……」

「それに?」

「こうやって隠し事をするのってなんだかスリルがあって良いじゃない?」

 

 その私の言葉にダイヤはポカーンとした後、また小さく溜息をついた。

 

「……鞠莉さんらしいですわね。まあ、そういう事なら私もルビィ達には内緒にしておきますわ」

「私も千歌ちゃん達には内緒にしておくよ」

「Thank you.それじゃあ、カードについてはさっきも言ったようにマリーがどうにかするわね」

「それはわかりましたが……皆さん全員が賛成するとも限らない中でカードを集め始めても最悪無駄になってしまうのではありませんか?」

「いえ、無駄にはしないわ。もし、誰か一人でも反対するならこの件は無かった事にするけど、カード自体はメンバー同士が交流を深めるために遊ぶ物として部室に残しておけば良いもの」

「……理事長が部室にそういった物を置いておく事を容認するのはどうかと思いますが……まあ、今回ばかりは良いでしょう」

「ふふ、ありがと、ダイヤ。という事で、この件についてはここまでにして、とりあえず仕事を片付けてしまいましょうか」

「そうですわね。それでは、詩羽さんはもう少しだけお待ち下さいね」

「うん、わかった」

 

 詩羽がそう言ってから紅茶を一口飲んだのを見た後、私は再び仕事に取り掛かった。そして、その際中、私はふとある事が気になった。

 

 ……それにしても、どうしてラブライブの運営委員会は『カードファイト!! ヴァンガード』の開発企業とのコラボを決めたのかしら? たしかにどちらもサブカルチャー的な物だから、相性は良いだろうし、お互いにファンを取り込みやすいとは思うけれど、レアリティの高いカードを集めるにはそれなりの費用がかかるし、集めたからといって必ずしも勝てるわけじゃない。つまり、全てのスクールアイドルを対象としたと言うわりには、行う前から参加できるスクールアイドルをふるいに掛けているような気がする。

「……つまり、欲しいのはただのスクールアイドルじゃない、という事……?」

 

 そんな事を独り言ちた後、私は私自身の考えに思わず笑ってしまった。

 

 ……まあ、考えすぎよね。そんなニジガクのせつ菜が読んでそうなComicにありがちな展開があるわけない。

 

「さて、そんな考えにはGo awayしてもらってさっさと仕事を片付けてしまいましょうか」

 

 そして、私は自分の考えを頭の片隅に追いやった後、目の前の仕事に集中し始めた。




プロローグ、いかがでしたでしょうか。楽しんで読んで頂けたならとても嬉しいです。
そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
それでは、また次回。
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