呼ばれた先には少女がいた。大体十歳前後だろうか?何とも言えないボロボロさだ。これはイジメの復讐か何かが願いの可能性があるな。まあ、ちょっと会話すれば俺の目的は達成出来るしそれでもいいけど。
「貴様が俺を呼んだマスターか?」
・・・反応が無い。おかしい。俺の言葉は能力によって絶対に伝わる筈だ。能力を切っていたか?いや、『世界言語』はパッシブだから切れることは意識していない場合以外ありえない。つまり何か俺の言葉以外のものに意識が取られていると見え得る。
「おい少女よ、聞こえているか?お前が俺を呼んだマスターか?」
「ふぇっ?えっ、はっ、えっと、多分そうれす!?」
「・・・まあいい。貴様の願いはなんだ?ほぼ全ての願いを叶えてやれるぞ?対価は必要だがな。」
噛んでいたことにはスルーしてやるか。それはそうと多分これ考えてなかったか、考えてたことが飛んでしまっているな。ちょっと待ってやるか。
「見たところ考えていなかったようだな?待っていてやるからじっくり考えるといい。」
「えっ、あっ、ありがとうございます!」
・・・待つと入っても何をしていようか?何も考えてなかったな。寝て待つのはなんか違うし・・・。
今の世界の常識でも確認するか?うんそれがいい。どうせ願いを理解するには最低限の常識が必要だろう。狂人ならその必要はなかったんだが・・・。この少女は壊れかけているが普通の子供のようだし。
しかし『世界之真理』では、そういう常識を確認するのは情報量が多すぎて不便だし、『座主権限』なんかは常識の方を変えてしまうから意味無し。
・・・適当に周りの人間数人の表層意識でもチラ見して確認するか?それするならそれ用の奴創って放てばいいし。そうだな、何某さとりの第三の目のみ、みたいな奴でいいか。コウモリの羽根付きで。
・・・・・・・・・。なるほど。大体俺の転生した時期と同じ感じだな。特に注意しなければいけない事は無い、と。
いや、良かった良かった。久しぶりの会話でクトゥルフ神話みたいな会話をしなければいけなかったら辛いしな!俺転生してからほぼ寝てたし、起きてても本(という体の『世界之真理』)を読んだり、適当なモノを創ったりしてたからな。前呼ばれた時は本当に喋る時間もなく潰れたし。まあ半分寝ぼけてる時に呼んだ方も悪い。
「あっ、あの!」
「む、願いが決まったか?ならば願いを言うがいい。」
「・・・本当にどんな願いでも叶えてもらえるんですか?」
「どんな願いでも、ということは出来ない。死者蘇生等は時間制限が有るし、他にも魂が既に転生していたり、変質してしまっていれば元に戻しても何かしら影響が残る。
過去の記録から完全再現してもそれが再現でしかなく、本人と呼べるがそうは思いたくないだろう?
過去の時間軸から持ってくれば本人であるが歴史が変わるし、世界に無視できない影響が出る。そこの帳尻合わせも含めれば対価は莫大だ。払えないものは売れないのと同じ、つまり無理だ。
逆に力が欲しい、誰かを呪いたい殺したい、出会いが欲しい、運が良くなりたい、等は比較的簡単だ。
力についてはその規模と種類、強度等によって変わるが問題ない程度。
呪いや殺害はもっと簡単だ。呪いならかけるだけ、殺す場合も殺った後の偽装だけ。対価は軽くなるだろう。
出会いや運は、その方向性にもよるが対価が多くなりやすい。単純な能力の行使ではなく継続的な加護に近いからな。俺が気に入ればその限りではないが、そうでない場合は何かしら付与をしなければいけないからな。特に出会い。」
「えっと、あの、その・・・。」
「どうした、何を躊躇う。俺は人間ではなく、貴様が恐れる事など俺への対価ぐらいの物。さあ、言ってみろ。」
「・・・ぼ、僕の!
僕の家族になってくれませんか!?」